どっきりアイドル桐愛−ライバルは光永?ー 読切


 −1− 光永 康代  光永 康代(みつなが やすよ)。桐愛と同じプロダクションに所属し て女のよごれを専門にやってるタレントがいた。  ただ桐愛とは違く、裸を出したことは1回もなかった..と言うより出 す必要がない、いわゆるブスアイドルであった。  その為、彼女の”よごれ”は男性若手アイドルにいろいろ変な事をして うけを狙う女よごれとしては最高の芸人であった。  先日も若手のシュニアグループの男の子たちの股間を思い切りつかんで 大問題になったばかりだった。  それに反して桐愛の方は前回のどっきりのミニコーナーが大評判となり 様々な大物男性タレントからオファコールをされるぐらいであった。  だが内容で考えると男風呂にタオル姿で突入して男性アイドルの腰タオ ルを取るとんでもない破廉恥なものだ。  だが持ち前の明るさと元気が逆にいいイメージを与え、内容の割にはい い感想しかこない状況であった。  ただ1部の若い女の子たちからは桐愛自身が胸やお尻を出して人気を取 ってる姿が嫌悪に思うのも多く、そんなにそのわざとらしい”よごれ”に 対して多くの批判が届いた。  そして身内にも同じ考えを持っている芸人がいた。  そうそれが光永 康代であった。 「ああーむかつくあの女!!何さ結局はAVの真似事じゃない。何がよご れよ!」 「あの光永さん。同じ事務所なんですから悪口は..」マネージャーが光 永を少し注意したが光永はかなり妬みを持っていたのであった。 「いつか必ずあの女に本当の”よごれ”を思い知らしてやる!」  だがそのチャンスは意外にも早く光永のとこにやってきたのであった。  −2− 新たなどっきりは?  光永が桐愛に対し妬みを持っている時、桐愛が出演してない他局の”元 祖ウルトラどっきり”からオファが来た。  その内容はよくある一般の素人をどっきりさせるものであり、その仕掛 け人に抜擢されたのであった。 「どうです?光永さん。光永さんらしいいい役でしょ?」  そのどっきりの内容はやはり定番ものでスキーヤーが用を足そうとした 時、その足してる部分がWCから飛び出て一般スキーヤーたちの笑いを取 るものであった。  そう名づけて滑る便器ドッキリであった。  前回もかっこつけの若者や堅物そうなおじさんが下半身丸出しで滑る姿 はかなりの視聴率をとった。  光永の「それじゃ!お仕置き実行ぉぉ〜」のドッキリスイッチを押すシ ーンも世間に好評だった。  ただ、回数が増えるとマンネリになってしまい、ここら辺で趣向を変え て欲しいと番組制作側から求められた。 「そんな簡単に思いつかないわよ..って言いたいけど!ねえ、どうせな ら1つ大胆などっきりを入れてみない?」 「大胆なものですか?」 「ええ、これは数字とれるわよ。桐愛を出すってのはどうかしら?」  光永は何かとんでもない事を企み、その内容をスタッフに告げた。 「いやいや、それはダメだよ。一応昔はアイドルだったし..」 「今はよごれよ。それに世間の一部ではそういう目に合わせてやりたいっ て女の子もすごく多いのよ。」 「・・・たしかにいい絵は取れますが事務所的にはOKでないでしょ?」 「大丈夫よ。うちはよごれ専門よ。こういう事なんか日常茶飯事よ。何た って私はここでは1・2の女よごれよ。私のやる事に文句なんて言わせな いわよ!」 「は・はあ、光永さんがそこまで言うなら私たちも首をかけてやって見ま しょう」 「さすが。それでこそ元祖魂よ」  スタッフが首をかけるどっきり、それは女性にしてはダメなドッキリを 桐愛にさせることだった。つまり、滑る便器ドッキリを桐愛がするという ことだ。  そう本来ならタブーとされてる女性の羞恥どっきりの第1号を桐愛にす る計画である。  そして着々とその羞恥などっきりが進められようとしていた。  −3− 光永の卑劣な流れ  冬のある日、桐愛と光永はある大きいスキー場にきていたのだった。  桐愛は光永が同局の別のバラエティー番組でやってる「負けたらあなた がレオタード」のコーナーのゲストとして呼ばれていた。  早い話し、光永とゲストが毎回勝負をして負けたほうが男女かかわらず 冬の寒い中レオタードになって寒い目にあうコーナーであった。  そうこれは桐愛にとんでもない目に遭わす為に無理にスケジュール調整 した本物の番組だ。  なので、桐愛は何も疑わず光永とさっそくレオタードをかけての勝負が 始まった。  だが相手は仮にも事務所の大先輩であった為、本気が出せずあっさりと 桐愛が負けてしまい、この寒空の中レオタードを着る羽目になってしまっ た。 「あーー寒い。寒いですっ。光永さん」 「でも桐愛ちゃん。寒いと言ってる割にはサポータつけてないわね。かわ いいポッチとうす黒いものが映っているわよん〜」 「あーん。それは言わないでぇぇ」(本当はサポータつけたいのに..)  実は負けて着替える時、光永に「あんた、私と同じよごれなんだからサ ポータなしで着なさいよ!」と言われたからであった。  桐愛は結局、この寒空の中、薄着のレオタードのままで10分近くトーク をするはめになってしまった。  こうしてコーナーを終わりスタッフも解散してる中、何か様子がおかし い桐愛が光永の所に足を少し小刻みに震わしながらやってきた。 「あのー光永さん。もう解散ですよね。私ちょっとお手洗いいきたくて」  そう、このあまりにも寒空でロケをやっていた為かなりの尿意が催して きたらしい。 「ええ。早く行った方がいいわよ。ほら早く!」 「はい。それじゃいってきます」桐愛は急いでロッジのトイレに向かった。 「ふふっ。さてそろそろ連絡入れますか」光永はロッジにいるスタッフに 連絡を入れた。  それは何と女子トイレを全て使用不可にするためであった。  そしてここから隠しカメラによる桐愛のどっきりカメラが始まったので あった。  隠しカメラからはめちゃくちゃ慌てている桐愛の姿が映ったのであった。  そして次々と使用不可となっている女子トイレを見てだんだんと慌てさ が増していった。  時たま股間を押さえてうずくまるシーンはモニタで様子を見ている光永 にとって心の底からざまーみろと言えるものであった。  だがここで漏らしたら何もならないのでそろそろ清掃のおばさんに化け てるスタッフが外のWCなら大丈夫と伝えると、桐愛は思い切り走って向 かって行った。  だが、このWCこそが例のトイレであり桐愛にとんでもない羞恥をあた えるものになるのであった。  −4− 滑る便器  外のWC、そこは丁度、山のてっぺんに人工的に作られたWCであった。  本来は男用だけだったが今回は女性用も追加されて作っていた。  桐愛もようやくそのWCを見つけて急いで女性用の所に入っていく。  だがこのWCの恐い所はどっきりが目的の為、隠しカメラやあちこちの 方向に設置されていた。  もちろん女性用にも高画質の隠しカメラが多く仕掛けられており、こん な所で用を足せばとんでもない所まで平気で映ってしまうだろう。  だが完全に慌ててる桐愛はそれどころじゃなくて、たった1つしかない やけに広いトイレに入るとレオタードを脱いでいったのであった。  そう実はこれも光永の企みであり、どうせならとことん恥ずかしい目に させる卑劣なワナだった。  そしてそのワナどおり桐愛は隠しカメラがあるここで全てを晒してしま う。まあ、実際は桐愛はそれどころじゃなく急いで全裸のままで便器にし ゃがみ用を足し始めたのだった。  かなり我慢してたのか、待ちかねた様に桐愛の尿道が思い切り開き、お しっこが出始めた。  かってのアイドルの放尿音がマイクで拾われてしまい、ぴゅぅっ!と初 めの小さな噴出しの後にすごい勢いの尿が出始めた。  じょおぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーー!! 「あらあら〜。元・アイドルがおしっこの音出しちゃダメでしょ!これは お仕置き実行ね!ポチッとな!」とドッキリスイッチを押した。  ウィィィーン。当然WCの前の壁があがり桐愛はびっくりした。 「えっ?えっ、ええええええっ!何で壁がぁぁぁ〜」  そう、外のカメラから便器に全裸で座っている桐愛の姿が映し出された。  しかもマイクで拾われた音声には、まだ桐愛の放尿音が続いていた。  しゃあああああーー。「!!!何なの?これ?ちょっと何これ?」  すごく焦る桐愛だが、用を足してる状態だったので動けずただ慌てるし かなかった。  そして突然!背中の方から大きなジェット音が出て桐愛のトイレはWC を飛び出した。  何と桐愛が座ってる特製便器は見事に雪を滑り始めたのであった。 「きゃああーちょっとやめてー」  桐愛は全裸で便器に座っている正面姿の状態で白銀の世界を滑っていく。  おっぱいも丸出しなので、滑り終えたあとも辺りは大騒ぎとなったのは 言うまでもない。  一応、番組の方では面白く編集をしてドッキリとしては成立したのだが、 この放映後、各局のワイドショーが一斉に事務所に集まり大騒ぎとなって しまった。   ==================各局内容=============================== 「いくらドッキリだからって若い女性を全裸で滑らすなんて一大事ですよ!」 「しかも、おしっこさせて便器滑りって!こんな下品な番組はダメだ!」 「こりゃ、光永さんも終わりだな..度を超してるよ!アウトだね!」 「さすがの桐愛ちゃんもこれはショック受けてるんじゃないか」 ========================================================= ==================街の声=============================== 「いい気味だと言いたいけど、あれはひどすぎるわ」 「あの局のドッキリは下品だね。あれもゴールデンだろ?」 「もう俺、光永がTVで出たらチャンネル変えてるよ!」 「あのレオタードのコーナー、面白かったのに..ガッカリだ」 =========================================================  そう、その様子を光永と桐愛は事務所のTVで見ており、ここは様子を 見守るしかなかった。  だが、今回も大物女性お笑い芸人のコメントで所で急に沈着し始めた。  数多くの番組MCをしている粂川よしみへのインタビューがきっかけで 一気に収まった。 「あんたら騒ぎすぎちゃう?うちの劇団のお笑いの方がもっと下品やで。 昔のTVならあんなの大した騒ぎにならんと思うけどな〜」 「いや、そう言っても便器スキーを女性にやらせるのはどうかと..」 「まあ、あれは正直、笑へんかったら、あかんね。けどな、うちは大爆笑 したから、ええと思うけど。された本人はどう思ってる?その辺聞いた?」 「まだ確認中ですが、桐愛さん自身は問題ないと言ってました」 「ならええやん。そういや、芸人通して耳に挟んだ話だけど、レオタード のコーナーは少し撮り直ししたみたいやで」 「それはいったいどういうことで」 「うちも見てないから何もわからへん。まあ、おしっこさせるのにつこう たコーナーなんて笑へんやろな。そっち見てから判断してもええんちゃう か?」 「はあ、わかりました」「確か、今日放映予定だよな..」  記者たちは今回のドッキリの仕掛けで使われたバラエティー番組を見て から判断することにした。  −5− 撮り直しは..  午後8時、視聴者は撮り直しがどうなったか、固唾をのんでコーナーが 始まるのを待っていた。  滑る便器ドッキリで流れた映像は正直、笑えないものになっていたので、 撮り直しがどうなっているか視聴者としては気になるところだろう。 ==================視聴者の声=============================== 「確かサポータなしのレオタードに着替える流れだったよな..」 「尿意を催すために無駄に長いトークしてたけど」 「このコーナーもきっと今日でラストになりそう..残念だ」 「ん?桐愛ちゃんが負けるとこまで同じ映像じゃないか!」 =========================================================  TV画面には、光永とレオタードをかけての勝負が始まり、桐愛が負け るところまでは同じだった。  この後は桐愛が更衣室へサポータ無しのレオタードを着替えに更衣室に 行くはずだったのだが.. 「さて、これから着替えてもらうんだけど、あんた同じ事務所の後輩なん だから、ここで脱ぎなさいよ!」「こ、ここで脱ぐんですかぁぁ〜」  どうやら、更衣室で脱ぐ流れを、その場で着替える流れになっており、 何と桐愛のストリップが始まった。  外で脱ぐ色気展開に視聴者はがっかりした。むしろ、こっちの方がひど くなってるじゃないかと誰もが思っていたのだが.. 「全部脱いだわね。じゃあ、このレオタードにさっさと着替えなさい!」 「は・はい..」と素直に着替えるのだが、視聴者はここで「いや、それ 海パンっ!」とツッコんだ。  しかも、桐愛本人が、わざわざ着替えてから「よしっ!クロールで記録 出しますよ!って!これ海パン!しかも男用じゃないですかっ!」と大胆 なモノボケが始まった。 「ごめんごめん。こっちだったわ」「寒いんですから、やめてください」  そう言って桐愛が着替えたのは腰みので明るい曲に合わせてフラダンス を踊ってみせた。 「ここ白銀っ!ハワイと違って寒いんですっ!」「ごめんごめんっ」 「そうそう、このバカには見えないレオタードで..いや、マッパはダメ でしょ!」「見えないっていうと、もしかしてバカ?」「こんなとこで裸 になってる段階で大馬鹿ですよ!」  この放映を見た視聴者は「こんな撮り直し、反則だろ!あっはははは」 と大笑いした。 「桐愛ちゃん、もう当たり前におっぱい出しまくってるよな」「結局2人 とも仲いいじゃん」「光永のこと、見直したぜ」  実は光永自身が桐愛のことを勘違いしていたようで、このドッキリがき っかけで妬みはすっかり消え去ったようだった。  逆に今では本気で可愛がるようになってしまった。 「桐愛ちゃんは私が守ってあげるからね。この業界、勘違い野郎が多いか ら私がしっかりとガードするわ。うちのエースを誰にもつぶさせないから」  こうして、光永という心強い味方も得た桐愛は、ますます人気があがっ ていき、ドラマやcmにも出始めたようだ。  しかも、粂川よしみにも気に入られ、劇団のお笑いに出ることになった が、こっちはかなり下品なこと(裸踊りや全裸ドジョウ掬いなど)をやら されたようだ。まあ、大爆笑ということで結果としては桐愛自身も納得し たらしい。 <完> ※ここまでの完成度が高い作品が、お蔵入りのままだったので、誤字脱字 だけ直して公開することにしました。


「どっきりアイドル桐愛−ライバルは光永?ー」完