エロエロ少女 みとら☆エロか? 読切


 私の名は鷺宮みとら。最近、変なウサギにつきまとわれて困っている。  それもこのウサギ、他人には見えないというやっかいな属性も持ってい た。 「ねえ、みとら。早くボクと契約してエロエロ少女になってよ〜」 「だぁぁ〜!何で私がそんな得体の知れないものにならなくちゃいけない のよぉぉ〜」 「君にはエロエロ少女の素質がある。それを活かさないでいるなんて勿体 ないじゃないか」 「勿体なくないわよ!そんな素質要らないわよ。大体、そのエロエロ少女 になってナニをやらせる気なのっ」 (どーせ、名の通り恥いことやらせるんでしょ!) 「?君は何か勘違いしてるね。エロエロ少女と言っても君みたいなペタン 胸じゃ男は満足しないと思うよ」 「!!こ・このぉぉぉ〜、人が気にしてることをぉぉぉ〜。どーせ、高校 1年になってもAカップのままですよぉぉ〜。こういうおっぱいが好きな 男だっていっぱいいるんだからね」 「貧乳はステータスって言いたいのかい?でも男はたゆんたゆんなおっぱ いが好きなんだと思う。たゆんたゆんってすっごく上下左右に揺れるんだ よ。最高だろ?」 「うるさいなっ、このウサギ!」「ボクにはエロべえという名がある」 「はいはい、エロべえ。大体、あんたの名からして怪しさ満点でしょ!」 「名は関係ないと思うけど、ボクは早く君と契約して世界を変えて平和に したいんだよ」  ああぁぁ〜、んもぉぉ〜!このウサギ、本当に胡散臭いよぉぉ〜。  エロエロ少女がどうやって世界を平和に導くっていうのよっ!  エロべえ曰く、世界中には多くのエロエロ少女が誕生して世界を変えて るっていうけど絶対嘘だ!嘘だぁぁぁぁ〜! 「いつまでも勘違いしていたら、それまでだ。君なら世界を変えられる。 避け様のない紛争も、テロも、全て君たちが覆せばいい。その為の力が君 には備わっているんだから」 「・・・だからっ!エロエロ少女ってものにそんな力があるわけないでしょ! 軍隊やミサイル!戦闘機や銃にどうやって歯向かう気よ。あんた何も考え ずに言ってるだけでしょ」 「君の方こそ、エロエロ少女を外見だけで判断してるに過ぎないよ。ボク と契約してエロエロ少女になれば全て分るさ。それに君にも利点があるよ。 代わりに君の願いを1つだけ絶対に叶えてあげるよ」 「!それが尚更、胡散臭いわよっ!どんな願いでも奇跡でも叶えてやるっ て!明らかに詐欺の常套手段じゃないの?」 「君は本当に疑い深いな〜。エロエロ少女は本当に世界を救うんだよ。君 もその内、ボクの言っていることを理解してくると思う」 「・・・いや、一生理解できないと思う」 (とりあえず、このウサギにはさっさと諦めて他の所へ行って欲しい)  そう、こんなくだらない会話をこの頃、毎日繰り返しているのだ。  このエロべえは私を絶対にエロエロ少女にしたくて仕方ないのだろう。  まあ、私もこんな話に乗るほど馬鹿じゃないけど.. 「おはよっ、みとら!おっ、今日もウサギいるじゃん。いい加減、エロエ ロ少女とやらになったらどーだ」 「おはよ、ゆあり。冗談でも言っていいものと悪いものがあるわ!ゆあり もエロべえが見えるんなら、ゆありが契約したらどう?」 「ボクとしては大歓迎だよ。エロエロ少女は1人でも多い方がいいからね。 どんな願いでも1つだけ叶えてあげるから契約してよ〜」 「あはははっ、どんな願いでも叶えるって〜。億万長者とか不老不死でも 世界征服でも言えば叶えるってことかぁ〜」 「それぐらいなら、お安い御用さ。君が本当にそれを望むのなら叶えてあ げるさ」 「・・・マジかよ..いやぁ〜、ここまではっきりと言われると反論する気 もねーな。まあ、あたいは今のままで十分だからそんなの要らないけど」 「私だって要らないわよっ。いい加減、このエロべえにはどっかに行って もらいたいわっ」 「それは無理な注文だ。ボクにとってはせっかく見つけたダイヤの原石だ。 契約をするまで去るつもりはないさ」 「・・・この居座りウサギめ..ああ〜、私とゆありしか見えないって言う のが悔しいわっ!警察に行ったって私たちが頭おかしいと思われちゃうし」 「そーだな。けど、あたい達しか見えないとこが変にリアリティがあるよ な..」 「なかなか良いこと言うね。そうだよ、ボクの姿が見えるのはエロエロ少 女の素質がある子だけなんだよ。つまり君たちは選ばれた幸運な人物さ」 「不運の間違いでしょ!ああぁ〜、いつまで続くのかしら..こんなくだ らないことが..」  そう、この時はまだ「くだらない」と言うことで済んでいた。  何故ならエロべえがとんでもないウサギと知ってからは笑えなくなって きたからだ。  1週間後、私とゆありの親友の桂子が血相を変えて話しかけてきた。 「ねえねえ、TV見た?総理が「パンチラ万歳〜」って言って解散したみ たいよ。パンチラ解散って言うことでマスコミは大騒ぎよっ」 「何よそれ?仲間の鳩の暴走で頭がおかしくなったのかしら?で、解散し た総理はどーする気なの?」 「何かアニメ聖地を巡礼するって言ってたわよ..それにしても最近、こ ういう事件が多いみたいなの」 「えっ?多いって..」 「先日も学校に立てこもった凶悪犯人グループが突然、「ブルマ最高〜」 と言っておかしくなったり、どっかの巨大テロ組織がいきなり萌え萌え集 団に鞍替えしたりと何かどっか狂い始めてるのよね〜」 「・・・何よ、それ..頭がエロエロになったってこと..ってまさか!」 「ん?みとら、何か思い当たることがあるの?」 「な・な・なっ・ないわよぉっ..ゴメン、ちょっと用事思い出しちゃっ て、また後でねぇぇ〜」だだだだっ...  私は急いで物陰に移動してエロべえに問い詰めた。 「ちょっと!まさか最近の変な事件、例のエロエロ少女って奴が絡んでる の?」「察しがいいね、みとら。そうさ、全てボクと契約したエロエロ少 女が動き始めたのさ。軍隊やミサイル!戦闘機や銃が何の役に立つのさ? それを操るのは人間だよ。その大元を操れば核兵器だって無意味になるよ」 「いやいや..それは無理でしょ!もし今回のがあんたのエロエロ少女の 仕業だとしても人類の数は70億近いのよっ。何人いるか分らないけど、無 理でしょ、どうみても!」 「ボクにしてみたら、たったの70億さ。現に1億2千万人のトップがあっさ りと陥落したんだよ。君が思ってるほど、エロエロ少女は甘くないのさ」 「・・・エロべえ、あんた何がしたいのよ。世界中を卑猥な世にでもしたい わけ?」 「君の考えはどうも恥ずかしい方向へ行きやすいんだね。エロエロ少女は 世界を卑猥にするなんてしないよ。障子をチ●ポで破るような馬鹿が政治 をする世界を作るつもりはないさ」 「じゃあ、何でみんなをおかしくしたのよ?」 「おかしくした?君は犯罪者や愚者の行為を正しいと思ってるのかい?ボ クはただ彼らの呪縛を解放させただけさ」 「解放?」 「エロエロ少女は悪しき欲<ネガラッテ>を全て回収し、代わりにエロエ ロな欲を与えるのさ。けど、それは卑猥な、非道なものじゃない。性犯罪 に及ばないエロ欲をかき立たせるのさ!それは、チラリズム最高とかスケ スケ最強とかを求めるようにするのさ」 「・・・いや..ある意味、最悪でしょ..」 「だから、エロエロ少女がエロエロなことをするわけでもない。卑猥な格 好をするわけでもないのさ。悪しき欲<ネガラッテ>だけ回収してくれれ ばいいのさ」 「悪しき欲<ネガラッテ>?よく分からないけど、何なのそれ?」 「簡単に言えば煩悩だね。支配欲とか独占欲、物欲など、いずれ悪しき方 向へ進むものの総称さ。文明病である欝もこのネガラッテが原因とも言わ れてる」 「つまり..えっと、要はそのネガラッテとやらを回収するのがエロエロ 少女ってわけ?」 「そうさ。だから、何の悪いこともしてない。むしろ良いことをしてると 思ってもいいだろう。ボクと契約したエロエロ少女は世界を平和にするた めに頑張っているんだよ。さあ、これで君も契約の素晴らしさを分っただ ろう?そろそろボクと契約してよ」 「・・・う〜ん」  何か話がとんでもない方向へ移ってきてるわ。てっきり、エロエロ少女 って言うからエロエロな格好してエッチなことをすると思ってたのに..  悪しき欲<ネガラッテ>を回収する?いや、代わりにエロエロな欲を与 えるっていうのも不味いんじゃないかな〜  つまり、残虐非道なテロ組織でもエロべえの手に掛かれば、絶対領域最 高ぉぉ〜って叫ぶエロ集団になるってことよね..  もしくは大量破壊兵器を作っている国が大量萌え萌えフィギュアを作り 始めるってこと?馬鹿みたいな話だけど..実現したらとんでもないでし ょ! 「さあ、ボクと契約してエロエロ少女になってよ〜。最高の希望というエ ロで悪しき欲が撒き散らす絶望を無くそうよ。世界中かエロエロになれば くだらない紛争も、怒りや憎しみ、あやゆる災いの元を無くすことが出来 るんだから〜」 「・・・って言うか本当にあんた、堂々ととんでもないこと言うわね..」  確かに考え方を変えてみれば、良いことかも知れないけど..相当胡散 臭いのは間違いない。って言うか、このエロべえの思想自体、異常すぎる んじゃないの?  やはり、今までどおり慎重に行かないとね!それにしても他にエロエロ 少女になった子がいるみたいけど、一体どうやって説得させたのかしら?  私がちょっと疑問に思ってる中、知らない人の声が響いてきた。 「それは簡単よ..そのウサギが人の弱みに巧みにつけこんだからよ..」 「えっ?誰..今の声..」 「ごめんなさい、あなたをエロエロ少女にさせたくないから忠告してきた の..はじめまして、鷺宮みとら。私の名は東伏見 るあか。今日からあ なたのクラスへ転校することになったからよろしくね」 「・・・よ・よろしく..」(なっ?何で私の名前を..) 「・・・やあ、東伏見 るあか。また君はボクの邪魔をしにきたのかい?」 「・・・」(そっか、あの子はエロべえの関係者か..じゃあ、まさか..) 「そう、私はそのウサギに騙されて契約したエロエロ少女。あなたが思っ てる以上、これはとんでもないものよ。他にも何人か要るけど、大体は選 択の余地がない所まで追い詰めて契約させるのよ。こいつはっ!」 「それはずい分な言い方だね、るあか。ボクは今まで誰も追い詰めた覚え はないさ。この国のトップをエロエロにした下落合 きあらもボクが契約 しなかったら事故で死んでいたんだよ」 「それがあなたの常套手段でしょ?命を救ってくれた下落合 きあらはあ なたの事を感謝してるみたいけど、あなたはそういう絶好の機会を上手く 狙っているんでしょ。確か、もう1人..絶望のどん底に落ちた天才少女 も救う形でエロエロ少女にしたはずよね?」 「彼女もボクによって救われた1人さ。ボク以外、誰も救ってくれなかっ たから、絶望のどん底に落ちたのさ。彼女は何の悪いこともしていないの に..世間のために頑張っていたのに絶望させるなんて実に酷い話だよ。 今はボクと契約して夢と希望に満ちているはずだ」 「・・・虫唾が走るわね..数千人近い悪党や犯罪者をエロエロにするのは 一見良いことに思えそうだけど、名前を彼女のノートに書いただけでエロ エロに変えられるなんて、どこのアニメのパクリなのよっ。そういう奇妙 奇天烈なこと実現可能にするだけで異常だわ」  いやいや..このエロべえって本当にとんでもない奴だったのぉぉ〜?  何か突然、いろいろ話してくる東伏見 るあかって子もかなり怪しい電 波さんだけど、話したことが真実なら不味いでしょ!  って言うか、このエロべえ、本当に隙が無い奴だよ。実は私もちょっと 傾いてしまった感があるから、危なかったかも..  とりあえず、すでに3人ほどはエロエロ少女にされたってことね..   「みとら、それにるあか!君たちは大事なことを忘れてるよ。この場に誰 かが居ない事に疑問を抱かないのかい?」 「!そ・それって、まさか..ゆありのこと?」 「しまった..上井草ゆありの事を忘れてたわ..」 「!?な・なんで、この子?ゆありのことも知ってるのっ」  まあ、それは後回しにして、どうやってゆありをエロエロ少女にしたの?  あのエロべえの口調じゃ、絶対に契約させてるよね.. 「そんなのも分らないの、みとら。上井草ゆありがいつも学校帰りにどこ に立ち寄ってるか貴女なら分るはずよね..」  って言うか、あんたどこの探偵だよっ!今日会ったばかりの子がどうし てそこまで分るのよぉぉぉ〜。  確か、ゆありは毎日放課後、不治の病に冒された幼馴染の看病に行って て、彼の完治をいつも願っていた。もう、あと数年の命って言ってたはず けど.. 「ボクの手にかかれば不治の病など一瞬で治せるのさ。言っただろう、ど んな願いでも奇跡でも叶えられるって。ボクと契約すれば不可能は可能に なるんだよ」 「・・・こういう奴よ。契約するチャンスがあれば必ず契約させてしまう.. 私がもう少し..この地へ早く来るべきだった..」  うわぁぁ〜、もうだんだん話しがすげー事になってきてますが..    とりあえず話をまとめてみると、ゆありがエロエロ少女になったってこ とが1点。そして、目の前にいる転校生が私がエロエロ少女になるのを阻 止するって感じかな?まあ、こんな事聞かされて、なるつもりはないんだ けど..  あとはエロべえが契約上手?ってことかな〜  って言うか読切で風呂敷を拡げすぎだろ..絶対後先考えないで書いて みましたって感じよね..  とにかく続編はないと思うけど、あったらきっととんでもない世界が待 っていると私は思う。 <完>


「エロエロ少女 みとら☆エロか?」完