露出王女−売られた王女− エピローグ
「あーあ。もうそろそろ城では私が亡くなるのね。これも自分のせいなの
ね。けどサクーマがあんな妹だったなんて悔しいわ」
「あんな妹ってどんな妹なの?姉さん?」
「こ・この声は!!サクーマ!!どこ?サクーマ!!」
「うーん。チョウさん。まだ妄想の方は直ってないみたいね」
「いや、マークナ先生。それはおれの分野じゃねえぜ」
(マークナ先生?えっ?あれはサクーマよね?)
「まあ、でもかなりあなたのおかげで落ち着いた様ね」
「へへっ。それはおれはプロの調教師だぜ。本当のわんちゃんにもしよう
と思えば出来るぜ」
「まあ、そういうのも程ほどにした方がいいわよ。チョウさん」
「へへ、まいるな。マークナ先生」
「じゃあ、後は私の出番ね。あとは私に返してくれるわよね?」
「うーん。まあけっこうもったいない子だが約束だからな」
「じゃあ連れていくからね。じゃあまたね。チョウさん」
「あっ。その前に1つ聞かせてくれねえか?その子よく見ると高貴の嬢ち
ゃんぽく見えるんだがまさかとんでもない人じゃないよな?」
「高貴な子がこんな事するわけないでしょ?それとももっと高貴なあの王
女さんに見える?」
「いや、そこまでは見えねえけど高貴なやつだとおれ自身がまずいんでな」
「大丈夫よ。ただの中流の嬢ちゃんよ。下民ではない所は確かなんだけど
ね」
「そっか。中流か。まあそこの成り上がりじじいがお客様だからこういう
子も出来るって事か」
「そういう事。じゃあまた何かあったらよろしくね。チョウさん」
「いや、こっちも頼むぜ。じゃあ気をつけてな。マークナ先生」
私は何がわからないうちにサクーマが呼んだ馬車の中に入れられたので
あった。
「ふう。どう?姉さん?わんちゃんになりそこなった気分は?」
「サクーマ?あんたまさか全て芝居を?」
「まあ、そういう事ね。でもあのチョウさんは本当の調教士よ」
「・・・さっきのマークナって何なの?」
「あれは私が平民として動いてる時の名前よ。私は学者だから姉さんと違
って自由に出来るからね。その自由を捨てる気はないわよ」
「・・・要するに私をだましたって事ね。サクーマ...」
「だってお仕置きって言ったら姉さん、開き直るでしょ?だからだました
のよ」
「私がどんな気分で耐えてたかあなたにはわかるの?」
「どんな気分って。この5日はほとんど快感を味わってたでしょ?」
「それはそうだけど...私がどんなに」
「・・・ごめん姉さん。でもね。これぐらいのインパクト与えないと姉さ
んの悪癖はすぐに再発するからやったのよ」
「再発?それって例の露出癖」
「そう、いくら城内でも毎日全裸でうろつく自分がいいと思ってないでし
ょ?」
「そりゃ、私もいろいろあってああなったのよ」
「そう、だから私も思い切った手を打ったのよ。今姉さん、城内で裸にな
りたい?」
「そんな事もうしないわよ。私は第1王女なのよ」
「でしょ?そうこれが普通なのよ。まあ確かに姉さんが苦しんだり、もの
すごく私の事を恨んだかも知れないけどこのパワーもけっこう性癖を高め
るのよ」
「・・・何か私をけなしてない?」
「ふふ。まあどっちにしろ元に戻ったんだからこれで5分5分って事でね」
「わかったわよ。とりあえず、今の私には少しやる事が出来たからね」
「・・・変態じじいつぶし?裸のわんちゃんを連れた?」
「プラス調教士の連中よ。あんなもんは道徳に反するわ」
「まあそうだけど、それは可哀相よ。わんちゃんの方が泣くわよ」
「何言ってるの?あんな姿で晒されて泣くわけないわ」
「でもあのわんちゃん達。実はみんな姉さんと同じ露出癖をもった子たち
よ」
「!!えっ?それってどういう意味?」
「まあ、ようするにギブアンドテイク。共存って言ってもおかしくないわ
よ」
「共存?あなた何がいいたいの?」
「要するに露出癖を持った子は思い切った露出がしたい。でも年頃の女の
子が裸でうろつけばとんでもない目に遭う。それぐらいわかるよね?」
「ええ。それはよくわかるわ。だから私も同じ城内でもそれなりの場所を
選んでたし」
「でも、そういう所がなければどんどんその性癖は高まる。結果としてか
なりのやばいことを性癖に負けてやってしまうのよ。どう?姉さん?」
「・・・私への文句?それって?」
「つまりよ。もしもそういう子たちに完全に安全な場を与えてくれる所が
あったらそういう子たちはどうする?」
「・・・・・まさかそれがあのわんちゃん?」
「ぴんぽーん。そう、あの調教士さんたちはそういう子たちを預かって一
応それなりの礼儀作法を教えて変な事をさせない身分の高い変態じじいに
渡すのよ」
「変な事をさせない?」
「そう、あくまで露出がメインでさせる変態じじいもそれだけを楽しむっ
て事が条件なの。もしかして姉さん。一生犬にさせられると思ってたの?」
「だって鎖はされたし。あんな乱暴にしてたのよ」
「それは姉さんの性癖を高める為よ。あういう人たちって相手によってい
ろんなパタンをしてくるのよ。まあ、姉さんの場合。変態じじいも同じタ
イプに渡されるわね」
「・・・・・」
「あとね。一応チョウさんのフォローで言うけどちゃんと定期的に自分が
渡したわんちゃんの様子は見てくれるのよ。ちゃんと条件どおりになって
るかを」
「ふう。わかったわ。今回は目をつぶるわよ。私も怒れる立場じゃないし
ね」
「さすが姉さん。じゃあ早く帰らないと。もう予定では城に帰ってるはず
だし」
「?あれ?私重い病気じゃなかったの?」
「たがが5日でそんな事しないわよ。姉さんは他の王国へ親善に行ってる
のよ」
「サクーマ!あんたって子は」
「まあ怒らない。けどこれでお父さんやお祖父さんはがっかりするわね」
「がっかりする方がおかしいわよ。まったく娘や孫娘の裸なのよ」
こうして私は無事に城に戻り、あれ程ひどかった性癖も出なくなったの
であった。
「サクーマさま。ありがとうございます。さすが名医師と呼ばれる程の治
療ですじゃ。じいはもう嬉しくて嬉しくてたまりません」
「はは。そんなに感動されても。姉ですもの。当然の事をしただけよ」
「ところでサクーマさま。いったいあれほどの王女さまの癖をどうやって
直したんですか?じいも今後の参考にもし良ければ聞かせてほしいのです
か」
「はは。大した事じゃないわ。男のじいにはちょっと難しい事よ」
(牝犬にして調教してましたって言ったらじいは一発で倒れるわね...)
「そうですか。でも直りさえすればじいは嬉しいですじゃ」
「・・・うーん。残念だけど直ってはいないわよ。この前も言ったけど」
「え?じゃあ、またあんな事をいつかやる事に?」
「それは大丈夫よ。あういう事はもうないわよ」
「・・・・?」
(そう、もう姉さんはあれじゃストレス発散できないもの。もう今度はそ
れなりの事させなくちゃ無理ね。まあ何とか考えてみるか。
よく考えるとけっこうこれって快感なのよね。はは..私はもしかして
逆の気があるのかしら?)
悩むじいを側ににっこりと微笑むサクーマであった。
<完>
「露出王女−売られた王女−」完