アイドル美由歌のお詫びイメージビデオ 前編


 卒業式の日、女子高生の茅野美由歌は自宅を出てから10秒で全裸で登校 することになった。  さっきまで着ていた制服も下着も投げ捨てて、学校へ向かう。周りには 通行人がいっぱい居るけど、美由歌の全裸登校姿に叱るものは出ない。  何故なら、破廉恥ではないからだ。いや、おっぱいもおま●こも出して、 素っ裸になっているのだが、いやらしいと思う人が1人も居ない。  その理由は次の音にあるようだ。  どっぱぁぁ〜んんんっ! 「って何回、私を落とせば気が済むのよぉぉ〜!私、もうすっぽんぽんよ」  どうやらこれは、お詫びイメージビデオのリクエストとして「美由歌の 汚しドッキリー着る服が無くなるまで続きますー」で全身泥だらけにされ てしまい、裸になったと告知しても誰も信じてもらえず、どっきりが続い ている様子だった。 (あ〜ん、泥落としたら、それはそれで大問題になるし、いつも裸になっ ても、どっきりが終わらないし..本当に周りの人たち、私の言葉を嘘だ と思ってるよぉぉ〜)  そう思うのも仕方ないことだろう。茅野美由歌は女子高生であり、人前 で脱ぐようなイメージもないのだから、要は彼女はきっと恥部隠しみたい のを付けてると誰もが思っていた。  そう、これがアイドル美由歌のお詫びイメージビデオなのだ。  茅野美由歌(かやの みゆか)は、かって人気子役として喝采をあびた ことがあった。高校生となった今でも容姿は色あせてなく、逆にスタイル が良くなったので、昔とった杵柄で再びアイドルを目指すことを決めたら しい。  そして、高校1年の時、父親の茅野正人と共に、有名芸能プロダクショ ンへ向かう。  どうやら、有名芸能プロダクション社長に、グラビアアイドルのイメー ジビデオの出演の打診を受けたからだ。  正人(47歳)は娘の美由歌を何とかして売り出そうとして必死になって おり、今回の仕事依頼はまさに渡りに船だった。  娘の美由歌は正直、成績が悪く、このままだと大学進学や就職が難しい と感じていたらしい。  しかも、あがり性でトーク力が無いので、なるべくなら喋らない仕事を 本人が希望している為、イメージビデオには向いているのかも知れない。  まあ、人前で肌を晒すのが苦手で男性経験が全くない美由歌にグラビア アイドルのイメージビデオが出来るかどうかは難しいところだろう。  プロダクションの事務所についた正人はまず、社長から掲示された契約 書を念入りに確認した。昨今のグラビアアイドルのイメージビデオは過激 路線のものが多いので、大事な一人娘を絶対辱めないように思っていたか らだ。  が、美由歌は新人扱いとなっているので多少の大胆撮影も受け入れなけ ればいけないのが辛いところだ。 (さすが一流プロダクションというとこか..販売数が半端ないな..娘 の知名度もあがるし..ここは受けるしかないか..) 「社長..本当にこの販売数でいくんですね..」 「もちろん、契約書に書いてあるんですから、嘘はつけませんよ」 「お父さん、私これぐらいなら平気だから..」  撮影内容を確認した美由歌は、問題ないと父の正人に言ってきた。 「お前が問題ないなら..受けてみるか」 「うん、お願い。お父さん」  こうして、茅野美由歌の第一弾イメージビデオの撮影が開始し、プロダ クションの宣伝も良かったらしく売れ行きは好調だった。 ====================================================================== <第一弾イメージビデオ:タイトル>  かっての人気子役「茅野美由歌」は高校生になりました。いろいろ成長 した部分を完全撮影!まだまだ当時の透明感は残っています。 <イメージビデオ概要>  未だに多くのファンが健在する美由歌ちゃんの今の姿を見たいという要 望に応えました。日常の美由歌ちゃんを全て見せます。当時の初々しさも 残っている透明感たっぷりの彼女の大胆な姿を笑顔と一緒にご覧ください。 ======================================================================  パッケージには大胆な撮影シーンがあると書いてあるが、実際は下着姿 を数秒チラリと見せる程度で、かっての人気子役が立派な身体に成長しま したよと宣言する程度だ。  ただ父親の正人としては、数秒間の下着姿でも破廉恥と感じてしまい、 その姿を見知らぬ男に見せたくないのが本音だ。なので、イメージビデオ が売れても素直には喜べなかった。  すでに第二弾イメージビデオの話もあがっており、社長が新たな契約書 を掲示してきた。 「今回の売れ行きはまあまあで、こちらも何とか赤字にならずにすみまし たよ」「えっ?赤字って..あんなに売れたのに..」 「茅野さん、今回のビデオの宣伝にどれだけ使ったか、ご覧になりますか? CMや番宣はあなたが思っている以上に費用が掛かるんですよ」  正人は社長から受け取った宣伝費の明細を見て驚いた。今回のイメージ ビデオの利益は殆ど宣伝の為に使ったようなものだ。 「娘さんの知名度をあげるためには、正直これぐらいの金は必要なんです よ。もちろん、かっての人気子役ということもあるので赤字は回避できま したがね」 「・・・社長、この第二弾の契約書が2部あるのは..どちらかを選べってこ とですか..」 「そういうことです。せっかく今回成功したんですから、こちらとしては 次も成功させたいんですよ」  早い話、第二弾は宣伝を最小限にして予約限定で確実な利益を出すか、 もしくは第一弾と同じに大宣伝して、販売数をもっと倍増させるかだ。  ただし、前者と後者では撮影内容の過激度が天と地ほどあった。 (※前者は下着姿すらも無し。後者は下着姿数秒に加え、ビキニ姿も有り) 「一度、娘と相談してもいいでしょうか..私の一存で決めるわけには」 「うむ、そうだね。出演するのは娘さんだし、じっくりと話してきたまえ」  この後で正人は娘の美由歌と第二弾の内容について話し合うことにした。 「・・・美由歌、お父さんは正直、第二弾は予約限定でいいと思う。破廉恥な 姿になってまで売っても仕方ないと思うぞ!」 「いや、そこまで破廉恥じゃないと思うけど..下着も数秒だし、ビキニ 姿ぐらいだよ」(親友の美佳ちゃんはプールで普通に着てたし..) 「いやいやいや!ビキニは破廉恥だ!お父さんはな、お前があまり肌を晒 すのが苦手なことも知っているし..まだ高校生だぞ」 「…苦手というか、それは中学の話で、今と違って胸も小さかったし..」 「ともかく高校生のお前が、ビキニや下着を晒すのは間違ってる!」 「でも、お父さん。普通の雑誌でもアイドルの下着やビキニは載ってるよ」 「ダメだ!破廉恥は認めん!父親として年頃のお前にこんな辱めをさせる わけにはいかん!」 「でもお父さん、私以外のアイドルの下着やビキニは喜んで見てるでしょ?」 「それはそれ!お父さんだって、まだ若いんだ。男として素直に喜ぶのは 当然だろ!もちろん、娘のお前で欲情するほど愚かな父親ではない!」 「それは分かってるけど..」  確かに正人が娘の裸で理性を無くしたことはない。美由歌の方も父親を 男として見ておらず、先日もお尻の虫刺されに薬を塗ってと風呂上りに全 裸で頼むぐらいだ。 「美由歌、こういうのはお母さんに頼め!お前も高校生なんだから裸で頼 んでくるなっ!」「だって、お母さんだと、お尻叩いて文句言うだけで塗 ってくれないし〜。自分だと上手く濡れないから..」「わかった..」 「じゃあ、お尻の穴の斜め下あたりで刺されてるようだから、塗って!」 「確かにこれは蚊に刺されてるな..ってお前、ボリボリかいただろ」 「痒かったんだもん!」「しょうがない奴だな〜」  正人はお尻を突き出す全裸の美由歌へ薬を塗っていく。もちろん、赤く 腫れてるところが、肛門の近くなので、美由歌のおま●こが丸見えなのは 言うまでもない。  こんな状況でも、お互い男女の意識をしないのだから、正人は娘のこと を大事に思ってるのだろう。  だからこそ、見知らぬ男に娘の下着姿やビキニ姿は見せたくないのだろ う。が、娘の言い分も男としては理解できるのが悔しい。 (まあ、保護者(兼運転手)として美由歌と女友達で海へ行ったときは、 美由歌以外は、すごいビキニをつけていたしな..おっぱいがこぼれそう だったけど、今はあれぐらい当たり前なんだろうな..)  ※ちなみに、このとき美由歌に「お父さんっ!みんなのおっぱい見過ぎ っ!娘として恥ずかしいよぉ」と怒られたらしい。 「お父さんっ?ぼーとしてないで、そろそろ答えだしてよ」 「はっ!す、すまん。そ、そうだな。下着姿は前回より少なめ!ビキニは 大き目で生地が分厚いビキニだったら認めよう」 「生地が分厚い大き目のビキニって普通の水着じゃ..」 「ともかく破廉恥を売りにするのは絶対にダメだ!そこは譲らん!」 「んも〜、分かったわよ。お父さんが認めるビキニならいいんだよね?」 「ああ、確認させてくれるならいいだろう。あと、ビキニを着て走るのは ダメだ!あくまで着るだけだぞ!」 「わ、わかったわよ。着るだけね..」  こうして何とか父親の承諾を得て、美由歌が高校2年になった姿をメイ ンとして、第二弾イメージビデオも撮影開始した。  一応、父親の希望通り、下着姿は前回の数秒より、さらに少なめに、ビ キニ姿も着ただけで終わるという清楚な内容となった。  いよいよ、販売数を倍増して発売となったが、今度は想像を絶するほど の大失敗となり、大量の売れ残りを抱えることになった。  失敗の原因はどうやら、前より過激とうたった割には普通のビキニにな っただけでファンの期待に応えられなかったせいである。  下着姿も高校生に相応しいもので、前より数秒少なくなった為、興奮す るレベルではなかった。  けれど、大損害が出たからって、プロダクション側が正人や美由歌に責 任を負わせることは一切なかった。 「すいません、社長。こんな結果になってしまって..」 「まあ、君たちのせいじゃないよ。こちらの戦略ミスなだけさ。君たちに はちゃんとギャラも出すし、賠償を要求することもないから安心したまえ」 「あ・ありがとうございます」 「あ・あの..社長..ずうずうしいことを聞いてよろしいでしょうか?」 「何だい、美由歌ちゃん。お金の事なら本当に何も心配しなくていいんだ よ」 「損害を出してこんなこと聞くのはおかしいですけど、もしかして次の作 品の機会は無いってことですか?」 「美由歌、お前..」 「まあ、そうなるね〜。今回の赤字は何とかなるけど、続けて赤字を出す わけにもいかないし、美由歌ちゃんのイメージビデオは今回で打ち切りと なるね。まあ、君が借金を背負ったわけでもないんだから、これからは普 通の女の子として頑張ってくれたまえ」  美由歌は社長の答えにしばらく黙っていたが、何かを決意したかのよう に社長にこう言ってきた。 「あ、あの..こんな大損害を出した私が頼むことじゃないのは分かって ますが..次のチャンスをくれませんか。第三弾をお願いできますか!」 「美由歌、何を..」 「お父さん、今度こそ私、ファンの期待に応えたいの..」と顔を真っ赤 にして話してきた。 「ファンの期待って..お前まさか..」 「社長、第三弾は..ファンの期待に応えるように作ってください..そ れが..たとえ..どんな..要求でも..私、頑張りますので!」 「う〜む、なるほど..そういう決意があるなら、こちらも大博打を打ち ましょうか。どうですか、茅野さん?」 「ぅぅ..しかし娘はまだ高校生なので..」 「もちろん、それも十分承知してますよ。そうだ、今回の契約書は私が美 由歌ちゃんに確認しながら作るとしよう。美由歌ちゃん、ちょっとの間だ け、2人だけで話をしていいかな?」 「は・はい..お願いします..お父さん、安心して。ちゃんと話してく るから」「ああ、わかった..」  直接2人だけで話すのに納得いかない正人だったが、目の前に置かれた 損害額を見ると、そんな文句を言える立場でもなかった。  2時間後、社長が契約書を持って美由歌と一緒に帰ってきた。 「それじゃ、契約書の内容を確認してくれたまえ。問題があったらすぐに 修正しよう」 「わ・わかりました..拝見します」 <契約内容>  ・18歳である内は恥部の映像は絶対に流さない。ただし、ここで言う恥   部とは乳首と秘部のことだけを指す。  ・性行為、及び疑似的な性行為は一切させない。ただし、ここで言う性   行為とはセックスのことだけを指す。  ・第三弾の制作現場には父親の立ち入りを厳禁とし、女性マネージャー   が全てを管理する。  ・美由歌当人に仕事の拒否権があり、プロダクション側が強要をしては   ならない。  ・最後に、第三弾のイメージビデオはファンの意見を積極的に取り入れ   て、出来るだけ応えるように努力する。 「こんな感じでどうかね。こちらとしても損害を出したからって変なこと をさせるつもりはないのだよ」 「・・・そうですね、娘が納得しているなら、判を押します」 「お父さん、私なら..平気だから。だから、受けて欲しいの」 「・・・わかった..」(内容が曖昧すぎるが..仕方ない)  このままじゃ娘が2度とTV業界にカンバック出来なくなることを恐れた 正人は渋々、次の撮影を受けることにした。  もちろん、今度の第三弾のイメージビデオは相手の思うがままになり、 正人は悔し涙を浮かべながら契約書に判を押した。 (娘はこれから何をさせられるんだ..ちゃんと契約を守ってくれるんだ ろうか..)  1ヵ月後、第三弾のイメージビデオは、第二弾のお詫びビデオとして、 父親の正人すらも確認できない形で、極秘裏に撮影されることとなった。  正人の通帳には信じられない額の前金が振り込まれており、とても大損 害を出したアイドルが受け取れる額ではないのは分かった。  この額にあった撮影を娘がしてると思うと槍で全身を貫かれたような辛 さが襲ってくるようだった。  そんなある日、美由歌のマネージャーから連絡が入り、もうすぐ高校を 卒業する美由歌が今日からTVの番宣を開始するので確認してくださいと 言われた。 「えっと、TV東●の夜10時からだったな..新人の美由歌がこんな人気 番組に出させてもらえるのか」  美由歌が番宣する番組は有名な地域情報バラエティ番組であり、正人が 安心して内容を確認できるはずだった。 「あれ..美由歌はいつ出てくるんだ?ゲストには居ないが..」  この番組はいろんな地域にスポットを当てて紹介してゆく内容であり、 美由歌はこの地域のベスト10を直に紹介する役として出ていた。 「ちょ・ちょっと待った..今回は温泉地で有名なとこじゃないのか!」  TVには美由歌が10位の場所に向かうところから始まった。  正人の恐れたとおり紹介するのは温泉であり、番組ナレーションに合わ せて透明感ある清楚なワンピースで温泉宿の中へ入っていく。  宿の中では、美由歌自身がナレーターとなって脱衣所へ向かっていくと 画面に向かって正人が大声を出した。 「!!これはいつもの展開だ!美由歌、この先の注意書きを読むなぁぁ〜! お願いだから、読まないでくれぇぇぇぇ〜!」  いつもなら、”タオル厳禁”待ってました!と大喜びする正人だが、今 日ほど悔しい思いをしたことはなかったのであった。


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