最終話「屈辱のポーズ」


 激しく突き刺さる視線を浴びながら、ようやく美沙代はデッサン台に辿 り着いた。  これでもう後戻りは出来ない。デッサン台は高さ50cmの白い円形台なの で、椅子に座っているクラスメイトからじっくりと見られることになるだ ろう。  美沙代が足をかけて台に登ると教室は再び静寂に包まれる。  まるで公開処刑台の上に立つようなものだ。美沙代の身体が小刻みに震 えてる。  美沙代は何も出来ずただ直立不動のままで一回、周りを見回した。 (ああぁ..私、これからどうすればいいの?)  おそらく何かしらのポーズを取らなければいけないはずだ。どんなポー ズをしたらいいか聞きたいが身体が震えて声が出ない。  震えがますます大きくなる美沙代を見て、美術の先生の高野が不信感を 抱きながらこう言ってきた。 「おい、舞川。お前、もしかして脅されてやってないか?」 「えっ?」 「いや、お前がこんなことをするなんて不に落ちなくてな」  どうやら高野は、舞川がイジメを受けて辱めを受け入れたように見えた らしい。ぐうたら先生と呼ばれてはいるが、イジメ問題は放置するわけに はいかないのだ。 「あ・あの..別にイジメなんて受けてません..これは私の意志で..」 「本当にお前の意思か?そんなに恥ずかしがってる割には手で隠さないし、 真面目なお前がヌードデッサンを志願するのも変だしな〜」 「それはその..えっと..」  まさか「私は露出狂なんです」とは言えず、美沙代が答えを出せずにい ると高野は藤子の方へ顔を向けて聞いてきた。 「おい、水宮。本当にイジメじゃないんだな?先生、お前たちを信じてい いんだな」と藤子が脅してる前提で高野が確認する。 「やだな〜、先生。私と舞川さんがそんな関係に見えるんですか。まあ、 この状況じゃそう見えちゃいますね。それじゃ、証拠を見せますか?」 (えっ?藤ちゃん、証拠って何なの?まさか私の露出癖を..)  自分の性癖がばらされてしまうのかとドキドキする美沙代を見ながら、 藤子はあるチケットの半券数枚を財布から取り出してきた。 「先生なら、このチケットが何かご存知ですよね?ここ数ヶ月開催された 幾つかの美術展の半券です」 (美術展?どういうことなの?) 「お前ら、これを見に行ったのか..なるほど..それなら納得いくな」 (納得?それは藤ちゃんが1人で行ってきた美術展よね..そんなのが証 拠になるの?) 「私はあんまり興味ないんだけど、1人だと恥ずかしいからって舞川さん に強引に連れていかれたんですよ〜」 「まあ、分かる気はするな。どの美術展も裸婦画が多かったしな..つま り、舞川はこういう芸術に関して偏見がなく、ちゃんと理解できるってこ となんだな」 「そうなんです。舞川さんは有名な裸婦画を見ながら、ちゃんとした芸術 なら裸婦画を描かれてもいいと言ってましたから。けど、そんなこと口に したら変な疑いをかけられるので内緒にしてたんですよ」 「変な疑い?」 「裸婦画やりたいなんて口にしたら、それって露出狂みたいでしょ!誰だ って、舞川さんって実は露出癖あったんだ〜!って思うでしょ!」 「そうだな。そう勘違いされるだろうな。内緒にするのも納得だ。要は、 芸術のために裸婦画をしたかった!そういうことだな、舞川?」 「は、はい..水宮さんの..言う通りです..」 (ぅぅ..露出癖がばれるより..いいよね?それでいいんだよね、藤ち ゃん?) 「なるほど..それじゃ、もしヌードデッサンを他のクラスでもやるなら 舞川がモデルになるってことか?まあ、それはしないが、実際のところ裸 婦画のモデルを探してる知り合いには紹介したいところだが..」と高野 は本気気味で言葉を出してきた。 「それは舞川さんに直接聞いたらどうですか?こういうのは本人の意思な んですから〜」  藤子は「どう答えるか分かってるわよね?」と暗黙の了解を美沙代に送 ってきたのであった。 (・・・分かったわ..露出狂をばらされるよりマシだもの..)  美沙代は藤子が気に入る答えを自分で考えて答えることにした。もちろ ん、その答えを言ったら後戻り出来ないことも重々承知していた。 「先生、水宮さんの言う通り、私はちゃんとした芸術のためなら裸になっ ても構いません。・・・も、もし良かったら、不公平感や誤解を生まないよ うに他のクラスでもヌードデッサンをお願いします。その時は・・・わ、私、 舞川美沙代が・・・は、裸になることを・・・約束します。あと、裸婦画のモデ ルとして・・・どんどん私を紹介してください」 (あぁ..こんな恥ずかしいこと言うなんて..本気にされたら私..)  が、この美沙代の言葉を聞いて不機嫌そうな顔をしていた一部の女子た ちは気が晴れたようだった。 「あーあ、舞川さんったら、これで全クラスで裸を晒すことになったわね」 「ぷぷっ、男に芸術なんて理解できるわけないじゃん。おっぱいとおま● こをじっくり見たいだけの口実なのよ。まあ裸婦モデル頑張ってね♪」 「パパに頼んで今度の地元の写生大会でも裸婦画提案しちゃおうかしら〜。 参加人数が少なくて困ってたけど、舞川さんが一肌脱いでくれたら大盛況 間違いないわ〜」 「ふふ、あの子たちもすっかり上機嫌になったようね」と藤子が微笑みを 浮かべながら次の言葉を出した。 「先生、これでイジメの疑いも晴れたようなので授業の続きをしてもよろ しいでしょうか?」 「ああ、すまん。そ・それじゃ、デッサンを始めるとするか。舞川も構わ ないか?」 「は、はい。どうぞ、始めてください。ところで先生、わ、私は..ど、 どんなポーズを、と、取ればいいんですか?先生の言うとおりのポーズで、 か、構いませんので、指示してください」  美沙代がどんなポーズでもすることに男子たちは心の底から興奮が湧き あがった。  そして、ポーズを要求した美沙代の身体から力が抜けていく。  クラスメイトの前で、男子たちの前で、意識して閉じていた足が開き始 めたのであった。  高さ50cmの白い円形のデッサン台に乗った美沙代の足は男子たちを焦ら すかのようにゆっくりと、じわじわと魅せながら開いていく感じだった。 (あぁっ..足を開いたら..みんなに見られちゃう..いやぁぁぁぁっ)  どうやら本人の意思を無視して開き始めており、心の中で叫び続けても 足の方は台いっぱいまで開き、恥丘の真下の部分まで覗けるようにしてし まった。 「うおぅ、マジか」「ひ・開いたぞ..」  自分から、おま●こが覗けるようにしたことに、男子たちはどう行動し ていいか迷っていた。 「も・もお我慢できねー」「俺もだ」  女子たちの手前、必死に自制していた男子たちだが、美沙代のおま●こ の前には理性を抑えつけることが出来なかった。  数人の男子がデッサン台にどっと押し寄せて、至近距離で美沙代の股間 を視姦してきた。 「すげぇ..舞川のま●こがモロだぜ」「ヒダまで見えるぞ。チキショォ」 「おいおい、ま●こ変化してねーか」「ああ、開くんじゃないかぁ」  そう、開いた股の間からは今まで絶対に見ることの出来なかった陰唇が チラチラとし始める。  さらに陰唇の上側のクリトリスが膨らみ、包皮を捲りあげようとしてお り、割れ目の間からピコンッと飛び出たピンクのクリトリスの頭部に美沙 代が少し喘いだ。 「はぅんっ..」(やだぁぁ〜、クリトリスが膨らんできてる..)  そして、ピンクのクリトリスは男子たちが注目している前でどんどん包 皮を捲って表に出てしまった。  充血したピンクのクリトリスは見事に膨らんでしまい、包皮が戻ること がないだろう。  美沙代はおま●こだけではなく、肛門やピンクのクリトリスまで男子た ちに晒してしまった。  本当は今すぐにでも足を閉じたいのに、足が石像のように固まって動か せない。露出狂としてのもう1人の自分に身体を完全に乗っ取られた感じ だ。 (こ・このままじゃ気がおかしくなっちゃう..早く、ちゃんとした授業 にしなくちゃ..)  全身を真っ赤に染めた美沙代がやっとの思いで、ポーズの催促を教師の 高野に言うことが出来た。 「・・・せ・先生。私はどんなポーズを取ればいいんですか?」 「えっ?あ、あ、ああー、えーと..」高野はあまりにも美沙代が大胆な ことをしてしまったことに動揺してしまい、ポーズを考える思考状態では なかった。 「せ・先生..ポーズを..」「ちょ・ちょっち..まってくれ..」  慌てふためいている高野。その高野に藤子が立ち上がって、とんでもな い事を提案してきた。 「先生〜。ポーズは推薦者の私が決めていいですか?推薦した時から私の 中にしてもらいたいイメージがあったので」 「!ああ..そ・そういう事ならいいだろう。舞川もそれでいいか?」 「・・・ええ、水宮さんの言うポーズで構いません」 (藤ちゃんったら、何をやらせる気なの..) 「ありがと、じゃあ〜最初は軽めのでいこーか」 「軽め..それってどんなポーズですか?」 「えっとね。なるべく舞川さんが疲れないポーズがいいと思ったのでまず はそのデッサン台の上で座ってちょーだい」 「わ・わかったわ..」美沙代は藤子の指示通り、両足を斜めにした女の 子座りで座り、両手を股に沿えたポーズを取った。 (やっと..一番恥ずかしいところを隠すことが出来たわ..ありがと、 藤ちゃん)  これで、おっぱいだけは晒されるが大事な所は隠せるので美沙代は少し ホッとした。 (このまま座るポーズで終わって欲しいわ..だって、男子たちがジロジ ロ見てきたせいで、あそこが少し濡れてきたし、立ったままだと恥ずかし い汁が垂れてくる所だったわ)  愛液を垂らして感じるのをバレずに安心した美沙代だったが実際はそん な甘くはなかった。 「舞川さん。そろそろメインのポーズに移っていいかな?」 「え?メインって..もしかして立つの..」(藤ちゃん、立つのだけは 勘弁して..) 「大丈夫よ。座ったままでいいわ。足を動かしたいだけなんだけど」 「ホッ、それなら構いません。どんな風に動かすんですか?」 「じゃあ、その両足を今度は斜めじゃなく左右に開いた感じにしてくれな いかしら?」 「えっ!?さ・左右って?どんな風に..」 「座ってる状態だからM字型がいいわね。わかる?どんなのか?」 「!!え・M字型って..ま・まさかっ、アルファベットの?」 「ええ、そうよ。両足を正面からMの字に見える様に開いて。もちろん両 手は後ろ側についてね」  藤子が今の台詞を出した途端、クラス内にどよめきが走った。と言うよ り当然の結果であろう。  藤子は今まさに美沙代に対してビニ本のモデルの姿みたいにさせようと してるからである。  男1 <お・おいっ!水宮!お前それはまずいぞっ>  女1 <そうよっ。そんな格好したら舞川さんのあれが見えちゃうわ>  男2 <M字はさすがにやりすぎだぜ>  女2 <美沙代が可哀想すぎるわ。藤子ったら何を言ってるのよ>  次々と美沙代に辱めをさせない声が出てくる中で藤子が平然として理由 を言ってきた。 「あのね〜。私は別に舞川さんをいじめてるわけじゃないのよ!よく考え てみなさい。あの学園ベスト5の舞川さんがパンティまで脱いでここまで したのよ!中途半端のポーズじゃパンティを脱いだ意味ないでしょ?」 「で・でも、水宮さん。それでもM字はやりすぎよっ」 「そうかしら?だって見てみなさいよ。せっかく、こんな綺麗な試写体な のよ。全て見せなくちゃ、脱いだ甲斐もないでしょ?」 「それでも舞川さんの気持ちを考えてあげてよ。水宮さん?」 「気持ちもなにもこれはちきんとしたデッサンだし、女性の大事な所を描 く機会なんてほとんどないわよ。不純な考えさえしなければ問題ないわよ。 ねえ?舞川さん?」 「えっ..」(藤ちゃん..何で私に聞くのよぉぉ〜)  クラスの大半は、美沙代にそこまですることはないという表情を見せて いる。デッサン台にかぶりついている男子たちも、かなり悔しそうな顔を しながらも、M字型はやりすぎだよなと言ってきた。 (ど・どうしよ..で・でも、やっぱM字型なんて無理ぃぃ!ここはやっ ぱ断固、断るしかないわ)  最終判断を任された美沙代。何とか理性を振り絞って、このままのポー ズでデッサンを続けてもらようと言おうとしたが、口に出た言葉は全く違 うものになった。 「・・・あ、あの...私は..み・みんなが不純な考えではなくきちんと デッサンしてくれるなら..水宮さんのポーズに従います」  この言葉を聞いた男子たちが、手のひらを返したかのように一斉に美沙 代の股間に視線を向けてきた。  男子の誰もが待ってましたと言わんばかりの喜びの顔へなっていき、藤 子の言葉に期待を寄せていた。 「どうやら、みんなの答えは一致したようね。やっぱ、パンティ脱いだん だから全て見せなくちゃね〜」  そういうと藤子が細かいポーズの指示を出すためにデッサン台へ歩いて くる。全員が注目する中で藤子が美沙代の耳元で衝撃の言葉を出してきた。  ぼそっ。<いつまでカマトトぶっているの、この露出狂がっ!> (ふ・藤ちゃん?い・今のどういうこと..)  ぼそっ。<さっさとしないと全てバラすわよ。露出狂の変態さん> (!な・何、バカなこと言ってるの?藤ちゃん..どうしちゃったの?)  態度が豹変した藤子に理由を聞こうとした美沙代だったが、当の藤子は さっさとデッサン台から離れて笑顔でこう言ってきた。 「どうやら舞川さんも納得してくれたようなので、さっそくメインのポー ズにいきましょう。じゃあ、手を股からどかして左足を動かしてね〜」 (藤ちゃん..いったい何で..けど、今はやるしかないのね..) 「は、はい..今から、お股を・・・ひ、開きます」  藤子に言われるがままに美沙代の手が股間から離れて、左足からM字型 のポーズに移っていく。  再び露となった美沙代のおま●こに男子たちが奇声をあげて喜んだ。  やはり、男子たちにとっては学園ベスト5に入る美少女のおま●こは正 直、見たくてたまらないのだろう。  美沙代はそんな男子たちの欲望の視線を感じながら、右足の方もM字型 の体勢に持っていく。  言うまでもなく、M字型となった美沙代のおま●こは丸出しとなり、あ げくには愛液を垂らし続けてる姿も晒されてしまった。  もうこれで藤子が露出狂とばらさなくても、美沙代がおま●こを見られ て愛液を溢れ出す淫乱な女性ということが全員に知られてしまったのであ ろう。 (もう、これで全て終わりだわ..明日からは皆に露出狂として扱われる 日々が待っているのね..)  美沙代は天井を見上げ、これから起こる悲劇を考えた。が、その悲劇が 喜劇と変わるとは、この時の美沙代は思いもしなかったのであろう。


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