第1話「親友の裏切り?」


「おっはよぉ〜。美沙代ちゃん」  美沙代がノーパンで登校している後ろから、1人の女子の声が響いた。  どうやら、この女子は美沙代の親友であり、クラスメートの水宮 藤子 (みずみや ふじこ)だった。 「藤ちゃん。おはよう」 「美沙代ちゃん。顔真っ赤だけど、またあれやってるの?」 「・・・・・」藤子は辺りをきょろきょろして、こちらに生徒たちの視線 がないのを確認して「えぃい♪」と思い切りスカートを捲りあげてきた。  バァッ!スカートが思い切り捲れて、美沙代の生尻が丸出しとなる。 「きゃあ!藤ちゃん。や・やめてよ」あわてて美沙代はスカートを戻した が、藤子には美沙代がノーパンであることを知られてしまった。 「ふぅ〜、やっぱまたノーパン?それ、やめた方がいいと言ったでしょ?」  ぼそぼそ<でも、こうしないと変になりそうで..>  美沙代が小声で話してきた。。  そう、美沙代の親友でクラスメートである藤子には全てばれていた。  美沙代が中3の時、どうしても抑えきれない露出の衝動にかられ遠場の 公園で裸になった所を藤子に見つかってしまったことがあった。  運が良かったのは藤子が美沙代の事を大事に思っており、露出行為のこ とを誰にも喋らず、その後も何事もなかったように親友としてつきあって くれてるという事だ。  それも藤子なりに、美沙代のストレスを解消させようと安全な露出まで させてくれるのだ。 「はぁぁ〜、そろそろ恥ずかしいことさせないと駄目ってことね..」 「・・・藤ちゃん。か・過激なのはやめてよね」 「見られるのはNGってこと?」 「う・うん..」 (この前、子供プールの前でワンピースを一気におろされたのは勘弁して 欲しいわ。あれは辱めすぎよ!いくら小学生の目の前だからって..まあ、 全て私のためだから文句は言えないんだけど、藤ちゃんったら、時々すご い事をやってくるんだから..でも、それが気持ちいいんだけど..) 「美沙代ちゃん?何ぶつぶつ言ってんの。ともかく校内入ったらすぐに下 を履きなよ」 「はーい...」(でも、ストレスたまるんだけどな..) 「ふぅ〜。まったく学園のベスト5がノーパンだと知れちゃ日には大変な 目に遭うのがわかってるの?」 「わかってるけど、つい魔が差しちゃって..」 「・・・その気持ちはわかる気もするけど。もう少し自分を大事にしてよ ね〜」 「うん。ありがと。藤ちゃん」 「わかればよろしい。そのうち、あなたのストレス一辺に吹き飛ばす事、 考えてあげるから」 「えっ?まさか、私にストーリーキングみたいな事をやらせるとか?」 「こらこらぁぁ〜、見られるのNGじゃないのっ!そんな危ない事させる わけないでしょ!まったくぅ〜、だんだん悪化してるんだから」  藤子は呆れた顔して美沙代に怒っていた。  ここまで、いろいろしてくれる藤子に美沙代は心から感謝していたのだ が..  まさか、藤子がこれからとんでもない事をしてくるなんて、美沙代には 思いもつかなかったのであろう。  翌日、親友の藤子の言いつけどおりに美沙代は数日間続けていたノーパ ン登校をやめたのだが、すぐにストレスが溜まっていく。  露出癖が悪化してるのか、禁止されてからは身体の内に溜まっていくス トレスを上手く発散させる事ができない。  1度、ノーブラに挑戦したいと思って藤子に相談したがあっという間に 却下されてしまった。 「そんな大きなおっぱいでノーブラなんて絶対っ、ダメ!」 「ええぇっ、そんなぁぁ〜」 (あーん。イライラがたまってる。ここは藤ちゃんに内緒でどっかでノー パン、ノーブラで歩いてみようかな。ふふふん。なんか考えただけでドキ ドキしちゃうよぉ〜)  そんな淫らな考えを美沙代がしている中、科目の中で1番退屈な美術の 時間が始まろうとしていた。 (この退屈な時間が余計にストレス溜まっちゃうのよね..よく官能小説 なんかでは美術室は王道の露出シチュが繰り広げられるのに..) 「美沙代ちゃん..また変なこと考えてたでしょ?」 ブンブンッ「そ、そ、そんなことないよ」美沙代が怪しく頭を左右に振る。  そんな美沙代に藤子がとんでもないことを言ってきた。 「いっそ、ヌードモデルでもやってみる?」 「えっ?」 「冗談よ!」 「そ、そ、そ、そうだよね..びっくりしちゃったよ..」 「……」 (ぁぁ..きっと私、喜んだ顔を見せちゃったよぉ〜。さ、さすがにヌー ドモデルなんて絶対!絶対ダメなんだけどぉ..けれども身体が悦んでる)  冗談なのに美沙代の全身に快感が走った。これからヌードモデルをさせ られるんだ。男子たちの前ですっぽんぽんになっちゃうんだ。芸術のため なら脱いじゃいますって白々しいことを口にするんだ。いろいろな妄想が 頭の中を駆け巡り、美沙代のおま●こが少しずつ潤ってくる。さっきまで 溜まっていたストレスが少し吹き飛んだ気がする。 (はぅっ..これ今日のオナニーのネタにしよっ。もしかしたら次の授業 で一人だけ悶々しちゃうかもぉ〜。みんなが退屈な美術の授業で私だけが イケナイ妄想を続けちゃうかもぉぉ〜)  そう、実は美術の時間で退屈なのは美沙代だけではなく、クラスのみん なの中でもワースト1に挙げられる一番暇でおもしろくない授業だった。  美術の先生の高野先生は別名ぐうたら先生と呼ばれるぐらいであり、授 業は毎回自習に近い、ただのデッサンや彫刻ばかりで教える事などあまり なかった。  また題材もいつも適当にきめており、生徒はその適当に選んだ題材を元 にただ毎回デッサンしてるだけであった。  さぼる事も出来そうだが、意外にこの学校もクラス全体もまじめな生徒 がそろっており、とりあえずいつも雑談しながら描いてるってあたりだ。  ガラガラッ「おーす。みんなそろってるみたいだな。さあ、今日は何に するかぁ〜。題材選ぶだけで面倒だな。ふぁぁ〜」  高野は軽いあくびをしてめんどくさそうにチョークを持ち黒板に向かっ た。 「はあぁぁ〜、今日の題材か。もう眠たいからいいのが浮かばねえなぁ〜。 うーん、よしっ!」  高野はくるりと生徒の方へ向くとこう言ってきた。 「今回はお前たちの描きたいのでいこう。さあ何か描きたいのをあげてみ ろ!」 「それなら私、犬がいいわ。猫でもいいけどぉ」「おれは屋上からの風景!」 「近くの池で描くのは?」「果物」「野球選手」「先生の顔!!」 「・・・おい、お前らなんだ!その先生の顔ってもう少し芸術的な事を言 えんのか?」 「なら、先生。ここは芸術的にヌードデッサンってのはどうすか?」とク ラスでも1,2と言われるスケベの井上が叫んだ。  それと同時に女子たちの批判が一気に井上に向かってあげられた。 「先生!セクハラですっ!井上くんに注意してください」 「なに、いのっち馬鹿言ってんの!」「いのっちの変態っっ!!」  女子たちの罵倒が響く中、別の男子から手が挙がりこういってきた。 「先生。俺が裸になってもいいっすよね。女なんかより、やっぱ男っすよ !」と名乗りを挙げたのはレスリング部のホープとも言われる住谷だ。 「住谷?お前ヌードデッサンってわかっていってるのか?」 「わかってるっすよ。俺のクラブの罰に比べればへっちゃらっすよ」  そう、住谷のレスリング部では遅刻や問題を起こすと真っ裸でグランド 10周という罰があり住谷も過去2度ほど真っ裸で走ったことがあった。 「俺は、こう見えても体には自身があるっすよ。同性が見てもきっとびっ くりするぜ!」  とあっけらかんに言い、さらに女子たちに向かってこう言った。 「大体な。お前ら女子の貧相な裸なんておもしろくないんだよ。俺の裸の 前じゃ、お前らの裸なんて見劣りするぜ!」  女子たちはあまりに堂々と言う住谷に誰もが口を出す事が出来なかった。  と言うより住谷のあまりにも筋肉質でがっちりしてる体を見てみたい気 も女子たちの心の内にあった。  こうして、女子たちの罵倒は完全に収まり、また男子や井上たちも同性 のヌードを描くはめになってしまった事からクラスは静まりかえった状態 になってしまった。 「先生。これで決まりっすね。今日のデッサンは俺のヌードでいいっすね」  ヌードデッサンにやる気満々の住谷が高野に題材の決定をせまってきた。  一応、教職である立場の高野にとっては、この方が良いと思っていた。 「・・・まあ、住谷がそうまで言うなら先生は構わないがな。元々ヌード デッサンは男性の方が見栄えがいいしな。みんなの反対がなければそれで いこう」 「よっしゃぁぁ!聞いたか、みんな?これで決まりだぜ。井上もそれで文 句ねえよな?ヌードデッサンが俺の裸でも!」 「ちっ!くだらねーことになったぜ。ああ、勝手にしろよ。はあぁぁ〜」 「女子たちもいいだろ?どうせ、セクハラだと言ってる貧相なお前らが裸 になるわけねえし!裸になってもこの俺のナイスボディの前じゃカスみた いなもんっすよ。がはははっ」  思い切り馬鹿笑いしている住谷に、女子たちは何も言えずただ黙ってい る。頭にはきてるが反論して脱ぐわけにもいかないからだ。  が、ただ1人藤子が立ち上がって、声を発した。 「住谷っ。悪いけど花も恥らう乙女の私たちが、どうしてあんたの汚いピ ーなんて描かなきゃいけないのよっ」 「そうよ、そうよ。水宮(藤子)さんの言うとおりだわ」 「誰がそんな下品なもの描くもんですかっ!」 「あー?なんだ貧相なお前たちが俺の体にケチつけんのかぁぁ?」 「ええ、そうよ!住谷。あんた1つ忘れてると思うから言ってあげるわ」 「何だよ、水宮?」 「こっちにもね。あんたなんか下品に見えるだけの逸材があるって事、忘 れたのかしら?」  藤子はそう言葉を出した途端、クラスメイトの視線が一斉に美沙代の方 へ向けられた。  そう、あのボディビルの様な体を持つ住谷に勝てる女子と言ったら学園 ベスト5に入る美沙代以外にはいないだろう。    藤子の言葉で再びクラスに活気があふれ、今度は男子たちの歓声が大き くあがってきた。 「そーだな。舞川がいるじゃねーか」「俺たちのために立ち上がってくれ」 「ちょ・ちょっと..私が何で..」(藤ちゃん!どういうつもりよっ) 「これも芸術だぜ。脱ごうぜ、舞川」「そーだ、ぬーげ、ぬーげっ」  いつの間にか男子たちの「脱げー脱げ!」と脱げコールが教室内に響き 渡ってきた。  こうなると、さすがのぐうたら教師の高野も止めに入った。 「お前ら、ここはストリップ部屋じゃねえんだ。卑しい声なんて出すな! それに舞川の気持ちも考えろ!なあ、舞川〜」 「は・はい..」(藤ちゃんたっらぁぁ..何てこと言ってくるのよ)  美沙代が少し怒った表情を藤子に見せてきたが、それを無視するかのよ うに反論の言葉を出してきた。 「先生!私は変な気で舞川さんを推薦したんじゃありません。ただ真剣に デッサンの対象として舞川さんを推しただけです」 「・・・あのな、推薦って言うがな。裸にされる方はたまったもんじゃな いぞ」 「そうですか..なら直接、舞川さんに聞いてみたらどうですか?」 「そうよ、そうよ。水宮さんの言うとおり、舞川さんだってあんな男性器 まともに直視して描くよりいいかも知れないですよ」 「意外と舞川さんもやってくれるかもよ。先生」  男性器を描きたくない一部の女子たちが藤子に賛同してきた。    そして、藤子が横目でちらっと美沙代を見ながら最後にこう言ってきた。 「ともかく先生、舞川さんの意見も聞いてくれませんか?お願いします」 「うーん。水宮がこう言ってるが..舞川、お前の意見はどうだ?」 「あ・・あ・あの・・」美沙代は顔を真っ赤にして、どうしていいか分か らなくなっていた。 (藤ちゃん!!馬鹿なこと言わないでよ!いくら露出癖がある私でも、ク ラスメートの目の前で脱げないわよっ!絶対!絶対っ!断らなくちゃ。そ んな破廉恥な事出来るもんですかぁぁ!!)  心の中では猛反対した美沙代であったが、口に出した言葉は意外なもの だった。 「あ・あのぉ..先生にそれにクラスのみんな。もし、変な気でないんで あれば..私..わたしは..」 (ああぁっ、この先は言っちゃダメェェ〜!露出癖がばれちゃうぅ)  だけど、もう口を閉じれないのを美沙代は分かっていた。火照ってくる 身体を悦ばせたい..更なる快感を求めて続きの言葉を言いたくてたまら ないのだ。 (はぁぅんっ!続きを言わないと..身体がどうにかなっちゃいそうなの! やっぱ、言うわ!言うしかないのぉぉぉ〜) 「わ、私は!ぬ・脱いでも構わないですっ」(あああっ!言っちゃったぁ)  そう、美沙代の理性とは裏腹に本能の美沙代が、これほどの羞恥を見逃 すわけがなかった。  すでにストレスが相当たまっており、このストレスを発散させるにはこ れほどいい機会はないだろう。 「舞川、お前ヌードデッサンがどういうことをするのか分かってるよな?」 「はい、分かってます..裸を描いてもらうことです..」  この美沙代の承諾の言葉を聞いた男子たちはますます盛り上がり、さす がの住谷も相手が美沙代ではぐうの音も出なかった。  だが、男子たちがあまりにも興奮するため、美沙代が続けてこう言って きた。 「あのぉ、みんな。いやらしい感じで描くなら、やっぱりやめます!私も そんな中で、はしたない事ができないので..」  どうやら、美沙代の理性がまだ本能より勝っており、何とか男子の野次 をきっかけに性癖を跳ね返そうとしていた。  が、その悪足掻きも次の瞬間に親友の手で崩されてしまった。 「こら!男子ども。美沙代の決心を無駄にすんの?それなら、私たち女子 も諦めて住谷のぴーに決めちゃうぞ!」  藤子の忠告で男子たちは一斉に静まり感情を押さえる事にした。 「ぁぁ..そんな..」(もっと野次をくれないと..脱ぎたい衝動が.. おさえきれなくなっちゃうぅ) 「先生、男子も静まったし、美沙代もOKしてるから決定よね?」 「うーん。舞川がいいと言うならそれでもいいだろ!じゃあ、今回は舞川 のヌードデッサンだ!いいんだな。舞川?」 「・・・は・はい。先生。よろしくお願いします」  美沙代の同意を得た高野はチョークを持ち黒板に向かって、今回の授業 内容を書き始めた。  【本日のデッサン:舞川 美沙代の裸婦画】  こうして美沙代の羞恥な美術の時間が始まることになった。


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