第1話「喋る恥辱ノート」(挿絵:horaさん)


※時々CGと文字が重なる場合がありますので、その時は1回再読み込みしますと直ります。

 私の頭の中に直接、話しかけてくる謎のノート。  結局、私はこのノートを警察に届けることが出来ず、持ち帰ることにし てしまった。 (私..何でこんな変なノートを持って電車に乗ったんだろう..このま まじゃ本当に家まで持って帰ってしまうわ)  今からでも電車を乗り換えて秋葉原に戻った方がいいのだろうか?  人が落としたノートを勝手に持って帰るなんていけないことだから。 <くくくっ、安心しな。このノートの所有者はお前のもんだぜ。あの女は 所有権を放棄して堕ちるとこまで堕ちたからな。お前は俺を拾ったんじゃ ない。俺がお前に拾わせたんだ。新たな所有者、御主人様としてな>  またノートが私の頭の中に話しかけてくる。これは悪い妄想なの?  そうよ。悪い心の私が生んだ妄想が話しかけてくるだけなんだわ。  やっぱり、早くこのノートを届けなきゃ! <まだ理解出来てないようだな。困った御主人様だ。いいだろう、このシ ェイムノートの凄さをその身で受けるがいい。初めて使う人にも分かりや すく説明する!分厚いマニュアル一切不要の親切設定!それがこの俺、シ ェイムノート!御主人が望むなら、こんなことも御安い御用っ!>  私の視界がくらくらとしてくる。このシェイムノートとやらば何を私に してくるの? <シェイムノート音波はバーチャル力!さあ、思う存分、未知なる露出を 愉しんでくるがよいっ、御主人!> 「えっ?バーチャルって..ぁぁっ..目の前がくらくらする〜」  シェイムノートが私に仮想空間を見せてくる。  そこでようやく、このノートがどんなものか理解した。  このノートはそこに書いたことが本当になり、それも恥ずかしいことを 書きたくなるようにしてくるので、女性にとっては辱しめのノートだ。  仮想空間の私も半信半疑だったが偶然かどうか、露出行為を書いてみる と、それが本当になった。  そして、あとで消せばいいと、ほんの出来心で、いつも妄想していても 出来なかった満員電車での露出行為を書いてしまう。  どうやら、このノートは書いたら最後。どんな無理なことでもやってし まうことになるのだ。

私は命令されるように、ふらふらとコート一
枚で満員電車に乗り込む。
電車が止まった時、全力で静止する理性に対
して、シェイムノートが命令してくるのだ。
コートを捨てて満員電車に乗り込むようにと。
当然、何も着てない姿ではどんな痴漢行為も
だまって耐えなければならないだろう。
しかし私は「だって書き込んでしまったんだ
もの」そうつぶやきながら堂々とコートを脱
ぎ捨てた。
ついに何も見にまとわぬ姿で満員電車に乗り
込んでしまった私。
みんなが私の裸に視線を向けてくる。
そして男たちが私の身体に群がって、恥部を
弄り始めた。
「ああぁっ!どんどん弄ってぇぇーー!とこ
とん私を堕としてぇぇぇー」

<くーくくくっ!どうだ御主人、いきなりのゲームオーバーは!このノー トの欲望に負けると女はみんなこうなるのさ!> 「・・・・・・はぁはぁはぁ」 <安心しろ、御主人。今のはただの幻覚にすぎない。実際にやるかはどう かは御主人次第だ!> 「・・・まさか、秋葉原の女性は..あなたのせいなの?」 <そうかも知れんが、望んだのはあの女だ。あそこまで歯止めが効かなく なるとは哀れなものだ。今度の御主人様は一体どこまで堕ちるかな?>  それを聞いた私の顔は一瞬で青ざめた。私はとんでもないものを手にし てしまったと..  露出を強制的にしてしまうなんて冗談じゃないわっ! (いくら露出癖がある私だからって、こんなノートに書くわけないでしょ!)  絶対にこのノートに書くもんですかっ!家に帰った私はすぐに机の引き 出しの奥にノートを突っ込んで、このままずっと使わずにいてやろうと思 った。  だけど..日が経つにつれて私の心は揺らいでいく。  あの時、間近で見た裸になった女性の光景が何度も脳裏に浮かんでくる のだ。  親友のアリカは秋葉原の露出女のニュースをどこかで聞いたようで笑い ながら私にこう言ってきた。 「ゆさめ〜、この前、秋葉原で露出狂が出たみたいよっ!それも何と驚き、 名門女子高のお嬢様だったようよ。こりゃ相当ストレスで頭がイったよう ね〜。あっははは」「そ・そうなんだ..」 (違うっ!それはあのノートがそこまで追い込んだのよっ!でも、そんな 名門のお嬢様にあんなことをさせるなんて..恐ろしいわ)  私はノートの恐ろしさに身体が震えた。いっそ捨てた方がいいと思い、 家に帰ったらゴミの日に出してやろうと決意することにした。  そう思って、家に帰って久々に机の引き出しからノートを出した私だっ たが、何故か手にはペンを握っていた。 (明日には捨てるんだから..少しだけなら試しても..い・家の中の露 出なら問題ないよね..)  つい、魔が刺してしまった私はノートに軽めの露出行為を書いてみた。 【お風呂から上がった時、浴室から裸のままで部屋に戻る】  これを露出行為と呼ぶには優しすぎるものであるが、臆病な私はこんな 軽めの露出行為すら出来ないのだ。 (ほ・本当に出来るのかな..パパとママも弟もいるのに..見つかって しまうかも知れないのに..)  お風呂に入った私は本当にこれからノートに書いた行為をするかをドキ ドキしながらいつもの様に入浴を終えて、浴槽から出た。  タオルで身体を拭きながら浴室の扉をじっと見つめた。 (やっぱ無理だよぉぉ〜。ノートに書いたぐらいで出来たら苦労しないわ)  そう、実は今までも何度か裸で部屋に戻ろうと考えたことがあったが、 寸前で足がすくんでしまい扉の先には進めなかった。  家の浴室から自分の部屋に裸で戻ることすら無理な私には露出癖がある という資格などない。だって、こんな簡単なことも出来ないんだもん。 「今日も..無理よね。やっぱ、あのノートは眉唾ものだったんだ」  露出を諦めて着替えようと思った私の身体が突然、扉の方へ向かって歩 き出す。(えっ?ええぇっ!手足が勝手に動く?)  そして何と着替えてないにも関わらず扉を開けて浴室から出てしまった。 (うそっ!うそっ、うそぉぉぉっ!誰かに見られちゃうみられちゃうよぉ〜)  必死に浴室に戻ろうとする私だが、全く身体がいうことを効かない。  台所にはママが、居間にはパパと弟がTVを見ているのに私は裸で部屋 で戻ろうとしている。  それもよく考えたら自分の部屋に戻るには居間を通り過ぎなければなら ず、その際に廊下の方を見てしまったら私の裸が見られちゃう。 (無理よっ!無理ぃぃぃー!裸で戻るとこを見られたら大変だよぉぉぉー)  自分の手足に馬鹿なことをしないように説得するのだが、勝手にどんど ん前に進んでいってるよぉぉぉー。 (だめだめだめぇぇぇぇーー!)  ついに居間の前を通りかかってしまうのだが、当然私の足が居間の前で 止まり、口が勝手に開いてきた。 「お風呂出たわよ〜。今なら沸かさなくてもすぐ入れるわよ」 (きゃぁぁぁぁぁぁっ!私ったら何声をかけてきてるのよぉぉぉーー)  今すぐにも意識が飛びそうなぐらい恥ずかしかった。  だって、おっぱいもおま●こも一切隠さないままで平然と声をかけてい るからだ。(やめて!やめてっ、やめてぇぇぇっ〜) 「そんなにTVに釘付けするほど面白い番組なの?」 「姉ちゃん、うるさい」(ああぁっ、お願いだから振り向かないでぇぇ)  見られたら一巻の終わりだというのに何でこんな馬鹿なことやってるん だろう?  ただ運がいいことにパパと弟はずっとTVに夢中になっていたので、最 後までこちらを振り向くことなく返事をしてきた。    そのあとは顔を真っ赤にしながら猛ダッシュで部屋に戻った。 「はぁはぁ..わ・私..すごいことしちゃったよぉぉぉぉーー」  今まで感じたこと無い凄い快感が身体を襲ってくる。これが露出ってこ となのかな..心臓の鼓動がめちゃくちゃ早い。手足がガクガクと震えて るよぉぉ〜。こんな大胆なことをしちゃうなんて..  自分としてはかなり大胆なことをしたと思う。本当にあのノートの仕業 なのかなぁと思ったとき、また奴が私の頭の中に話しかけてきた。 <くーくくくっ!どうだ、御主人。初めての露出の感想は!わざわざ声を かけさせてドキドキ感を大幅アップ!嬉し恥ずかしプレイを堪能したか!>  ぷちっ!「こ・このお馬鹿ぁぁぁぁぁぁぁぁ〜ノ〜トぉぉぉぉーー」  死ぬほど恥ずかしい目に遭わせてくれたノートに頭きた私は、ノートを 手にしてビリビリに破いた! <ぬおぉっ!御主人、血迷ったかぁぁぁ〜> 「血迷ってなんかないわぁぁ〜。あんな恥ずかしいこと、2度と御免だわ」  私は徹底的にノートを破いた。破きましたさ。今までの女性がこうしな かったことに疑問に思うぐらい破きまくった。 「はぁはぁ..これで大丈夫だわ..最初からこうすれば良かったのよ」 <くーくくくっ!これぐらいで俺が朽ちると思ったか!切断機で切り刻ま れようが、焼却炉で燃やされようが、たちまち復活!それがこの俺、シェ イムノート!御主人が堕ちるその日まで不死鳥のごとく蘇ってみせよう!> 「う・うそぉぉ..このノート..やっぱり本物なの..」  どうやら、私はとんでもないものを手に入れたことを深く思い知ったの であった。  もう2度と使うもんですかっ!と誓って寝ることにしたんだけど、自分 がした露出が頭に焼き付いて眠れない。  よく考えたら、臆病な私ではあんな露出、絶対に出来ないし、どんなに 決意しても寸前で諦めてしまうだろう。  それに..達成したときのあの快感はすごく気持ちよかった。漫画や小 説を見てるだけでは味わえないものがあったわ..  あと1回..あと1回だけ、何度も断念した露出をしてみたいと思った。 (それで最後にすればいいんだから..そうよ。別にあれぐらいじゃ堕ち るわけないんだから..だ・大丈夫よ)  別にあのノートの誘惑に負けたわけじゃない。こっちが利用するだけ利 用してるのよっ!そう何度も自分に言い聞かせることにした。  次の日、私は例のノートを学校に持っていくことにし、2時間目が終わ った休み時間のときにノートを服に隠してトイレに駆け込んだ。 (次の3時間目なら..あれをしても大丈夫よね..)  私はノートにこう書いた。 【次の3時間目はノーパンで授業を受けること】  たった一度でいいからノーパンがどんなものかやってみたかった。  でも臆病な私がそんな大胆なことが出来るはずはなく、今までは失敗に 終わったのだ。 (こ・このノートに書いた以上、絶対にやるのよね..)  ノートに背中を押されるような感じで私はショーツを足元に下ろし、そ のまま足から抜いて自分のスカートのポケットにしまった。  ドキドキドキッ..(ノーパンだわ..今、私穿いてないんだわ..)  いつもの私だったら、トイレの個室から出ようとすると身体が震えてし まい、すぐに諦めて穿いてしまうはず..  現に身体がガクガク震えてきたから無理だと思うんだけど、やっぱりま た勝手に手足が動き出した。 (す・すごい..本当にノーパンのままで出るんだわ..こんなスースー している中で教室に行っちゃうのね..)  正直な話、まだ教室についてないのに、私のおま●こは濡れ始めている。  廊下ですれ合うみんなは私がノーパンなんて思ってないだろうな..  臆病な私がこんな大胆なこと出来るなんて信じられないわぁぁ〜。  もう、これだけで満足したって感じであり、この行為を最後にあのノー トは封印しようと誓った。  いよいよ、教室に入り何食わぬ顔で普通に席に座る私に自分自身が驚い た。ノーパンなのに..濡れてるのに..こんなに平常心でいられるなん て凄すぎるかもぉぉ〜  あとはこのまま3時間目を終わるのを待てばいい。私がわざわざ、この 時間を選んだのは、よぼよぼの老教師が行う授業だからだ。  半数以上、眠りに落ちてしまう睡魔を誘う老教師。当然ながら誰かに当 てることもしないので、露出をするなら一番安全な授業と言えよう。 (さあ、そろそろ恥ずかしくて気がおかしくなりそうだから皆を眠らせて!)  そう願う私であったが、やってきた老教師は何故かハイテンションで、 目がはっきり覚めるような授業をしてきた。 (なっ!なんで、今日に限ってこんな授業を..あぁぁっ、男子が誰も眠 ってないよぉぉぉーーー!恥ずかしいよぉぉーどうしよぉぉぉーー)  気がどんどん動揺する中、さらに私を陥れることが起こった。 「相模くん。教科書の30ページから40ページまで朗読したまえっ!」 「はい?ろ・朗読って..」(何で今日に限って朗読なんてぇぇぇー)  スカートを気にしながら仕方なく朗読を始める私。 (ぁぁっ..ノーパンなのに..穿いてないのに..)  ぴゅぅっ〜「ひゃぁぁんっ!」どきどきどきどきっ.. (す・す・スカートが揺れてるよぉぉぉ〜。見えちゃうぅ、見えちゃうよ)  はっきり言って生きた心地がしませんでした。いつ捲れてしまうのか、 誰かに気づいてしまうのか、それとも濡れてるのかばれちゃうか..頭の 中がぐるぐるしましたさ。  何とか朗読を終えて、これで座れると思った私に今度は老教師が黒板に 出て問題を解けと言ってきた。  朗読も!黒板の問題も今まで1度もやったことないじゃないっ!  何で今日に限ってしてくるのよっ!それも私ばっかり当ててるじゃない!  恥ずかしさで頭の中が真っ白になっていく。下着のラインが見えてない ことに気づいてしまうかも..太ももに濡れてきている愛液が見つかるか も..もう身体がガクガクいってるよぉぉぉぉーーー! (はぁはぁ..もう限界ぃ..恥ずかしい汁が垂れちゃう..)  理性がどんどん消えていってるし、おかしくなる寸前だよぉぉ〜  それでも何とか頑張って問題を解く私に、例のノートの声が頭の中に響 いてきた。 <くーくくくっ!老教師も俺にかかればハッスル教師に早変わり!男子の 眠気も全て飛ばし、朗読、問題解きとハラハラ恥辱!御主人の股間は濡れ まくりだ!いつもサービス満点!充実保障!それがこの俺、シェイムノート!>  ぷちっ!(こ・このお馬鹿ノートぉぉぉぉぉぉーー!)  ノートへの怒りが私の理性をぎりぎりなとこで保ってくれたので、結局 ノーパンとばれずに問題を解くことが出来た。  丁度3時間目が終わった私は、血管が切れそうな勢いで席に戻り、ノー トを持って教室から出ようとした。 「ゆさめ〜?そんなに急いでどこに行くの?」 「焼却炉っ!」「はぁ?」  そう、もちろんこの後はノートを思い切り焼却炉にぶち込みましたさ! <むおぉっ!御主人、本気で燃やすかぁぁぁ〜>  ここまでしろと頼んでないわよぉぉぉーー!この馬鹿っ!お馬鹿っ、ば かぁぁぁぁぁぁーーー!  まあ、燃やしたところで、やはり思ったとおりにすぐに復活してきたシ ェイムノートだった。  もう2度と使うもんですかっ!と誓う私だけど、何となくまた使ってし まいそうな気がした..そう何だかんだ言って、露出行為を達成したとき の快感を忘れることが出来なかったからだ。


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