第56話「暴走する少女」
あ〜ん、周兄さん。どうして、こう立て続けにトラブルが起こるか教え
てくださいぃぃーーー。
ついこないだに矢井中さんと内川さんたちの対立があったばかりだと言
うのに、今度は5組の女子たちとの揉め事に巻き込まれるなんてぇー
それも、愛賀さんや矢井中さんのような力もない女子ばかりがいる状況
でどうしたらいいのよぉぉぉーーー。
もしかしたら、波賀野さんも矢井中さんみたいに5組の女子を次々と倒
すのかなと期待もあったのだが、素直に媚びるだけで何も出来ない感じだ。
すでにおっぱいを出した上にスカートまで渡して、服従している気がす
る。
私や美紗里もとっくに全裸にされて無抵抗となってるから、後は蘭ちゃ
んと来崎さんだけど、試験疲れで煙を出してる蘭ちゃんには何も期待でき
ないかも..
来崎さんは相変わらず、扇子で風を仰いでいて、何をしたいのか良くわ
からないし、大体この状況でまだ余裕を見せているんですけどぉ〜
「おおっ〜、みんな恥ずかしい姿にされちゃったねぇ〜。私は人前で肌を
晒すのは嫌だから、ご勘弁願いたいかもぉ〜あははははっ」
「ずい分と余裕を見せてるわね〜。電気で近寄れないからっていい気にな
るんじゃないわよ」
「あははははっ。別にそんなつもりじゃないんだけどなぁ〜。そうだっ。
さっきから、あんたらが躍起になってる電気の仕掛け教えようか?」
「なっ?ど・どういう意味よ」「深い意味はないわよぉ〜。ただコレにい
つまでも気づかないから教えてあげたっかたのぉ〜」
そう言って服に付いてた延長コードを見せ付けてきた来崎さん。
って、教室のコンセントから普通に電気を取っていただけなのぉぉ〜!?
「ふふっ、素直に教えるってことは観念したようね。誰かあれを抜いてき
なさい」
町勝さんの指示でコンセントに向かう5組の女子たちに波賀野さんが意
外な言葉を出してきた。
「それに触れると感電しますです..絶縁被ふくをわざと取っているから、
凛しか抜けないのです..くぅ〜ん」
「ありゃぁ〜。駄目じゃないっ、錬菜っ。せっかくの一発逆転の手をばら
しちゃ〜あははははっ」「あい〜ごめんなさい」
来崎さんの手をあっさりばらす波賀野さんには驚いたが、明るく笑いな
がら周到な罠を仕掛けていた来崎さんも怖いんだけど..
「波賀野さん、感謝するわ。あなたは裸で晒すだけで許してあげるわ」
「あーい。ありがとうです〜」「あ・あのぉ〜私たちは..」
「あらっ、新宮さんたちはこの後、裸で校内を引きずりまわすことが決ま
ってるわよ♪」
そんなあっさりと卑猥なことを言わないでぇぇぇーー。裸で引きずり回
すなんてみんなに見られちゃうよぉぉぉーーー。美紗里も何とか言ってよ
ぉぉーー。あああっ!美紗里の錯乱度が増しておかしくなってるぅぅーー!
こうなったら、本当に来崎さんが頼りなんだが、急に倒れこんでしまっ
たのだ。
「あははははっ..電気ため過ぎたねぇ〜。火照りすぎてたまらないねぇ〜」
もしかして..扇子を仰いでたのは火照っていた身体を我慢してたって
こと?電気で感じてるなんて..何か危ない世界の人のような気がする..
けど、これってもう誰も助けが入らないってことぉぉぉーーー!すでに
私の首に5組の女子が首輪をつけてるしぃぃーー。大体、どうして首輪な
んて持ち歩いているのよぉぉぉぉーー!
「さて、新宮さん。散歩のお時間よ♪せめてもの情けで目以外の部分は隠
してあげるわ」
ちょっとちょっとぉぉーー!何で私が最初の被害者なのよぉぉぉぉーー!
目以外の部分を隠すっていっても、自分の教室から裸で出されるんだか
らバレバレよぉぉ〜
もう5組の女子たちが私を4つんばいにして散歩にいく準備に入ってい
るし、このままじゃ全裸デビューしてしまうよぉぉぉ〜〜〜〜
「町勝さま、新宮をどこまで散歩させますか?」
「そうね〜逃げた内川への見せしめとして、校内一周ってとこかしら?」
校内一周だなんてぇぇぇーーー。まだそんなすごい露出したことなんて
ないのにぃーー
もう明日から学校に恥ずかしくて来れないかもぉぉぉぉーー
いつの間にか一番の絶体絶命の状況にされてる中、こんな私を助けてく
れる人は誰もいなくなっていた。
周兄さん、沙智菜はこれから全生徒の晒し者になっていきます..ごめ
んなさい..
ただ、乳首がピンと硬くなって、おま●こが濡れてきているのが恥ずか
しいよ〜
絶対、ぜったーい嫌なのに、身体は正直に喜んでるなんて..(私の馬
鹿ばかっ)
教室のドアが少し開き、いよいよ首輪を引っ張られて廊下に出されよう
とした時、倒れていた来崎さんが声をかけてきた。
「新宮さんは無関係だよぉぉ〜。裸で散歩させるなら、あたしを剥きなぁ
ぁ〜。錬菜ならいくらでもコンセントを抜く方法があるからねぇ〜。あは
はっ..」
「いい心がけね。なるほど、確かに機械好きの波賀野さんなら、そういう
ことが出来そうね♪さあ、波賀野さん。コンセントを抜きなさい」
「あう〜それはお断りしますです。感電したくないのです」
首を大きく振って、今日初めての抵抗を見せた波賀野さん。
だが、この小さな抵抗に町勝さんが頭にきたらしく、思い切り罵声を浴
びせてきたのだ。
「へぇー。この私に抵抗するつもりかしら?パンティー1枚だけの姿で許
そうと思ったけど、あなたもすっぽんぽんにしないと駄目みたいね」
「あい〜。脱ぎますので許してください」ぬぎぬぎ
「そこまで服従するなら、さっさとコンセント抜きなっ!」
「あうあう〜それはだめです..ここは平和的に新宮さんだけを全裸で散
歩させるのが一番だと、早知華の姐御も言うはずです。あいっ」
「!!!」(ちょっと、今、早知華って言ったよね?まさかの!お母さん
の関係者かぁぁぁ〜!ハッ、そういえば、あの変な仕掛けもこいつが元凶
かあああ〜)
私が少し波賀野さんを睨んだら、ニヤリとした表情を向けてきた。
も、もしかして、私の性癖も知ってるのぉぉ〜?だからって、新宮沙智
菜としての露出はまだダメなんだからぁぁぁ〜!
「おいっ!勝手に色々指図するんじゃねーよ!このチビッ!いい加減にし
なっ!」町勝さんが波賀野さんの言葉に鬼の形相を見せた。
5組の女子たちがその形相に怯える中、今まで笑顔でいた来崎さんまで
も怖がりはじめた。
「ああぁぁぁっ!馬鹿馬鹿ばかぁっ!町勝っ!あんた、何血迷ったこと言
うんだよっ!」
あれっ?何故か来崎さんが鬼の形相の町勝さんに文句を言ってきたの?
血迷ったことって何なの?一体、町勝さんが何を言ったっていうの?
5組の女子たちも来崎さんの言葉に疑問を感じてる中、どこからともな
く重低音の声が響いてくる。
「チビって言ったなぁぁぁ〜誰がウルトラのどちびだぁぁぁぁぁっ!」
「錬菜ぁぁーー、そこまで言ってないってぇぇーー!落ち着いてぇぇぇー」
今までひたすら服従していた波賀野さんが完全にぶち切れてしまったよ
うで、鬼の形相の町勝さんの比ではない変わりようであった。
「何なのよ。チビにチビっていって何が悪いのよっ!今さら抵抗したって
無駄無駄無駄ぁぁ」
「そう..あいつにもらった力を使うのは癪だけど..見せてやるよ!」
パァァァァーーンンッ!
波賀野さんがパァーンという大きなかしわ手を打ってくると、教室にあ
るいろんな物が勝手に動き出したり、ロッカーや用具入れから、いろんな
ものがバシュバシュという音を立てて飛んできた。
「教室立てこもり犯人退治システム、撲滅くん作動ぉぉぉーーー」
ちょっと待ってぇぇーー!何よ、その教室立てこもり犯人退治用システ
ムってぇぇぇーーー!勝手にそんな危険なものを設置していたのぉぉぉー!
大体、教室に立てこもる犯人なんて、レアすぎるケースでしょぉぉぉーー。
5組の女子たちが次々と波賀野さんの仕掛けでやられている中、何人か
は慌てて教室を飛び出して逃げていく。
だが、そんな逃げていく女子たちに対して、いつの間にかダブダブの服
を着替えた波賀野さんが廊下に出て、床に向かってパァーンとかしわ手を
打つ。
「校内下着ドロ退治システム、捕縛くん作動ぉぉぉーーー!すっぽんぽん
に剥いて晒しまくれぇぇぇ〜!」
廊下の方で逃げた女子たちの悲鳴がこだまする。って言うのか、廊下に
まで設置していたってことぉぉ〜〜。
完全に形勢逆転となった状況だけど、波賀野さんって私たちのことなん
て考えてないよぉぉっ。
もしかすると矢井中さん以上に危険な子かも知れないよぉぉぉ〜〜。
誰かこの訳のわからない状況を何とかしてぇぇぇーーーーー!
私たちが波賀野さんの装置で慌てている中、その様子を遠くから双眼鏡
で覗いている3人の姿があった。
それはさっさと逃げた張本人である内川さんたちであり、奥西さんが双
眼鏡で様子を伺っていたみたいだ。
「内川さま。どうやら、錬々(錬菜)が暴走したみたいですね。町勝が慌
ててますよ」
「あははははっ。愚民の分際でくだらない野心を起こすからこうなるのよ
ぉぉぉーー!2年になってから、私のクラスは一筋縄でいかない馬鹿ども
が多い増えすぎているからねぇぇー!」
「しかし、あんなにいろいろ仕掛けていたとは、この穂耶ちゃんも想定外
です。あいつも私と同じ、周知さんに会った可能性大ですね」
「新宮が好きな周兄さんって奴のこと?写真見たことがあったけど、大し
た奴には見えなかったけど..そういえば都緒乃も会ったんだって?」
「力めしもらった。美味しかった」「何よ、力めしって..しかし..学
校はからくり屋敷じゃないのよ。あの腐女子なみに要注意ってことね」
「要注意がどんどん増えていきますね..内川さま」
ボカボカボカッ。「な・何するんですかぁ〜内川さまぁ」
「余計なことは言わなくていいっ..さ・さぁ、明日の試験勉強をするわ
よっ」
そう言って嫌がる2人を無理やり引っ張って内川さんたちが帰っていっ
た。
内川さんたちが勝手に帰る中、教室の中は完全に散乱としており、みん
な波賀野さんの装置でグロッキーとなっていた。
ただ町勝さんだけが、ますます鬼の形相となっていき、まるで羅刹のよ
うなすごい顔をして立っていた。
そして、それを見た5組の女子たちがみんな震え出してきた。
「あんたっ、どうなっても知らないわよっ!町勝さんが本気になったら、
死んじゃうわよ」
ちょっと何よ。その危険な発言はぁぁ〜。町勝さんもキレると怖い人っ
てこと?
「波賀野!あんた逃げなさいっ!町勝さんは角東さん並に強いのよっ!」
5組の女子が波賀野さんに逃げるように言ってくる。ここまで言うって
ことは町勝さんって相当、強いってことなの..確かにそれってやばいか
も。
「逃げようなんて無駄な足掻きはやめた方がいいわよ」コキコキ..ボキ
ボキ..
手や首の関節を鳴らしながら忠告する町勝さんに、そんな言葉に怖気付
かない波賀野さん。
「それはこっちの台詞です..」
「そう、なら何本骨を折っていいかリクエストしなさいっ」
「あいっ、物騒な女です..」
うわぁぁぁぁっっ!いくら波賀野さんが機械マニアでも勝ち目ないよぉ
ぉ〜。
これって、どう見ても町勝さんの方が強すぎるじゃないぃぃぃ〜!
「大丈夫だよ。力任せじゃ錬々(錬菜)に勝てないよ」「蘭、起きたの?」
ようやく蘭が起きてきたようで、倒れていた来崎さんを背中に背負って
きたのであった。
「さっちん。ほら、2人の服だ。美紗里をさっさと起こして、ここから逃
げるぜ」
「でも蘭..波賀野さんをそのままにしておくの?」
「ぶち切れた錬々の力はあたしがよく知っているからな。おそらく指一本
すらも錬々に触れることなんて出来ないな」「あはははっ..錬菜は手加
減知らずだしねぇ〜」
蘭と来崎さんの真剣な顔を見てると信じてしまうのだが、町勝さんって
角東さん同等の力があるんだよ..一体、どうやって対抗するの?
私が不安に思う中、町勝さんが波賀野さんに襲い掛かってくる。そんな
町勝さんを目の前にして再び、大きなかしわ手を打ってきた。
「ジャングル用アマゾネス撃退システム、にょろにょろくん作動ぉぉぉー」
ちょっと何よぉぉ〜そのあり得ないシチュエーションでのシステムはぁ
ぁぁーーー!この日本のどこにジャングルがあって、アマゾネスが居るわ
けぇぇぇぇーーー!
波賀野さんのダブダブの服から無数の蛇のようなものが現れて、町勝さ
んを縛っていく。まるでどっかの特撮ものを見ている光景であった。
「いやぁぁぁぁぁーー何なのぉぉーーー。この蛇みたいのはぁぁぁーーー!」
「屈強のアマゾネスや自白をしない女スパイを徹底的にイかすシステムで
す。早知華の姐御監修なので、何回失神したいかリクエストしなさい」
(お母さんったら、何変な協力してんのよぉぉぉ〜!でも、お母さん監修
の仕掛けなんて、一番ダメなやつだああああ〜)
「いやぁぁぁぁぁっ!あんたたち助けなさいっ!」
町勝さんが5組の女子たちに助けを求めたが、みんな慌てて逃げていっ
た。そういえば、あのお嬢はどこいったの?いつの間にかいないけど..
「はぁはぁ..内川さんが逃げた時に、一緒に逃げていったわ」「美紗里っ」
ようやく錯乱が収まってきた美紗里が服を着替えながら解説してきた。
「どうやら..いろいろ決着がついたみたいね..アレは別として..」
「そ・そうね..」
波賀野さんの方から町勝さんの激しい喘ぎ声が聞こえており、いやらし
い愛液の音も響いていた。
この後は私たちも波賀野さんと町勝さんの2人をそのままにして、帰る
ことにしてしまった。
ただ、ぐしゃぐしゃになった教室のことが気がかりだったんだけど、翌
日にはすっかり元通りの状態になっていたから驚きである。
(ちょっと不安なのはあちこちに不自然なネジを取り付けてるとこがある
んだけど..)
まあ、5組の女子たちもあっさりと元の鞘におさまって、内川さんの後
にくっついるし、一応万事解決ってことなのかしら。周兄さん。
*****沙智菜の勝手なイメージ*****************
「矢井中さんにつづいてのすごい子の登場だったね」
「しかし、沙智菜の校内散歩を見れなかったのは残念だな」
「沙智菜自身も残念に思っているんじゃないのか..」
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う〜ん、もうちょっと正体が分からない風にしてくれればいいのかも..
って、違いますっ。いくら何でも校内での全裸散歩は恥ずかしすぎます
っ!でも、ちゃっかりオナニーの時の妄想では校庭まで散歩されてしまい
ました♪
<おまけ♪>
「お嬢に町勝..よく平気でこの私の前にのこのこと顔を出せるわね」
「いやですわぁ〜内川さま。あれはちょっとした出来心なんですからぁ」
「そうですよ。今回はこれに免じて、どうか内川さまの広いお心で愚民の
悪戯としてお許しください〜」
そう言って1個千円をもする最高級もなか10個入りを差し出すお嬢と町勝。
こほんっ「まあ..もなかぐらいでつられる私じゃないけど..愚民の
戯言に本気で腹を立てるほど心は狭くないわ」
「わかってます。内川さま。これはただのお土産ということで収めてくだ
さい」「内川さまの心の寛大さに感謝しています」
「そ・そうね、お土産だし..もなかは私の大好物だから、もらっておく
わ」こうして再びお嬢と町勝を許してしまう内川さまであった。
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