第6話「大胆露出デー」(原案:鋼夜さん)


 今日は勝手に大胆露出デーと決めていた沙智菜。  学校でやりたい露出を一気に実行しようと決めて登校したのだった。  最初は朝の全校集会で露出をしようと決めた沙智菜。  生徒たちが集会で体育館に集まっていく中、準備当番だった沙智菜に先 生から暗幕を閉めるようと言われた。  沙智菜はステージ横の階段を伝い、2階に上る。  2階といっても窓際に一人歩ける程度の幅しかないのだが..  今日は大胆露出デーだったので、ここに来る前にパンツを脱いでノーパ ンだったため、下から覗かれやしないかと心配した。  けれど、誰も覗く人はいなかった。そのあと照明もおとし、スクリーン を使って説明してきた先生たち。  沙智菜はスカートの丈をさっきより短くして、上の制服の前ボタンをす べて外し、胸を出した。  ちょうど、そのとき照明がつき、先生が暗幕をあけるように指示をした。  沙智菜はとっさに窓のほうを向いたのだが、ボタンを閉める余裕はなか った。胸を露出させたまま、スカートも短くしたまま暗幕をあけていく。  開け終わわり、階段を下りていく時にボタンをしめ、何事もなかったよ うに戻ったのだが...数人の女子には「あの子、おっぱい出してなかっ た?」と不審な目で見られてしまったようだ。 (ドキドキしたよぉ〜、でもまだまだすごいことしなくちゃ..)  次は授業中に行うことにし、授業の途中で沙智菜がそっと先生のところ に行き、トイレに行く旨を伝えた。  先生の許可を得た沙智菜が教室を出て、少し歩くとすぐにしゃがみ始め た。(よしっ!や・やるわよっ)  そう決意した沙智菜がその場で服も下着も全部脱いだ。  そして、素っ裸のままで授業をしている他クラスの前を通る。みんな授 業に集中しているが、廊下を見られればほぼ確実に裸だとばれてしまうだ ろう。  何せ、ドアについている窓からは肩が少し見えているはずだからだ。  そして沙智菜はトイレに行くと制服だけを着る。下着を手に持ったまま 外に出て、男子トイレの中に下着を置いて教室に戻った。  もちろん、この下着はちゃんと後で回収しにいくつもりで置いたのだ。  授業が終わり、休み時間になると沙智菜は急いで男子トイレに向かった。  下着を置いたトイレはがらの悪い男子が時たま、たむろするせいか、あ まり人が寄ってこないのであった。  案の定、男子トイレには誰もいなかったので下着はすぐに取り返すこと が出来るのだが、ここでもう1つのミッションを自分に課していた。 「沙智菜、おしっこしまぁ〜す」  しゃぁぁぁ〜〜じょぼじょぼ..じょぼ..  大胆にも小便器で立ちションのミッションをこなした沙智菜。  しかし、おしっこを終えた直後に男子たちが入ってくる気配を感じて、 慌てて個室へ逃げ込んだ。  当然ながら個室の使用中を見て、男子たちがからかい始めた。 「おい。だれか大してるぜぇー」「まぢかよ」「だって、中誰かはいっ てんジャン」「うお!まぢかよ」「だれなんですかーw」「のぞいちゃ おっかなぁー」などと大声を出してくる。  そんなとき、一人の男子が何かに気がついた。 「おい、そこにあるのって女子のパンツじゃねーか?」  そう、沙智菜は立ちションの雰囲気を高めるためにパンツを足元に下 げており、逃げる際に足から外れてしまったのだ。 (あ〜ん、しまったぁぁぁぁーー)  女子が入っていることに盛り上がる男子たち。 「ってことは中にいるのは女子ってことか…?」「見てみようぜ」  ついに忍び寄る魔の手。が、幸運の女神が運よく微笑んだ。 「こらーーっ何してんだーとっくにチャイムはなったんだぞぉ!たむろ してないでさっさと帰れ!」とトイレの外から怒鳴りまくる先生の声が。  今回は何も知らない先生によって上手く助けられた沙智菜だった。 (もう午前中はやめよ..危険だし)    午前中の露出行為はここまでにして、今度は昼休みにすることに決めた 沙智菜。  今日は日直であり、日直の人は昼休みの間に校舎の裏にあるゴミ捨て場 に教室のごみを捨てに行かなければいけない。  早く捨てて昼休みの露出を挑もうとした沙智菜がどこのクラスよりも先 に捨てに行った。  これが元となり、ゴミ捨て場についたときに露出の衝動にかられてしまう。  沙智菜が横においてあった大きなバケツに何も入っていないことを確認 するとその中に制服を入れる。  下着姿になった沙智菜はブラとパンツを脱いだ。ちょうど裸になった時 に他のクラスの生徒がゴミを捨てるためにやってきたようで、声が聞こえる。 (うそっ!誰かくるのっ!?)  慌てた沙智菜はそのままバケツの中に入ればいいものを何と下着を落と してしまった。取っている間に見つかりそうだったので下着をそのまま置 いた状態でバケツの中に隠れる。  どうやら、ゴミを捨てにきたのは男子で、運悪くすぐに下着は発見され てしまった。 「おい、この下着まだ温かいぜ。脱いだばっかじゃねーか?」 「意外にその辺に隠れてるかも知れねーな」 「みんなで探してみよーぜ。恥ずかしいことしてる女子を」  男子たちの淫乱女捜索が始まろうとしていた。それも最悪なことに沙智 菜が隠れてるバケツの傍でこの会話をしている。  いつバケツを開けられてしまうかの恐怖が沙智菜の身体に響いてくる。  ただ相変わらず男子たちがいやらしい会話をしながら淫乱女捜索をして いるので、身体がどんどん素直に反応してくるのだった。 (あぁ〜ん、周兄さんまたまたピンチですぅぅーー)  そんな沙智菜の脳裏に周兄さんの勝手なイメージが浮かんできた。 ********************************   「こうなったら見つかる前に飛び出すんだ!」   「意外にみんなあっけに取られて逃げられるかも知れないぞ」 ******************************** (それで逃げられたとしても顔を見られちゃうよぉぉぉーー!  まあ、今回も運がよくて助かったんだけど.. 「あなたたち〜、サボってるんじゃないわよっ!ゴミ捨てたらすぐに戻っ てきなさいよっ!」と男子たちと同じクラスの女子たちの怒鳴り声がした。  まさか淫乱女捜索してるなんて言えないので、素直にそのままその場か ら立ち去っていった。  今のうちなら逃げられると急いでバケツから飛び出して服を拾って猛ダ ッシュして校内に逃げ込んだ。  ただ、まだ真っ裸なので一度着替えるために近くの女子ロッカー室に入 ったが、すぐあとに廊下からこちらへ向かう女子たちの声が聞こえてきた。  女子たちが入ってくるのは間違いない。このままだとばれるのも時間の 問題なので奥行きのあるロッカー(扉無し)に頭から仰向けに入る。  足が出ているので足も折る。  ただ扉がないので、もし見つかったら顔は見られないがおま●こ満開状 態の無抵抗な姿を晒すことに。  当然のことながら、中に入ってきた女子たちに見られてしまった。 「見てみて〜、あの子マッパでロッカーに入ってるわよ」 「うわぁ〜。あそこ丸出しぃ。これって何かのプレイ中だったりして」 「ねぇねぇ、顔を隠しているみたいだけど、もしかして4組の新宮さん?」 「そういや4組の新宮 沙智菜に似てるわっ。いや、絶対にそうよ」 (いやぁぁぁぁーー、完全に素性がばれてるよぉぉぉぉーー)  露出行為をしてることが完全にばれてしまった沙智菜に明日はあるのか。  女子たちが沙智菜を引きずって出して正体を確認してやろうと思ったと きに3度目の幸運がやってきた。  廊下の方から高い笑い声を出しながら、ある女子が偶然にロッカー室の 前を通り過ぎた。 「内川さま〜。今日もいじめの腕が冴えてますねぇ〜」 「そぉ〜。私に逆らう奴は死ぬほど恥ずかしい目に遭わせないとね〜。あ っはははっ」 「うわぁ〜。ひどい発言ですよぉ〜、内川さまぁ。でもこれで明日から学 校来れなかったりしてぇ〜」 「あっははは〜、いいざまよぉ。まあ、無様なレッテルが貼られるのは間 違いないわねぇ〜」  どこかで別の女子をいじめて、すっきりした内川の声が更衣室の中まで 届くと誰も居ないのではないかと思う程に静まりかえってしまった。  そして小声でぼそぼそと話しはじめた。 「ここは見なかった振りをしようよ..」「そうね。いじめに加担したな んて思われたくないし..」「新宮さんも可哀想よね..」  気がつくと露出行為がいじめをされてる風に変わっており、女子たちが 沙智菜に謝ってきた。 「新宮さん。内川たちはもう向こう行ったから出て大丈夫よ。早く服を着 替えたほうがいいわ」 「さっきはごめんなさい。露出狂なんて言ってしまって。よく考えたら、 これっていじめだよね..」 「あ・あの..これは」 「つらい事は口に出さなくていいから。私たちは味方だから。ほら、もう そっから出て着替えてきがえて」 「う・うん、ありがと..」  何故か女子たちに同情されて、内川さんに悪いことをしちゃったなぁ〜 と思う沙智菜だった。


つづく