こんにちはぁぁ〜、特別編でも解説を担当することになった紺屋 麻希
(出席番号6番)です♪
今日は学校を離れて1年4組の女子たちは東京駅に集合しています。
えっ?学校はどうした?男子はどうした?何で東京駅なのかって?
・・・分かりません!そういうことでいいじゃありませんか。
駄目だって?仕方ありませんね。じゃあ、少しだけ時間を戻しますね。
【柔紀】「ん?私の赴任お祝いにプレゼントって..何か悪いわね」
【美紗里】「いえ、担任がコロコロ変わることもなくなったので、その感
謝も含めて」
【沙智菜】「女子一同でお金を集めて買うものなので、そんな高価なもの
は買えませんが..」
【柔紀】「ううん、別に高価なものなんて要らないわよ。貴女たちの気持
ちがこもったものなら、先生嬉しいから」
【蘭】「じゃあ、ここは心のこもった食べ物だな。みんなで食べるという
ことで」
【凛】「というより先生より食いそうな気がするがな..ところでプレゼ
ントは誰が買いに行ったんだい?」
【悠子】「美紗里じゃないの?」
【美紗里】「えっ?私じゃないわよ。沙智菜じゃないの?」
【沙智菜】「私じゃないけど..あれ?誰が買いに行ったのかな」
【柔紀】「1つ聞くが、一番最悪なヤツが買いに行ったんじゃないわよね」
【女子一同】「・・・そういえば壱郷さんがいません」
【柔紀】にこり「気持ちだけ受け取っておこう..うん、そうしましょう」
【麻希】(妥当な回答かも..)
ガラッ。
【壱郷】「走って買ってきました壱郷です。私が思う最高のモノを買って
きました」
【柔紀】満面の笑みでにこり「要らないわっ(きっぱり)」
【壱郷】「それはすごく悲しいので走ってきていいですか?けど、実は集
めたお金は強奪されたので最高のモノは買えませんでした..」
【美紗里】「ちょっと!強奪って何よっ!じゃあプレゼントは..」
【壱郷】「ありません。話せば長くないので話していいですか?」
【凛】「長くないなら話せよ..ったく」
【壱郷】「摩訶不思議物産展が開催されるデパートがあったので、そこで
至極の摩訶不思議アイテムを購入しようと思ったのですが..」
【柔紀】「何なのよ、そのデパートは..」
【壱郷】「ちょうど、その横で日本の地酒の物産展を開催してまして全財
産を投じてもお金が足りないと喚いている酔っ払いの女教師と出会いました」
【沙智菜】「何かそれだけで全て分かった気がする..」
【柔紀】「つまりはお金が足りなくなった堂華先生にプレゼント代を渡し
たってことね..」
【壱郷】「はい、堂華先生が私たちの代わりにいいプレゼントを選んで買
ってくると言ってました」
【凛】「って言うか、酒だろ?そのプレゼントは」
【柔紀】「まあ、摩訶不思議なものよりはいいけどね..」
【壱郷】「こうしてプレゼントが買えなかった私に、堂華先生よりくじの
補助券を頂きました。くじの賞品にお酒がないから要らないと」
【蘭】「なぁなぁ、そのくじって食べ物が当たるのか?」
【凛】「さっきから食べ物のことばかりだな..」
【壱郷】「食べ物はありませんでした。特等から末等まで一通り当てまし
たので間違いありません」
【麻希】(特等から末等までって..すごいくじ運かも)
【壱郷】「そこで特等3本の団体旅行券を3つとも当ててしまったので先生
にプレゼントします」
【柔紀】「全て当てたんなんて..すごいわね。ん?これって神戸の旅行
券じゃないっ!3つ合わせるとかなりの人数で行けるわよ」
【蘭】「すげぇぇーー神戸だ!パンだ!プリンだ!お肉だぁぁーー」
【凛】「いや、その前に学校どうするんだよ」
【美紗里】「そうよっ!旅行のために学校を休むなんて言語道断よっ」
ガラッ!「ひっく、その話っ!私にまかせなさいぃぃ〜!」
【柔紀】「堂華先生?」
【堂華】「神戸と言えばぁぁー!灘の生一本じゃないぃぃーー!ここは震
災の凄まじさを実感するために私たちは学校に選ばれた代表として神戸震
災メモリアルパークに行かなければならないのよっ!ついでに震災後に蔵
開きなおした数々の酒造を見学するのもいい経験となるかも知れないわっ!」
【凛】「前後の酒というキーワードさえ無ければ立派な言葉に聞こえるん
だけど..」
【堂華】「ともかく、ここは元・生徒会長としての私の顔で何とかしてみ
せるわっ!決してタヌキを脅して無理やり社会科研修の許可を取るわけじ
ゃないわよっ」
【柔紀】「・・・脅して取るつもりだ..ぁぅ」
結局、こういうわけで女子一同で集めたプレゼント代が女子一同で先生
と一緒に神戸にいくツアーへと代わってしまったのであった。
一応、表向きは神戸震災後の状況を見に行く社会科研修となっており、
まさか本当に許可が下りるとは思わなかった。
(さすが、お酒が絡むと無敵な堂華先生だよ..)
【内川】カシャカシャ。「(じぃぃーん)これが噂のN700系なのね」
【取り巻き】「内川さまっ、そんなとこでカメラを持って何を撮ってるん
ですかぁ〜」
【内川】「べ・別にっ、N700系に乗りたかったのが叶って記念に写真を
撮ってた訳じゃないのよっ!試し撮りよ!試し撮りっ!」
【取り巻き】「いや、別にそこまで力説しながら否定しなくてもいいと思
いますが..あっちなんてもっと羽目を外してますから」
【蘭】「さっちんっ!早く撮ってくれ!ぶいっ!」
【沙智菜】「蘭っ!新幹線の上に乗るのはまずいからぁぁぁー」
【凛】「まったく蘭のヤツは..」
【沙智菜】「ちょうどいいところに、蘭に何とか言ってあげてよ」
【凛】キラリッ「今ならまだ大丈夫だ。あたしも乗るから早く頼む」
【沙智菜】「凛さんまでもですかぁぁぁーー」
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【柔紀】「あなたたち、あんまり羽目外しちゃ駄目よ。
ところで..何でわざわざN700系が写真があるのよ..
それもいかにも素人が撮ったような感じのものが..」
【壱郷】「筆者がこの作品のために取材して撮った
写真のようです。もちろん経費では落ちませんが..」
【柔紀】「取材って..まさか神戸の写真も出てくる
わけじゃないよね?」
【壱郷】「いえ、取材ですから神戸にも行ってもらい
ました」
【麻希】(って言うか、ただの観光旅行でしょ!)
【壱郷】「噂をすると影ということで、あそこに筆者
のぺた@ぺんさんとお仲間の闇撫さんがN700系の
写真を撮っていますよ」
【麻希】(ちょっとぉぉー、実際の話を入れちゃ駄目よ)
【壱郷】「どうやら集合時間の5時間も前の新幹線に
乗るみたいですね。余裕ある行動ですね」
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【柔紀】「5時間も前って..余裕取り過ぎじゃない..本当に5時間も前
に新幹線乗ってたら笑えるわね」
【麻希】(いえ..これ事実ですから..)
【壱郷】「おそらく、これは乗り過ごす事を前提とした緻密な旅行計画な
のですよ」
【麻希】(いや..乗り過ごす事を入れる自体、間違えてるって..)
【柔紀】「ともかく早く新幹線に乗るわよっ!よく分からないけどJRが
特別に1車両丸々、貸切にしてくれたんだからっ」
貸切って..何でそんなに豪華な設定になったんだろう..
ふと疑問に思った私が遠くを見ると、JRのお偉いさんたちが1人の女子
生徒にぺこぺこしながら会話をしていた。
【暑姫】「わざわざ貸切にしてすまないかえ。今度、我が屋敷に線路を引
く時は御主らに頼むとしよう」
「是非っ、お願いします。暖々堂財閥のお屋敷にならN700系でも引きま
すのでっ!」
おーいー、個人の敷地にN700系なんて引く気ですかぁ〜。
というより暖々堂財閥ってどれだけすごい財閥なのよぉぉぉーーー!
まあ、この際深く考えないで旅行を楽しんだ方がいいかも知れない。
おそらく..これからもっととんでもないことが起こりそうだから..
こうして何とか無事に新幹線に乗った私たちが神戸へ向かったのだが、
さっそく予想通りの展開が来てしまったようだ。
【蘭】「あはははは〜、次は私が歌いまぁぁーーすっ」
【美紗里】「歌えぇー、歌えぇー!とことん歌えぇぇー」
【凛】「ひっく、まったく歌っていうものはなぁ..」
【沙智菜】「zzzzz...」すやすや
【柔紀】「えっと、この宴会騒ぎになってるのはどういうことなの?それ
もクラス委員の信谷さんまでも羽目を外すなんて..」
【壱郷】「どうやら、この堂華先生がみんなに差し入れた美味しいジュー
スが関係しているかも知れません」
【柔紀】「ジュース?ま・まさか..」
【堂華】「ひっくぅ〜、みんな楽しんで飲んでるわね〜。あっ、柔紀ちゃ
んもオレンジジュース飲むぅ〜?アルコール入り10%って美味しいわよ」
【柔紀】「堂華先生っ!果汁みたいにあっさり言わないでくださいっ!」
【麻希】(どうやら、みんな堂華先生にお酒を飲まされてしまったようね)
しかし未成年がいきなりお酒を飲んだことが車掌さんにバレたらどうす
るつもりなのよぉぉ〜〜。もうすぐ車内検札があるというのにぃぃー!
【車掌】「乗車券を拝見しま〜す。ん?何か酒の匂いがプンプンしますね?」
【柔紀】「こ・これはその..えっと」
【車掌】「まあここは固い事いわないで先生もジュースを飲みましょぉ〜」
【柔紀】「!!そ・その声はまさかっ!」
【車掌?】「んぷぷ〜、新幹線お土産として教えてあげるわ。あるときは
綺麗な美人OL。あるときは新幹線の運転手。そしてまたあるときは車掌
さん。しかしぃぃ、その実態はぁぁっ!」
【柔紀】「・・・・・・」
【早知華】「愛の人妻、キューティー早知華よんっ♪」
【壱郷】「先生、新宮さんが泣きながらトイレに走っていきました..」
母親が乗ってることを知って沙智菜の座席には可愛い女の子の人形が置
いてあり、本人はまたトイレに閉じこもったらしい。
【柔紀】「まったくぅ〜、世話のかかる母娘だわ」
【早知華】「まあまあ♪そんな目くじら立たないで今日は無礼講といきま
しょうよ♪」
【柔紀】「こ・こらぁぁ〜。何をする気だぁぁ〜。私に何を飲ませるつも
りだぁぁ〜」
【早知華】「何ってジュースよん♪」
【柔紀】「うそだぁぁ〜、酒でしょ!こらぁ〜、やめろぉぉ〜」
結局、先生も強引にお酒を飲まされてしまい、私たちの乗ってた車両は
完全な宴会場となってしまった。
そして...数時間後..
【柔紀】「ぁぁっ..頭がガンガンする..目的地にはついたようだけど、
何か雰囲気が違うような気がするんだけど..」
【凛】「いや..明らかに違う気がするけど..」
【壱郷】「みなさん、ここは落ち着いて駅で買ってきたカキ駅弁を食べま
しょう」
【柔紀】「カキって..なんで神戸にかきめしが..」
【蘭】「さすが海のミルクだよぉ〜〜、この煮カキ最高だよぉぉ〜」
【壱郷】「あとお土産用に、そば肉玉入りのお好み焼きパックもオススメ
ですよ」
【柔紀】「そば肉玉お好み焼きって..広島のお好み焼きじゃないのか..」
【凛】「って言うのか、どう見ても広島駅だな..」
【美紗里】「・・・せっかく徹夜で組んだ私の旅行プランが..でも、こん
なこともあろうかと乗り過ごし計画プランもこの通りっ立ててきたわよ」
【沙智菜】「乗り過ごし計画プランって..」
【美紗里】「さあ、時間もないから皆でまずは原爆ドームにいくわよっ」
【壱郷】「神戸名所の1つですね」
【柔紀】「違うし、開き直って行っちゃダメッ!」
【壱郷】「けど..あそこで筆者のぺた@ぺんさんが乗り過ごしの清算を
済まして路面電車に乗り換えようとしてます」
【柔紀】「あれは例外よっ!5時間も前に乗るからいけないのよっ!私た
ちは神戸へ引き返すわよ」
【凛】「そうだな..あと筆者も強引に連れていくか。このままだとどこ
まで行くか分からないからな」
こうして私たちは神戸に戻ることにし、路面電車で宮島口まで行ってフ
ェリーに乗ろうとしていた筆者も強引に連れ戻すことにした。
「厳島にいかせてくれぇー」と筆者が分けのわからない雄叫びをあげて
いたが、それは無視することにした。
そして筆者と共に神戸に戻ってきたのだが..
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【柔紀】「おい..目の前に見えるリアルな
お城は何だ..」
【壱郷】「筆者が神戸駅に戻ったときに撮っ
た風景のようです。神戸に相応しいお城です」
【柔紀】「明らかに姫路城じゃないのっ!今
度は降り間違いなのっ!」
【美紗里】「それにしても姫路城って駅から
15分ほど歩くんじゃ..」
【壱郷】「どうやら、開き直って姫路城に行
ってしまったようです。さすが集合時間の5時
間も前の新幹線に乗った甲斐がありますね」
【柔紀】「いや..もうここまできたら余裕
がないような気がするけど..」
【沙智菜】「ところで、これからどうするの?」
【美紗里】「ふふふっ、心配無用よっ!こん
なこともあろうかと降り間違い計画プランも
この通りっ立ててきたわよ」
【凛】「そこまで作ってあるのかよ..」
【麻希】(この旅行..大丈夫なのかしら)
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結局、このまま姫路城を見ることになった私たちであり、神戸旅行なの
にまだ目的地に到着していなかった。
当然ながら、筆者の5時間のゆとりはもうほとんど使いきっていたので
あった。
<おわり>
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