「穂耶紀ちゃんのぼやき」(読切)


私の名は奥西 穂耶紀(おくにし ほやき)。 最近、いろいろいろいろいろいろぉぉぉぉっっっ〜〜!(はぁはぁはぁ..) い・いろいろあって、ぼやきたくなるのよぉぉ〜。 今日はそんな憂さをはらすために、久々の逆ナン中なんですぅぅぅー。 日本中のいい男は全部、私のものなんだからぁぁぁぁぁーーー こう見えてもちょっとはスタイルも顔もいいはずなんだけど..モテナイのです。 きっと、通っている学校で、イジメ女をやってるので、学校のいい男は敬遠して しまいそうなのだ。 (そうでなければ毎日、下駄箱はラブレターでいっぱいなんだからっ) まあ、いじめるのは好きだからいいんだけど.. でもでも、この頃は邪魔者が多くなってうまくいかないのれす..ぐすん。 だから、こうやって逆ナンでストレス発散をするのよぉぉぉーーー ではではぁ〜いいオ・ト・コはどこにいるかしらぁ〜♪ 久々の男漁りに燃える私を祝福するかのように目の前にネギをそった鴨が きましたよぉぉぉーーー。(きゃほぉぉぉーー♪) 私の目の前に平然と現れたネギ鴨女、古野 悠子(ふるの ゆうこ)。 ここであったら百年目。景気付けにちょっくら、いじめてやりましょうか。 すっぽんぽんに剥いて街中に放りこんじゃおうかなぁ〜 うぷぷぷぷぅぅー。私ってワルすぎるぅぅ〜♪ 「ちょっとぉぉー!そこの悠子ぉぉーー。ストップゥゥーーー!」 「えっ?えっ?」 「ふふふっ、この穂耶紀さまに見つかるとは不運すぎるわね。まあ、それも運命 と思って諦めることねぇぇーー」 「あ・あの..誰ですか..」 カチンッ!「あんた馬鹿かぁぁぁぁーー」「す・すいません」 「いつもあんたをいじめてるでしょっ!」「あっ..内川さんの右に居る人ですか..」 「そういう覚え方するなぁぁぁーー。奥西 穂耶紀って名前があるのよぉぉーーー!」 「左の人は今日はいないんですか..」 「だから、右とか左とか言うなぁぁぁーー!今日は内川さまがいないけど、この私が あなたをいぢめてやるんだからぁぁぁー」 「何か..普段と違って元気なんですね..」 「そうそう、聞いてよ〜。やっぱり、あんまり目立つと内川さまが機嫌悪くなるのよぉ〜 って!この穂耶ちゃんを馬鹿にしてるだろぉぉぉーー」 「そんなことないですか..右の人ですよね..」 「穂耶紀っ!ほ・や・き!右の人って言うなぁぁぁーー」 「よく内川さんにポカポカ殴られる人ですよね?」 「そうそう、私のナイスなアイデアを馬鹿呼ばわりして叩いてくるのよぉぉーー。この 天才の穂耶紀さまに向かってよぉぉ〜」 「でも..赤点とってたんじゃ..」 「恋愛に学力は無用なのよぉぉーー!いい男が学力に寄ってくると思うのぉぉぉー!」 「それじゃ..天才じゃないような..」 「恋の天才、いじめの天才と悪の天才と呼んでもらっていいわよぉぉーー」 「終わりの方は、あまりいい感じじゃないけど..」 「ともかくっ!今日のいい男ゲットの景気付けにあんたをいじめるというわけよっ」 「でも..あっちにカッコいい男の人、いますけど」 「おおおっ!でかしたっ!あれぞ、まさしくイイ男。この穂耶ちゃんにピッタシな男だわ」 「・・・・・・・・」 「と言う事で、今日のとこは見逃してあげるわっ!感謝しなさい」 何か目の前の悠子が呆れた表情を見せてるけど、今は気にしない気にしない。 イイ男が待っているんだからぁぁぁーー!ビバ!甘いデートォォォォーー♪ まあ..結果としては玉砕したわけで、この日も収穫がなかった私でした。 う〜ん、こんないい女をふるなんて最近のいい男は見る目がなさすぎるわぁぁーー こうなったら、今日も内川さまと一緒にいろんな女子をいぢめまくってやるっ。 ふふふっ、私って悪のよぉぉぉぉ〜。いえいえ、内川様には敵いませぬわぁぁ〜。 「・・・穂耶紀。そこで何1人馬鹿やってるの?」 「う・内川さま..今日もご機嫌うるわしゅうございます〜これはお土産の山吹色 のお菓子ですぅ〜」 「また男漁りに行ったのね..まあ、大好物のもなかを買ってきてくれるのは 嬉しいけど..」 「そういえば内川さま、昨日あの悠子を見つけましたよ」 「で、どうしたの?もちろんいじめたってことよね」 「そうするつもりだったんですが、イイ男が居ましたので見逃してやりましたっ」 ボカボカボカッ。「あんたはどうして、いつも抜けてるのよぉぉ〜」 「恋愛第一って言ってくださいっ!日本中のいい男は全員私を待っているんです」 ぼそっ「・・・・・玉砕ばっかりじゃないの」 「むっ!次こそはイイ男を捕まえますっ!まあ、その前に今日こそ、やられ役を 汚名挽回しましょう!」 ボカボカボカッ。「やられ役じゃないっ!あんたはどうして、いつも抜けてるのよぉぉ〜 それに汚名挽回じゃないっ!汚名返上、もしくは名誉挽回よ」 「細かいことは気にしてはいけませんぞ!そうよね。都緒(とぉ)っちゃん」 「うむ」 実は内川様の隣にいつもの通称、左の人がすでにいるのだが、彼女はあまり喋らない から存在感が薄いのかも知れない。 けど、こう見えても怪力の持ち主と言われ、どんな大男でも持ち上げることが出来る のだぁぁーー!意味はないけどね.. 私が紹介しないといつまでも左の人になっちゃうから言っとくけど、名前は角東  都緒乃(かくとう とおの)ちゃん。普段は都緒(とぉ)っちゃんと呼んでいるのだ。 「ふむ」 一応、そこそこスタイルも良く、顔も悪くないんだけど、彼女ももてない可哀想な子 なのれす。 まあ、あまり喋らないことと怪力に加え、大食いまでついているんだから仕方ないだろう。 「腹へった」 「都緒乃っ!あんた、さっき食べたばっかでしょ!穂耶紀、こいつの腹を何とかしなさい」 ああぁ、また出たよぉ〜、無茶な注文がぁぁ〜。この天才、穂耶ちゃんでも何でも出来る というわけじゃないというのにぃぃーー 何か最近の内川さまはイライラしっぱなしよねぇぇーーお月様が近いのかしら? 「違うわよっ!蘭に加えて、くそ腐女子まで出てきたからよっ!」 ああ..あの切り裂き女っすか..アレは反則すぎますね〜まあ、でも今日はそんな奴ら を一網打尽にする手を考えてしましたぞぉぉぉーー! 「内川さま。今日こそはお任せください。奴らを恥ずかしい目に合わす手をあります故」 「ふふっ、さすが穂耶紀。いい悪巧みが思い浮かんだようね。くくっ」 そう、名づけて走り幅跳びしたら、ウナギたっぷりの落とし穴に落ちちゃった作戦を 一晩かけて作ったのぢゃぁぁぁぁーー。 「このイジメの天才、穂耶紀さまにかかれば、蘭も紅い縫製も目じゃないのだぁぁー」 「さすが天才、いよっ憎いわよ。今度こそ期待できそうねっ」 「まかしてくださいっ、内川さま。すでに彼奴らは何も知らずに体育の授業を受けるの でありますからっ」 「あ〜ん、やっぱり穂耶紀は頼りになるわぁ〜。これであいつらの泣き顔が見れるわね」 こうして私の走り幅跳び大作戦が始まり、何も知らない馬鹿一同が走り幅跳びの順番 を待っている。 まずは愛賀っ!あんたが最初の犠牲者よっ! そう思ったはずなのだが、運動神経の良い愛賀さんはどうやら、あっさりと落とし穴が ある場所を飛び越えてしまった。 そして次の無関係な女子も運動神経がいいせいか、同じ風に飛び越えた。 「穂耶紀..1つ聞いていいかしら?」「何でしょうか?内川さま」 「あの蘭も、腐女子も苗字がや行よね..」「そうですね」 「この走り幅跳びって何順かしら?」「出席番号順だから、50音順ですよぉ〜」 「次は誰なのかしら..」「さ・さあ..誰だったかな..うの人だったような..」 ボカボカボカッ。「この馬鹿ものぉぉぉーーー!私が落ちたらどうするのよぉぉ〜」 「だ・だいじょうぶです..手前に作ってありますので飛び越えられます..」 「そう..信じていいのね?」「は・はい」 私を信じて、いつもより真剣に走り幅跳びをやる内川さま。 誰でも落ちるようにしたから、余程の人じゃない限り、落ちるわね.. 絶対、落ちますって言ったら怒られそうだったし.. バシャァァァーーーーンンッ!「〜〜〜ほ・ほやきぃぃぃーー」 とりあえず、こういうときが逃げるが勝ちって言いますね。と言う事で後はまかした。 シュタタタタッ・・・ 「都緒乃ぉぉーー!穂耶紀はどこいったぁぁぁぁーーー」「逃げた」 恥ずかしいスケスケびしょ濡れ姿で私を探しまわる内川さま.. ここは次回乞うご期待と言うことでごめんしてしてぇぇぇーーー いやぁぁぁ〜まさか、出席番号順に飛ぶとは考えてなかったねぇぇーー 攻防も筆の誤りっていうぐらいだから攻防するのに筆を選んでしまう間違いだって あるもんさ。 「ほややん..それ、攻防じゃなく、弘法大師..」 「攻防隊士?まあ筆を選ぶ隊士もいるわけだわ」 でも次こそは必ず、彼奴らを恥辱のどん底に堕としてみせるわぁぁぁぁーー! この天才、穂耶紀さまは10度や20度の失敗ではくじけないのさっ! 「次こそ、本当に任していいのね..」 「おおっ、体操着に着替え終わった内川さまも大変素晴らしいでございます〜〜 次こそはこの天才、穂耶紀にお任せあれ」 「はぁぁ〜何か..心配でならないわっ..」 「大丈夫ですよ。泥舟に乗ったつもりでお任せくださいっ!」 ボカボカボカッ。「私はかちかち山の狸じゃないっ〜」 「すいませんっ。大船ですっ。ちょっとした間違いですってぇぇーー」 「あんたの間違いは洒落じゃ済まないのよぉぉぉっ!」 内川さまは私の事を甘く見ているようだが、この私がひとたび才能を発揮すれば あんな馬鹿集団の1つや2つ、恥辱に落とすなどたやすいのだぁぁーー! 現に女子たちを辱めている内川さまさえも、私の失敗でいろいろ恥ずかしい目に あってるぐらいなのよぉぉーー! ボカッ!「このばか穂耶紀っ!次、失敗したらお仕置きだかね〜」 「ううぅ..内川さまがいぢめるよぉぉ〜都緒(とぉ)っちゃん」 「腹へった..」 「頭いたくなってきた..いいことっ!次は絶対、成功させるのよっ」 「わかってますよ。アイデアばっちりの穂耶ちゃんにお任せを」 そう、今日も頭が冴えていますともぉぉーー! 次か次にと思い浮かんでしまう恥辱の作戦にしびれちゃうわぁぁぁぁ〜〜 私ってやっぱり天才なのよっ!天才、穂耶紀さまの頭を学力なんかで測ろう なんて笑っちゃうわねぇぇ〜〜あっはははははははっ こうして次なる恥辱大作戦を決行すべく私は、3日後の理科実習でクラスの みんなが別教室へ移ったのを見計らって、ある細工を短時間でやって見せた のであった。 「内川さま、次の水泳の時間をお楽しみくださいませっ」 「ふふっ、さっき実習で遅れてきたのは何かやってきたということね」 「ええ、彼奴らの水着に少々、細工をしてみましたので。題して水泳でみんな すっぽんぽんになっちゃった大作戦ですっ♪」 「相変わらずセンスのないネーミングだけど、それはどういう感じかしら?」 「あいつらの水着、全て簡単に解きやすくしておきました。そう、今度はこちら が、あの紅い縫製の技を仕掛けたということです」 「ふふっ、素晴らしいわねっ!さすが穂耶紀ね。あんたはやっぱ、天才だわ」 「日本中のイイ男にモテモテの穂耶ちゃんですからっ」 「いよっ、モテモテ穂耶紀っ。あんたの美貌をわからない男なんてくずかも知れ ないわっ」 「当たり前のことですよ。内川さま。今度こそ泥舟っ!じゃなくて大船に乗った つもりで高みの見物をしてくださいっ」 そうよっ!今度こそ、私の勝利は確定的よね〜〜 あ〜ん、すっぽんぽんで慌てはじめる恥ずかしい馬鹿一同を見れるなんて、とっ ても、シ・ア・ワ・セ♪ そうとも知らずにのこのこ水着に着替えて現れちゃうなんて何てお馬鹿さん。 うぷぷぷぷっ〜ばかぁぁめぇぇーーー!そう大声で叫びたいよぉぉぉぉーー あと数分も経てば、あなたたちの水着はバラバラになって、恥ずかしい姿を 見せちゃうのよぉぉぉ〜 のん気に会話が出来るのも今の内ぢゃぁぁぁぁぁーーー! ああ〜ん〜、私って本当にイジワルな女だわぁぁ〜。人が恥辱な目に遭うのって ワクワクドキドキしちゃうのぉぉぉ〜♪ 内川さんも上機嫌だし、これは今度こそ成功よねっ!失敗は精巧の元っていう ぐらい、何度も失敗をすれば精巧になって失敗しにくくなるのよぉぉぉーー じっくりと時計を見ながら恥辱のシーンを待ちかねる私だが、なかなか水着が 剥がれようとしない..おかしいなぁ〜。ちゃんと仕掛けたはずだけど.. 内川さまの方を見ると、どんどんと機嫌が悪くなってきてるしぃぃーー おかしいっ!ちゃんとやったのにぃぃ〜やったのにぃぃ〜〜 しょうがない..こういう時は口が軽い蘭に上手く聞いてみるしかないかも。 (蘭の水着だって剥がれるようにしたはずだけど..) 「ねぇ〜蘭。何か、あなたの水着、ちょっとほぐれてない?」 「ああっ、急いで縫ったから仕方ないな。よくわかんないけど、解けかかって いたということで、矢井中がみんなの水着を急いで補強してくれたんだよ」 (何ですってぇぇぇーー!余計なことをしてくれたわねぇぇぇーー) どうやら、私が仕掛けたものを矢井中が全て元に戻してしまったらしく、私は それを申し訳ない顔をしながら内川さまに報告したのだ。 「というわけです..7人分も急いでやったのに全て水の泡ですぅ〜ぐすん」 「なるほど、それは仕方ないわね..まあ、あんたにしてはいい作戦だったわ」 「すいません..内川さま」「...いいわよ。次回を期待するわっ」 さすが寛大なる内川さま。私の失敗を許していただけるなんて素晴らしすぎるわ。 次こそは必ずあいつらを恥辱な目にあわせますので、それまでお待ちください。 ただ内川さまの満遍の笑みが見れなかったのは悔しいとこですなぁぁ〜。 内川さまも今回はかなりの期待を持っていただけに、肩を落としながら飛び込み 台の方へ向かっているし.. そんな内川さまが何か気づいた感じで私に疑問を投げかけてきた。 「穂耶紀っ!あんたさっき数、間違えてたでしょ!」 あっ、そういえば数を間違えたかも..でも確かに7人分したような気が.. 愛賀に悠子、信谷と新宮、矢井中と蘭..あれっ?6人しかいないわ.. そういえば内川さまに罰として私の水着を綺麗に洗ってきなさいって渡されていた から...急いで一緒にやっちゃったかしら... とりあえず何とかしなければいけないと飛び込み台を見てみると、見事に水着が ふっとんでしまったすっぽんぽんの内川さまが立っていた。 本当だったら、これをあいつらにやらせたかったのにぃぃーーー! かなり見事に水着が取れるから、すごいんだからっ、すごいんだからぁぁぁぁーー ..って今はそういうことを言える状況じゃないね..謝るのは後にしてと.. とりあえず、後はまかしたよ。都緒っちゃん。 シュタタタタッ・・・ 「都緒乃ぉぉーー!ほ・穂耶紀の大馬鹿はぁぁーーどこいったぁぁぁぁーーー」 「また逃げた」 かなり、お怒りになっていたらしく、しばらく裸でいることを忘れて私を必死に 追いかける内川さま.. いろいろなとこが見えてやばいですってっ。ともかく人目につかない場所を選ん で、逃げないといけない私であった。 (内川さまの裸を男に見せるわけにはいかないからぁぁぁーー) 「ばか穂耶紀ぃぃーーー!見つけたぞぉぉぉーーー」 子供みたいに我を忘れて全裸で走ってくる内川さまも素敵かも。まあ、下の方 もお子ちゃまなんだけど♪うぷぷぷのぷぅ 「穂耶紀ぃぃ〜、捕まえたわよぉぉーー!あんたの水着も剥いでやるんだから」 「あんっ♪もうどんどん剥いちゃってぇ〜。穂耶ちゃんをいぢめてぇぇー」 ボカボカボカッ。「このこのこのぉぉーーおおばかぁぁぁぁっ!」 ああん〜本気でいぢめてくる内川さんに感じてしまう私って怖いかもぉ〜 次の次こそ、あいつらを恥辱に堕としますのでごめんしてしてぇぇぇーーー♪ <おわり>


「穂耶紀ちゃんのぼやき」完