第2話「帰ってきたエリザベス」
はぁぁぁぁぁ〜〜、ため息が止まらない紅乃衣です。
先日はどこかのおバカなイギリス人ハーフとくだらない全裸勝負をして
後悔しまくりです。
運がいいことに誰にも見られなかったからいいものの、見つかったらど
う責任を取ってくれるのよっ!
こんな馬鹿なことをして人生、棒に振りたくないわっ。
あんな馬鹿な勝負、2度としてたまるものですかっ!
そりゃ..気持ち良かったけど..正直、おま●こ濡れまくりってやつ
ですごかったけど、あれは危険すぎるわ。
従姉妹のさっちゃんが同じ学年にいる以上、迷惑をかけるわけにはいか
ないわ。
さっちゃんって結構、男子たちに人気が高いみたいで羨ましいかもぉ〜
「ニンちゃん、何ぼーとしてんの?」「さっちゃん!?」
うわぁ〜、当本人のお出ましだぁぁ〜。ここは性癖がばれないように正
常心を保たなくちゃ..
「さっちゃん..そのニンちゃんはやめてほしいかも」
「あっ、ごめんなさい。だって、クノイちゃんってクノイチに近くて..」
そう、紅乃衣に一文字加えるとクノイチになり、服部という苗字から連
想されることから、小さい頃はよくニンちゃんって呼ばれてたのだ。
まあ、でも今さら変えてって言うのも何か違和感あるのかも..
「えっと、クノちゃんっていい?ニンちゃん。あっ、ごめんなさい」
「ごめん、さっちゃん。さっきの冗談だから、ニンちゃんでいいわよ」
「そう?ところでニンちゃんって、すごく噂になってるわよ」
ドキッ!「う・うわさって..ま・まさか..」
「そう、男子たちにすごく人気あるわよ♪従姉妹の私としては自慢かな〜」
いや..人気が高いのは、さっちゃんの方だけどなぁ..
「ニンちゃんって、昔から真面目だから、私も見習わないとね」
ううぅ、心が痛むよぉぉぉ〜。本当は真性の露出狂なのよぉぉぉぉーー
「さっちゃんも真面目じゃない?いじめから真正面と向かってるって話を
聞くわよ」
「そんな大したことないわよ。こう見えてもちょっとエッチかも知れない
わよぉ〜」
「さっちゃんがエッチだったら、周りの女の子たちは淫乱になっちゃうわ
よ〜。私の方こそ、ちょっとだけエッチかもよ」
(実際は全裸校内散歩をするぐらいのド淫乱だけど..)
「エッチなニンちゃんか..全然、想像できないわね〜。ニンちゃんって
下着がちょっこと見えただけで真っ赤になりそうだし〜」
いえいえ、おま●こもおっぱいも丸出ししてますから。
とてもじゃないけど、真実なんて言えないわぁぁぁぁぁ〜〜〜。
真性の露出狂だとばれたら、さっちゃんから一生、軽蔑されてしまいそ
ぉぉーー。
ああぁっ、いっその事、私も露出狂だったの♪って言ってくれると有難
いけど、それは絶対なさそうだわ..
「どうしたの?顔が真っ赤よ?もしかしてスカートが少し捲れたの?」
「ううん、何でもないない。ちょっと昨日、おかしな外国の女性に声かけ
られたのを思い出したの..」
「最近、そういう危ない女の人も増えたから怖いよね」
「うん」
「そういえば、外国の女性のことなんだけど、隣の市にすっごいお嬢様女
子高生が来たらしいのよ。高貴でいて清楚なイギリス人ハーフの女子らし
いなの〜」
「へぇ〜、そういう女子もいるのね〜」
この前のおバカな変態女子高生に爪の垢でも飲ませてあげたいわねっ!
同じイギリス人ハーフ女性でも月とスッポンってところね。
「確か、すごく印象ある名前だったのよね..えっと、苗字だけ日本名で
忍者っぽい感じで、ニンちゃんの服部よりももっと濃いものなんだけど..」
「えっ..そうなんだ」(ま・まさか..そんなわけないわよね..)
「とび何とかっていう苗字なんだけど..」「鳶加藤?」
「そうっ、鳶加藤エリザベスっていうの!思い出したわ」
うそっ..あのおバカなイギリス自称忍者、本当のお嬢様だったの?
って言うのか、本物のお嬢様があんな破廉恥なことするなよぉぉぉーーー
「確か、かなり日本通みたいよ。すごいよね〜」
いや、あれはただの日本アニオタです..
「何か、最近素晴らしい日本女性と出会ったらしく、お互い心技を鍛えあ
えるライバルが出来たみたいよ。ライバル視されるなんて、きっと凄い女
性だよね〜」
あれのどこが心技を鍛えるか問い詰めたいわ..私ってとんでもない子
と破廉恥勝負をしたってことなのぉ〜。
「けど、真面目なニンちゃんなら、お嬢様のライバルに相応しいかも〜。
実はニンちゃんのことを言ってたりして」
「あははっ..そうかもね..そうだと嬉しいけど..」
真意は違うけど、当たっていますとも..おっぱいに缶ジュース挟んで
全裸で走ったライバルですとも..
「私もニンちゃんみたいに、もっと頑張らないとね。まあ、でもたまには
羽目を外すのもいいかも知れないわよ。じゃあ、そろそろ授業だから」
「う・うん、今度時間できたら遊びにいくから」
「うん♪待ってるわ」
はぁぁぁ〜たまには羽目を外したほうがいいよですか..いや、羽目はず
しまくりなんですが..
とりあえず、4つんばいの全裸校内散歩も止めた方がいいかも知れない。
ルンの修行につきあったら、本当に牝犬として調教されそうだから。
そう決意したつもりだが、ルンにわけの分からないこと言われて今日も
恥ずかしい全裸校内散歩をやっているから情けない..
「ヘイ、クノイチは言葉を殺さなければイケマセン!散歩中は犬の鳴き声
で返事スルノデス」
「わんっ。わん」「見事デスヨ♪」
素直に犬の鳴き声で答える私も大馬鹿だけど、これって絶対、牝犬の調
教じゃないっ!これのどこが忍者修行って言うのよっ!
あれから毎日、調教され続けたせいか、何か本当に牝犬のようになって
いく気がするよぉぉぉ〜〜。大体、ルンもこれを変だと思わないの?
今では簡単な芸までルンの命令でやってしまうし、チンチンなんて忍者
とどう関係するのよっ。
「これは擬態の特訓デス。クノイチが犬に化けると見分けツキマセン!
某王女なんか勇者に見つけられるまで、ずっと犬デシタ♪」
うそだぁぁ〜うそだぁぁぁぁ〜無理があるすぎるでしょ!これっ!
大体、王女はゲームの中での話でしょ!ごちゃごちゃにするなぁぁ〜。
心の中でそう文句を叫ぶ私だけど、餌を皿に与えられるとお尻を振って
悦んでしまう。
「マダダメデスヨ!ヨシッ!食べナサイ」「わんっ」
ルンの命令で皿に盛り付けた餌を食い始める私。
恥ずかしいことに皿の底まで舌で舐めきらないといけないのだ。
「サスガ紅乃衣デス!どんどん立派なニンジャァに近づいてマス♪」
忍者というより、牝犬といった方がいいんだけど..
ああぁぁっ..このままじゃ本当の牝犬にされてしまいそうだよぉぉ〜
こんな馬鹿なことを修行といえるのはあんたぐらいだよ。馬鹿ルン!
「Ohoo!こんな修行をしていたとは、さすが我が生涯のライバルです
ことネ」
突然、私の耳に聞こえてきた聞き覚えのあるおバカな女子の声。
そうだわ..もう1人のおバカを忘れていたわぁぁ〜〜
「鳶加藤、何しにココにキマシタデスカ?もしや修行方法を盗むツモリデ」
「そのまさかですことヨ。そのクノイチ修行法、今後の参考にさせてもらい
ますですことヨ」
このおバカなくるくるたてがみロールお嬢様に誰か突っ込んでよ..
これのどこが忍者の修行よ!どう見ても牝犬調教でしょっ!
「シマッタデス。きっと鳶加藤は数段、ニンジャァらしくナリマース」
いやいや、牝犬らしくはなるけど、忍者には決してならんぞ。
と言うより、このおバカな自称イギリス忍者に聞きたいことがあったわ。
「ねえ、あなたって聞いたところ、お嬢様なんでしょ?何でこんな馬鹿な
ことに気づかないのよっ」
「おほほ、何を言ってますですこと?あれは世を忍ぶ仮の姿ですことヨ。
真のイギリスニンジャァと比べたら大したもんじゃないですことワ」
ああぁぁっ..誰かこの破廉恥お嬢様を病院に連れてってよぉぉぉーー
「トコロデ、本当に修行を盗むためだけにキタノデスカ?」
「No〜、違います!いい土手を見つけましたので、そこでリベンジです
ことヨ!この盗んだ修行にピッタシのドックレースですことヨ♪」
いやぁぁぁぁぁっ!何よっ、その危険すぎる単語はぁぁぁぁぁぁぁーー!
本当にこの頭がぶっ飛んだお嬢様を入院させてぇぇぇぇぇぇぇぇーー!
第2話後編
「紅乃衣!ココハ勝負をウケルノガ、真のニンジャァというものデス」
うう、完全に他人事だと思ってるわね〜。冗談じゃないわ、そんな危険
なことしてたまるものですか!
「おほほ、答えないとこを見ますと、余程この勝負、気に入ったみたいで
すことネ〜。言った私も正直、濡れていますですことヨ」
って誰がこんなの気にいるかぁぁーー。何か、勝負にかこつけて露出を
楽しむ意図が見えていそうな気がするわ。
「フフッ、これは答えは無用デスネ。紅乃衣、絶対に勝つのデスヨ」
「わんっ」(って..鳴き声で答えたら駄目じゃない。私もおバカだよぉ)
もしかしたら、心の奥底では私も楽しみにしているのかしら?
いや、楽しみじゃないと言ったら嘘になるのはわかってるけどぉ〜。
だけど、土手なんかで露出したら今度こそ、一巻のおわりだよぉぉぉ〜。
でも結局は服を着替えて、エリザベスと一緒に土手に向かうことになっ
てしまいました。
ちょっと恥ずかしかったのは正門を3人で出たときに周りの生徒に見つ
かって騒がれたことかも知れない。
「きゃぁぁ♪あれって噂のお嬢様女子高生の鳶加藤エリザベスさまよぉ〜。
ぁぁっ、噂どおり高貴で清楚よねぇぇぇ〜」
「見てみて、隣にいるの服部さんよ〜。我が校きっての清楚な服部さんの
知り合いだったんだぁ〜。何か2人揃うと近寄り難いオーラがあるわぁぁぁ〜」
「2人でどこ行くのかしらぁ〜気になるわぁ」「きっと真面目なとこじゃ
ないかしらぁ〜。それにしても絵になる光景だわぁ」
うわぁぁぁ〜、エリザベスも相当、外面が良すぎるから変な誤解されて
るじゃないっ!まさか、これから恥ずかしい勝負をしにいくなんて思って
いないんだろうな。
「そういえば、いつの間にかルンは消えていますですことネ?」
「あっ..まったくルンったら、どこに行ったんだろう..」
時たま、忍者のように消えちゃうのよね..もしかしたらルンが一番、
忍者らしい気がするんだけど..
ああぁっ、本当はこのまま逃げ出したいよぉぉ〜。
そうよね?大体、この勝負には一切の強制力がないから、いくらでも拒
否することが出来るじゃない。
まあ、そう思いながらも素直に土手に向かっているのだから呆れちゃう
わぁ〜。
通ってる高校の近くに流れてる川に沿って、20分ほど歩くと橋がかかっ
てるとこがあり、そこの土手は広いのだが、周りが山や田んぼばかりとな
っているのと、交通の便が悪いせいか、人の気配がほとんどない。
と言うよりは雑草をそのままにしてるせいで、遊び場にもならない感じ
ね。
土地柄、空気と水がいいから魚は連れそうだけど、この辺って農家ばか
りだから釣りをするひとも殆どいない。
そもそも私の高校って交通の便が悪いし、鉄道の駅が隣の市にしかない
のも何か納得いかないわ。
だから、こういう隠れ露出ポイントがいくつか存在してるのよね〜
そのポイントを早速、見つけてくるとはエリザベスも油断ならないわ。
私たちがぼうぼうに生えた草を除けながら橋の下に行くと、ルンが待っ
ており、わざわざ橋の下の雑草を全て刈り取っていたみたいだ。
(こういうとこは豆よね〜。わざわざ勝負の場所を作ったってことか..)
「ヤットキマシタネ。勝負の場は用意シテオキマシタァ〜。勝負方法はこ
こから向こう岸まで4つんばいで往復するドックレースデス♪」
「なるほどですこと。上に橋がかかっているので全力を出せそうですこ
とネ」「けどルン。川を4つんばいで歩くのは無謀じゃないの?いくら浅
くても滑ったら流されるじゃないっ」
「その時は4つんばいでハヤクコースに戻らなければイケマセン。タダシ、
コノ間は橋の上から丸見えにナリマース」
「それぐらいのスリルは必要ですことネ。ニンジャァーはこれぐらいで負
けてはいけないですことヨ」
「まあ、深くても20cmぐらいだし、一気にいけば何とかなりそうね」
前回と違って周りに人がくる危険もないし、橋の方もたまに車が通るぐ
らいだから大丈夫かなぁ〜。
少し安心した私は、エリザベスと一緒に服を脱いで、4つんばいとなっ
てスタートの合図を待つことにした。
ちなみに今回も負けた時は、おしっこをすることになっていた。
(周り中は草だらけだから、負けてもいいかも知れないわ)
「デハ♪2人とも準備イイデスカ?」
「私は問題ないですことヨ」「私もOKよ」
「じゃぁ、行きマスヨ!Gooo〜!」
ルンの合図で4つんばいの姿で川に飛び込む私たち。
よく考えたら、ものすごく恥ずかしいことをやってるのよね..
日・英の女子高生が全裸となって、4つんばいで川渡りなんて誰かに見
つかったら大事になるわよっ!
けど、ここらは人の気配もないし、上で車が通り過ぎても橋の真下に居
る限り何の問題がないわ。
勝つにしろ、負けるにしろ、さっさと往復して家に帰らなくちゃ!
だが、これに大きな罠が仕込まれていたとは、この時は気づかなかった
のであった。
楽勝で川の真ん中まで4つんばいで行くことが出来た私たち。
さすがに川の真ん中はある程度、深さがあり2人のおっぱいの先が水に
浸かるぐらいであった。
お互いに向こう岸に早く行こうとしたのだが、突然足を滑らして思い切
り流されてしまった。
流されていく2人にルンが他人事のように忠告してくる。
「川を甘く見たらイケマーセン♪早く、浅いトコ行かないとモット流され
マスヨ」
って、そんなこと言っても意外に流れがキツイじゃないっ!
何と恥ずかしいことに私たちの身体はどんどん流されてしまい、気づく
とルンの姿が見えないとこまで来てしまったのだ。
つまりは高校近くまで流されたようであり、2人とも急いで向こう岸の
草むらに飛び込むように逃げて身を隠すことにした。
川の上の方からは帰宅する生徒たちの声が聞こえてることから、いつ見
つかっても、おかしくない状況に陥ってしまった。
(ルンのやつぅぅぅーーー、嵌めたわねぇぇーーー!この状況どうしてく
れんのよぉぉぉぉぉーーー)
とりあえず、草むらに上手く身を隠しながら慎重に先に行くしかなさそ
うね。
ぼそぼそ「エリザベス!勝負はお預けよ。協力して先に進みましょう」
がくがく「で・できませんですこと..上には人通ってますですことヨ」
ぼそぼそ「知ってるわよ。先に進めば人も居なくなるから大丈夫よ」
ぶるぶる「無理ですこと..見られてしまいますですことヨ..」
ぼそぼそ「それが忍者なんでしょ?自分で言ったじゃない」
がくがく「それはあの場所だからデスコト。ここは危険ですことヨ!」
顔を真っ青にしながら訴えてくるエリザベスに呆れる私。
どうやら、本当に危険な目に遭うとお嬢様に戻るみたいね。
大体、私だって本当は怖くて泣きたいぐらいなのよぉぉぉーーー!
ああ〜ん、ここで見つかりでもしたら、さっちゃんに申し訳ないよぉぉ〜
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