ここはのどかでとても、とても平和な市。
一応、東京都に属してはいるのだが、駅がなかったことが幸いし、東京
とは思えないのんびりとした場所となっていた。
広がる田園、天然温泉なんかも出ちゃったりする何とも自然たっぷりな
ところ。
そんなのんびりとしたところだが、信じられない光景が広がっている。
それは、いつでもどこでもおかまいなしに、エッチな場面に出くわすこ
とであった。
そう、ここは大きな企業が無いせいで、財政が圧迫している上、隣の市
にある大型量販店や大型スーパーなどに客を取られてしまう為、市内の小
売店は低迷の一途をたどっている。
そこで、この市だけは唯一「看板娘」を店頭に置き、広告媒体として利
用できる市ということが国によって認められたのだ。
もちろん他の地域でも許可されるのだが、その場合は抽選によって選ば
れるので、集中して置くことが出来るのはここだけである。
さて「看板娘」とはどうようなものか?
それは日本国が小売店を救済するために作られた新しい法律の通称であ
った。
正式名は64文字の漢字で書かれており、この法律名を噛まずに最後まで
言うことが出来ず、ぱっと見の正式名では何の法律がわからない代物だった。
実は与党と野党が何とか特別措置法で必死に争ってる間に、こっそり出
してみたら簡単な審議で成立してしまったらしい。
ちなみにその新法成立を見逃してしまった時の総理と与党は、見逃した
ミスで解散に追い込まれたくないことから、正当な理由を強引に後付で付
けてきた。
これにより、新法(通称)「看板娘」はつぶされることなく、実施する
流れになったのだ。
今日もこの「看板娘」の新法のおかげで、とある生活雑貨の商店が、「
看板娘」を店頭に置いたみたら日本全国から大勢の客がやってきてごった
返しとなっていた。
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「あ〜ん、見ないでくださぁぁーーい!何で
私がこんなことをやらなくちゃいけないのよ
ぉぉぉぉーーー!」看板娘になった女子高生
が大声で抵抗している。
何せ、看板娘となった女性は例外なく恥ずか
しい格好をさせられるからだ。
公然の場でショーツ1枚で立たされ、薄い布
1枚だけでおっぱいを隠すことが許さない女
子高生。
正直なところ、風でも吹けば布は簡単にめく
れてしまい、おっぱいもポロリしてしまうのだ。
ぴゅぅぅぅー。ぽろりんっ♪
「おおおぉぉぉーー、おっぱいがこぼれたぞ
ぉぉ」「おっぱいっ♪おっぱぁいぃ〜」
「いやぁぁーー、見ないでぇぇぇーーー!」
おっぱいを出しても、この卑猥な「看板娘」
を続けなければいけない女子高生。
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実は彼女が自分から志願したわけではなく、何と強制的に選ばれた上に、
辞退することができないみたいであった。
そう、実はこの「看板娘」の新法で選ばれた女性は、原則として辞退で
きないことになっていた。
つまり「恥ずかしい」とか、「裸になりたくない」という理由で断るこ
とができないのだ。
そう、何と断ると警察に捕まって刑を受けてしまう理不尽なものになっ
ており、選ばれたら悔しくても必死にやるしかないのだ。
しかし、こんなことをやるぐらいなら捕まってもいいと思う女性も出る
し、激しく抵抗する者も出るはずだろう。
そんな時は「看板娘」査察官である”看@ぺん先生”が現れて事態を収
拾してくれるのだ。
看板娘あるところ、必ず”看@ぺん先生”がいるというぐらい、査察官
である前に看板娘愛好者兼看板娘評論家でもあった。
翌日、焼きたてパンを扱っている小売店で「看板娘」騒ぎが起こると、
どこからともなく”看@ぺん先生”が現れた。
「こんな恥ずかしい看板娘など、やってたまるものですかぁぁぁぁーー」
「お・落ち着いてください..今、”看@ぺん先生”が来ますので」
「誰が来ても同じよっ!警察でもどこでも連れて行けばいいのよっ!私に
こんな破廉恥な格好をさせる日本なんか大嫌いよぉぉぉーー」
「かなり、興奮してる様子ですね。店主」「おおっ、貴方が”看@ぺん先
生”ですか?」
「いかにもっ!私が看板娘を愛する看板娘評論家でもある”看@ぺん先生”だ」
店主の前に現れた変態..もとい”看@ぺん先生”が姿を見せるが正直
なところかなりおかしな格好をしている。
頭に黒いマスクを被り、顔のところにピンク色で大きく”看板”と書か
れおり、身体の方は前後に大きな看板をぶら下げているからだ。
「何よっ!そいつ!そうか、私にこんなことをさせた張本人ってことね!」
「いかにもっ!娘よ。その焼きたてパン看板娘に何が不服だというのだ?」
「何が不服かって?よく、そんな台詞言えるわねっ!これって、ただ裸に
焼きたてパンをつけているだけでしょ!」
「否っ!それは違うぞ。良く見ろ、誰もがメロンパンとフランスパンを買
いたくなってしまう格好をしてるとはわからんのかっ!」
「それがどうしたのよっ!」
「すなわちっ、ここのパン屋のおすすめはメロンパンとフランスパンとい
うことだ!考えてもみなさい..誰もが買ってみたいという衝動にかられ
てしまうのだ」うっとり〜
「そんな衝動なんて起きないわよっ!要はただの女体パン盛りじゃないっ!」
「それは違うぞっ!女体女体パン盛りなんかと一緒にされるとは心外であ
るっ!心外だ!」
「ふざけないでっ!これのどこが女体パン盛りじゃないと言えるのよっ!」
「いいだろう。説明しよう。まずは全裸の状態で紐の両端に美味しそうな
メロンパンを付けて、それを首からかけてブラのように見せておる。巨乳
の上で揺れるメロンパンは見事だと思わんかぁぁぁーーー」
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「思わないわよっ!!」
「悲しいぞっ。ふくよかな双乳の上で固い
メロンパンがぷるんぷるんと踊りだすっ!
誰が見ても口にしてみたいと思うだろぉ〜」
「ただ揺れてるだけじゃないのぉぉ〜。それ
に周りのこのパンは何なのよぉぉ〜」
「よくぞ聞いてくれたっ!まず両肩にはチョ
ココロネを乗せ、肘のとこにはかりかりのシ
ナモンツイストをくくり付け、頭にはサンド
イッチを乗せ、両腰のとこには食パンを装備
して見事なパン屋の看板娘らしい出来上がり
となってるのだぁぁぁ!」
「それが余計に恥ずかしいのよぉぉぉーーー!
大体、この股間のパンは卑猥すぎるわっ!」
「何を言う。そこが一番の注目すべき点だぁ
ぁぁぁーー!お股にはさんだ硬いフランスパン
は私の大事なとこを隠しているけど、実は逆
に擦れてしまって少しふやけてしまったの〜
って感じが素晴らしいではないかぁぁぁーー!」
「乙女の身体をこんな風にするなぁぁぁーー」
「悲しいぞ。実に見事な焼きたてパン屋の看
板娘じゃないかぁぁー!どこが不満なのだ」
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「全部よっ!全部!こうなったら壊しててもこっから逃げてやるわよっ」
「これだけ説明しても理解してもらえんとは悲しいことだな..」
「理解できるわけないでしょぉぉーーー!ああぁぁーんんっ!こんな格好、
友達に見せられないわぁぁぁー。これからずっと股間フランスパン娘って
後ろ指を指されるのよぉぉぉー。きっと」
涙目で”看@ぺん先生”に訴える女子高生に、はたしてどんな手を使っ
て納得させられるのであろうか。
「うーむ、仕方ないな。では、1つだけ問いに答えてもらよう。それから
でも逃げても良かろう」
「問い?何だかわからないけど、何を聞きたいのよっ!」
「実に簡単な質問である。今まで看板娘をやった娘は何故、1人も訴訟を
起こさないのか答えてみるがいい」
「それは例の罰則があるからでしょ!馬鹿じゃないの?それで訴訟を防い
でいるのよ」
「しかし、それなら捕まってもいいと言う女性には効き目はないんじゃな
いかな?」
「・・・それはそうね..考えてみるとおかしいわ」
「答えは実に簡単だ。この「看板娘」には飴と鞭があるということなのだ
よ。鞭についてはすでに皆が知っておるが、飴の部分については知ってる
ものが少ないからな」
「飴の部分..それって」
「まあ、飴といっても人それぞれ違うからな。その飴を説明するのが査察
官である私の役目なのだよ」
そういって看板娘になっている女子高生の耳元で”ごにょごにょ”と囁
いた看@ぺた先生。
「ということだ。これが君の報酬となる。当然、これは日本国が約束する
ものとなるのだよ」
「・・・・・そ・そうね..低迷する小売店を救うためだもの..仕方な
いわね..一肌脱げばいいんでしょ?」
「うむっ、物分りが良くて助かったよ。ちなみにその報酬は口外しないと
いうことで」
「べ・別に報酬が欲しくてこんなことやってるわけじゃないわっ!こ・こ
れは法なんだもの。守るのが当然なんだから..」
看@ぺん先生の報酬を聞いた途端に急に素直になった女子高生。
実はこの報酬はとてつもないものであり、その女性が最も手にしたいも
のを”看@ぺん先生”がリサーチして、政財界のパイプを使って実現させ
てくれるのだ。
今だかって、この”ごにょごにょ”を耳にして抵抗する女性は誰も居な
かった。
ちなみにこの新法は「看板娘支援会」によって全国の男性諸君より多大
な寄付と支援を受けているので、どんな報酬でも用意できるみたいであった。
ただ、それを公表すると変な報酬を要求する女性が出る恐れがあるので、
飴の部分は口外しないことにしていたのだ。
後日、衛生陶器(大便器、小便器、洗面器など)を扱っている小売店でも
「看板娘」騒ぎが起こると、いつもの”看@ぺた先生”が現れた。
「誰よっ、そいつ!そうか、こいつが例の何とか先生ね!」
「いかにもっ!娘よ。そのトイレ看板娘に何が不服だというのだ?」
「何が不服かって?よく、そんな台詞言えるわねっ!これって、ただ裸で
便器に座ってるだけのものでしょ!」
「否っ!それは違うぞ。良く見ろ、座るとこがないじゃないか!」
「それがどうしたのよっ!」
「すなわちっ、それは座る台座が女子高生の太ももになってるということ
だ!考えてもみなさい..女子高生の太ももに座って用を足せるのだぞ」
「用なんて足されてたまるものですかっ!要はただの女体便器じゃないっ!」
「それは違うぞっ!女体便器なんかと一緒にされるとは心外であるっ!心
外だ!」
「ふざけないでっ!これのどこが女体便器じゃないと言えるのよっ!」
「いいだろう。説明しよう。まずは、おっぱいの間には水を流す大小レバ
ーが付いているっ!そして背中には水を流すタンクを背負っておる。水平
に伸ばした状態で固定した両腕にはそれぞれ手を拭くタオルとトイレット
ペーパが設置されておる。更におまけで頭の上にはどんな匂いでも消す高
級な消臭剤つき、首には消臭効果が高い活性炭アクセもあるのだぞ!」
「それが余計に恥ずかしいのよぉぉぉーーー!乙女の身体をこんな風にす
るなぁぁぁーー」
「悲しいぞ。実に見事な便器店の看板娘じゃないかぁぁー!どこが不満な
のだ」
「全部よっ!全部!こうなったら逃げてやるぅぅっ」
「しかたないな。じゃあ、こうしようじゃないか」
そういって便器店の看板娘になっている女子高生の耳元でいつもの”ご
にょごにょ”と囁くとこの女子高生も急に素直になってしまった。
さすが”看@ぺん先生”!
見た目は変な先生だが、結構すごい人物かも知れない。
きっと、これからもいろんな女性が看板娘にされていくのだろう。
もしかすると、この新法が日本のあちこちで実施される日が来るのかも..
いや来て欲しいところだ。
<完>
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