「であるから、自民党の支持率は・・・」と今日も樹理歌はサブ司会として
原稿を読んでいる。
すでに樹理歌がサブ司会となってから、数回の放映をこなしており、サブ司
会としても少しずつ慣れてきている感じであった。
しかし、内面は毎回、身体中から火が出るほど恥ずかしい樹理歌だった。
毎回、薄色系の長袖シャツに、上に合わせた色のロングスカートと清楚なイ
メージの服装で毎回出ているのだが、背面側では未だに、とんでもない状況
のままである。
そう、どの服装を着たとしても必ずロングスカートのお尻の所には穴が丸々
開けられて、そこから生のお尻が丸見えとなっている。
それも、下着もつけない状態の完全な生のお尻であった。
TVでは決して映し出されることはないのだがスタジオでは誰もがお尻が丸
出しとなってることがばれている。
そして、樹理歌の後ろではコメンテータやゲストたちが、そのお尻に目を奪
われている。
樹理歌は恥ずかしながらも、この異常な雰囲気に耐えるしかない。
(一体、いつまでこんなくだらない事を続ける気なの..)
「では、コマーシャルに入ります..」
コマーシャルに入るとコメンテータたちが小声で話し始める。
<樹理歌ちゃん、今日もいい形してんぜ>
<今日は2回、原稿噛んだから尻叩きかもな>
「ぅぅ..」
そう、原稿を読み間違える回数が多いと樹理歌は立花に尻叩きをされてしまい、
その度に何ともいえない屈辱な思いをさせられるのであった。
樹理歌は思う。世間では真面目な番組なはずなのに実際はこんなふざけた事を
させて異常すぎると。
異常さと言えば、このスタジオにいるスタッフやゲストたちもおかしすぎる。
こんだけの数のスタッフがいてゲストも毎回来るっていうのに未だに外に漏れ
た事実がない。
普通だったら、もうとっくに大騒ぎになると思った樹理歌だったが、自分の予
想をことごとく裏切る結果となっており、自分が思ってた以上に立花って女の
力を実感させられてしまう。
やはり作山が忠告した通り、タレント生命をかけたぐらいでは立花はびくとも
しない。
今は立花が少しずつ暴走していくのを自分が耐えて待っていくしかない。
そう思うと少しは恥ずかしさから逃げられる気もする樹理歌だった。
そんな樹理歌に次なる羞恥な試練がやってきようとしている。
いつもの通り、お尻丸出しで番組が終えた樹理歌に、あの立花が微笑みながら
近づいてきたのだ。
「高空さん、最近は落ち着いた感じで、とってもいいわよ」
「はい、ありがとうございます」
「けどね..まだちょっと少し言葉を噛んでしまうとこがあるわね」
「す・すいません」
「いいのよ。貴方は司会が本業じゃないんだから。ただ少しは練習した方が
いいわね」
「れ・練習ですか..」
「そう、私のプロダクションと契約しているアナウンス学校があるから、そこ
で少し発声練習をしてみないかしら?」
「アナウンス学校ですか..」
「聖声アナウンスアカデミーというとこなんだけど知ってるかしら?」
「聖声アナウンスアカデミーですか!?」
聖声アナウンスアカデミー・・・業界では知らないほどが居ないほどのアナウ
ンス専門の養成学校であり、全国放送局アナウンサーの大半がここでの教育を
受けていることで有名なとこであった。
その学校のコースを何と樹理歌に薦めて来たのである。
「・・・・・それって聖声アナウンスアカデミーのちきんとしたコースですか?」
「当たり前よ。アナウンス短期集中コースを貴方に受けて欲しいのよ」
「・・・・・」
樹理歌は少しの間、考えた。
きっと立花のことだから何かを企んで薦めているはずだと。
けど、薦める学校は名が知れた養成学校であり、いくら立花の力が強大だとして
もそこまでは手が及ぶはずは無いと..
本当なら、断るのがベストなのだが立花を怒らしてしまったら、また何をされる
かわかったもんじゃない。
樹理歌はいろいろ考えた末に、この話しを受けることを決意したのだった。
「わかりました..短期コース受けさせていただきます」
「そう、良かったわ。実を言うと、もう今日からでも行ける様に話しをつけたから
今すぐにでも行ってちょうだい」
「は・はい...」
こうして樹理歌は聖声アナウンスアカデミーの短期コースに通うこととなり、立
花の手配で学校に向うことになった。
前のプロダクションでも似たような養成学校で教わったことのある樹理歌は少し
ドキドキしている。
せっかくの機会だし、ここは徹底的に基礎を教わって、アナウンスの技術を身に
つけておくのも悪くないと樹理歌は思う。
そんな意気込みで立花が申し込んだ教室にいくと授業がすでに始まっている感じ
だった。
「声が出てないぞ!」「はいっ!」「そこ、アクセントおかしいぞ!」「はいっ!」
廊下に響く講師の厳しい言葉。その厳しい雰囲気を見て樹理歌は立花の意図がわ
かった気がする。
そう、今度はこの厳しい指導で自分を参らせるつもりだと。
(羞恥の次はツライ目に遭わせる手ってことね..これぐらい、あの恥ずかしさ
に比べたらどうってことないわ)
立花の意図を把握した樹理歌はドアを軽く叩く。
「あの..すいません..少しいいでしょうか?」
樹理歌の声に講師が気付き、意外にも丁寧な口調で応えてきた。
「おっ、高空くんかね。ずい分来るのが早かったな。さあ、教室に入りたまえ」
「は・はい。失礼します」
樹理歌が教室の中に入るとそこには40人ほどのアナウンサーの卵がいて誰もが騒
ぐことなく普通に迎えいれたのである。
ただ、よく見ると女性の姿はなく男性ばかりのクラスで、みんな学校側で支給さ
れたジャージ姿で授業を受けている。
そんな中、講師が私に近づいて簡単な説明をし始めてきた。
「ここのクラスはな、この学校の中で最も厳しいクラスという事を覚えてくれた
まえ」「は・はい・・・」
「最初は女性も多くいたが、この通り脱落していなくなるほど厳しい授業だと覚
悟して欲しい」「はい..」
(やっぱり..私をキツイ目に遭わせる為ね..でも耐えて技術を覚えて見せるわ)
「まずは授業の一環として高空くんの前で皆に自己紹介をしてもらうから、君は
少しの間、彼らの自己紹介を聞いてくれたまえ」
「はい、わかりました」
講師の指示で男子たちが樹理歌にむけて自己紹介を始める。
皆、真剣に大声で紹介する様は、まるで軍隊のようなノリで、どれだけ厳しい授
業を受けていることがひと目でわかるほどだった。
だが、自己紹介をしている彼らの中の数人かに何か変な違和感を樹理歌は感じて
しまう。
それは彼らの来ているジャージのことであり、どうもおかしな違和感がある。
(・・・・何か変な感じだけど..まさかね..)
そんな違和感を感じる樹理歌に講師がとんでもない答えを言ってくる。
「ん?どうした高空くん?不思議な表情をしているが」
「いえ..何でもありません」
「君の聞きたいことは良くわかるんだよ。大塚!その場で後ろを向けっ!」
「えっ..そ・それは..」
「早く向け!大塚!」「は・はいっ!!」
少し恥ずかしがる男子を振り向かせる講師。彼が振り向くと、とんでもないもの
が樹理歌の目に映ってきた。
「えっ!?な・なっ・何であの人・・・お・お尻を・・・」
そう、振り向いた男子のジャージのズボンには大きく穴が開けられており、そこ
から生のお尻が丸見えとなっている。
それも下着をつけてない恥ずかしい姿となって。
「このクラスではな。出来の悪い奴は、ああやって恥をかかせるのが決まりなん
だ!もちろん女子であっても出来が悪ければ同じ目にあってもらう」
「・・・そ・それじゃ..脱落したのも..」
「まあ、恥ずかしくなって脱落したのかも知れん。だが、たががケツぐらいで脱
落する奴などこのクラスでは無用なのだ」
(や・やられたわ・・・)
樹理歌は愕然とした。どうやら、立花が樹理歌を辱める事を忘れてはなく、巧妙
な手口で恥ずかしい目に遭わせてきたのであった。
はめられた事に愕然とする樹理歌だが、すぐに講師に向ってある事を確認してきた。
「あの・・・出来が良ければ普通のジャージを着られるってことですね?」
「当たり前だ!ここはな聖声アナウンスアカデミーの特AAクラスだ。最も厳し
いがここを卒業した連中は全て立派なアナウンサーになっている。立花はくだら
ないことに俺の特AAクラスを利用しているが、お前のやる気次第でいくらでも
変えられるだろう」
少し立腹な表情で言ってくる講師を見ると、どうやら立花とグルになってるわけ
でもない。
立花の方が、このクラスのやり方を上手く利用してこの手を考えたのであろう。
つまり、樹理歌のやる気自身でこの羞恥から逃れることも出来、希望が見えてき
た感じだった。
だが、この希望が相当困難なものであることを樹理歌はこの後に思い知らされる
ことになる。
「高空くん..いいや高空、他に聞くことはないか?」
「いえ..今のところはもうこれで..」
「じゃあ、今度は君の方から自己紹介をしてくれないか。もちろん、これで出来
が悪かった場合は悪いが穴あきのジャージを着てもらうぞ」
「・・・・そ・そんな・・・・」
「そんなじゃない!恥ずかしい目が嫌だったら、ちゃんと自己紹介をすればいい
だけの事だ」「・・・・わ・わかりました」
講師に言われるままに自己紹介を始める樹理歌だが、焦りと不安からか結局、あ
ちこちで言葉を噛んでしまったのである。
「どうやら、結果は言わなくてもわかるな。ほら、お前のジャージだ」
講師が冷たい表情でジャージを樹理歌の足元に投げつけた。
そのジャージのズボンには見事な穴が開いており、これからこれに着替えると思
うと悔しい気分で一杯の樹理歌であった。
(こんなとこでも、お尻を出すことになるなんて...)
床にへたり込んでしまう樹理歌に講師が更なる仕打ちを言ってくる。
「そうそう、言い忘れたが、下着を脱ぐのは下だけじゃないぞ。出来の悪い奴は
ジャージのみと言う決まりだからな」
「そ・そんな・・・」
あまりの仕打ちに少し泣きたくなる樹理歌だったが、意を決して立ち上がる。
ここで負けたら立花の思うがままであるからだ。
「ど・どこで着替えたらいいんですか..」
「そこの長いカーテンにくるまって着替えて来い。透ける事もないから問題ない
だろう」
「・・・・カーテンでですか..」
「カーテンが嫌ならその場で脱ぐんだな。更衣室などという立派なものはないん
でね」「・・・わかりました..着替えてきます」
樹理歌はあまりの不道理に納得いかなかったが、諦めてカーテンの方に向かい身
体を上手にくるめる感じで着替え始める。
ギリギリの空間が出来るように上手にくるめたせいか、他のみんなからは樹理歌
の足元しか見ることが出来ない。
しかし次々と落ちてくる服や下着に男子たちは密かに興奮を感じていた。
数分後、着替えが終わってカーテンをほどく樹理歌。
青の長袖ジャージに同色のズボン、下着を外したからと言っても透ける事はなく、
正面からでは、少しも大胆とは見えず、普通のジャージ姿に見える。
だが、その後ろ側は決して男性には見せたくない格好となっている。
そんな樹理歌に講師の非情な指示が聞こえてきた。
「高空、お前の復習を始める。こっちにきてお尻を向けてもらうぞ」
「・・・・は・はい」
顔を赤らめながら教壇にあがり、男子の方へお尻を向ける樹理歌。
これから羞恥な復習をすると思うと恥ずかしくてたまらない樹理歌であった。
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