第1話「サンデーナイン」

　日曜、朝９時。ある全国チャンネルで高視聴率の「サンデーナイン」と
いう番組が始まった。
　サンデーナインは生番組で毎回いろんなタレントを呼んでいろんな社会
問題について話し合うけっこう真面目なＴＶであり、高空　樹理歌が先週
よりこの番組のサブ司会に抜擢され出演する事になったのである。

　ブラウン管からは高空　樹理歌と言うネームプレートがのった司会机で
原稿を立ち姿で読む樹理歌の姿が映し出されている。
　司会机は机と言うよりは譜面台に近いものであり、樹理歌の立ち姿が全
て見えるようになっている。
　そしてコメンテータである著名人やゲストタレントが後ろの普通の長机
に座ってるのが映し出される。
　一見、何も無い普通の番組だが先週からコメンテータ側の人達の様子が
おかしいと番組側にクレームが殺到している。
　特に辛口堅物の大下監督は先週から、時よりへらへらしており視聴者か
ら「あの欲ぼけじじい外せ」「何、若い女に見とれてるんか」など苦情が
出ていたのであった。
　そう、コメンテータの男全員が樹理歌に魅了されている感じである。
　だけど、これには視聴者にわからないからくりがあり、このスタジオに
いる者しかわからない。
　そう、実は樹理歌がＴＶに見えないとこで、とんでもない事になってい
るからであった。


　立花　舞子を怒らせた数日後、樹理歌は急にプロダクションの社長に呼
ばれる。
「あの・・・何かあったのですか？」
「実は例の立花さんのことでな・・・」
「・・・・何か言われたんですか」
　樹理歌は重苦しい表情をしている社長に嫌な予感を感じる。
「実はな．．立花さんが君を自分の立花プロダクションへ欲しいと申し出
があったんだ」
「えっ．．それって移籍ってことですか？」
「まあ、そういう事だな．．すまんが移籍してくれないか．．すまない」
　社長が席から立って急に土下座して樹理歌に頼み込んできた。
　どうやら、断わることの出来ない話なのは社長の態度ですぐわかる。
「・・・り・理由を聞かせてください。絶対に口外しませんので」
「・・・・君は頭のいい子で口の固い子だ。わかった、素直に話そう．．」
　社長が樹理歌を信じ、全てを話し始める。話しを聞くうちに樹理歌の顔
が少し青ざめていく。
　何とあの立花は自分の力で樹理歌が所属するプロダクションそのものに
脅迫をしてきたのである。

　それは高空　樹理歌を自分のプロダクションへ移籍させなければ、樹理
歌が所属するプロダクションのタレントを全てＴＶに出させないと言って
きたのであった。
　あまりにも、とんでもない脅しであり樹理歌は立花の力に驚いてしまう。
　だが、こんな卑怯な手に屈するのが悔しくなった樹理歌は移籍を引き受
けた後にある決意をする。
　そう、自分のタレント生命と引き換えに立花と対立するつもりで移籍を
決意したのだが、ある敏腕マネージャーの説得で屈辱的な道を選ぶことに
なった。

　そう樹理歌を説得したマネージャーは立花と同じぐらい、いろいろとコ
ネを持つ人物であり樹理歌が芸能界に入る時に凄くお世話になったマネー
ジャーだった。
　そのマネージャーも樹理歌と一緒について移籍する事となり、樹理歌の
決意を聞いてあるとんでもない事を言ってきた。
「あのーその言葉、本気ですか？作山さん？」
「ああ、例えタレント生命を掛けてもどこの雑誌社にもＴＶでも取り上げ
ないよ」
「でも、あのフライデーやパパラッチみたいな人まで抑えられるんですか？」
「ああ、全て抑えられるよ。あのばあさんなら２０〜３０人のタレント枠
を永久に白紙にする事だって出来るさ」
「じゃあ、私どうしたら・・・」
「．．．１つだけ手はあるよ。樹理歌ちゃん」
「どんな手なんです？作山さん」
「君にとっては結構つらい事だと思うが聞くかい？」
「・・・はい。たとえ辛くてもあんな言葉１つで全ての努力を台無しにす
るぐらいなら」
「おそらく、あのばあさん。君を専属にしたって事は辱めるつもりだろう」
「辱め？それって私をお色気とかの番組に出させるって事ですか？」
「そんな単純なもんじゃない。それにそんな事したらあのばあさんは終わ
りだよ。何せあのばあさんは表向きは優しいゴットおばさんさ。馬鹿はし
ないな」
「？？？じゃあ、私を専属にして何をさせるの？」
「辱めさ。ただし、視聴者にはわからない辱めさ」
「観る人がわからない恥ずかしい事？それっていったい？」
「以前な。君と同じにばあさんに睨まれたタレントがその手で潰されたか
ら、おそらく今回も同じ手でいくんだろうな」
「？？あのー、それってどんな手なんですか？」
「露出さ。手っ取り早く言えばＴＶで映らない箇所を思い切り晒させるの
さ。その手でやられたその子は１ヶ月も経たない内にノイローゼで芸能界
を去ったよ」
「・・・ひどい。じゃあ私にも同じ手でくるという事ですね」
「そういう事だ。だけどこれがあのばあさんの命取りになるのは確実なん
だよ」
「えっ？あのーそれってどういう意味で？」
「あのばあさんは君にいろいろ辱めをさせる。そうスタッフも全て暗黙の
上で堂々とな。だけどな、ブラウン管にはそいつらの異変が映るんだよ。
前の子はその異変を視聴者に完全に知らさせる前につぶれたが、その異変
が続けは必ず矛盾は出る」
「・・・・・でも、それって私が」
「そうさ、君が堪えればどんどん辱めはエスカレートするだろう。そして
あのばあさんは君の惨めな姿を見て高笑いするだろう。だが、それが盲点
なのさ」
「えっ？盲点って？」
「そうなるとあのばあさんも我を見失うし、周りも異常になる。完璧なコ
ネはただのベニヤ板となる。もうそうなれば崩すのは簡単さ」
「でも、報道や雑誌を押さえられたら結局は同じにならないの？」
「無理だな。その時はもう度を越した状況で隠すレベルにならないのさ」
「・・・じゃあ、あの立花に一糸報いられるのね」
「一糸どころじゃない。やつの全てを粉砕できる．．．．だけどな。そこ
まで行くには．．」
「・・・・・わかったわ。私が我慢してその時を待てはいいよね。たとえ
最後にＡＶのようにされても私は．．．」
「・・・樹理歌ちゃん。１つだけ君に約束しよう。僕も、こんだけの羞恥
な事を君にやらせる以上、かならず立花を地に堕としてやろう」
「・・ありがとう。それだけで充分よ。あとは私が最後まで我慢してみせ
るわ」
「樹理歌ちゃん．．．君のその行動を絶対に無駄にはしないから」
　こうして樹理歌は立花をいつしかどん底に落とす為、あえて屈辱の道を
選び、立花のしたい事に従う事になった。

　こうして樹理歌は立花の下へ移籍し、サンデーナインのサブ司会をやる
ことになったのだが打ち合わせした時の立花の言葉に耳を疑ったのである。
　大勢のスタッフとプロデューサーに向って立花が、その言葉を言い始め
る。
「彼女には、これからどんな状況でも落ち着いてこなせるアイドルになっ
てもらいたいのよ」「はぁ．．どういう事ですか。立花さん」
「彼女には緊張感を持たせる為に、少し大胆な格好をさせるから、貴方た
ちは大胆な箇所を映さないで欲しいのよ」
「は・はぁ．．大胆な箇所ですか．．」
「そう、詳しく言わなくても、その辺はわかるわよね？プロデューサーさ
ん」
「は・はいっ。もちろんです。立花さん。その辺はしっかり教育しておき
ますので」
「あら、さすが利口なプロデューサーね。これからもわたくしの方もいろ
いろアピールさせておいてあげるから」
「はい、宜しくお願いします」
　黙って横で内容を聞いてた樹理歌だったが、どんな格好をさせられるか
不安でたまらなかった。
　そんな樹理歌の前にサンデーナインのサブ司会の服が渡される。
　白の長袖シャツに白のロングスカート、大胆な格好と言った割には、少
しも大胆ではなく、どちらかと言うと清楚なイメージな服装に見える。
　実際に着替えて見た樹理歌だったが、特に変なところが見当たらない普
通の服装だった。
（一体、これのどこが大胆なんだろう．．）

　疑問に思いながらその姿でスタジオに入る樹理歌に立花が何かをもって
こっちに来る。
「よく似合うわね。高空さん。でも、まだ最後の仕上げが残ってるわ」
「えっ．．最後の仕上げって」
「これで、ちょっと調整するのよ」
　立花が裁縫用のハサミを私の前に見せてきた。
「な・何をする気ですかっ！」
　裁縫用のハサミを見た樹理歌の顔がこばわる。
「何をするってハサミで少し切るだけよ。さあ、後ろを向いてちょうだい。
どうしたの？嫌なの」
「・・・・・ぐっ．．わ・わかりました」
　樹理歌は悔しさに唇を噛むように立花の方へ背を向ける。こうなること
は覚悟していたのだが、いざ、そうなると悔しくてくやしくてしょうがな
い。
（こうなるのは分かっていたのに．．くやしいよ．．）

　樹理歌が背を向いてる方は立花だけが居るわけではない。ここはスタジ
オの中であり、立花の後ろには多くのスタッフがこちらを注目しているの
だ。
　もちろん、立花はわざとスタッフに見られる位置で樹理歌を辱めるつも
りでやっているのである。
（さあ、これからが貴方の恥辱の本番なのよ。おほほほっ〜〜）

　立花の裁縫ハサミが白のロングスカートに無惨に入っていく。
　樹理歌は悔しさに震えながら、そのハサミの動きを受け入れるしかない。
　ハサミは樹理歌のお尻の周りをぐるりと一周する感じで入っていき、立
花が何をしたいのか樹理歌にも徐々にわかってくる。
　そう、お尻を丸々晒すための穴を開けようとしており、ハサミが円を描
くと同時に丸い白い布が床に落ちた。
　その瞬間、樹理歌の健康的なお尻が丸出しとなり、思わず手で隠してし
まう。
「高空さん、手をどけなさい」冷たい立花の声がスタジオに響く。
　樹理歌はその声に従うように手を下ろし、スタッフに白いショーツを身
につけたお尻を晒してしまう。
　こんな恥ずかしい目に遭うのは今までなく、樹理歌の顔は真っ赤になっ
てしまった。
（耐えなくちゃ．．こんな事ぐらい予想してたはずよ。頑張るのよ！）

　樹理歌は自分に勇気づけるかの様に必死に耐えるしかなかった。だが、
スタッフに見られている羞恥には、つい身体を震わしてしまう。

「こりゃ、すげーぜ．．」
　肌を見せたことの無い新人清純派アイドルのお尻を見てスタッフが思わ
ず言葉を漏らす。
　誰もがこの風景に内心喜んでいたのであった。
　そんな中、更なる恥辱の命令が立花の口から出てくる。
「う〜ん。何か中途半端よね。そのパンティ、何とかならないかしら？」
「えっ．．一体どうしろと．．」
「そうね。ラインを無くす為にこういうのはどうかしら？」
　立花が大胆にも樹理歌のショーツを思い切り引っ張り、Ｔバックの様に
ショーツをお尻に食い込ませたのだ。
「いやぁぁぁーーーーー！」
　ほとんど丸見えになったお尻にスタッフの男たちの目が釘付けになる。
　そんな男たちを、さらに喜ばせようと思った立花が、とんでもない事を
樹理歌に要求したのだ。
「ねえ、やっぱ中途半端だから脱ぎなさい」
「えっ・・・ぬ・脱げって・・・」
「脱ぐのよ。ほら、どうしたの！」
「・・・そ・そんな．．．」
「何ぼさっとしてんのよ！早くしなさいっ！」
「は・はい・・・・」
　立花の急な大声に樹理歌は従うしかなく、スタッフが見てる前でショー
ツを下ろし始めた。
　脱いだショーツを立花に渡す樹理歌。立花やスタッフの前には完全に丸
出しになったお尻が露となった。
　正面から見れば清楚な白で決めた服装だが、後ろはお尻が丸出しという
何とも破廉恥な姿が完成してしまった。
　そんな樹理歌に勝ち誇った笑顔を見せてる立花が言ってくる。
「これが、あなたの正装なのよ。いいこと、こらからもこの格好で司会を
やってもらうわ」
「・・・・わ・わかりました・・・」
「あと、スタジオに必ずその格好で入ってくるのよ。こういう余計なもの
は着けないでね」
　ジョキジョキ・・・立花が樹理歌の目の前で先ほどまで履いていたショ
ーツを切り刻んでいく。

　落ちる破片を見ながら樹理歌は、もう決意するしかなかった。
　屈辱アイドルの道を歩く決意を・・・