エピローグ


 転向早々、お尻丸出しでの尻文字の試練をしてしまった美愛代。  ここまでしたのに、まだまだ入学試練が終わらない。  この先、一体どんな試練が待っていると言うのであろうか.. 「美愛代ちゃん、さっきの試練は素晴らしかったよ。この調子で次のルー レットも乗り越えていってくれよ」 「ルーレットって?それって何なのですか」 「そうか、まだ説明してなかったかな。水着に生着替えをするのはわかる よね」 「はい..時間内に着替えるんですよね..」 「時間内に着替えられない子は、どうなるかって覚えてるかい」 「確かタオルで隠して入るんですよね」 「そう、そのタオルを決めるルーレットなんだ」 「タオルを決めるって..まさか..まさかぁぁ」  頭をかかえて動揺し始める美愛代には大体、予想がついていた。  そうルーレットが隠すタオルの種類を決めるものだと。 「あ・あの..まさかハンドタオルなんてものがあるんじゃないですよね..」  恐る恐る聞く美愛代に笛地が爽やかな笑顔でグッと親指を立てて言って きた。 「ハンカチもあるからハンドタオルなんて、まだいい方だぞ」  あまりにも馬鹿げた答えに、一瞬意識を失いそうになってしまいそうに なる。 「あはははっ..嘘でしょ..なんでハンカチなのよ..」 「まあ、これも着替えを面白くする為さ」 「面白くしてどーする気よぉぉぉーー」 「いいじゃないか、何か元気も出てきたようだし、そろそろルーレットに いってみようじゃないか」  笛地が合図を出すと男子たちがルーレットを用意し始めてるが、突然学 園長が小さな楕円の切れ端を持ってきて笛地に手渡したのであった。 「これを今回から追加してくれないかね」 「おーっと、学園長。これは新しい枠ですね♪」 「えっ?新しい枠..」 「男子たちよぉぉーーよくこの枠を見て感謝するのだ。これはぁぁータオ ルなしの枠組みだぞぉぉーー。めちゃ枠、小さいけどな」 「ちょっとぉぉーータオルなしって?」 「もし着替えが終了しない場合、タオルをしないで入るって枠だな」 「・・・タオルをしないで!?」 「でも、枠小さいから大丈夫だよ」 「そ・そうですよね...」  不安がる美愛代が恨めしそうに学園長を睨み付けるが、男子たちに感謝 されてる学園長には届かなかった。 (ぅぅぅ..こんなの試練じゃなーいぃぃ) 「美愛代ちゃん、そんな顔しないで。この枠を好きなとこに張っていいか らさ」 「ううぅぅ..」  笛地に渡された枠を貼る美愛代だが、これに当たったらどーしようと強 く不安を感じる。  見たところ、枠はかなり狭くとてもあたる様子はないのだが、何故か強 烈な悪寒がしていたのだ。  そんな不安の中、笛地が明るく美愛代をフォローしてくる。 「大丈夫だよ。美愛代ちゃん。たとえ当たったとしても着替えれ終われば 問題ないんだから」 「そうですよね..」 「じゃあ、さくさくっとルーレットボタンにいきましょうか」 「は・はい..」  美愛代は教室の端に設置されたルーレット台に行きスタートボタンを押 し、数秒待ってストップボタンを押した。 (ああぁぁ..お願いぃ〜普通のタオルに当たってぇぇーー)  両手を合わせて必死に願う美愛代だが、何かルーレットのランプがゆっ くりと進み微妙な間隔で進んでいくのが気になる。  まるで何かにコントロールされている感じの進み方であったからだ。  ゆっくり進むランプが、まさかの小枠に近づいていくと男子たちが大声 で応援し始めてきた。 「おお、もしかしてタオルなしか!いけーあと少しー」 (お願い!!そんなとこ当たらないで!!) 「いけーあともう2個だぁぁlー!!」 (な・何なのこのルーレットまだ動くの?そんな...) 「いけーあと1つーーあと1つだぁぁーーー」  男子たちが叫ぶ中、何とルーレットはまさかの例の小枠に止めてしまっ たのであった。 「よっしゃぁぁータオルなし決定だぁぁぁーーー!うぉぉぉーー」 「う〜ん..美愛代ちゃん〜、残念だね」 「うそ・・・・こんなの詐欺よぉぉぉ」  美愛代が愕然とする中、笛地が平然として美愛代に向かって言ってきた。 「さあ美愛代ちゃん。時間もそろそろ無いから早く水着を選んでくれよ」 「・・・・・わ・わかりました..」  水着を選ぶと笛地が急かすように美愛代を着替えの場所へ連れて行く。  そう、生着替えは放送室でやる事が決まっているらしい。 「さあ美愛代ちゃん。その真ん中にあるカーテンの中で着替えるんだよ」 「・・・・・はい..」 「それじゃ、先生とみんなは少し離れてるからね」 「みんな?」  ふと見るといつの間にか放送室には多くのクラスメイトも付いて来てお り、一番いい場所には学園長がちゃっかり座っていたのであった。 「この人たち..いつの間に..」  美愛代は多くの男子たちや学園長が注目する中、放送室の真ん中に置か れているビニールのカーテン式の簡易更衣室に向かった。  実際に入ってみるとただ周囲をビニールのカーテンで囲んだものであり、 あげくには頭がようやく隠れるぐらいの高さしかなかったのである。  一応、笛地たちは離れてくれているが近くまでくれば充分着替えが見え る高さであろう。  そう、そんな中でこれから着替えなければならず、しかも着替えは1分 間の時間制限つきである。  タイムオーバーすれば、容赦なくカーテンが床に落ちる仕組みになって いた。 「ああぁぁっ!これじゃ姉さんと同じことやってるだけじゃないぃぃ〜」 (裸なんて、見せたくないよぉぉぉ〜!)  結局、姉妹そろって恥ずかしい目にあう運命かも知れない。  これからも美愛代の恥ずかしい試練が続くのであった。  っていうか..笛地先生、こんなとこで道草食っていいんでしょうか。 (終わり)


「美愛代の羞恥報☆」完