第4話「縮んでいたV字水着」


 次の日、亜代佳が控え室に入ると例の水着が置いてあった。  亜代佳はため息をつき軽い気分でこんな事をやると言った自分を後悔し ていた。 「あと1時間で番組か・・・早く着替えないと・・・」  本当なら1時間前からこんな破廉恥なものを着たくないのだが、あの石 谷がスポーツ番組はいつも生だから打ち合わせをしたいと言ってきたのだ。  それも、石谷が言うにはぎりぎりまで打ち合わせをしたいから始めに着 替えて欲しいとの事だった。  石谷の狙いを亜代佳は大体読めていた。  どうせ今日も汗をかかせて胸をテープからはがれる様にさせて覗いて楽 しむつもりであろう。  けど亜代佳もばかではない。服を全部脱ぎその姿で自分の鞄からあるも のを取り出したのであった。  そう、それは強力な特大両面テープであった。これなら、いくら汗をか こうとも剥がれるはずはないだろう。  亜代佳はまず、特大両面テープを胸の大きさに合わせて切り、両面テー プの片面を試しにはがしてみた。  はがした接着面はまるでガムテープなみの強力さがある事がわかり、少 し驚いてしまった。 (何なの?この強力さ?これ本当にはがせるのかしら?でもこれぐらいじ ゃないとあの石谷に・・・)  亜代佳は少し躊躇ったが石谷に見られるよりはましと思ってべったりと 自分の胸に貼り付けたのであった。  その強力さはすごく、ためしにはがそうとしても胸が引っ張られてしま い完全に胸にくっついていたのであった。 (これなら、たとえ水着の方がはがれても胸は見られる事はないわ。でも ・・・これじゃ、下には貼れないわね。)  本当は下も用心の為に同じのを張るつもりだったか、はがすときが大変 だと思い通常の両面テープにする事にした。  両面テープを張るとき、亜代佳は自分の変わり果てたアンダーヘアーを 見て少しため息をついてしまった。 (・・・・あーあ...これじゃ、もうしばらく友達と温泉も行けはしな いわ・・)  そう、このV字のハイレグの為に、ほどんどの毛を剃らなくてはならな くなり、今では真ん中に飾り程度ぐらいの毛しか残っていなかったのであ った。  さすがに全て剃るのには抵抗があり、亜代佳にとっての最後のとりでみ たいなものであった。 (あーーん。こんな水着さえ着なければここまで剃る事なかったのに...) 「はぁぁぁーまた、こんなの着て番組に出るのね....」  水着を手にすると一瞬に身体全体が赤く火照ってきてしまい、まだどう しても慣れる事は出来なかった。  身体中に汗をかきながら水着を着ると亜代佳はある違和感を感じ、急い で鏡の前に立ったのであった。 「!!う・うそっ?これ幅が前より細いじゃないの?どういう事?」  そう、どう見ても昨日の水着より幅が細くなっており両側が2cmほど 細くなっていたのであった。  AカップやBカップの2cmならそれほどでもないか、Eカップの亜代 佳の胸にとっては乳房の外形がはっきりわかるものであった。 (石谷の仕業ね。で・でも、今日は絶対にはがれはしないわ。もう2度あ んな目にあってたまるものですか!)  亜代佳は胸の両面テープが完全にはがれない事を確認し、鏡を見ながら 例のペターズのロゴと”優”・”勝”の文字を背中とお尻に貼ったのであ った。  ちょうど亜代佳が着替え終わって服をたたんでる時にドアから悪夢のノ ックがしてきたのであった。 「亜代佳ちゃん。着替え終わったっすか?終わったら開けて欲しいっす」 「ちょっと今、片付けて開けますので」急いで下着等を先に片付けてその ドアを開けたのだった。 「石谷さん。おはようございます」 「おはようっす。あれれ?やっぱスタッフがどじったの本当なんすね」 「え?何かあったんですか?」 「いや、その水着何か洗ったら縮まったって聞いたっすから」 「そうだったんですか。それで幅が少し小さく・・・」 「とりあえず、今日はそれで我慢して欲しいっす。あとで新しいのを頼ん でおくっす」「あ・ありがとうございます」  石谷がおそらく嘘をついてる事はわかっていた。こんな都合よく縮まる わけがない。きっと始めから別なのを用意していたのであろう... 「じゃあ、亜代佳ちゃん。打ち合わせを始めよう」 「は・はい。お願いします。原稿今出しますので」 「あ、それはいいっす。原稿はただ読めばいいんだし」 「え?でも打ち合わせって今日の試合の・・・」 「違うっす。今日の打ち合わせはエールの事についてっす」 「!!エール?あの昨日のあれですか?」 「昨日、教えた時は服だったっすからどうもうまく伝えられなかったっす」 「・・は・はあ。あのーあれじゃだめなんですか?」 「あれもいいっすけど、何か変な色気が出ておかしいっすよ」 「色気ですか?」 「そうっす。エールは応援なんっすから元気よくやらないとまずいっす」 「は・はあ・・・」 「とりあえず、実際に指摘した方がいいっす。まず昨日のをやってみるっす」 「えっ?ここでするんですか?」 「当たり前っすよ。打ち合わせなんっすから」 「・・・わかりました。じゃあ、エール行きま・・・!!石谷さん!何で そんなに近づくんですか?」 「近くで見ないと感じがつかめないっす。さあ、気にしないでやるっすよ」 「・・・・・・・・・・」  石谷は亜代佳にぎりぎりまで近づいて座ったのであった。お尻を突き出 せばおそらく石谷の顔と5cmもないほど近づくであろう。  石谷は、ただ自分が楽しみたいばかりにこんな事をしてるのだろう。 「亜代佳ちゃん。もう時間がないんだから、早くっす」 「は・はい・・・エールいきます」 「ペターズ、頑張れ!!」「ペターズ、頑張れ!!」 「ペターズ、頑張れーーーー!!」  亜代佳は恥ずかしさに必死に耐えながら石谷の顔の前でお尻のエールを 見せたのであった。  石谷はにやにやしながらその様子を見てから顔にあわない真剣な言葉を 言ってきた。 「うーん。やっぱ、変に色気があるっすね」 「は・はあ・・・」 「ここは応援らしく腰に両手をあててもらえるっすか?」 「腰に両手を!?」 「そうっす。その方が元気があっていいっす。ちょっとあててみるっす」 「・・・・はい...これでいいですか?」 「ちょっと左右に振ってみるっす」 「・・・・こうですか...」 「うーん。よけいにひどくなるっすね」 「・・・・・・・・」 「!あ、そうだ。少し足を開いてみるっす。そうやって閉じてるから変な んすよ」「!?あ・足を?あの・・・でも、それはちょっと」 「ん?どうしたっす。別に大きく開けるわけじゃないっすよ。”休め”の 姿勢でいいっすよ」 「・・・・あ・あのーどうしても足を・・足を開くんですか?」 「ん?何そんなに真っ赤になるっす。何か問題があるっすか?」  石谷はその理由を知っているにも関わらずわざと亜代佳に聞いてきた。  そう、このV字水着を見てもわかる様に後ろ側になると、ただのビニー ルチューブしか見えず水着の片鱗など少しも見えない様に作ってあったのだ。  その為、V字のハイレグを過ぎると即ただのビニールチューブとなって おり秘部の下半分は透明チューブの為、閉じた大陰唇がはっきりと見える のであった。  さらにお尻の穴に関しては完全に見えており、足を開けばそれらの箇所 が全部覗けてしまうのであった。  亜代佳は恥ずかしさの中、思い切ってその理由を言うしかなかったので あった。 「・・・石谷さん。あの・・・実は足開くと見えてしまうんです。  あの部分が・・・」 「ああ、そっか。そうっすね。だから前回もほとんど内股で歩いたんすね」 「ええ・・・だから足を開くのだけは....」 「うーん。でも、それは大問題っすね」 「え?あのーどういう事ですか?」 「もしもっすよ。生だから何かの拍子で足開いたらまずいっすね」 「はい・・・あのーそれなら・・この水着を...」 「この水着は罰ゲームだからダメっす」 「え・・・でも、もしもの時があったら....」 「そうっすね。たしかにまずいっすね」 「じゃあ・・・それなら、せめてもう少し違う水着を...」  亜代佳が何とかこの水着を変えさせようとした時、石谷が突然とんでも ない事を言い出してきたのであった。 「そうだ!僕が確認してみるっす。開いても大丈夫かどうか」 「え?どういう意味ですか?」 「亜代佳ちゃんの足が開いた状態がやばいかどうか確認するっすよ」 「!!そ・それは・・・・」 「これは重大な問題っす。亜代佳ちゃんだってTVに”赤いとさか”が映 っていいっすか?」 「赤いとさか・・・・・・そんなに私のは・・たれて・・・・・・」 「ん?何がたれるんっすか?」 「!?な・なんでもないです!!・・・・・・」 「とにかく確認っす。さあ、足を開くっす」 「そんな・・・・本当に見えちゃうんですーー!!」 「大丈夫だよ。僕は確認だけだから正面からしか見ないっす」 「正面から?」 「そうっす。カメラは基本的には真正面なのでそこから見えなければOK っす」「・・・・でも....」 「もう時間はないっす。それとも亜代佳ちゃんはやっぱりそんなにはみで てるんっすか?」 「!!そんなことないです。ちゃんと・・・ちゃんと・・・・」 「じゃあ問題ないっす。ぼくは決して下から覗かないから開いてみるっす」 「・・・・・・・・・・・」 「亜代佳ちゃん。早く開くっす!!!」石谷の顔が徐々にすごい形相にな っていき亜代佳はその怖さに諦めて足を開く事にしたのであった。 「・・・・・わかりました・・・開きますので確認お願いします」  亜代佳は足を休めの状態で開いた。 「それだとわからんっす。もう少し開くっす」 「でも・・・これ以上、番組では....」 「これは確認っす。もしもの時を考えてしなければいけないっす」 「・・・・・わかりました...」 「亜代佳ちゃん、覗かないんだからもっと思い切り開くっす」 「そんな・・・」 「そんなじゃないっす。ほら、思い切りっす」 「・・・・・は・・い...」  亜代佳は徐々に足を開き大股の状態になった。正直この状態で下から見 られたら全ての箇所を見ることが出来るだろう。  いや、大股になったせいで、おま●こが少し開き、透明のチューブが食 い込んできたのだ。 (ぁぁっ..どうしよ..ひもが食い込んできてるわ..)  亜代佳はおま●こを見られてないか、石谷の動向を注意をしていた。  今回は言葉どおり下から覗いてこなかったので、開いたおま●こを見ら れずに済んだと亜代佳はホッと安堵の息をついた。  けど、真正面といっても接近して低姿勢から見ている石谷には開いてい たおま●この一部分が見えていたらしい。 (くくっ、亜代佳ちゃん、残念だけど綺麗なおま●こを拝見させてもらっ たっすよ。下から覗かなくても丸見えなんっすよ)  まさか、石谷からおま●こを見られているとは思わない亜代佳はひたす ら屈辱の視線に耐えており、ようやく石谷から確認済みの声が聞えた。 「亜代佳ちゃん。問題ないよ。大股でこれならTVにも映らなっすよ」 「・・・・そうですか....」 「そうっすよ。あんだけ食い込んでも、陰唇が飛び出さなければ問題ない っす。お尻の穴も小さいっすから目立たないっすよ。けどピクピクするの はやめた方がいいっすよ」  かあああー亜代佳は顔がのぼせた様にすごく真っ赤になってしまった。 「じゃあ、確認も済んだ事っすからエールのつづき行くっすよ」 「エール・・・・・」 「そうっすよ。何ぼーとしてるっす。さあ早く腰に手をあててやるっすよ」 「・・・・はい...」「あ、足は休めっすよ」「・・・はい...」  亜代佳は素直にこの場は従う事にした。これ以上へたに逆らうと何をや らされるかわからないからであった。 「エール、いきます・・・・」 「ペターズ、頑張れ!!」「ペターズ、頑張れ!!」 「ペターズ、頑張れーーーー!!」  亜代佳はまた恥ずかしさに必死に耐えながら石谷の顔の前でそれも足を 開いた状態でお尻のエールを見せたのであった。 「うん。いいっすね。それなら元気あっていいっすよ」 「は・はい・・じゃあこれでもう...」 「まだ時間が余ってるっすからもう2・3回できるっす。さあ続けてやる っす」「・・・・・(ぐっ..)・わ・わかりました・・・」  亜代佳は結局あの後5回もエールの練習をやらされてしまい、やっと石 谷のOKが出たのであった。 「はあ・・・はあ・・・はあ・・・・」 「なかなか良かったっすよ。これならペターズもますます頑張れるっすよ」 「・・・は・・はい・・はあ・・はあ・・・」 「あ、そうっす。原稿少し変わったっすので渡しておくっす」 「原稿が?」  亜代佳は息を切らせながらその原稿を見たのだが、そこにはとんでも無 い事が書いてあった。 「い・・石谷さん。わ・私にこんな事を言えと?」 「そうっすよ。そんだけ強力なテープを張れば問題ないっすよ」 「!!・・・・・・・・・・・」 「じゃあ、先にスタジオ行ってくるっすから後からすぐに来るっすよ」  石谷はニヤニヤしながらスタジオに向かって行った。  まさか、石谷が亜代佳が強力なテープを張ることを予測していて先手を うっていたとは考えてなかった。  そう、このテープを張ったことが逆にあだになってしまったのであった。


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