第2話「亜代佳の宣言」
現在、あと3敗で優勝がなくなるペターズの今夜の相手はあの正武であ
った。
正武はすでに10連勝中であり今年は無敵の正武と言われるぐらいの強
さを持ち、正武の松崎監督は勝つ事を当然の様な表情で相手のベンチを見
ていた。
「いいか、お前ら。この試合は20点以上の差つけるぞ。あんな色ボケ球
団に負けたら恥だぞ。いいな!!」
今日の松崎監督は、いつもにも増して選手に檄を飛ばす。
松崎監督は例の賭けを人から聞き、神聖な野球を馬鹿にしたペターズを
許す事が出来なかった。
大差で叩き潰すっ!それが今日の試合にかける意気込みであった。
こうして試合が始まり、観客の誰もが正武のラッシュヒットが見れると
楽しんでいた。
「今日も1回表で9番までバッター回しちゃえー」
「ペターズ、1回表ぐらいは、ひと桁で抑えろよー。はははははー」
正武の1番バッターは数年前まで4番で打ってたホームランバッターの有
永であり、打つ気満々でバッターボックスに立った。
「さて..まずは1点場外で取らせてもらうぞ」
有永が堂々と場外ホームラン予告をする中、試合開始の音も鳴り、いよ
いよペターズの第1球が投げ込まれた。
ギュイイィィィィィィィーーー!! バシューーーンンン!!
「!!!な・何?」有永が思わず声を出してしまった。
何とペターズのエース夏堂が第1球で投げた球はとてつもなく速い豪速
球だった。
「ちっ!初っ端から無理しやがってこの馬鹿が!まだ1回表なんだぜ。少
しは考えろよな」
有永選手が完全に夏堂をなめてたのだが今日の夏堂は、どこか違ってい
る風に見える。
かって甲子園の時に豪速の夏堂と言われてたときに戻ってるようにも伺
えた。
そして、かっての4番の有永があっという間に三振を取られてしまうこと
になった。
いや有永だけでなくその後の2・3番のバッターも三振を取られ、何と
三者三振で正武の攻撃が終わってしまった。
正武の松崎監督も少し驚いたがすぐに冷静になり選手に檄を飛ばしたの
であった。
「いいか!うちも三者三振で抑えろよ!!」
松崎監督の指示とおり正武の投手は格の違いを見せつける様にあっとい
う間に1回裏を三者三振を取ったのであった。
そして2・3・4回とゲームは続いたのだが何とお互いに三者三振のシ
ーソーを繰り返したのであった。
松崎監督も苦笑いをしながら、どうせ打てないのは今だけさと、たかを
くくっていたが、それは大きな間違いであった。
そう、正武の選手の誰もがいつまで経っても夏堂のボールを打つ事もか
する事も出来なかった。
と言うより相手の投げる球が普段と比べられないほど凄い球を投げてく
るのであった。
去年までは3軍の新人でもホームランが打てると言われた程の情けない
ピッチャーの夏堂だったが、今日は大リーグ顔負けの球を投げてくるので
あった。
「いったい、あいつはどうなってるんじゃああああーーー!」
松崎監督はあまりの理不尽な状況に吼えてしまった。
実はこの夏堂は何と亜代佳の異常的な熱血ファンであり、意外にも例の
賭けが本当にエースの夏堂に火をつけたのであった。
「うぉぉぉぉ〜亜代佳ちゃんの水着姿、絶対見てやるぞぉぉーー」
不純な一球入魂だが、投げる球はどれも全身全霊をこめて投げたものだ
った。
ここまで、一生懸命にやる夏堂は何と亜代佳のお宝画像を全て集めてる
恐るべし男であり、亜代佳のパンチラ、透けブラ、ブラチラなどは数多く
収集していた。
亜代佳の女子アナなりたて時代のいろんな事にチャレンジして見せてし
まった透け乳映像、胸ポッチ映像などを秘蔵していており、そんな夏堂が
今までお宝にしてたのは亜代佳の生リポート中に夕立が降り、胸や乳首ま
でもほとんど透けた映像だった。
だが、去年の例の胸ぽろりハプニングが起こった後は某裏ルートで大金
をはたいて手に入れた画像のブレを一切なくした生おっぱい画像が夏堂の
お宝になった。
(どうやってブレを無くしたのは不明です(笑))
その亜代佳の生おっぱい画像を何とデジタルプリントアウトして肌身は
なさず今でも持っているんだから、夏堂の異常ぶりが納得できる。
今の夏堂はまるでエロの鬼神がとりついたかの様にすごい球を投げてく
るのであった。
「腕が使い物にならなくなっても投げぬくぞぉぉぉーーー!うぉぉぉぉ!」
「夏堂っ!球威が落ちてるぞっ!お前の亜代佳パワーはそんなもんかっ!」
「ふざけんなっ!見てろよっ。お前の捕る手が悲鳴をあげるまで球威をあ
げてやるぜぇぇぇーー」
「おもしろいっ、俺の亜代佳パワーはお前の球ぐらいで砕けるかやってみ
ろっ!今の俺は弾丸の弾でも捕って見てるさ!」
エロの夏堂に次々とおかしな激を飛ばしている捕手の冬山。
何とエロの鬼神がとりついてるのは夏堂だけではなかった。実はキャッ
チャーの冬山も”亜代佳命”と書いたパンツを穿くほどの熱血ファンであ
った。
(じつは彼も亜代佳の生おっぱい鮮明画像を肌身はなさず所持している)
「夏堂ー!!威勢がいいのは言葉だけかぁぁーー!なんだーこの球はー!
もっとすごいのを投げんかい!!」
「冬山ー甘くみるなよ!!まだまだ力があまってんだよー!!」
ギュリリリリリィィィィーー! ズッバァァァァーーン!!
「まだ生ぬるいぞっ!これじゃ亜代佳ちゃんが泣くぞ」
「それなら、これはどうだっ!俺の亜代佳ちゃん好きをなめるな!」
ギュギュリリリリィィーー! ギュバァァァァーーン!!
投げる度に威力が増してくる球に正武のバッターたちは、だんだんと恐
ろしさを感じ始める。
松崎監督も少しずつ焦りはじめたのか、本来メインゲームでしか出てこ
ない強打バッターまでも出してきたのであった。
「バ・バッター交代だー交代だぁぁぁ!!」
ギュリギュリギュバァン!!ギュバァァァァーーン!!
「オーノー!!モンスターボール!!」
正武の外人選手があまりの凄さに声を出してしまった。
もう今日のゲームですでに夏堂の球を打てる選手はいなくなってしまった。
しかし、まだ松崎監督はゲームを捨ててはなかった。いやあのペターズ
相手に捨てる事など出来なかったのであった。
「こうなったら延長だ!やつがバテるまでうちも三者三振で行くぞ!」
だが回が進むにつれて、夏堂と冬山以外にも火がつき始めてきたのであ
った。
ペターズ4番打者でありながらここ4年間ヒットすらも打てなかった須
山にも火がつき、何と正武のエースから見事なホームランを取ったのであ
った。
実はこの須山も隠れ亜代佳ちゃんファンだった。
そして須山のホームランがきっかけでペターズ全員に火が付き始め、正
武の十八番であったラッシュヒットが炸裂したのであった。
「亜代佳ちゃん好きだぁぁぁーー」カキィィーーン!
「俺の股間が熱く叫ぶぜぇぇーー」カキィィィーーン!
カキィン!カキィーン!カキィィィーーン!
「ぴ・ぴ・ぴっ・ピッチャァァァァーー交代だぁぁぁー」
青ざめた松崎監督があわてて投手交代をしたが、もはや誰が投げてもペ
ターズの勢いを止める事が出来なかった。
まさにあの亜代佳の羞恥の賭けがペターズの闘志をひきおこしてしまっ
たのだ。
結局あの正武が0対21で負けると言う誰もが予想できなかった惨敗で
終わったのであった。
一方、その様子を亜代佳は球場の放送席で見ており、放送することを忘
れてしまい、嬉し叫ぶような大声で必死に応援してしまった。
確かに動機は不純だが、あの優勝候補の正武に圧勝するなどファンにな
って初めて目にした大感激な映像だろう。
興奮し歓喜していた亜代佳は何と自分からとんでもない事を言ってきた。
「すごい!すごいわ!!もしこのまま連勝で最下位脱出できたら私、紐水
着で番組やってあげてもいいわ。そうよっ!胸の1つか2つで勝ちつづけ
てくれるなら、晒しちゃっても構わないわ!!」
そう、ペターズ熱血的ファンの亜代佳にとっては、もうここで脱いだっ
ていいぐらいハイな状態になっており、興奮しまくっていたのであった。
もちろん、放送席からの亜代佳の大胆発言を聞いたエースの夏堂は勝利
者インタビューでとんでもない宣言をしてしまった。
「もし亜代佳ちゃんがおっぱいを見せてくれるなら、明日からの正武との
3連戦、全部大差で勝ち続けてみせますっ!」
どうやら気分がハイになっていたのは亜代佳だけではなく、エースの夏
堂もかなり頭がいっちゃってる感じであった。
当然ながら、こんな馬鹿げたことを言ったので観客から大ブーイングが
起こって球場が騒然となったのは言うこともないだろう。
少し羽目を外してしまったエースの夏堂がチームメイトと共にロッカー
に戻るが、誰も夏堂を責める事はなく、むしろよく言ったと褒めていたぐ
らいだ。
そんな選手ロッカーに何と意外な来客がノックをして入って来たのであ
った。
「おおおっ!亜代佳ちゃん!」「何でここに?」
いきなりやって来た亜代佳に夏堂は急いで土下座をして謝ってきた。
「す・すいませんっ!変なこと言っちゃって!どうか今回のことは見逃し
てください」「お・俺からも頼みます。すいません」「こいつハイだった
んです」
どうやら、亜代佳が怒ってここに来たと勘違いをしてペターズの選手た
ちが次々と土下座をして床に頭を擦り始める勢いで深く謝ってきた。
「頭をあげてくださいっ..別に抗議できたわけでないんですから..」
全員土下座の状況に慌てる亜代佳。しかし、これで亜代佳のある迷いを
吹き飛ばしてしまったのだ。
「今日の試合、私、すごく感動しましたっ!私のあんなくだらない賭けで
ここまで本気になるなんて嬉しかったです。だから..だから、これから
することは絶対にオフレコにしてくださいっ」
亜代佳のおかしな言葉にチームメイトが不思議に思い、頭をあげると目
の前に衝撃な映像が映ってきた。
「うぉぉぉーーーお・お・お・おおお・おっぱいぃぃーー!!」
何と亜代佳が彼らの前で上着とブラを捲って、おっぱいを見せて来たの
であった。
「わ・私、決してハレンチな女じゃないんです..だから、変な風に思わ
ないでくださいっ」
おっぱいを出したことを必死に言い訳する亜代佳だが、今のペターズの
連中には見事なEカップのおっぱいに釘付けで耳に入ってない感じだ。
今さらながら、おっぱいを出してしまったことに亜代佳は不安を感じて
きた。
(ああぁ〜ん、よく考えたら、いつおっぱいをしまったらいいのぉぉーー)
確かに今、選手ロッカーにいる女性は亜代佳1人であり、ペターズの連中
の理性が切れた時には襲われてしまうだろう。
みんなに見られることで綺麗なピンク色の乳首もピンと勃ってしまい、
どんどんと恥ずかしくなっていてしまう亜代佳。
しかし、そんな亜代佳に向かって、あのエースの夏堂が意外な言葉を出
してきた。
「亜代佳ちゃん、もうおっぱいをしまっていいよ。亜代佳ちゃんの応援す
る気持ちはすごく分かったから」
「うん、ここまでされちゃ、俺らも頑張らないとな」「ああっ!」
どうやら、亜代佳がおっぱいを出すほど応援していると言うことだけは、
全員心の底からわかったらしい。
もちろん、この後もおっぱいを出した亜代佳を襲うことなどなく、普通
にお礼を言って変な雰囲気のままでその場は終わってしまった。
そして、言うまでも泣く翌日からのペターズの勢いは凄く、正武との3
連戦は約束どおり正武の大差での完敗というすごい結果になってしまった。
この結果を聞いた亜代佳もおっぱいを出したことが無駄にならなかった
ことに、嬉しくてたまらなかった。
むしろ、嬉しさのあまり、また選手ロッカーに挨拶に行っておっぱいを
出してもいいぐらいに思っていた。
(恥ずかしかったけど..こんだけ頑張るのを見ちゃうと、またご褒美を
あげたくなっちゃうぅ..私、そんなハレンチな女じゃないのに〜)
そんなことを思っていたせいか、以前、勢いで言った紐水着の宣言をも
う1回、番組内で言ってしまったのであった。
「このまま勝ち続けて最下位脱出できたら、本当に紐水着で番組をやりま
すからみんな頑張ってぇー!」
がしかし、まさかこの亜代佳の宣言がかえって亜代佳自身を羞恥に追い
込む事になってしまうとは思ってもいなかったであろう。
第3話へ