エピローグ


 亜代佳の過激なハプニング映像が流れてから数日。  未だに各TV局やスポーツ新聞は、トップ記事としてこの問題を責め続 けていた。  しかし、過激なハプニングと言っても、亜代佳のおっぱいが20秒映った だけの話であり、同じ時間帯のTV東●や日●TVでは堂々とおっぱいが 出るバラエティをやっていたので何ともおかしな話ではある。  おそらく、これはパシフィックリーグをめちゃくちゃにしたことに対し ての野球ファンたちの怒りが爆発したものであろう。  何せ、亜代佳の罰が始まってから横々ペターズの連勝は止まることはな く、それを意地で阻止しようとした他の球団が次々とぼろぼろになってい たからだ。  リーグ優勝候補を常に争っていた正武とダイナーは横々ペターズの大差 負けがこたえてしまって、主力選手が使い物にならなくなった。  他の球団もすっかりやる気を失せたようで、パシフィックリーグそのも のが異常な状況になってしまったのだ。  亜代佳の局には一斉に報道陣が集まり、責任問題が追求されていく。  軽率な行動でしたと今さら謝ったところで収拾がつくものでもなかった。  ついには某大球団のオーナーのカネツネまでもが出てきてしまい、横々 ペターズの解散案を提案してきたのだ。  これだけ波紋が広がったせいで、亜代佳は全ての担当番組を降板するこ とになり、石谷はさっさと海外に逃げてしまったのであった。  このまま、横々ペターズが解散か?というところまで来てる中で、意外 な人物がとんでもないコメントを出してきたのだ。 「ん〜、パリーグは、たがが女子アナのおっぱい1つで負けるほど弱いん ですかねぇ〜。いわゆる、おっぱいに負けたというでしょうか〜? どうでしょうか〜」  この某有名監督の言葉に世論が一気にひっくり返る。  何と亜代佳ファンによる復帰署名活動が展開されることになり、各球団 もこのまま負けたままで終わらしてはいけないプライドから、亜代佳に次 々と宣戦布告をしてきたのだ。 「我々は1人の女子アナのくだらない賭けに負けるわけにはいかない!ハ レンチな賭けがいつまでも通じないことを証明させてくれっ!」 「私たちも正直、横々ペターズをなめてかかっていたところもある。今度 はどんな賭けがあろうとも勝つ自身があるから彼女を止めさせないでくれ」 「このままじゃパリーグはくだらない賭けに勝てなかったことになるっ! 私たちに再挑戦をさせてくれ!」  各球団が再挑戦を願ってきたせいで、亜代佳の降板はあっさり、全て取 り消しになり、賭けが続行することになった。  ただし、各球団が戦力を整えなおしてからということで、亜代佳の羞恥 な賭けは来年行われることにされてしまった。  このことに一番、驚いたのは亜代佳であり、まさかこんなどんでん返し が来るとは思わなかった。  いや、正直なところは降板してホッとしていただけに、この展開に思わ ず叫んでしまった。 「なんで、こうなるのよぉぉぉぉーー。これって、おかしいよぉぉぉーー」  パリーグ公認のものになって来年に延びてしまった羞恥な賭け。  逆に言えば亜代佳が裸になる可能性が今年よりも高まってしまったこと にもなるだろう。    どうやら、亜代佳の羞恥な賭けはまだまだ終わることがないのであった。  <おわり>


「女子アナ亜代佳の羞恥な賭け」完