「これも没収します。いいですね」
「ちょっと待てよ。これぐらい皆持ってるだろ。他の奴も持ってるし」
「なら、その生徒の名を教えてください。ちゃんと没収しておきますので」
「い、言えるかよ。そんなこと」
2泊3日の林間学校にきた2年生たちが宿に入ると早速、鉄の副生徒会長
による荷物検査が始まった。
没収されたものは生徒会が用意した大型の回収ボックスに放り込まれ、
このボックスは誰であろうと林間学校が終わるまで開けない決まりになっ
ていた。
「おい、そのボックス絶対開けないつもりだが、どうせ生徒会は自由に開
けられるんだろ?」
「それは絶対にしないわ。余程のもので無い限り、間違えて入ったものも
開けて返すわけにはいきません」
そう宣言したときに1人の女子が足がもつれて回収ボックスにドンッと
ぶつかった。
「ああっ!ごめんなさいっ」その女子はぶつかった弾みで何かを手で弾い
て回収ボックスの中に落としてしまった。
それは何と美佳のボストンバックであり、床に置いてあったものがいつ
の間にか回収ボックスの上に乗せられていたのだ。
それを見た男子がこう聞いてきた。
「今のって、副生徒会長の鞄だよな。開けて取った方がいいんじゃないか」
「そうそう、別に俺たちは構わないぜ」
「・・・と、取りません..今言ったように間違えて入ったものも同じです」
「おいおい、そんなこと言っていいのか?あれ、服とか下着とか入ってる
鞄だよな〜」
「だ、大丈夫です。こ、このボストンバックも..林間学校が終わるまで
そのままにしておきます」
本音はすぐに開けて回収したかった美佳だが、男子たちの手前でそんな
勝手なことを言えるわけがなかった。
でも明らかに、この鞄が無かったら美佳にとっては今着ているものをず
っと身につけるということになる。
「どーせ、こっそり後で回収するんだろ?」
「しませんっ!この鞄はそのままにします」
念押しのようなことを言わされ、後悔する美佳だが、ここで弱みを見せ
られるわけにはいかなかった。美佳は声を震わせながら、こう断言した。
「たとえ今着ている服が破れても..そのまま着ます。や、約束するわ」
これを聞いた男子たちは心の中でガッツポーズをした。また今回も美佳
がトラップにかかってしまったからだ。
遠目で見ていた女子たちも自業自得だと言わんばかりの厳しい視線を向
けていた。
ぼそぼそ「あーあ、見事にスケベ男子の思惑通りに運んでいるよ〜」
ぼそぼそ「いい加減、男子の反感を買えばどうなるか理解して欲しいわ」
ぼそぼそ「って言うか、私たちも化粧品やアクセを没収されて頭にきて
るって分かってないのかしら?」
ぼそぼそ「これで副生徒会長さんのマッパ確定したんじゃない?」
ぼそぼそ「けど、こうでもしないと回収ボックスを開けてくれないよね?」
ぼそぼそ「私たちも返してもらいたいものがあるから、ここはスケベな
男子に協力しよっ」
ぼそぼそ「そうね〜、エッチが嫌いな鉄の副生徒会長さんには今回も裸
で辱め受けてもらいますかぁ」
こうして多くの生徒の反感を買った荷物検査が終わって、あとは夕食や
ら学レクやらをしたあとで入浴時間ということでみんな大浴場に向かった
が、美佳だけは副生徒会長の立場で先生と明日の日程で打ち合わせを行っ
ていた。
その隙に男子たちが新たなトラップとして大浴場はもう終了したという
イタズラ看板を設置した。
当然、打ち合わせを終えて大浴場に向かった美佳が、その看板を見てが
っくりした。
「ええ〜。お風呂、終わっちゃったの?汗もかいてるし..どーしよ..」
何か他の浴場が無いのかしらと看板近くを探してみると、旅館の裏に天
然の露天風呂があって、この時間でも入れるという案内があった。
「良かった!旅館裏にあるんだ」と急いで露天風呂へ向かう美佳。
もちろん、これも美佳へのトラップで旅館裏の風呂は男子たちが作った
副生徒会長専用の簡易露天風呂だった。
「えっ?これが脱衣所?造りが何か雑のような..床もないし..」
いちおう露天風呂はあるけれども、脱衣所は地面に板を前後左右に立て
かけた簡素な作りで、タオルも置いてなかった。
「・・・こ、これは..壊れないよね?」コンコン、トントン..
板を何回か叩いて強度を確認する美佳。いつぞやのシャワー室みたいに
板が倒れないことを念入りに確かめていたが、そもそもここでそんな罠を
かけても意味がないだろう。
何故なら、脱衣所を壊さなくても全てを脱いだ美佳が出てくるからだ。
ここでのポイントは床が無いということで、制服と下着を脱いで裸にな
ったところで効果が出てくるのだ。
「脱いだもの..どこに置いたらいいのかしら..下に置いたら泥だらけ
になっちゃうし..これしか服も下着も持ってないし..」
一丁羅となった美佳にとっては大事な問題であり、脱いだものを地面に
置くわけにはいかなかった。
「このあたり、地面がぐちゃぐちゃだわ..どっか置く場所がないかしら」
どこか物を乗せられる場所を探していたら、箱みたいのを見つけた。
「あ!丁度いいところに箱があったわ。ここに乗せておけば大丈夫ね」
服と下着を箱の上に乗せて露天風呂に向かう美佳。タオルが無いので、
不安なところもあるが、辺りは暗くて、露天風呂の周りだけぼんやりと明
るいので覗かれる心配はないだろう。
「・・・それにしても..あの箱ってどこかで..」
温泉へ向かう美佳がふとさっきの箱に覚えがあることに思い出した。
「!!まさか、あの箱って」
何かに気づいて慌てて箱の方へ走ると、美佳の目の前で最大のトラップ
が発動した。
言うまでもなく、それは荷物検査で使っていた回収ボックスであり、穴
の部分に布を張って脱衣所の近くに置いておいたのだ。
このトラップに美佳は不自然さを感じなかった。それは先生から回収ボ
ックスは生徒たちの目につかない旅館裏に隠しておいたと報告を受けたか
らだ。
まさか脱衣所の近くに置いてあるとは気づかず、いくら暗くてぼんやり
しているからって真上に置いてしまうなんて、私って、ほんとバカ!と美
佳自身が過ちをおかしたかのように仕向けたのだ。
美香が急いで手を伸ばしたが、非情にもストンという音が響き、上に乗
せたものが全て回収ボックスへ落ちてしまった。
ちなみに今の状況は監視カメラで撮られており、男子たちが集まってる
大部屋のテレビに流れていた。
「美佳ちゃんの服、全て没収ぅぅ〜」「あーあ、やっちまったなぁぁ〜」
「これでも開けないつもりなのかな」「まあ、あれだけ啖呵きったしね〜」
「ずっと裸じゃ可哀想だから浴衣ぐらいは認めてやんぜ」
「でも、朝礼や体操のときは規則で浴衣厳禁だよなぁ〜」
「そん時は浴衣脱いでもらうさ!規則だもんな」
「!いや、何か美佳ちゃんが落ち着いてきたぞ?どういうことだ」
(・・・こ、これなら手が届きそう。誰も居ないし、後で拾えば大丈夫ね)
回収ボックスの穴が大きいことに気づいた美佳は、落ちた服が簡単に拾
いあげられることを知った。
幸い、制服や下着が落ちたことは、ここにいる美佳にしか知らない事な
のでこっそり回収しても問題ないと思ったらしい。
今、回収しても置く場所がない以上、温泉からあがったあとでゆっくり
回収すれば良いと安心して温泉へ向かう美佳。
いや、これを見た男子たちは声を揃えて「駄目だよ。副生徒会長様に不
正行為をさせるわけにはいかないからな」と、実は穴が大きいことも承知
済みで言ってきた。
「でも結構、美佳ちゃんパニくっていそうだね」「こういうときって単純
なトラップに引っかかるんだよな」と新たなトラップが温泉近くに設置し
てあった。
それはいかにも怪しすぎる「逆上せ防止に是非、ご飲用下さい」と利尿
剤入りの天然水が置いてあり、美佳はそれを素直に信じて2本ほどゴクゴ
クと飲み干してしまう。
「あーあ、美佳ちゃん、2本も飲んじゃったんだ〜。アレ、すげー効くぜ」
「でも即効性の利尿剤じゃ、お風呂の中でしちゃうんじゃねーか?」
「それもちゃんと計算済みだ。長湯できねーからな」
「そうそう、それじゃ今回のビックリドッキリトラップ発動!ポチっとな」
男子が何かのボタンを押すと美香がつかっている露天風呂で新たなトラ
ップが発動した。
それは大型ポンプによるお湯抜きの開始であり、露天風呂の方もビニー
ルプールを少し地面に埋めたものにお湯を入れてたものだった。
この映像も大部屋のテレビで流れており、1分もしない内にお湯の方は
美佳のへそのところまで減ってきた。
「うそ?何でお湯が減ってるの?どっか変なところ押しちゃったのかしら」
もしかして自分が何かしたのかと思って、露天風呂のあちこちを確認し
はじめた。
そんな間にもお湯は減ってきており、ついには水溜りみたいな状態にな
ってしまった。
「なによこれ!?」と慌てて露天風呂から飛び出して、脱衣所に戻ると何
と回収ボックスが無くなっており、身につけていたものを全て失ってしま
った。
「嘘っ!ここにあった箱はどこにいっちゃったのぉぉ〜」
回収ボックスを慌てて裸で探しまわる美香を見て男子たちは「もうとっ
くに移動しておいたんだぜ」と笑ってた。
だが、美佳へのトラップはまだまだ序章であり、この林間学校の1週間
前から学校非公式の「鉄の副生徒会長にイタズラ部」で練りに練った作戦
が順調通りにいっているようであった。
このクラブ活動は週に1度副生徒会長に羞恥イタズラを仕掛けて全裸に
するというもので、林間学校では3日間ずっと美佳を全裸にするのが目標
だった。
その第一段階として美佳の服を全て没収することに成功し、次の段階へ
移っていた。
次は、裸でどうしようと慌てる美佳の耳に男子たちの話し声を聞かせ、
逃げるように仕向けるようだ。
「おい!裸の女じゃねーか?」「まじか!」
「!!いやぁぁっ」(逃げなくちゃ!)
美香に追いつかないように男子たちが追いかける。捕まったら不味いと
思った美佳は旅館の周りをすっぽんぽんで走りぬく。何人かの女子がわざ
と悲鳴をあげて「露出狂よ」「痴女よ」と騒ぎ立てた。
それでも男子に捕まるわけにはいかないので美佳は旅館の周りを裸のま
まで5周ほど走った。
当然、女子の悲鳴を聞いて集まってきた生徒たちに恥ずかしい姿を見ら
れたが、また副生徒会長がトラップに掛かってるぞという当たり前の光景
で眺められていた。
そして大部屋で見ていた男子たちが「さて、そろそろクライマックスだ
ぁぁぁ〜。美佳ちゃんのおしっこショーの開園だっ!」と卑猥な宣言した。
そう、画面には逃げ回っているうちに、おしっこが漏れそうになってき
た美佳の姿が映っていた。
「ど、どうしよ..おしっこが漏れちゃう..」
いつの間にか追いかけていた男子たちが居なくなったのは嬉しいが、今
度はおしっこが限界で身悶えながら1歩1歩歩くのが精一杯だった。
「はぁはぁ..漏れちゃう..ああっ、もれちゃう..」
それを見た生徒たちが裸の女性が美佳であることを口にしはじめた。
「おい、あれって副生徒会長だぜ。何で素っ裸なんだ?」
「何か様子おかしくない?もしかしてお酒でも飲んだんじゃない?」
「うわっ、最低。副生徒会長が羽目外して酔っ払ってるぞ!」
(ち、違うのぉぉ〜..これには理由があって..でも今はそれどころじ
ゃないのぉぉ〜、お、おしっこが漏れちゃうっ!)
弁解するゆとりも無い美佳は無言で生徒たちの前から去っていき、よう
やくトイレらしきものを見つけた。
「えっ?あれって..トイレ?でも何か変」
美佳の視界にひな壇のようなものが不自然に置いてあるのが映った。
さらにひな壇の真ん中にいかにも今作ったという感じのボロボロの木で
できたトイレと書いてある箱がある。
けど、トイレを探すゆとりなど無く、今の状態では走ることも出来ない。
どちらにしても、このままじゃおしっこを漏らすだけで、今でも出そう
な感じだった。
「漏らすよりは..ずっとマシよ!」
考える余裕もなく慌てて入ると、中には何とおまるが置いてある。変だ
とは思いながら仕方なくしゃがむと、足元に違和感が、、、なんと床がト
リモチでべったりで足が離れない。
握ったおまるの持ち手にもトリモチがついていて離れないのだ。
「これって、どういうことなの???」
美佳が困惑していると、箱の周りが急にざわつき始める。
「それじゃあみんなひな壇に並んで〜。記念写真を撮るわよ〜」
と美佳の入った木の箱の周りに、お風呂からあがった何十人もの生徒が制
服をしっかりと決めて並んできたのだ。
(見つかったら、まずいわ..何でこんなところで写真を撮るのよぉぉ)
とりあえず美佳は中にいる事をばれないように一生懸命おしっこを我慢
した。このままじゃ記念写真におまるにまたがっている自分の恥ずかしい
姿が写ってしまう。
ここはみんなが写真撮影を終わらせていなくなるのを待つしかないのだ
が、なかなか写真撮影は始まらないようだ。
「ぁぁ、あ、ぁぁ、、ぁ、、ぁぁっ、、ひゃぅ、、」
膀胱がじわじわと膨らんでいくのが分かり、尿道口がひくひくとし始め
た。ほんの少しでも衝撃を与えたら噴き出そうな状態だ。
男子たちは顔を真っ赤にして堪えている美香の表情とお漏らし寸前の股
間を見て興奮が止まらない。
「何かぴゅっ、ぴゅっと出てねーか?崩壊寸前だよな」
「それじゃ、そろそろ壁を外そうぜ」
「今回の記念写真、副生徒会長さまのが一番焼き増しがかかるんじゃねー
のか?」
「って言うか、廊下に張り出すつもりなのかよ?」
「もちろん!」
後日、林間学校の記念写真として廊下に張り出すつもりみたいが、いく
ら焼き増ししても売り切れてしまいそうだ。
そしてとうとう我慢の限界が来たときに、合図が入り、壁が突然四方に
崩壊した。
突然現れた全裸でおまるにまたがりながら放尿する美佳が集合写真のど
真ん中でカメラにお尻を丸出しにした状態でフラッシュの嵐に巻き込まれ
たのだ。
全面的に誰かに嵌められて散々な辱めを受けた美佳だが、何故かその美
佳だけが呼び出しをくらい、教師たちに説教を受けることになった。
集合写真に全裸で飛び入りしたことや多くの生徒が見てる前で放尿して
しまったので、美佳がうっかりアルコールを口にして泥酔した行為として
叱られることになったらしい。
当の美佳としても上手く事情を説明出来ないし、しらふであんな破廉恥
なことをしたと思われたくなかったので、泥酔したことにして反省文と3
時間の正座の罰を素直に受け入れた。
けど、美佳にとってはこの正座も相当な屈辱となった。
それは一切何も身につけずに素っ裸のままで多くの生徒が行き交う玄関
横の廊下でおっぱい丸出しで正座しているからだ。
しかも回収ボックスに美佳の着ていた制服や下着が入ってしまったこと
も教師や生徒に知られてしまった。
つまり、回収ボックスを開けない限り、美佳はずっと全裸で過ごさなけ
ればいけなくなったのであった。
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