駅の数が13個もある駅だらけの市の隣には、驚くべきことに駅がまった
く存在しない、のどかで広々とした市があった。
この市は首都・東京に属しながらも、未だに田んぼだらけの広大な土地
を保持しており、その特異な状況が注目を集めていた。
まずは、広大な土地を活かした東京最大の大型ショッピングモールが市
内にオープンすることになった。この市だけでしか実現できないプロジェ
クトであり、数え切れないほどの店舗数や宿泊施設、水族館、アミューズ
メントパークなどが備わり、多くの訪問者を引き寄せる施設となった。
市は、訪問者の増加が予想されるならば駅の誘致が可能になるかもしれ
ないと考え、アミューズメントパークの強化を目玉に全力を尽くし始めた。
しかし、なぜかその強化策は奇妙な方向に進んでしまうことになる。
アミューズメントパーク推進部長は堂々と語った。
「かつて、近くにあった天然温泉からくりランドでは、近隣の野外アスレ
チック施設との協力により、日本最大の観客数を集めた全国の女子高生た
ちが挑む温泉アスレチック施設を作ったことがある。その施設を参考にし、
全国から多くの訪問者を引き寄せることを目指す」と。
そして、その強化策の噂を聞きつけた人々が!いや野郎どもが、全国各
地から次々と押し寄せてきた。
アミューズメントパークへと向かうために、高価なカメラを背負った客
たちが大勢集まり、入場するまでにはなんと3時間もかかるほどの大盛況
ぶりとなった。
「うぉ、こんなにたくさんの客が来るなんて、温泉アスレチック以来だな。
いやぁ、すごい盛況だ!」と、パークのスタッフが興奮気味に話した。
「やっぱエロは最強っすね。まあ、あの温泉アスレチックを実現させた実
績が功を奏したと言っても過言ではないっすね。しかも撮影自由というこ
とで、エロカメラマンは絶対来るっすね」と、スタッフの同僚が答えた。
アミューズメントパーク内では、客たちが楽しそうにカメラを持ち歩き、
エロっぽいアトラクションを中心に撮影していた。白Tシャツ着用の丸太
ウォーターライドなどは、客たちのニヤける笑顔があふれ、興奮と期待に
満ちた雰囲気が広がっていた。
「この丸太ウォーターライドが撮影自由とは!小生たちにとってはたまら
んですな!」「御意!」
「しかも!この丸太!もうどう見ても、男根っぽいから最強ですぞ!」
「乗るおなごもノリノリで白Tシャツ着るから、開放的でたまらんです」
客たちは自分なりのアングルや表現方法を追求しながら、全力で写真に
思い出を刻み込もうとしていた。その情熱と創造力が、アミューズメント
パーク全体を活気づけていたのであった。
スタッフたちも、客たちがパーク内での時間を楽しんでいる様子を見て、
満足げだった。
「この盛況ぶりは想像以上だし、俺たちも今日開催のゲームを盛り上げな
いとな!」
「そうっすね。今日のゲームはこの会場で選ぶ子に掛かってますから!で
も、こんなエロパークに女子高生が都合よく来るか不安っす」
「いや、それはちゃんと事前準備ありきだよ!協力者が可愛い友達を上手
く誘ったみたいだ」
「それって協力者だけ当日来れないパタンでエスケープしそうっすね」
「まあ、俺たちはそれらしい子を上手にゲームに誘うだけだ!」
「そうっすね」
そんな策略がめぐらせている中で、アミューズメントパークに何も知ら
ずに遊びに来ていた女子高生2人がいた。
彼女はこの後、スタッフから声をかけられ、ゲームイベントに参加する
ことになるとは知らずにパーク内を楽しんでいたのだ。
彼女の名は蔵村 羽里歌(くらむら はりか)。
親友の星壁 由梨亜と一緒にアイスクリームを楽しみながらパーク内の
アトラクションを見て回っていた。
二人は笑顔でアイスクリームを頬張りながら、賑やかなパークの中を歩
いており、周りの笑い声や楽しそうな騒ぎ声が響く中、どのアトラクショ
ンを楽しむかを吟味しながら進んでいた。
「エッチっぽいのを抜きで考えると、どのアトラクションも面白ね」
「そうね。食べ物も美味しいし、また来てもいいかも」
「ねえ、由梨亜ちゃん、そっちのアイスも美味しそうね」
「でしょ!これ、ネットでも星3つだったしね」
由梨亜はアイスを手に持ちながら、機敏にスマートフォンを操作してい
た。実は由梨亜は女子高生配信で有名な存在であり、今日もアイスを食べ
ながらその様子を動画配信していたのだ。
「みんな、こんにちは!今日はパークでアイスを食べながら噂のエロいア
トラクションを楽しんでいますよ!」と、由梨亜がカメラに向かって明る
く挨拶した。
羽里歌も周囲を見渡しながら、由梨亜の配信に笑顔で参加した。彼女た
ちは仲良くアイスを堪能しながら、パーク内の様々なアトラクションを巡
ることで楽しい時間を過ごしていた。
「さっきの丸太のはエロくても迫力満点で爽快だったね」と、羽里歌が興
奮気味に言うと、由梨亜はカメラを向けながら応えた。
「うん!あれは見てるみんなも興奮して楽しんでくれたので嬉しいな!」
2人はアイスを食べながら、次のアトラクションの列に並んで待った。
周囲には笑顔あふれる人々がいっぱいで、ワクワクとした雰囲気が広がっ
ていた。
「待ってる間も楽しいね!こうしてみると女性も多いし、カップルも普通
に並んでいるよね」と、羽里歌が感心し、由梨亜も笑顔で頷いた。
「パークってエロくても本当に魅力的だよね。私たちもみんなに楽しい時
間を届けられるし最高っ!」
2人は列が進むのを待ちながら、アトラクションの期待感で胸を膨らま
せており、アトラクションに挑む2人の笑顔と活気溢れる動画配信は、視
聴者を喜ばせ、多くの投げ銭が飛んだらしい。
「ねえ、由梨亜。そろそろ上に何か羽織った方がいいよ..アレがかなり
目立ってきてるし..」「これぐらいはまだまだ大丈夫よ。これもウチの
配信の目玉だしね」
少し照れる羽里歌と堂々と胸を張る由梨亜。実は由梨亜だけ、ノーブラ
であり、薄い緑生地のTシャツにはピンク色の乳首が浮かんで見えていた。
もちろん、これは生配信で人を集める由梨亜の作戦であり、胸を直接見
せるようなこともしない、ギリギリ動画みたいなとこだろう。
そんな2人がアトラクションを見て歩いている時にスタッフから声をか
けられた。
「君たち、もし良かったら、うちのゲームイベントに参加しないか?」
「イベントですか..どうしようかなぁ〜」
「ちゃんと賞金も出るから、どうだい?」
「でも、そういうのって..何かいろいろやらされるんでしょ?」
「まあ、本当は言っては駄目なんだけど、少しだけエッチなイベントなん
だよ」
「えぇっ〜!エッチって..そんなのに私が出ると思ってるのっ!」
「だから、それ相応の賞金も出るということなんだよ。わかるよね」
「・・・そ・そんなに出るんですか」
「もちろんっ」
「じゃあ..少しぐらいのエッチなら..」
少し金欠気味で困っていた羽里歌は高い賞金目当ての軽い気持ちで由梨
亜と一緒に受けることになった。
こうして、羽里歌はゲームイベントの会場にスタッフに連れられて向か
うことになった。
その会場は、来月に完成予定の施設で、全面がガラス張りの地下の水中
トンネルが特徴で、泳ぐ魚たちを観察することができる場所だった。
羽里歌はスタッフに案内されながら、会場の入り口に近づいていく。
その場所には既に多くの人が集まり、期待に胸を膨らませながら入場を
待っていた。外からは施設全体がガラスで覆われており、内部には水槽が
広がっている様子がうかがえる。
「ここがイベントの会場ですよ、羽里歌さん。まだ完成前ですが、下から
も撮影できる水中トンネルが見どころの一つとなっています」と、スタッ
フが説明した。
「で、まだ水が入ってないので、このトンネルを活用してガラス張りのゲ
ームをしてもらいます」
「水中トンネルの中ですか?泳ぐ魚になった感じですね。何か楽しみです
!」と、興奮気味に答えた羽里歌。
スタッフはにこやかに笑って言う。「そうです。ガラス張りのトンネル
の中を歩く感じでゲームをするので、まるで海の中にいるような感覚も味
わえますよ。まあ来月は様々な種類の魚や水生生物が泳いでいるので、本
当に美しいです。ぜひお楽しみください」
羽里歌は期待と興味を抱きながら、会場の入り口へと進む。ここで友達
の由梨亜がおかしなものを見つけた。
「ねえ、羽里歌。会場の入り口に何かエッチな像があるよ」
「本当だ..何か生々しい像ね..」
会場入り口の左手に全身が金色の女性の像が置いてあり、何故かY字バ
ランスをしている裸体像となっていた。
「これ..もしかしてボディペイントだったりして..」
「まさか〜。まあ、確かに質感がリアルだからそう見えるけど」
金色の全裸像はちょうど入り口に向けてY字バランスをしてるため、お
ま●こが丸見えとなっており、金色の大陰唇の間からはピンク色の中身が
見えていた。
「・・・羽里歌、見た?何であそこだけピンク色なんだろう..それに何
かあの像、稟那に似てるんだけど..」
「気のせいよ..稟那があんなエッチな姿するわけないでしょ!」
本来なら、今日一緒にアミューズメントパークに行くはずだった友人の
1人が月城 稟那であり、朝になって突然行けなくなったと断ってきたのだ。
「やっぱりあれ、絶対気のせいじゃないよね?」
羽里歌は顔を赤くしながら、その像から目を逸らした。
(うわっ!本当にエッチな像……)
そして視線を逸らすと、その先の廊下には等身大の女性の絵が何枚も飾
ってあった。
絵の中の女性はみんな綺麗なお姉さんばかりで、しかも胸が大きい女性
ばかりであった。
そんな女性たちのお尻や胸が強調されたポーズをした絵を見て、羽里歌
はつい自分の身体と比べてしまった。
(私のおっぱいなんて、ただ大きいだけで特に意味はないもんね..)
そう思いながら、少し落ち込んだ気分になっていると、隣にいた由梨亜
が急に大きな声を上げた。
それは展示されている絵画の中のある1枚の絵を見た時だった。
そこには黒髪ロングヘアーで清楚な雰囲気をまとった女性が描かれてい
たのだが、その顔には見覚えがあった。
いや、正確にはこの女性に見覚えがあったのではなく、描かれている女
性の顔が友人である月城 稟那に似ていると思ったのだ。
だが、そんなはずがないと思い直そうとした矢先、さらに驚くべきこと
が起きた。
なんと会場の入り口の金色の全裸像がこちらに向かって微笑みかけてき
た。それだけではない。
まるで生きているかのように少し動いた感じがあった。
他人の空似だと思って先へ進む2人だが、途中で由梨亜が「やっぱ、私、
ゲームしたくない..」と言ってきた。
「いや、ここまで来て、断るって..無理でしょ」
「なら、羽里歌だけゲーム出てくれない。私、ちゃんと応援するからっ」
「んもぉぉ〜、スタッフさんにはちゃんと説明しておくのよ」
「うん。精一杯説明してくるっ!」
こうして、羽里歌だけがガラス張りのゲームに参加する流れになった。
1時間後、会場の入り口に一般の観客が入り始め、まずはY字バランス
の全裸像に興奮してきた。
「うおおおおおおおっ、これは見事な全裸像ですなぁ〜。まるで生きてる
ような..ゴホンッ!いやこれは失言ですな。それほど最高な像ですぞ!」
「金色の像も素晴らしいが、こっちの銀色の像も素晴らしいっ!!」
「両方とも、おま●こがピクピクしてるのが勃起もんですなっ!」
「ん?廊下の先に服を着た絵がありますぞ!しかも絵のモデルの私服や私
物も並べて展示してますな」「これは美人で有名な月城 稟那殿じゃない
か」「って言うとあの金色の全裸像が..ムフフ」
絵画の真下の床には、羽里歌が見た時に置いてなかった稟那の服と下着、
鍵や財布、スマホ等の私物も並べられていた。
が、もう1つ大きく違った変化もあった。
「ん?月城 稟那殿の横にも服を着た絵がありますな!むむっ、よく見る
とノーブラですぞ!」
「!!どこかで見た記憶がありますな。この稟那殿の横の絵は..確か」
「小生知ってますぞ!可愛い女子高生配信で有名な星壁 由梨亜ですぞ!」
「って言うと、この私物と私服は由梨亜ちゃんのかな?いや、この下着..」
「「「生温かいぞ!!!もしかして脱ぎたてか!!」」」
そう、羽里歌が通ったときには無かった銀色の全裸像と由梨亜の絵画が
追加してあったのだ。
しかも、こちらも絵の真下には由梨亜の服とショーツ、私物が置いてあ
った。
どうやら、このイベントは羽里歌が思っていた以上に辱めを与える裏イ
ベントであったのを知るのは先の話であった。
(本編のミニストーリーへ続く)
「ガラス張りのゲーム序章」完
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