第2話「止まらない水。」
例のアイテムを得てから半年、私の遅刻はほとんどゼロに近づき、平穏な
日々が続いていた。
だが、このアイテムには意外な弱点がある事もわかった。
それは移動する際には何も持てない事であった。
大抵のものはどうやら燃え尽きてしまい、持ち運ぶものがない事を前提に
しなければならないのである。
けど、どんな場所でも真っ直ぐ行けるこのアイテムは使い方さえ把握すれば
いいアイテムであり、要はあちこちに着替えを置いておけば問題はない。
だが、今回はこの弱点が仇になってしまうとは..
「那良間さん。あなた今日も宿題を忘れたって言うの?」
「えっと、やってはいるんだけど忘れてしまって...」
「最近、遅刻癖は直った様だけど今度は忘れ癖がついたのかしら?」
私に向かって嫌みたらしく言ってきたのは学級委員の長谷山 里紗であった。
「那良間さん。あんまり忘れる様でしたら先生に言ってまた罰でも受けて
もらいましょうか?」
むかっ。「わかったわよ。次は忘れなきゃいいんでしょ?」
「ええ、忘れなければ問題ないわよ。那良間さん。」
(ちくしょーあの長谷山のやつーーー)
長谷山にああは言い返してみたけどあのアイテムに頼りきってる今の
私には大きな問題となってしまった。
とりあえず諦めて早く起きる事にして、急いでバイトから帰る途中、
また例の露店を見つけたのであった。
「!おじいちゃん。やっと見つけた。前いた所にいないんだもん。」
「いろいろ場所をかえてるからのー」
「この前のアイテム助かったわ。すごく役にたったのよ。」
「それはようございました。」
「ところで物は相談なんだけどこの前のだと服が飛んじゃうのよね。
まあ服はいいとしても何か持ち物を運べるアイテムってないの?」
「残念じゃがその様なアイテムは..」
「そっか・・・やっぱり早く起きるしかないか。それにしてもあの長谷山に
1度仕返ししてやりたいわね。」
「その相手は女の子ですかね?」
「ええ、もしかしておじいちゃん?そういうアイテムもここにあるの?」
「まあ、いろいろと。今回のこれはその様な物じゃが...」
「今回のって?」
よく見ると台の上には黄色い短いホース1本と“止まらない水”と
書かれた立て札しかなかったのであった。
「止まらない水?これってどういう意味なの?」
「止まらない水って言う意味じゃが...」
「はぁ...相変わらずわからない立て札ね...でも、これって仕返しの
アイテムなんだよね?」
「はい。仕返しのアイテムでございます。」
「うぅーーんん。あの女には何か仕返ししたいしな...でも意味わから
ないし...」
「買うか買わないかはお客様の自由じゃ。」
「あああーーーそうよね。わ・わかったわよ。これいくらなの?」
「三千円でございます。」
「うーん、ちょっと高いけど買うわ。」
「お買い上げありがとうございます。」
こうして私はへんてこな黄色いホースを買ったしまった。
家に帰って早速ホースの確認してみるとやはりこれにも小さな紙切れが
入っていたのであった。
「えっと、何々このホースを仕返ししたい女子の体に付けるべし。」
「うーーん。よくわからないけど目立たない所に付けた方がいいって事ね。」
翌日、私は何とか早起きして学校に行くことが出来た。
内心、このアイテムの効果を早く見たいからでもあるからだ。
教室に入った私は早速、長谷山が居る所まで近づいていく。
「あら?今日はお早いのね。宿題もきちんとお忘れでないでしょうね」
「ええ、大丈夫よ。ちゃんとほらこの通り」
「ふぅん。ちゃんとやってきた様ね。ずっとこの調子でいってもらいたいわね」
「・・・・・・・」
長谷山はそう言うと席に戻るため振り向いた。
コロッ。「あっ消しゴムが...」私はわざと消しゴムを長谷山の近くに落とし
例のホースをうまく長谷山の足の付け根に付ける事に成功したのだ。
(うーん。足元見たらすぐに化れそうだけどいいか。)
長谷山が席に座ろうとした時、すぐにホースの効果が出始めてくる。
「!!なっ・・・あれっ?あの・・ちょっとどいて!!」
急に慌てて教室を出ようとする長谷山。
そう、見たところ、あのアイテムはあれに関係するものだろう。
ドアに向かう長谷山は急に立ち止まり下腹を抑え震え出してきた。
「ああぁっ・・あぁぁ・・・」
「ねえ?どうしたの?長谷山さん?」
「気分でも悪いの?」
「・・・お願い...みんな近寄らないで...」
「?どうしたの?なんで?近寄ったら?」
「も・も・・もうだめ・・・・・」
ジャアアアァァァァァァーーーーーー
立ち止っている長谷山の股間から大量の水、いいや尿がこぼれてくる。
そう“止まらない水”とはこのホースを付けた者の尿意を最大限まで
引き上げてしまう効果があるのだった。
だが、よくよく見るとこの意味にはもっと深い意味があり、何と長谷山の
放尿が全然止まらず出しつづけている。
どうやら、このホースはどこからか水を給水する役割もあり、給水した水を
直接尿道に送り込むとんでもないアイテムであったのだ。
ジャボジャボジャボジャボーーー
すでに長谷山の足元はバケツを何杯もひっくり返した様に
なっており、あまりの水の勢いにパンティまでが足元に
ずり落とされた恥ずかしい姿となっていた。
「ああーーーんん、みんな見ないでーーお願いーー」
長谷山は顔を真っ赤にして周りに叫び、そのまましゃがんでしまった。
床についたスカートはびしょ濡れとなっていたのだが長谷山はあまりの
恥ずかしさのあまりうずくまるしかなかった。
「あーん。お願いーー止まってーーなんで止まらないのー」
長谷山の苦痛の叫びにクラスメイトも長谷山の周りに集まり、彼女の
痴態をただ見るしかなかったのであった。
私はその野次馬の中で1人くすくすと笑っていた。
(ふふっ。これはおもしろいアイテムだわ。そうだ!!どうせなら
あの鬼・田品にもやってやろう!!)
私は周りの目を注意しながら長谷山に近づき、足をうまく使って
ホースをうまく取る事に成功した。
そして、そのまま化れる事なく野次馬の輪からそおっと抜け出る
事が出来たのだった。
「よしっ。うまく取れたわ。あとはこれをあの鬼・田品に...」
「これを付けるともしかしてあんな風になるの?」
「ええ、信じられないけどこれにはそういう効果があるのよ。」
「じゃあ、次はあのムカツク先生にやらなくちゃね?」
「ええ、もちろん。これを付ければあの田品も...」(ん?)
「そうね..あの先生も面白い目に遭わせられるわね。」
「・・・・・・あっ...」
私はうまく取れた事にほっとしてつい余計な事を後ろに立っている
子にしゃべってしまったのであった。
「・・・・あの...これはあの先生には内緒に..」
「ええ、内緒にしてあげるわ。那良間さん。」
「・・・・・あれっ?こ・この声は?」
「今頃気付くなんて遅すぎるわね。那良間さん?」
「せ・先生!!」私が振り向くといつの間に先生が立っており
私はすべての悪事を自分でばらしてしまったのであった。
「あははは...先生?今の信じないですよね?」
「そうね。こんな非科学的なものは信じたくないわね。」
「じゃあ、さっきのは私の戯言という事で?」
「そうね。でも物は試しって言うしね。」
「先生...冗談ですよね?」
「ううん。ほ・ん・き。」
「そんなーーーー」
昼休み、校舎の中庭の池に多くの女生徒が集まってきた。
その池の真ん中にはいつの間に円形の台が設置され、
その台の上に私が全裸で台から出ている2本の棒に縛られて
ポーズを取らされていたのであった。
そのポーズは女性としては恥ずかしいポーズであり、コマネチの様に
足をひし形に大きく開かれ、手を股間に添えた姿で立ち小便している
姿にされていた。
もちろん、足元には例のホースが付けられていた為、私の尿道から
は絶えず水が放出されている実に奇妙な姿になっていたのだ。
「ちょっと、何なの?この子?おしっこ出してるわよ。」
「見てよ。台に書かれてる文字“小便娘”だって、ばかみたい。」
「ねえねえ、あの子どっから水出してるの?」
「見た感じ、あそこから出してるけどいったいどうなってるの?」
「でも、もうずっと出してるわよ?どういう事なのかしら?」
「けど、よく見ると尿道から出してるわよ。ぱっくり開いてるでしょ。」
(ふぇぇぇぇーーーんん。そんなに近くで覗かないでーー!!)
女生徒は次々と物珍しそうに集まって私の痴態を観察していく。
結局、この小便娘の罰も1日近くやらされ開放されたのは放課後に
なってからであった。
私は1人、ひりひりする尿道を押さえながら無様な姿で、帰り仕度を
始めた。
そんな私を見ていた生徒指導の学年主任、森竹 結華先生が私に
声をかけて来たのだ。
「森竹先生..」
「どうやら、すごい罰を田品にやらされたみたいね?」
「は・はい...」
私は少しおどおどしながら質問に答えていく。
そう、この学年主任はあの田品の昔ながらの先輩であり、今の田品
を育てた張本人であるのだ。
当然、この森竹の罰も田品同様に辱めを与えるものばかりをしてくる
ので有名なのだ。
「ねえ?さっきのアレ、一体どうやったの?」
「えっと、私にも詳しくは言えないのですが、それでもいいですか?」
「と言うと相当突飛な事って考えていいかしら?」
「ええ...実はこのホースによって・・・」
私は一応、素直にこの不思議なホースについての説明をした。
もちろん信じてくれない事を承知で話したのだが...
「なるほど...実に面白く、それでいてつじつまが合うわね。」
「森竹先生?こんな話しを信じてくれるんですか?」
「これを理論的に説明する方が難しいし信じがたい事ね。」
「はあ...」
「かえって抽象的に説明してくれたあなたの言葉には嘘はないと思ったわ」
「そうですか...」
「で、物は相談なんだけどそのホース私に譲ってくれないかしら?」
「このホースをですか?」
「ええ、その代わりと言うのもあれなんだけど、あなたの宿題忘れを
何とかしてあげるわよ。」
「えっ?どういう事ですか?」
「あなた、聞いた話しによると宿題や提出物をよく最近忘れるんだって?」
「ええ、いろいろとありまして...」
「でも、ちゃんと仕上げてはいるんでしょ?」
「はい。それはもちろん...」
「じゃあ、こうしない?私が新聞部の顧問をしてるのは知ってるよね?」
「はい...それはもちろん..」
「そのホースを私に譲ってくれれは、私が専用で使っているFAXと
ネットワークプリンタをあなたに自由に使わせてあげるわ。」
「FAXとネットワークプリンタ...」
「その前にFAXとインターネットが自宅で出来るかしら?」
「はい。両方とも出来ますが...」
「ならOKね。宿題はFAXでOKだし、提出物はネットワークプリンタで
出力すればOKでしょ?」
「いいんですか?でも宿題をFAXで出すってのは...他の先生には。」
「私がうまく話しを通してあげるわ。どうかしら?こんな条件で?」
「そこまでやってくれるなら私は全然OKなんですが。」
「じゃあ、商談成立ね。」
こうして私はホースと引き換えにFAXとネットワークプリンタの使用の
権限をもらう事が出来た。
で、一方ホースを手に入れた森竹先生はと言うと..
「さあ、貴方達おたがいに手を結んで横一列に並びなさい。」
森竹は使わなくなった中屋上の旧プールに校則違反をした女生徒たちを全裸
にしてプール沿いに横1列に並べたのであった。
「先生、こんな所に私たちを裸にして何をするつもりですか?」
「ふふっ。罰を受けてもらう為よ。」
「罰って一体何よ。」
「こういう事よ。」
森竹は一番端の女性の足元に例のホース“止まらない水”を付けたのであった。
付けた途端に何と横1列に並んだ女生徒全員が一斉に空のプールに向けて放尿
し始める。
「いやぁぁぁぁぁーー」
ジャジャアアアアアアーーーーー
「ふふっ、やっぱ大人数でも効果はバッチシね。」
そう、いつの間に森竹はホースについての効果をいろいろ試して調べたらしく
校則違反の罰としてこれを使う様にしたのであった。
「な・何なの?なんでおしっこが止まらないの?」
「先生?これは一体どういう事なんですか?」
「まあ気にしない事ね。とりあえず貴方達の手はこのガムテームでしっかり
固定させてあげるわ。」
森竹は女生徒たちが手を離さない様に手を完全に固定にした。
女生徒たちはどうしてこうなるのが分からず、ただ自分の痴態を恥ずかしがる
しかなかったのであった。
また、森竹はホースの先についていたゴム製の調整具まで見つけ、この
調整具を緩めたりきつくする事で放尿の量をコントロールできる事も
発見したのである。
さらに森竹は何と出した大量の尿についても調べ、どうやらどこかのダムの
水が尿道と直結して出している事まで調べ水質検査の結果この放尿プール
が通常に使える事までも調べてしまったのだ。
それ以降、このプールを恥罰のプールと呼ばれる様になり女生徒に恐れられる
プールとなった。
一方、私のほうは森竹先生の口添えのおかげでFAXやネットワークプリンタ
で宿題や提出物を出せる様になり、逆に家に今日行なう宿題や提出物を
送る事も出来て大変楽になった。
また、あのホースがよほど気に入ったせいか森竹先生は私の事を少し
ひいきしてくれる様になり私にとっては嬉しい結果尽くしだ。
そう、この時はこれでもう問題はないと思ったのだが、この後またいろいろ
と私の身にトラブルが降りかかってきたのであった。
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