裸で感謝しちゃいます〜(挿絵:さばにしきさん)

※時々CGと文字が重なる場合がありますので、その時は1回再読み込みしますと直ります。
【おしゅうちさま 第3話】より抜粋。
すし詰め状態の朝の満員電車から出られない女子高生を助け出す「おしゅうちさま」であった。

朝の満員電車、今日も人の乗り入れが激しく、通勤時間 となると一度タイミングを逃すと降りることすら難しく なってしまう。 そんな、居眠りしたせいで慌てて降りる女子高生がいた。 「降りますぅぅーーあのーすいませんが通してくださいぃーー」 一生懸命に降りようとする彼女だがすでにすし詰め状態 となってる状況では、どうする事も出来なくなっていた。 「今日は絶対に遅刻できないんですぅぅーー!」 (神様、お願いですから私をここから出してくださいぃ〜 出してくれるならどんな手段でも構いませんからぁぁー) そんな必死で願う女子高生に、何と「おしゅうちさま」 が力を貸してあげたのであった。 突然、女子高生の手が何かの力によって引っ張られると 彼女の身体が不思議なことに人の隙間をスルスルと通り 抜けていく。 そして、気がつくとドアが閉まる前に彼女は、あのひどい すし詰め状態からすんなりと外に出られたのであった。 「あぁっ..神様、ありがとうございますぅぅーー」 あまりの奇跡に両手を合わせて感謝する彼女だが、その わずか数秒後に大きな悲鳴がホームにこだました。 「きゃぁぁぁーーー何で裸なのぉぉぉーーー」 そう、すし詰め状態からすり抜ける力を発揮したのだが、 服や下着までも全て脱げてしまうのであった。 だが、ふと彼女の足元を見ると折りたたんだ服と鞄が 丁寧に置いてある。 何と「おしゅうちさま」がわざわざ回収しておいたので あった。