黒板には男子たちに両脇を抱えられながら運ばれる
絵が描いてあった事から事実かも知れない。
(うそっ...本当にこんな姿で運ばれてきたの?)
描かれた絵に疑問を抱く詩衣奈だが、けどよく考え
ると自分はどれぐらい気を失っていたのだろうか?
そもそも次の授業が始まる前にトイレに行ったのだ
から、時間的にはギリギリだったはずだったのに..
そんな疑問に思う詩衣奈に近くにいた男子たちが
的確に答えてきたのだ。
「次の時間が自習で助かったよな。詩衣奈ちゃん」
「そうそう、自習じゃなかったら大遅刻だったぜ」
「まあ、運んできた先輩たちは遅刻になったかも
知れないけどな」
(..やっぱり運ばれたの?それもこんな格好で!)
もし黒板に書かれた姿で運ばれていたなら、凄い
卑猥な姿で運ばれた事になってしまう。
おそらく他のクラスは授業中だから大騒ぎにはな
らなかったが大股開きでここまで来たことを思う
と唖然となってしまう詩衣奈。
しばらくはこの落書きが事実でない事を願ってい
た詩衣奈であった。
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