後編B


その頃。 「はぁ〜まったく拓也ったら約束忘れて。許してやんないんだから…でもあたしなんで化学準備室行ってたん だろ?千里ちゃん、何か用事あったのかしら…あれ?あたしが用事あったんだっけ?う〜〜ん、あたしも物覚 えが悪くなっちゃったかな?…あら、このスカート、ちょっと可愛い…」 別の場所。 『第1段階の怪人は失敗だったわね?やっぱり人間に寄生させるより改造したほうが早いんじゃないの?』 「でも後々の事を考えると…しかしあんな敵が出てくるなんて思いませんでした。二人組の戦隊なんてふざけ てますけどね。相原君ともう一人男の子…誰がバックにいるんでしょうか?」 『それはこちらで調べとくわ…それよりあなたは早く次の作戦を練る事ね。学園を支配する為に…あなたを見 込んでスカウトしたのを忘れないで欲しいわ』 「はい…判ってます――――お姉様…あん、ああん」 『可愛いわ、あなた。…ウフフフフ』 本部…もとい化学準備室。 「さ、変身早く解かなきゃ。掛け声でいいんでしょ?千里」 「はい。『早く何々になりたぁ〜い』って云ってください。何々の部分は自分の名前です。するとレンジャー から元の普通の学生に戻りますから」 「…妖怪人間じゃないんだから」 「早く工藤弘二になりたぁ〜い」脇でレッドが掛け声を唱えた。すると光の渦がレッドを囲み…元の弘二に 戻った。 「あんまり戻った気がしないわね。変身後があれじゃ」 「先ぱ〜い。先輩はそのままでいてくださいよぉ〜〜」あたしに抱きつく弘二。 「こら!触るな!戻るに決まってるでしょ!二度とこんなの御免だわ。…『早く相原拓也になりたぁ〜い!』 …わぁ!」 光の渦があたしを包む。変身したときのような…不思議な感じ…あぁ、これで、これで男に戻れるのね。 ヒュ〜〜〜ン!キラン! 「ほら、どう?あたしも元の男に―――あ、あたしぃいぃいいいい!!」 服はピンクから学園指定の制服の色になってる…そう可愛い女子生徒用の。 「な、な、な、戻って、戻ってない…胸は」 パフ…や、やわらかぁ〜い…じゃない!「下…」股間をスカートの上から探る… 「な、無い〜〜〜…ううううう千里ぉ〜」 「待ってください。たぶんブレスレットがまだ反応してるんです。それを取れば…」 カチャ…外したわよ…な、何も変化は…無い。 「千里ぉ〜〜〜」「原因が判りませんのでしばらくそのまま生活してください。元に戻る方法をいっしょに 探しましょう!部長」 「元に戻す必要なんかな〜い!僕の愛が神様に通じたんだ!先ぱ〜い!」 「静かにして先輩、部長。寺田先生が目を覚ましますよ」 「大丈夫かよ、千里。さっきの新聞部の奴、名前とかちゃんと覚えてたけど自分が新聞部だって記憶が無か ったぞ」 「ううう、あたし…男。男なのにぃ〜〜」 「静かに!さっきは少し調整が違ったんです。今度は間違い無し!…ほら」 寺田の頭に被せた機械を取り外す。すると目を開く寺田。 「うぅぅ、何だ?何で俺はこんなところに」 「大丈夫ですか先生?廊下で倒れてるからびっくりしましたよ、ねえ先輩?」 弘二があたしにそう振る。 「え、ええ。そうですよ。びっくりしました」 「ん?お前…まさか相原か?また女になったのか?」 「え〜〜〜不本意ながら、実験の失敗で。はい」 「そうか…なら身体検査してやろう」 「えええ!?な、なんでですか!ヤですよ!」 「何!教師に逆らうのか!俺が直々に…直々に…あれ?直々に…どこで調べるんだっけ?俺は…俺、何の教 科教えてるんだっけか…おい!俺何の教師だ!教えろ!」 「…千里」「ちさとぉ〜〜」「あは、またちょっと間違っちゃったかな、あははは〜」 「待てぇ〜〜〜千里ぉ!あたしを早く男に戻してよぉ〜〜」 「せんぱ〜〜い、待ってください!戻らなくていいんですってばぁ〜」 「お前ら!俺に何をしたんだ!止まれぇ!止まらんかぁ〜〜」 こうして一旦は平和な(?)学園生活を取り戻したかに見えたのだったが、悪の企みはまだまだ続くので あった。 第1話 完 あとがき とりあえず1話終わりました。 おおまかな設定のみで書き始めてしまったので、書きながら設定を変えたり、あちこち穴あったりで… しかも前半H全然無いし…その分、後半Hシーンはいつもより長くしてみたんですがどうでしょうか? 2話以降…どうしよう。真っ白。伏線だけ張って何にも考えてなかったりして(笑)。 とりあえず…それではまた。


つづく