『その4、2日目深夜。寺田』(2)


…しばし二人で硬直する…デジャヴ? な、なんだ!?いま学園内には俺達しか…警備会社かっ! そうだ!深夜一時頃に警備会社の定期巡回があったんだ。昨日は疲れて早めに寝たから気付かんかっ たぁ…あぁ 「先生…お楽しみのトコすいませんね、邪魔しちゃって。外まで声が漏れてましたよ…ん?寺田先生 でしたっけ?確か聞いた話じゃ以前、学園内で問題起こしたとか…まだ懲りてなかったんですね」 くっ…歳の頃は50代、痩せ型で背の低いジジィ。俺の身体から離れたたくやから目を離さず俺に話 し掛けてくる。 「これは問題じゃないかなぁ…」 確かに、今回の事がばれたら前回のようにはいくまい…いかに寛大な学園とはいえ停職…いや、退職 かもしれん。たくやも学園には居れないだろう… 「ねえ、先生。この件は私の胸のうちに仕舞う事も出来ますよ」 なれなれしく俺の肩を叩いて耳打ちする。 「いや、私もまだ巡回があるんでそんなに時間は取れないんですがね…ちょっとサービスで抜いてもら う時間くらいは…ねえ?」 そう云って部屋の隅で、制服で胸を隠しているたくやの方を見るジジィ。 「な!?そんな!」 「学園にばれたらお嬢ちゃんもマズイでしょ?先生だって辞めちゃう事になるかもしれないし。『もっ とぉ〜』なんて先生に云えなくなちゃうよ〜」 て、てめぇ。怒りが頂点に達しそうになる。お、俺だって人のことどうこう云える立場じゃねぇが… キサマむかつく!人の弱みにつけ込みやがってぇ(著者注・お前が云うな!) 「…いいです。判りました」何!たくや、何云ってるんだ!? 「お前…」 「いいんです…こうすれば…黙っていただけるんですよね…」 そう云って警備員に近づきズボンのチャックに手をかける。 「お口で、いいですか?」「あ?あぁ。ほ、ほんとにいいのかい?お嬢ちゃん」 てめえから云ってきたくせに何をいまさら!少しうろたえてやがる。 「あ、うぁあ!?」 たくやは慣れた手つきで棹をしごき、先端に舌を絡ませる。ジジィは早くも腰が引け気味で、壁に背中 をもたれさせた。 「はむぅ、うぐ、うむ」 袋を掌の中で転がし、棹に唇を這わせる。先端から咥え徐々に顔を上下させる。 俺の、俺のたくやが…別の男のモノを咥えている状況に怒りと、それとは違うよく判らない感情が入り 乱れ俺を激しく揺さぶる・・・ 「お、お嬢ちゃ、ん、うま過ぎ!うま…」 見ればジジィは膝が震え、前かがみになってたくやの頭を抑えている。 「うあ!だ、もう、出る。出ちゃうよ、お嬢ちゃん!」 「はむ、うむ、うぐ、むうん…」喉の奥まで飲みこむように、モノを出し入れする。 「もう、だめだぁ〜飲んで!お嬢ちゃん、飲んでくれぇ!」 「うぐ!?…うむ、ごく、う、うむ、…うん」 ジジィの言う通りに飲みこむたくや…何故、そんなものを… 「こ、これで…誰にも云わないで、くれますよね…」 「あぁ、約束だからな…でも、また今度来週くらいもう一回…」 もうだめだあああ!それまで黙って見ていた俺はジジィの腕を掴むと後ろ手にして頭の方まで回す。 「いたたたたたた!痛い!痛いぃぃ!!」タップするジジィ。 「ジジィ!こんないい目見させてもらってまだなんかあんのか!俺が柔道部の顧問だって知ってるか! 反則技で人間辞めさせてやろうか!生い先短い人生を更に短くしてやるぞ、おい!!」 「いででで!嘘、嘘です。もう充分!満足です…離して、離してくれぇ」 「ふん!」腕を下ろし、その腕を返して扉の方へ転がした。 「うぎゃ!す、すんませんでしたぁ」 ジジィは打った腰を抑えながら扉を開けて外へ出ていった。 「…」「…」 言葉が出ない…すまん、とかいろいろ云いたい事はあるんだが。 2度も同じ場所で他人に見られてしまったのだ。 「あのぉ…」何かを云い掛けたたくやを遮って、俺の口から出た言葉は… 「…なんで、飲んだ?」「え?」 「なんであんなジジィのモノ咥えた!しかも最後飲んだな!誰がご主人様なのか自覚が無いのか!え!」 「で、でも…」 「しかも美味そうに咥えてたなぁ!…男なら誰でもいいのかお前は!」「ち、違います!!そんな!?」 「あんなくたばり損ない、締め上げりゃ黙って云う事聞いたんだ!それを・・・」 「…ご、ごめんなさい…すいませんでした。ご主…」 「もういい!もう寝ろ!」 俺はたくやに背を向ける。もう頭の中はパニックだ。何を云ってるのか自分でもわからん… ガラッ…無言のままたくやは教官室を後にした。 俺は一人立ち尽くしたままだ…結局…どうしたいんだ、俺は… 2日目深夜、終わり


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