分岐2→2:「男ねぇ……あいつの住所なら知ってるけど、まだ生きてるかしら……」


「ウグゥ、ウグゥ、ウグゥゥゥ!!!」
「ああ……男の人のおチ○チンが、おチ○チンが…あ…っ、はうぅん! い…いいわ、大介のチ○ポ…私のおマ○コと…擦れるぅ……!」
「ウググググッ! ウグッ! ウグゥウルルルッ!!!」
「いいのよ。イきたくなったら何度でも、いっぱいザーメン注ぎこんでぇ! そしてね、そしたらグチャグチャにかき回して、おマ○コから書き出して、そしたらまたいっぱい射精して♪」
「ングッ、ムグッ、ンガッグッグゥ!!」
「オ・ネ・ガ・イ♪ 赤ちゃんが欲しいのぉ、大介のおチ○ポで妊娠して、赤ちゃん産みたいのぉ♪ ああ、いい、いいよぉ…大介のおチ○ポ、おチ○ポが、おチ○ポがぁぁぁ……♪」
 あ〜……はいはい、もう勝手にしてくれればいいから。二人で勝手に妊娠でも小作りでもやってくれて構いませんとも。
 久方ぶりに再会した親友(どちらかと言えば悪友?)の大介は、あいも変わらず、「ど」がつくスケベだった。まあ、それは予想できてたし、クリスマスに彼女がいなくて世界を呪っているのは確実そうだったし。―――だからあたしゃサンタちゃん(仮称)をここへ連れてきたのだ。
 ―――が、当の大介ときたら、電話であたしが女になっているのを知ると受話器越しに聞こえるほどに鼻息を荒くし、木造アパート築うん十年と言う一人暮らしをしている大介の住所を訪ねたら、このバカは精力剤うん十本を飲み干していて、いきなりあたしの方へと襲いかかってきた。
 そんなわけで、再開直後にあたしに殴り倒された大介は気絶している間に簀巻きにされ、そこだけ露出させられた股間には赤い布地と白いモコモコのついたサンタ帽だけをかぶった全裸の金髪巨乳美女に跨られていた。―――ま、これで童貞卒業…かな? ある意味、ものすごく印象の強い初体験だ。忘れようと思っても忘れられないだろうな、これ……
 で、すっかり良い仲(?)の二人が仲むつまじく(?)愛を確かめ合っている(?)場所であたしが何をしているかと言うと、大介を見張っているのだ。
 別に大介が野生化してサンタちゃんに襲い掛かる…と言うのを警戒しているわけじゃない。サンタちゃんに膣内射精した回数は既に十回以上……精力増強剤を山ほど飲んでるから大丈夫だろうけれど、回数を重ねるごとに確実に元気を失っている。天然スケベである事が判明したサンタちゃんに大介を腹上死させないためにも、あたしがこうして見張っているわけなんだけど……
「ア……ア…ウッ……グフフ……♪」
 こいつ……なんかものすごく嬉しそうなんだけど。目は腰を振るたびにゆさゆさと揺れるサンタちゃんのたわわな膨らみを常に追いかけ、何度射精してもサンタちゃんのおマ○コの仲で硬度を取り戻させられるペ○スを、自ら腰を突き上げてヴァギナへ押し込んでいる。両手両足を縛り、猿轡までかませているというのに……Mじゃなかろうかと疑いたくなる。結構いじめたくなる顔はしてるんだけどね、大介は。
「あ…ッ、あ…あっ、やぁん! 大介、あ…あはあぁあっ!!」
 ………ま、好き者カップルと言う意味ではお似合いな二人だ。せっかくの初体験が、六畳一間のアパートにしかれた煎餅布団の上で、と言うのは仕方が無いとしても、これから何度もエッチなことするんだろうし……
「あたしはもういなくてもよさそうね。それじゃ先に帰らせてもらうからね」
 これ以上ここにいてもお邪魔虫なだけだし、他人のエッチをもう二時間近く見せ付けられて気分も変な感じだ。こんな寒い時期の深夜に出歩けるよう、スカートではなく、なるべく露出が少ないよう見た目的にはノーマルなサンタ服を選んで身を包んで来ていたあたしは、これから家に帰って一人寂しく……
―――コンコン、コンコン
「? 大介、お客さん――」
「ムグウゥゥゥ〜〜〜〜〜〜〜!!!」
 ………幸せなんだね、今。
 タイミングよく絶頂を向かえ、結合部からゴプッと薄くなった精液をあふれさせるサンタちゃんと大介。それを邪魔するのも気が引けたので、木製の玄関扉へと立ち上がり、音をたてないようにそっと押し開けた。
「すみません、大介は今立て込んでて―――」
「…………………………」
―――パタン
「…………えっと」
 扉の外に何かいる。「誰か」ではなく「なにか」いる。
 それを一目見たあたしは、表情を固めたまま扉を閉め、アレは一体なんなのかと頭を捻る。
 ―――鹿…っぽい? けど鹿は京都の山奥にしか住んでないし(固定概念)。
 ―――いやけど、角があって、それがこうワキワキしてて、鼻が長くて、茶色で、首の下が白くて……
 ―――はっ!? もしかして○ののけ姫の山の神?
 家の前を見たこともないような珍獣が塞いでいたら、誰もがパニックになる。―――うん、あたしは今、それを実感してる。現実世界がいきなり動物園と直結したんじゃないかって……うわっ!?
 考え込む内に扉へ頭を押し付けていたあたしは、ドアノブが回されドアが開けられるのにあわせて外に飛び出てしまう。そして……顔からちょっとフカフカした獣の毛の中へと突っ込んでしまう。
 これは……気持ちいいかも。獣臭くないし、あったかいし……こういう毛皮着たら似合うかな……
「すみません、お嬢さん。こちらにサンタクロースのエドワード様はいらっしゃいませんか? ちょうどあなたと同じような格好をした老人なのですが……」
 思わずうっとりと鹿の毛並みに頬擦りしていると、頭の上で誰かが喋る。視線を上げ、その誰かと視線を合わせると……あたしの顔を覗き込んでいたのは、鹿だった。
「―――――鹿がしゃべったぁぁぁ!!」
「失敬な。私はれっきとしたトナカイです」
「ト、トナカイ…? あ、あ〜あ〜あ〜。そっか、中に人が入ってるんだ。もう、おどろかさないでよ♪」
 よく見れば、確かに見覚えのある角の形だ。今日の帰りにもケーキ屋の前で被り物してる人がいたのを思い出す。
「いえ、本物なのですが……私は由緒正しき決闘を持ち、なおかつ倍率は百倍を超える超難関であるクリスマスサンタの反り引き資格を有するエリート中のエリート。ですが今年は御者たるサンタクロースの技術に難があり――」
「サンタちゃんに用があるのよね。待ってて。すぐ呼んできてあげるから」
「そうです、そのサンタ………ちゃん?」
 妙にリアルなトナカイのぬいぐるみだけど、中身が人間ならそれほど恐さも感じない。あたしは部屋へ取って返すと―――そういえば大介とSEX中だったのを思い出して頭を抱えた。
「んっ……大介ぇ……もう一回…しよ?」
「あ、あ、そ、そんなにおっぱい擦り付けられたら理性が、俺の理性がぁぁぁ〜〜〜!!!」
「―――てりゃ」
 ゲシッと、あたしは大介の顔を踏みつけた。
「な、なにすんだぁ!?」
「ごめんね〜♪ 足が滑っちゃった♪―――で、サンタちゃんにお客さんだから」
「私に?」
 とりあえず強制的に二人を現実世界へ引き戻すと、あたしはサンタちゃんの汗でぬれた体が冷えないよう、彼女が着ていたサンタ服を肩から掛ける。
「うん。たぶんケーキ屋かなにかの着ぐるみ着た人。外で待ってるから」
「着ぐるみ? 知らないわよ、そんな奴。外国在住だから日本に知り合いなんてほとんどいないし」
 あ……言われてみれば、それもそうか。サンタさんの正体は基本的に秘密っぽいし。
「じゃあ、アレって誰なんだろ? トナカイの着ぐるみをすっぽり頭からかぶってるの。老人状態のサンタちゃんのことも知ってたし……」
 ――と、あたしの横にいきなり壁が出来る。
 驚き、狭い室内で跳び下がる。するとそこには、二本足ではなく四本足で立つトナカイが……って、
「失礼。いつまでたっても出てきてくださらないので、勝手に入らせていただきました」
「ちょ……あんた、どう見ても気ぐるみじゃないでしょ! 足がひづめじゃない!」
「だから私は本物だと……それよりもサンタクロース殿です、どこです、職務放棄はいけません、明日の朝までにやらなければいけない仕事は山積みなのですよ!」
 ほ、本物のトナカイが喋って、サンタちゃんの目の前でサンタ捜して……ああ、もう、話が訳分からなくなってきた……とりあえずここは、サンタちゃん自身の口から説明してもらわないと。
 けど、当のサンタちゃんはと言うと、エッチ直後でなもんだから……
「あれぇ、イングラムじゃない。どうしてこんなとこにいるの?」
 ―――と、女になったばかりとは思えないほど艶を帯びた声でトナカイに語りかけ、肌に張り付く長い金色の髪を掻き揚げた。
「いえ、あなたのような美しいお嬢さんではなく、もっと太っちょで、ヒゲ面で、品性の欠片も知性の欠片も持ち合わせていない卑しい老人です。せめてあと50キロはやせていただかなければ、ソリを引く私としましても――」
「誰がデブでヒゲで大酒飲みよ!」
 あ――と、言う間もなく、罵倒されたサンタちゃんは真下からトナカイのアゴを蹴り上げた。
 ………その際、大介の物をくわえ込んだままの状態で足だけ跳ね上げたもんだから……なんか、ものすごくつらそうな表情で……南無南無、宮野森学園の頃から腐れ縁が続いてたけど……
 そんな感じに局部を捻じ曲げられ、折り曲げられそうになっている大介に依然として跨ったまま、突如現れたトナカイ(?)にサンタちゃんは鋭い視線を向けた。―――その一方で、トナカイの方は目の前にいるのがあのサンタクロースの老人と、どうやっても同一人物と考える事が出来ず、目をぱちくりとさせていた。
「おどろいた? ちょっと性転換してみたの。これから第二の人生を歩むためにね」
「第二……で、ではサンタクロースの職務を放棄なされるのですか!?」
「ど〜しよっかな〜〜。だってさぁ、トナカイが言う事聞かないんだもん。自分ばっかり偉そうでさ、働かないくせに口ばっかり。そんな奴と仕事するなら、やめた方がマシだっての。大介もそう思わない?」
「―――ッ、―――ッ、――――――ッ!!!」
 なんか声も出せずにうめく大介から、ようやくサンタちゃんが腰を浮かせる。硬度はまだ保てているペ○スをズルリと引き抜くと、大介のモノの形にぽっかりと開いた、処女を失ったばかりのヴァギナからトロトロと精液をあふれさせた。
「あん…もったいない……体を大介の足元へずらしたサンタちゃんは精液と愛液にまみれたペ○スを優しく握り締める。そしてぴくぴくと震える様子をうっとりと見つめると、やおら唇を先端へと吸い付かせ、勢いを失いつつある肉の柱をチュ中途音を立てて吸い上げ出した。
「あっ……あへ…あ……」
「おやめください! あなたはサンタクロースなのですよ。子供に夢を与えるお方が…そのような下衆のチ○ポを!」
 静止するトナカイの声を無視し、舌を伸ばして精液を舐め取り、亀頭をくわえ込んだサンタちゃんは、大介の足の間へ顔をうずめ、根元に唇を寄せてもごもごと口の中を蠢かせる。
「お…お〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「んむぅ……はぁ…大介の…またおっきくなったぁ……♪」
 ノドを何度も鳴らし、限界近い大介のペ○スから制止を直接飲みすすってたサンタちゃん。右手を自分の股間へ滑らせ、赤く腫れ上がった膣肉をくちゃくちゃ音を鳴らすようにかき混ぜ、汗と二人の体液が染み込んだシーツを握り締めて必死に耐える大介を再び射精へ導こうとする。
「ちょ……タンマ……そんなに吸われたら…俺、もうダメになるぅ……!!」
「まだイっちゃダ〜メ〜♪ まだぁ、私のおっぱいだって残ってるんだからぁ……好きなんでしょ、おっきなおっぱい?」
「はい、大好きです! 大好きですとも!」
 大介……あんた、漢だねぇ……
 もう命を削って射精しようとしている大介に、少なからず共感を覚える。―――と、不意にトナカイが首を振り、あたしのほうへと顔を向けた。
「そこか…」
「え? ちょ、ちょっと!?
 トナカイのただならぬ様子に気おされ、慌ててその場を逃げ出すと、トナカイはあたしではなく、すぐ傍に落ちていたサンタクロースの担ぐ白い袋の口へ鼻先を差し入れた。
「ほへふぉほははいはひんへんひはふふふい!」
 何を言ってるのかは、口に瓶を咥えているのでよく分からなかった。けれどトナカイは、望むものが出てくる袋から取り出したビンの蓋を器用に開け、口を上に向けて一気に飲み干すと……変化はその直後から、急激な速さで現れ始めた。
『ぬおぉぉぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!』
「な……うそぉ!?」
 トナカイの体がしぼんで行く。
 苦しそうに身をよじる、馬にも似た体躯は見る見るうちに低くなり、首は短くなっていく。
 空を駆け回るための筋肉を覆う茶色い毛並みは空気に溶けるように薄くなり、姿を見せ始めた地肌は赤みを帯びた白。何処か誕生したばかりの赤子のような感じがするけれど、小さくなった体にはまだ十分すぎるほどの筋肉がついており、弱くなったようにはとても見えない。
 そして畳の床を踏みしめていたひづめは無くなり、代わりに五本指を供えた手足になる。細く短くなった手足では体を支えきれなくなったのか、その場へうずくまる。―――そして一分後、顔を上げたトナカイは、もうトナカイではなくなっていた。
「うわぁ………」
 あたしがおもわずため息を突くほどの美形……もし女性なら、彼に声を駆けられただけで何でも言うことを聞いてしまいそうな金色の髪の男がそこに現れていた。
 目の前で変化の様子を見ていても、それでも信じられない。それは置いておくとしても、身長に立ち上がった彼の体は大理石の彫像のように逞しく、引き締まっていて、すぐ近くにいる比較対照である大介とはとても比べ物には……
「素敵っ♪」
 ―――って、おい! いきなりそっちに乗り換えるんですか、サンタちゃん!
 死に掛けとは言え、射精寸前にまで攻め立てた大介から体を離すと、サンタちゃんは人間になったばかりのトナカイへ――と言うよりもその足へと豊満な乳房をすり寄せて、日本人男性…もとい、全世界においても最大クラスであろう、三十センチを越えそうな巨根へと頬擦りし始めた。
「ああ…信じられない、こんなに大きいおチ○チンが存在するなんて…♪ これってジャパニーズウタマロよりもすごいわぁ♪ もし入れたら……想像しただけでおマ○コが壊れちゃうぅん♪」
「欲しいですか? 欲しいですよね? そんな一般市民のペ○スよりも、サンタに使えるべき僕のペ○スの方があなたには適していますよね?」
「うん、うん、これがい、こっちのおっきいのがいい♪ だから、ね、はやく、しましょ、早くぅん…この素敵なおチ○チンで私のおマ○コを…♪」
 何と言うか……もうどうでもいいや、この二人は……
 結局大介でもOKだったサンタちゃんは、大介よりもいい男で、体力もありそうで、巨根な男にあっさり鞍替えしてしまう。そして生ける屍と貸した大介を布団の外へ転がり出させると、いきなりバックで結合し、狭い室内に音が木霊しそうな勢いでピストン運動を始めてしまう。
「ああ……お、俺のマイスィートはニーが……」
「大介……今日のところはこの部屋を貸してあげなさい。なんかもう、あたしもバカらしくなってきた」
 繰り返される律動運動。繰り返される絶頂の声……心配して世話を焼かせるだけ焼かせておいてこういう結末になったことへ怒りではなく呆れる事しかできずにいるあたしは、サンタ帽を目深にかぶると、服を着せた大介ともども、狭い部屋を後にした―――


2−2(2)へ