「男の子って不思議ですぅ」-1


「こんにちは〜……う〜……」
「相原君、いらっしゃい。今日はどうしたの?」
「その…ちょっと気分が悪くて……次の時間体育だけど、こんなんじゃとても受けられなくて……」
 保健室へ入ると、校医の松永先生が優雅に脚を組んでティータイムをエンジョイしているところだった。相変わらず綺麗な脚線美で、ついついそこに目が行ってしまいそうになるんだけど……今はそれどころじゃない。
 朝の登校中から胸が苦しく、締め付けられるような苦しみを覚えていた。まだ昼休み前だけど、次の授業は男子に混じって体育、しかもサッカーでグラウンド中を走り回らなければならない。友人一同、健全な性欲を持つ男子たちと寺田のあのいやらしい視線にさらされながらそんな事をすれば、授業の途中に倒れてしまいかねない。けど寺田先生に直接胸の苦しみを訴えてもズル休みしようとしているって決め付けられちゃうし……「それで松永先生から寺田先生に伝えてもらおうと思って来たんです。んっ……ちょっと辛いから……」
「なるほどね。いいわ、そういう事なら」
 そう了承してくれた松永先生はティーカップをソーサーに戻すと、机に置かれた受話器を手に取り、内線で寺田先生と話し始めた。
 ふぅ……ひとまずこれでいいか。けど細かい設定は無視ってことで(保健室ED参照の事)。
「ええ…ええ、そういうことです。それでは相原君は体調不良で早退と言うことに――」
「………はい?」
 早退? いやあの、色々会って出席日数とか気にしちゃう立場にいるんですけど……松永先生?
 あたしがちょいちょいって手を振っても気付いてないわけじゃない。何か意味ありげに笑みを浮かべてウインクを返され、少々困惑気味になってしまう。
「さて―――いいタイミングで来てくれたわ。まさにグッドタイミングね」
「え……えっと……あ、なんか大丈夫そうなんであたしはこれで失礼しま――」
「まちなさい」
「………はい」
 はぁぁ……宮野森学園の女帝である松永先生には逆らえない……いや、普段は親身に相談に乗ってくれたりする優しくて美人な先生なんだけど……いろいろ知っちゃってるし、色々されちゃってるから……
「もう……とって食べたりしないから、ブラウスのボタンをはずしてそこに座りなさい。相原君は女の子の体になって間もないんだし、どういった副作用が出るかも分からないのに無茶してはダメよ」
「ふ、副作用!? ……なんか、そんな脅され方したら急に恐くなってきた……」
「私が調べた限りでは大丈夫だと思うけど、詳しく調べておきたいの。だって可愛い相原君を放ってはおけないでしょ?」
 ………美人保健医に放っておけないとまで言われて喜んでいいのか、それとも言葉の裏まで読んでから喜ぶかどうか決めた方がいいのか……難しいお言葉で……
 それにそう言った事がまったく無いと、あたしも思っていたわけじゃない。むしろ、今回まったく何もされていないと言う方が不思議に思えてしまう。何しろ去年は……ぶるぶるぶる、去年の事は忘れないと……けど、今また貞操のピンチがすぐそこに……
「あ、あの……今日は体調も優れないし、あ、あたしも心の準備が…その……」
「まぁ……相原君、は私とそういう事がしたくてここへ来たの? だったら……今夜は寝かせないわよ?」
「へ? あ、いえ、あの、その、だから、ご…誤解です!」
「ふふふ……相原君は相変わらずね。恐がらなくても、今日は診察だけよ。だから安心して服を脱いで」
「は、はぁ……」
 ううう……完全に遊ばれてる……まさにお釈迦様の手の平の上ね……
 スツールに腰掛け、診察台の前で待つ松永先生に複雑な感情の篭った視線を投げかけると、あたしはため息を突きながら胸元のリボンへ手を掛けた―――


「―――去年と同じね。ブラのサイズが合ってないわ」
「え……で、でも、女になってから合うやつを買ったんですけど……」
 胸をはだけてから診察が終わるまで五分と掛からなかった。松永先生の指が肌を滑るたびにピクッと震えている内に終了して……いや、あたしは別にそういうのを期待しているわけじゃないんだし……
「肩や脇にブラが食い込んで赤くなってるわ。どうしても気になるなら詳しく診察してあげるけど?」
「うっ………」
「お互い裸になって、心行くまで相原君の体を診察してあげる……ふふふ♪」
「で、でも、だけど、あの……」
「今日はずっと保健室にいてくれて構わないのよ。相原君も早退するって言ってあるんだから……」
 だからさっき、あんな事を……んっ!
 さっきまであたしの体をなで、診察していた松永先生の細い指があたしの胸をブラの上からこね始める。とても手の平に収まりきらないほどの大きさの胸は揉み解すようにねっとりいやらしい動きでこねられると、心のどこかで期待していた事をされてすぐに喜び始めてしまう。柔らかく、それでいて張りのある膨らみが先生の指のよって形を変えられるたびに、アゴが上がってしまっているあたしの唇からか弱い喘ぎが漏れこぼれ、白い簡素なブラの上から探り当てられた乳首をコロコロと弄ばれると、乳房全体に痺れるような快感が瞬く間に広がって、溜まらず診察台に後ろ手を突いたあたしは背を反り返らせ喘いでしまう。
「ふぅん……去年よりも感度が良くなってるのね。これだと毎日が大変なんじゃない?」
「ハァ……ハァ………は…はい……」
「それにこの膨らみ……もうEカップのブラじゃ納まりきらないわね。F…Gでもいいかもしれないわ」
「そ、そんな……だって、あたし、女になって…まだ………ああっ!」
 上にばかり気をとられていると、前触れもなく松永先生の手があたしのえんじ色のスカートの中へと滑り込む。そして十分に張り詰め、圧迫感による苦しみを一際強くし始めた乳房の根元へ手をあてがうと、ふもとから先端へ向けて白い布に包まれた胸の膨らみを絞り上げながら、すでに潤みだしていた割れ目へ指先を突き入れてきていた。
「くあぁぁぁあああっ!!!」
 その手をはさむように太股に力を入れても、迸るあたしの嬌声はとまることがなかった。指先に膣壁をなぞられるたびにパンティーの置くから熱い液体がドクッドクッとあふれ出し、小さな音を響かせて膣内をかき回されるとあたしの腰は意識を無視して勝手に跳ね上がってしまう。
 それに合わせて乳房の責めも繰り返される。十分に揉みしだかれ、桜色に染まりつつある膨らみは学生には似つかわしくないほどのボリュームになってブラウスから突き出ている。その先端でブラの布地を突き上げている乳首の尖りを指で挟むと、捻りを加えながら根元から先端に向けて扱かれ、上下の愛撫のリズムが同調するとあたしの背筋に強烈な電流が一気に駆け抜けていく。
「相原君……もうこのまま女の子になってしまったら?」
「やぁ……んっ…そ、そんなの……ふぅうん!!」
「こんなに可愛いのに……この胸だって、これからもっと大きく、美しい形になって行くのよ。女になったばかりだからまだまだ成長期なんですもの。きっとどんな男も魅了できるぐらい、素敵な女性になれるわ。今すぐにでもグラビアの表紙を飾れるぐらいに可愛いんだもの。―――相原君さえ良ければすぐにでも紹介してあげるわよ?」
「でも……あ、あたし…お…男……んんんっ!!!」
「男の体でこんなに気持ちよくなれる? それに佐藤さんが男性器だけ生やすお薬を作ったんでしょう? それならいつでも両方の快感が味わえるじゃない……子供を産む事も、産ませる事も……」
「あたし…やあぁ! やあぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
 毎日毎日何かしらの性的な興奮を擦り込まれ続けていたあたしの女の体は松永先生の指にあわせて腰を蠢かせ、診察台がぐっしょり濡れるほど愛液を滴らせているヴァギナをビクビクと痙攣させている。
 もう…イっちゃうぅ……!!!
 久しぶりに味わわされた松永先生の愛撫にあたしの体は休む事無く震え続けていた。保健室の中には粘つく水音が響き渡り、それを耳にする頃には次の水音が松永先生とあたしの股間とで連続して放たれる。
 それなのに松永先生は息を乱すどころか、いつもの妖艶な笑みを浮かべた表情のままだった。服を脱ぐこともなく、まるであたしが乱れ悶える様子を見つめるのが楽しいというかのようにあたしを見つめながら、指をより奥へと突き入れ、ざらざらと擦れる膣の天井をその指先で強く押し込み、擦りたて始める。
「やっ! はうっ、はうっ、はうぁぁぁあああああああああっ!!! セン、セイィ!! そこ、そこ責められたら…ダメ、おかしくなるか、ら…らめなのぉぉぉ〜〜〜〜!!!」
 ガクッと肘が折れ、後頭部を壁に押し付けるように診察台へ倒れこんだあたしは、黒い革張りのベッドから突き出すように下半身をはみ出させる。その上へ体を被せた松永先生の指はさらに動きを激しく、滑らかにし、あたしが悶え狂う一点を執拗なまでに責め立て、揉みたててくる。
「先生、先生、イくッ、イくぅぅぅッ!!!」
 グチャリと音を鳴らしてあたしのおマ○コが松永先生の指を強く食い締める。けれど足を伸ばした事で動きやすくなった手は指を根元まで挿入する。もはや収まりが付くどころか頭の中が真っ白になって何も考えられなくなってきたあたしは、お尻を浮かせて恥丘を先生へ向けて突き出し、脱がされさえしなかった下着の中へ濃厚な液体を打ちはなってしまう。―――射精液だ。
「ああああああっ! ああっ、ああっ、アッ――――――――――――――ッッッ!!!!!」
 収縮する尿道を押し広げられる強烈な射精感にあたしの豊満な体が幾度となく震え上がり、それでもまだ止まらないGスポ責めに絶頂液の噴出も止まる事無く、下着の中に溢れかえった熱いモノがお尻にまで流れてきてしまうほど繰り返し噴き続けてしまう。
「あっ…あぁん、ああぁん、あ…うぁあああああっ!!!」
「こんなに感じて…お漏らしするのに……まあいいわ。相原君が女の子でいる間……タップリと可愛がってあげるから」
 こんなに…感じるなんて……信じ、られない……こんなの、こんなの……んっ、あ…ん、あひっ、あぅぅぅん、あうううううぅぅぅ!!!
 何も考えず、何度も体を震わせてあたしは射精液を次々と撃ち放った。いつしか下着に収まりきらなくなったいやらしい汁は濃厚な匂いを放ちながら床へと滴り落ち、タイルに大きな水たまりを作り上げていた。
「ひあ……ひあぁぁぁ………」
 声を出す気力さえ失うほどの長い長い絶頂……呼吸さえ忘れてイき続けるあたしのアソコから松永先生の指が引き抜かれても、あたしの「射精」は喉を喘がせるたびに割れ目から噴き上がっていた……



「それじゃあ相原君、私は用事があるから少しの間お留守番をお願いね」
「ハァ………ハァ………」
 こんな状態で……留守番なんか頼まれても……はぅ………なんかもう…はぁぁ……
「疲れているのならベッドで休みなさい。ただし、ちゃんとブラははずしておくのよ。新しいブラは私が用意しておいて上げるから」
 ありがとうございます……けど、だからってここまですること……はうぅ……
「ちょっと時間が掛かると思うわ。相原君のスカートもクリーニングに出してくるから。―――そうそう、言い忘れてたわ」
 まだ…何かあるんですか? もう、なに言われても覚えきれないんですけど……
「片方のベッドに一年生の男の子が眠ってるの。あまり大きな声で騒がないでね」
―――カラカラカラ…ピシャ
「……………男の子ぉぉぉ!? え、嘘、誰かいたの!? ちょ…松永センエェ〜〜〜〜〜!!!」
 目を覚ましたときには時遅し。松永先生は保健室を出ていて、しかもガチャガチャ鍵をかけてあたしを外に出れないようにしてしまっていた。
「―――って、なんで学園の教室でここだけ外鍵なのよ!?」
 といまさら非難を口にしてもしょうがない……カーテンで仕切られた向こうのベッドに誰かいる以上、あんまり声を立てるわけにはいかないし。それに……目を覚ました途端、問題はいきなり山積みだ。
「う、うそ……スカートとパンツ……」
 まだふらふらしている頭を振って現状確認した途端、あたしは下半身を覆うものを何一つ身につけていないことに気がついた。―――さっきアレだけびゅ〜びゅ〜噴いちゃったわけだし……脱がしたのは松永先生だろうけど、悪戯なのか親切なのか……それより、替えの下着…どうしよう……
 ニーソックスや上履きまでなくなっていて――上履きでアソコを隠すつもりは無いんだけど――、胸をはだけていることもあり、今のあたしは襲って下さいと言わんばかりのかなり危ない格好だ。もし男の子が目を覚ましたら、それ以前にこんな格好でベッドで寝たりしたら……ともかく替えの下着を探さなくちゃ。
 去年の一時期、この保健室にはかなりお世話になったので松永先生がそういったものを仕舞っている場所も知っていたりする。たしかあれは……
「―――ベッドの下」
 あぁ〜〜ん、松永先生と神様の意地悪ぅ〜〜〜〜〜!!!
 エッチの後始末は……松永先生が済ましてくれているらしく、診察台周辺に水たまりは出来ていない。匂いは……もうどうしようもない……
 そうなると、とりあえず問題は男の子と替えの下着と言うことになるけど……あれ? 机の上に………く、黒パンティー……
 手に取ってみてくださいと言う感じに机の上に置いてあった丸い物体を手にとって伸ばしてみると、それはなんともアダルティックなデザインな黒い布地のTバック……しかも淵には黒いレースあしらわれていて、勝負下着と言う奴でしょうか……
「…………せ、背に腹は…変えられない……ううう………」
 大事な部分を隠せれば、男の子に気付かれないようにベッドから下着を探す事も出来るはずだ……けど、涙が止まらないのはなぜでしょう……
 なんかもー、男のプライドをずたずたにされた気分で松永先生が用意してくれていた下着を身に着ける。……お尻に食い込むのが変な感じで…火照った体がなんか…ムズムズしちゃいそう……
 慣れない下着の履き心地に戸惑いながらも、カーテンの方を気にしながらブラウスを脱ぐ。そして、確かに言われたように肌に食い込んでいるブラを取り、そして再びブラウスをまとってキッチリボタンを留めると、あたしは自分の服を丸めてしっかり抱きかかえ、そっとカーテンから中を覗き込んだ。
「あのぉ……」
 ―――残念。男の子が寝てるのは下着のあるほうのベッドだ。他の下着は無理…か……
 ベッドの周りはカーテンで仕切られていることもあって薄暗い。そちら側へ首だけ出し、中の様子を確認すると、二つのベッドの一つに、あたしの方へ背を向けて毛布にくるまっている男の子がいるのを確かめる。
 ………小柄な男の子だ。この学園の生徒なら男の子と言うような年齢じゃ無いけど、毛布に浮かび上がる男子生徒の体はあたしよりも一回りほど小柄だった。一瞬女の子かとも思ったけど、首元にはカッターの襟が覗けて見えているから男性で間違いないだろう。
「……お邪魔しま〜す」
 そ〜っと、そ〜っと…抜き足…差し足……眠っててあたしの事に気づいてないなら…そのまま眠っててください……
 カーテンを閉め、素足でひんやり冷たい床をそろそろ歩き、あたしは出来る限り音を立てないようにベッドへ滑り込む。
 眠っててくれるんならそれでいい。それにあたしへ襲い掛かってくるような子には見えなかったし………
 もしかしたら、いつぞやの時のように松永先生とグルになった男の子が逃げ場のないこの場所で襲い掛かってくるかも……と心配して起きているつもりでいた。でも、男の子と同じように背を向けて体を横にすると、朝からずっと悩まされ続けていた胸の苦しさからの開放と松永先生に瞬く間に潮を噴かされた疲れとで、眠気が一気に押し寄せてくる。
 まぶたを閉じれば、もう開く事は出来ない。そうしてあたしの意識は深い眠りへと落ちて行ってしまった……