44 - 「たくやはいったい誰の嫁?<ユージ偏> -前編」


 ―――ユージさんに……犯されちゃった……
 腹痛がひどく、北ノ都学園を休んで家で眠りについていたあたしは、どこから話を聞きつけたのか、お見舞いに来てくれたユージさんと日が暮れるまでSEXしてしまっていた。
 「もう子供じゃないんだから」と、寝込んだあたし一人を残して両親は旅行に出かけてしまっていたので、誰にはばかることもない。元・男のあたしには不釣合いなほどに豊満な美巨乳を執拗に揉みあげられ、ヒクヒクと蠢く秘所には先端から根元まで何度となく長い指が抜き差しされ、ユージさんの舌先にしとどに愛液を浴びせかけ……その果てに長大な肉棒に刺し貫かれたあたしは―――
「ふぁあああああああっ! ユージさ…ぁああああああん!!!」
 時刻は深夜……シャワーを浴びてさっぱりした身体をベッドに横たえ、あたしはもう2時間もオナニーを続けている。
 糸を引くほどに濃厚な愛液がグチャグチャと卑猥な音を響かせて、キツく収縮している膣口から溢れ出る。
 あたしとユージさん、二人の情事の臭いがしみこんだシーツには、新たに滴り落ちた愛液によって大きなシミができていた。その上であたしは全身を伸び上がらせ、大粒の汗の浮いた肌を震わせると、ビクッと腰を跳ね上げ、
「ん―――――――――………ッ!!!」
 下唇を噛み締めながら、もう何度目かもわからなくなってしまったオルガズムに、涙を浮かべ絶頂潮を噴き上げてしまう。
 ―――し、子宮に……あたしの指が当たって……もう、これ、どうしたらぁぁぁ……!!!
 絶頂汁が細い尿道を押し広げて一気に突き抜ける感覚は、男の時の射精に似ているようで、それよりも何倍も何十倍も強烈な射精……瞬間的に息を詰まらせ、白い喉を反り返らせ、乳房に五指を食い込ませながら昇りつめると、もう後は何も考えられなくなる。妊娠したかもしれない不安を意識の片隅へ追いやると、半球状に盛り上がった乳房をブルブル震わせ、半ば狂乱状態に陥りながらも、ここにいないユージさんへ懇願するように全身を突き抜けるオルガズムにあわせて声を振り絞った。
「イく、イく、あっ、あっ、あっ、やァ、お…おなかに、赤ちゃん、いるかもなのに、イっちゃう、ユージさんに孕ませられて、イっちゃう、アン、アンゥ、イク、イクイクイクイク、イクッ! イクゥウゥゥゥゥゥ!!!」
 指をねじ込んだ膣口からも、オシッコが出る尿道口からも、まるで弾けるように大量の本気汁を迸らせる。
 それから数分……奥歯をガチガチと打ち鳴らし、焦点の合わない瞳で天井を見つめながら汗まみれの裸体を小刻みに振るわせ続けたあたしは、ベッドに沈み込むほどに全身から力が抜け落ちていくのを確かめ、ドロドロにぬかるんだ蜜壷から指を引き抜き抜いた。
 「どうしよう……」
 答えの出ない質問を自分自身に投げかける。
 せめて答えさえ出せれば、今にも眠りに落ちそうな身体に無理強いをさせてまで自慰にふけることはない。豊満な美巨乳のおくにある心臓を締め付けられるような不安に怯えることなく眠りに落ちることが出来る。
 でも……ユージさんに抱かれた生々しい記憶は、午前中に病院で受けた診断と合わさり、あたしにあまりにも重大すぎる決断を迫っていた。
 排卵痛―――そんな言葉があるなんて、今日までまったく知らなかった。何しろ生理さえまだ迎えていないめちゃくちゃな女の子の身体なのだから。
 紆余曲折を経て女性化してしまったものの、男に戻れる保証は一日経過するごとに減っていく。
 今では女の身体でいることに違和感を覚えることも少なくなった。そのことに危機感を覚えつつも、明日香も麻美先輩も千里もいない現状では、どうにもならずに貴重な時間は瞬く間に過ぎ去り、すでに三ヶ月が経過している。
 だから、つまり、いわゆるひとつの、その、考えたくはないことなのだけれど、
 ―――危険日だったんだよね、今日のあたし……
 それは、あたしの身体が完全に女の身体になってしまったという証明でもあった。―――時分の好きな人の、こどもを埋める身体になってしまったのだ。
「ユージさんの赤ちゃんか………」
 唇の先でそうつぶやき、まだ戦慄きの収まらない下腹部を、愛液まみれの手でそっと撫でる。
 危険日だからといって、一発でできちゃうなんて考えにくい。それにあたしは、今までに何人もの男の人に抱かれてきたけれど、一度として妊娠するようなことはなかった。だから今回だって大丈夫―――そうやって気楽に考えていたからこそ、今日、失敗をしてしまったのだ。
 本当に自分の身体のことが大事なら、きちんと避妊具を用意しておくことだって出来た。膣内射精されても、心のどこかでは「どうせ男に戻るのだから」「男なのに妊娠なんて」と言う甘い気持ちがあったことは、まったく弁明できない。
「赤ちゃんできたら……どうすればいいんだろ………あたし、ユージさんと結婚………」
 そこまで口にすると、あたしは目を瞑り、熱い空気の充満した胸の奥から大きく息を吐き出した。
 ユージさんは、きっと遊びだ。
 あたしだって嫌々でも男の人たちに犯されたことは、犬にでも噛まれたんだって割り切ってきた。
 それなのに、危険日にエッチしたからってすぐに彼女とか結婚とか奥さんとか、そんなことを考えること自体があまりに自分勝手すぎるように思えてしまう。
 でも………
「ああっ! いい、いいぃ…! すごく……やぁ、いい、はぁ、あぁああああんっ!!!」
 ユージさんに揉みしだかれた乳房を、今度は自分の手で揉みしだき、そのボリュームを揉みつぶしながら、肉壷を激しくかき混ぜていた。
 家に誰もいないのをいいことに、今にも母乳を噴き出しそうなほどに完全勃起した乳首をひねっては喚起の声を迸らせ、腰を突き出し、泣き悶える。
 暗い室内に映える白い裸体は悩ましくくねり、溢れ出る愛液で手首や内股はどこもかしこもベトベトに濡れ汚れていた。むしろそのことを喜ぶようにヒップに力を込めてヴァギナを強く食い締めると、抜き差ししている自分の指にユージさんのペ○スを重ね、湧き上がる甘美な悦びに身をゆだね、背中を反らせ、浮かび上がらせていく。
 ―――だめ、もう、何回もイってるのに、どうして、ぜんぜん、満足できないぃぃぃ!!!
 乳房から股間へと移った左手でクリトリスを爪弾きながら、半狂乱になって自分の指を子宮の入り口に当たるほどに突き立てる。膣天井にあるGスポットのふくらみを押し込み、小刻みにかきむしれば、陰部で快感が爆発して生暖かい液体が溢れ出て……
「ユージ、さん……触って、あ…あたしの身体に……いやらしいから…あたしは、ユージさんが、ユージさんがぁ……!!!」
 ああ、そっか。嫌じゃないんだ……あたし、むしろ―――
「ッ―――――――――!!!」
 自分の素直な気持ちに気づくと、溜め込んでいた感情が一気にあふれ出す。彼の腕に抱かれ、逞しい肉棒に貫かれる甘美な夢想に恍惚としながら、腰をゆすり、“オンナ”になった身体を一気に再度の絶頂へと突き上げた。
「好き、あなたが好きなのぉ! だから抱いて、あたしのことを、もっと愛して! 愛してぇぇぇ!!!」
 自分が何を叫んでいるのかなんて、もう何もわかんない……だけど、ユージさんの名前を何度も呼び、指を食いちぎらんばかりに肉壷を緊縮させたあたしは、ビクンッ、ビクンッ、と電撃に打たれたかのように何度も身体を跳ねるように震わせると、不意に力を失い、汗と愛液まみれの身をベッドの上に投げ出してしまう。
「あ……っ………♪」
 激しい自慰がようやく終わりを告げ、あたしの身体は急速に力を失っていく。
「っ……ユージ…さん………♪」
 最後に一撫で。昼間にはユージさんに、そして今の時間まであたしの指を受け入れ続けて充血しきった股間を愛液にまみれた指先でそっと撫でると、あたしは幸せな気持ちのまま、静かにベッドへ意識を沈みこませていった―――


 −*−


「ふぅ………♪」
 昨晩の激しい“運動”で掻いた汗を、朝のシャワーで綺麗に洗い流す。
 火照った肌に、降り注ぐ冷水の冷たさが染み渡る。………と言うのに、あたしの身体は目覚めたときから興奮状態を維持していて、肌は水の雫を弾いてしまうほどに瑞々しく張り詰めてしまっていた。
「んふぅ……♪」
 愛液にまみれた淫唇を丁寧に丁寧に指でこすり洗いしていると、腰の奥がブルリと震え、暖かい液体が太股を伝い落ちていく。こんなことじゃいつまでたっても身体を洗い終えられないと思いつつ、濡れた肌に手を滑らせて乳房に触れると、たわわな二つの膨らみをこね回しながら中央へ寄せ上げ、谷間に伸ばした舌先からシャワーの水量にも負けないぐらいネットリとした唾液を滴らせ、卑猥な音を浴室に鳴り響かせた。
 ―――もしも今すぐに抱いてもらえたら、ものすごく乱れちゃうんだろうな、あたし……♪ うわ、やだ、これじゃ淫乱ビッチだよぉ……♪
 頭の中は完全にピンク色。なんというか、昨日はレイプされたはずなんだけど、あたしの気持ちはすっかりラブラブモードになってしまっていた。
 ユージさんにとって、あたしは“都合のいいオンナ”だから抱いてもらえたのかとも思う。無理やりエッチされても、訴えたりしないし。結婚したけど義姉の夏美と知り合いと言うことは、あたしにとっての絶対命令権を握られたのと同じだし。
 それなのに、眠りから目の覚めたあたしは不快感なんてこれっぽっちも感じていない。むしろ、今日またユージさんに抱かれてもいいようにと、ベドベトの肌を丁寧に洗い上げていく。
「昨日は寝汗がスゴくて……やだ、ユージさんのエッチぃ♪」
 エアコンをかけていても熱気がこもって群れてしまう胸の谷間や股間の辺りは、徹底的に嘗め回された。羞恥心に打ち震えるあたしをさらに言葉攻めで散々恥ずかしがらせて、とろとろにおマ○コを蕩かせた後で太いおチ○チンをねじ込まれたのだ。女体を知り尽くしているあたしよりも巧みなテクの前に何度も屈してしまうと、後はもうなすがまま。命じられるままにハズかしいことをいくつもさせられたんだけど、
 ―――ああいうのが“チ○ポに屈した”って言うのかな……
 一回――というか実際には何回もなんだけど――抱かれただけで、惚れちゃって、相手の何もかもを受け入れちゃうなんて、あまりにも攻略が単純すぎる。けど、シャワーの水滴を弾くほど瑞々しく張り詰めた肌は、昨晩とのユージさんとのことを思い出しただけで、性欲の火照りを帯び始めていた。
 ―――あんなに大きいのでかき回されて……何度も壊れちゃうって思ったのに……!
「きょ、今日も、ユージさん来るかもしれないから、おマ○コも念入りに………ふァああああああっ!!!」
 壁にかかったシャワーノズルをはずして右手に持ち、浴室の床に尻餅をついて左手の指で淫唇を左右に割り開く。ニチャ…と粘る淫液の感触にブルッと背筋を震わせてから、冷水の迸るシャワーを膣内に向けたあたしは、膣道を逆流してくる冷たさを煮えたぎらせるほどに膣肉を熱くすると、そのままシャワーオナニーにふけり始めたのだった―――


 −*−


 ―――はぁ……もうお昼だよ。夏だと言っても風邪引いちゃうって……
 夏風邪は馬鹿が引くというけれど、確かにあたしのように一度火がつくとイくまで止まらない“スケベバカ”には当てはまりすぎる。
 ヴァギナの次は、ユージさんの大好きなアナル。昨日は愛してもらえなかったからって指で触れたのがいけなかった。初めてのときを思い出して二穴オナニーなんて始めちゃったら、瞬く間に全身汗まみれ。またシャワーを浴びなおしても股間の奥のムズムズが収まらなくて、結局二周ほどしてようやく浴室から出てこれた。
 ―――ユージさん……スケベになったあたしでも、抱いてくれるかな……
 軽く水気をふき取ってバスタオルを巻きつけただけの身体は、ただ歩くだけで内股からクチュ…クチュ…と粘膜の擦れあう音を響かせていた。もう膝や腰がカクカクするほどオナニーしたと言うのに、溢れ出る愛液は拭いきれないほどに多くなってしまっている。
 ―――ちょっと休まないと、倒れちゃいそうかな……
 学園を休んでオナニー三昧と言うのも気が引けるけれど、長時間の自慰で汗や愛液によりかなりの水分を失っている。おかげで疲労と軽い脱水によるダルさで身体が重い。
 ―――スポーツドリンク飲んで、一休みするかな。ユージさんとのことは、また後でゆっくり考えよ……
 ぼんやりした頭は、ふとした拍子に胸や股間に手を伸ばし、濡れた唇から艶かましい吐息を漏れさせる。そんな自動発情中の性欲を必死に自制して玄関を抜けて台所へと足を向けていると、
 ―――ピンポーン
「あ、は〜い」
 いきなりなったチャイムに反射的に返事しながら、壁に取り付けられた玄関カメラの映像へ目を向け―――瞬間的に、あたしの心臓の鼓動が跳ね上がった。
『や、妹さん、体調はもう大丈夫? 今日はきちんとしたお見舞いに来たんだけど』
「ユユユ、ユ、ユージさんっ!? なんで、あの、ちょ、ちょっと待ってて!」
 抱いてもらったときのことを思い出して何時間も身体を慰めていた、その想像の相手がいきなりやってきた。思わず玄関扉に身体を向けるけれど、自分の身体が今、バスタオル一枚だけなのを思い出して踏みとどまる。
 ―――すぐに、いますぐ着替えてこなくちゃ! でもでも、今から下着選んで服選んで身なり整えてってしてたら、あまりに待たせすぎちゃうし。どーしよ、ど―――しよぉ!?
 昨日の今日だし、ユージさんがすぐまた来てくれるなんて思ってなかったので油断してた。最低限の衣服を身に着けようか、それともユージさんを先に家の中に招き入れるかでオロオロしていると、
 ―――ガチャ
 小さな金属音を響かせ、扉が開場される。「うそ!?」と思ったときには玄関扉が開き、夏の暑さを感じさせないさわやかな笑みを浮かべたユージさんが入ってくる。
「あ―――――」
 それにしてもタイミングの悪い……浴室を出てから自分の身体をちょくちょく弄っていたせいで、バスタオルの胸元が緩んでいたらしい。ユージさんの姿を目の当たりにして胸を大きく高鳴らせてしまったせいか、その彼の目の前で、あたしの裸身を包んでいた布が解けて床に舞い落ちた。
「き、き、き―――――………ッ!!!」
 そして、すぐさま閉められる玄関扉。
 そのユージさんの機転のおかげで、あたしの悲鳴がご近所中に響き渡るのは防がれたのだった―――


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