40 - 「電車って走って止まってなんぼでしょ?」(XC3)


「暑さなんて吹っ飛ばせ!Xchange夏用シチュ板!」より
元ネタ:「電車やバス-->事故で止まった電車内にて。暑さで服をはだけた姿に誘惑された男子に悪戯される。年下の相手に遠慮して声が出せないたくや。どんどんエスカレートする責めに我慢の限界が……。」

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 ―――あ〜、もう! 早く、早くこの状況を何とかしてぇ!
 満員電車の中で首筋や胸元から胸の谷間へと粘つく汗が流れ落ちていく気持ちの悪さに顔をしかめながらも、そう叫びたい気持ちだけはずっと堪えていた。
 世間はすっかり夏休み。……そう、夏休みなのだ。
 女の身体になっても大体平均して一週間ぐらいで元に戻れていたのに、学園が休みに入ってしまったせいで研究室で行う研究がなかなか進められないらしい。その影響をもろに受けてしまい、もうそろそろ女の身になってから一ヶ月が経過しようとしていた。
 そしてその間にスクスクとものすごく健康的に育ってくれたのがあたしの胸。女体化の直後でも十分すぎるほどのボリュームがあったのに、今日最初に行ってみた下着屋さんで測ってもらったら、なんと90オーバーのGカップに。これじゃブラ紐が食い込んで痛いわけだと言うわけで、仕方なく新しい下着を買うことにしたんだけど、Gカップのブラなんてそうそう置いてなくて……結局、電車で繁華街にまで出かける羽目になってしまった。
 あちこちお店を回ったので、今の時刻は午後六時。夏休み中でも働いているお父さん方の帰宅時間だけれど、ラッシュタイムにはギリギリ突入する前に電車に飛び乗れた。……ところまではいいんだけれど、近所で部活の試合でもあったのだろう、半袖カッターシャツの学生が三十人ほどあたしを追いかけるように車内へ飛び込んできたのだ。
 おかげで、電車はあたしの周囲だけが超満員状態。前後左右をあたしよりも背が高い男子学生に取り囲まれ、彼らの全身から放たれる濃厚すぎる汗の臭いを擦り付けられるように身体を密着されてしまっている。エアコンがガンガン回っているけれど、まったく効果なし。めまいすら引き起こす強烈な雄臭とやけどしそうなほどの体温に取り囲まれ、たちまちあたしの身体からも汗が噴出し始める。
「んっ……」
 身じろぎするたびに、お互いの汗の水分と臭いを交換するように身体が摺り合わされる。
 普段ならなんでもない、呼吸する際の緩やかな胸の上下が、あたしと向かい合って勃っている男の子の顔をさらに赤くさせる。股間なんてもう、今にもズボンを突き破りそうなぐらいに盛り上がっていて、他の学生に阻まれて左右によじることも後ろに引くこともできないあたしの股間へグリグリと押し付けられている。
「す、すみません、お姉さん、すみません……!」
 まあ……これは不慮の事故なんだからしょうがない。それに周りにいるのは、あたしの身体から立ち上る汗の香りを犬のようにクンクン鼻を鳴らして嗅いでいたり、首まで真っ赤になった上にあたしを直視できず顔を天井へと向けているような、“女性”を知らない上に純情そうなスポーツ少年ばかり。電車の中で男に囲まれたからって、痴漢されたり犯されたりという心配はあまりしていない。
 ―――でも、もうちょっと露出の少ない服にしてれば……せめて手が動かせたら、胸元を閉めるのに……
 今日は胸元にリボンをあしらったノースリーブブラウスに、上からパーカー、下は丈の短めのスカートという服装だったのだけれど、暑かったのでパーカーは脱いで買ったばかりのブラの入った紙袋に放り込んでいる。しかもブラウスも蒸れる谷間に涼しい風を送りたくて首元から三つ目のボタンまではずし、豊満な乳房をぴたりと包み込んだ下着が見えるか見えないかの位置まで胸元を開いていたものだから、
 ―――思いっきり、胸を見られてる……
 前からも横からも、そして肩越しに背後からも、鍛えられた男子学生の胸板に押しつぶされて卑猥な形に歪んでいるあたしのおっぱいに熱い視線が注がれている。
 やっぱりこの子達は女性のことなんて何も知らない。そんな性欲にまみれた視線であたしの胸元を覗き込むなんて……お尻に押し当ててるのなんて、さっきからビクビク痙攣しているし、あたしのうなじにハァ…ハァ…と生暖かい興奮の吐息を密やかに吐きかけながら腰を揺らしているし。
 ―――これ、カバンなんかじゃないよね? こんなに硬くして……男心の解ってるあたしだからいいけど、普通の女の人にこんなことしたら捕まっちゃうんだから……ホントなんだからァ!
 でも、だからこそ、あたしは声を上げて彼らの拙すぎる性の昂ぶりに水を注(さ)すのを躊躇してしまう。
「ぁ………」
 電車が揺れるたびに、彼らの手や指じゃなくて身体全体があたしへと押し付けられる。身をよじればスカートは少しずつ密着しあう腰の間で徐々にずり上がり、Gカップを収めるには少々キツい借り物のブラウスは今にも弾けそうなほどにボタンの糸が軋みをあげていた。
 ―――あたしも……興奮してきちゃう。やだ、そんなの気づかれたら……
 このままじゃ、今は行儀よくしているけど性欲をギンギンに滾らせている男の子たちの前で、あたしはあられもない格好になりかねない。その一方で、思春期真っ盛りの性欲に当てられたのか、あたしはムズムズする太股の付け根を紛らわせるように膝をよじり、すり合わせしまっていた。……内股が湿っているのは汗のせい。決して興奮して愛液が伝い落ちたからじゃないと、いくらあたしが敏感だからってそこまでぐしょ濡れになったりしていないと必死になって思い込みながら、身体が押しつぶされるような圧迫の中で被害妄想ならぬ卑猥妄想に身を震わせる。
 そして、


 ―――ガタン!


「きゃあああああああっ!」
 突然、走っていた電車が大きく跳ねあがる。反射的にあたしは目の前にいる男の子にすがり付こうとして……けど局所的な超満員状態のせいで手を動かせず、
 ―――でも、衝撃が少なかったのは自前のクッションのおかげなのかな……
 これがEカップのブラに無理やり押し込めていたならば、形も悪くて硬くなってここまでの衝撃吸収はできなかっただろう。新しいブラジャー買っててよかったな〜…という思考を一瞬で頭から追い出すと、電車が急ブレーキをかけて停車し、
「んぅ……!」
 前と後ろからクリとアナルに逞しいのがグリッて……気づかぬうちに腰までスカートが捲くりあがり、ストッキングを履いていなくてショーツ一枚しか身につけていないあたしの下腹部へ、男の子たちのズボンの膨らみが強烈に押し付けられた。
「う、わっ……!?」
 あたしの下半身の暑さに、前と後ろの子が声を上げて……あたしだって、敏感な場所だから彼らのおチ○チンがビクビクしてるのまで伝わってきてる。彼らにだって何が起こってるかは解っているはずだ。
 それに、さっきの電車の揺れで一際強く前にいる子と身体を擦り合わせた時、ブラウスのボタンがまとめて弾けとんだ。何人もの男の子が注視している目の前で、あたしの乳房はブラウスを内側から押しのけ、淡い涼しげな色合いのブルーのブラを露わにしてしまう。
「やだ、あたし、これは……!」
 隠したくても隠せない。手にした紙袋が、そして周りにいる男子学生たちの圧迫が、あたしが胸を隠そうと腕を上げるのを邪魔をする。バランスも崩れたまま、後ろから身体を押し付けられていて、立っているのだって男の子たちの身体で支えられているからだ。
 でもだからこそ、あたしの胸は呼吸すらままならなくなりそうな汗の熱気の中で男の子の身体に強く押し付けられる。
 伝わってくる興奮。胸の鼓動。そんな少年の……もう少年とはいえない、たくましい彼の胸から顔を上げたあたしは、


 ―――プツン


 止まった電車の中では人のざわめきが起こり、車内放送もよく聞き取ることができないその中で、彼らの理性が一斉に弾け飛ぶ音を聞いた。
「んんんぅ〜〜〜!!!」
 唇とうなじに同時にむしゃぶりつかれたあたしは、いくつもの手のひらに乳房をいきなり揉みしだかれ、くぐもった声を上げる。玉のような汗をにじませていた肌を乱暴にこね回され、そして腰や太股も撫で回されてショーツの中まで揉みしだかれると、鼻腔の奥にまで流れ込んでくる濃厚な汗の臭いに眩暈すら引き起こされながら声にならない喘ぎをもらし、青少年たちの苛烈なまでの性欲をぶつけられて何度も背筋を震わせてしまっていた。
 ―――そ、そこは……弱いのぉ! ダメ、こんな電車の中で、何してるのよぉ!!!
 意外にも、男の子たちは的確にあたしの弱いところへと指先を伸ばしてくる。興奮に任せて乳首やクリトリスを弄んできているかと思えば、別の手のひらが内股から足の付け根の敏感な場所を撫でまさぐり、別の手がそれに気づいて後を追ってくると、さらに別の手があたしの方からブラウスと下着の肩紐を滑り落とし、むき出しになった背中ににじんだ汗を塗り広げるように手を滑らせる。
 ―――ぬぅうぅぅぅ! そこは…やめ……あ、あぁぁぁぁ…! も…もっとやさし…くゥふウウウッ!!!
 口内を男子学生の舌でヌチャリグチャリと掻き回され、そして下腹部でもクレヴァスを割り開かれ、膣口に指が一本、粘つく音を響かせて押し込まれ、続いて二本、さらに三本と別の子の指がねじ込まれた。初めて膣内に入り込んだ指先はどうしていいか戸惑ってはいるものの、三本がそれぞれの意思でそれぞれ別々に動き出すと、あたしはヴァギナを締め付けながら、たまらずくびれた腰を揺り動かしてしまう。
「んっ、んうぅぅぅ、んむぅ! ん、んっ、んぅ〜〜〜〜〜〜!!!」
 三本の指がミキサーのように膣内をかき回すたびに、あたしの感度も跳ね上がる。そしてそこへ男子学生の若々しい性欲を惹きつけてやまない90センチオーバーの美巨乳に三十本も四十本も指先が食い込むと、身体の芯が甘美な戦慄きに蕩かされてしまい、無骨な指先が膣奥へ届くほど深く抉られ、愛液を掻き出される刺激とハズかしさになすすべもなく絶頂へと追い込まれていってしまう。
「い…いいのかな、こんなことして……」
「そりゃ駄目だって解ってるけど……見ろよ、あのおっぱい。先っぽがスゴくビンビンで……だから感じてるんだ。和姦だよ、和姦」
 そんな学生くんたちの言葉が耳に届き、視線を下へ向ける。するといつの間にか前よりから後ろよりになっていたあたしの身体の前にはスペースが開いていて、デザインが気に入って購入したブラの先端が信じられないぐらい盛り上がり、感じきっていることを自己主張していた。
「あ…ん、く……」
 ―――こんなに…感じさせられてたなんて……
 まだ信じられない。目で見える形でこうやって眼前に突きつけられたのに、十何人もの年下の学生に痴漢されている……その状況を未だに頭は受け入れらていないのに、ブラの中に手を差し入れられ、乳首を摘まれると、それこそ夢を見ているのではと思うような快感が押し寄せてきて、あたしは何度も繰り返し身悶えてしまった。
「んああああああッ…! ひっ、あっ、胸、も、お、おマ○コ…もぉ……!!!」
「んあっ、お、おねえさん、挿れて、挿れていいですか? 僕、童貞なんですけど……!」
 目の前の学生くんが自分の下半身に手を伸ばしてモゾモゾすると、再度、今度は覆いかぶさるようにあたしに身を寄せてきて……ショーツをグイッと横へずらし、むき出しになった肉棒をあたしのクレヴァスに押し当ててきた。
 ―――そんな…で、電車の中で、そこまで……だめ、エッチするのはダメぇぇぇ!!!
 動いている電車の中なら、揺れて狙いも定まらないかもしれないけれど、停車して熱気のこもった車内ではペ○スは確実にあたしのおマ○コの入り口を捉え、ヌチャ…と粘つく音を小さく鳴り響かせる。けど、少し後ろよりになったと言ってもそれは重心の話で、ほとんどまっすぐ立つあたしの股間に、あたしより背が高くてエッチの経験のない彼がペ○スを挿れるのは難しい……はずなのに、周囲から伸びた手があたしの脇や腰を掴んで軽く持ち上げ、
「んむっ!?」
 そして泣き叫ばせないためだろう、あたしの口に汗拭きに使われたタオルがねじ込まれる。酸味の強い汗の味が口に広がる中、何度も何度も、荒い息を漏らしながら執拗に割れ目をなぞり続けたペ○スの先端がヌプッと膣口に潜り込む。……と同時に、後ろからあたしの身体を支えてくれていた子のペ○スが、アナルの窄まりに押し付けられた。
 ―――ちょ……後ろでもするの!? この子達、どんなエッチなビデオを見てるのよ!
 でも口をふさがれたあたしは、もはや抗議の声を上げられない。張りのある尻肉を鷲掴みにされて左右に大きく広げられた直腸の入り口へと、大きく膨らんだもうひとつのペ○スの先端が、
「んううう――――――――――――ッ!!!」
 淫唇と肛門とを同時に犯されるハズかしさと強烈な圧迫感に、あたしは首をのけぞらせイヤイヤと髪を振り乱す。排泄のための後ろの穴を押し広げられ、肉棒を受け入れる苦痛は何度経験してもなれることはない……はずなのに、前と後ろを太くて長い童貞チ○ポにパンパンにされながら、あたしは得もいえぬ被虐の喜びを感じてしまっていた。
 ―――あたしの中に二本もぉ……お知りとおマ○コに二本もぉ……んんッ! う、動くぅ、奥の、奥まで、そんな、激し、ふかいィ、はぁ、ああァん、ふぁああああああっ!!!
 立ったままのSEXで大きくストロークを取ることができず、だけど二人の学生が若さと体力任せに、快感に流されるままに激しく腰を突き上げてくる。
「お姉さんのおマ○コ、スゴく気持ちいい……き、気持ちよすぎるぅ……!!!」
「お尻の穴も本当にチ○ポはいるんだ。拡張とか、何度も広げなきゃダメなのにさ。こんなに美人なのに、お尻の穴でまでエッチしたことあるなんて……!!!」
 ―――ち、違うもん、あたしが悪いんじゃない、む、無理やり犯されただけなのにィ……!!!
 それなのに、肉壁一枚で隔てられたヴァギナと直腸を滅茶苦茶にかき回され、深く深く抉り抜かれるたびに、あたしの全身は快感に打ち震え、更なる快感をむさぼろうと男子学生の二本のペ○スをあさましいまでに締め付けてしまっている。
「だ、出します! これで童貞卒業なんですよね、中に、膣出しして、そしたらヤリチンの仲間入りですよね!?」
 いったい何を言ってるのか……けど、二穴責めで気も狂いそうなほど感じているところに膣内射精……そして直腸の中でビクビクしているおチ○チンからも同時に腸内射精されたら、どんなイき方をするかまったくわからなくなる。
 でも、もう間に合わない。ギャラリーと化し、唾を飲みながらあたしの乳房をこね回す他の男子学生の見ている前で、あたしは目を見開いて大きく身体を伸び上がらせると、
 ―――童貞ミルクが……き、きたぁぁぁ………!!!
 歯を食いしばり、絶頂に打ち震える子宮と直腸に精液を浴びせかけられる衝撃を堪えようとしたけれど、そんなの一秒だってもちはしない。あたしのおなかの中で力強く脈を打った二本のペ○スから濃厚な精液が吐き出された瞬間、あたしのクレヴァスからは絶頂潮が決壊してしまい、脈動するおチ○チンから精液を吸い上げながら電車の床にイヤラシい汁を大量に撒き散らしてしまう。
「ん……んっ…んぅ………!」
 エアコンも止まっているのか電車の中は蒸し風呂のようになっているけれど、そんなのもうかまいやしない。あたしは恍惚と羞恥の震えがいつまでたっても収まらない身体を二人の逞しい男の子に挟まれたまま、オルガズムに身も心も蕩けてしまい―――
「つ、次おれ、おれおれおれ…!」
「じゃあお尻の二番目。い、井伊だよな、挿れていいんだよな!?」
「んんんんん――――――ッ!?」
 あたしのことなんてお構いなし。場所を入れ替えた男子学生たちは、再び前と後ろからあたしの下腹部を刺し貫く。
「んんっ、ん、んんんぅ〜〜〜!!!」
 ―――お…おマ○コとお尻から…精液が押し出されて……こんな、スゴい、この子達、スゴすぎるぅぅぅ……!!!
 まるで全員が弘二の様な逞しさと貪欲さ。連携もばっちりで、エッチに参加できない部員が外側で壁を作り、順番にあたしのおマ○コとお尻で次々と初体験を済ませていく。
 ―――このまま…電車が動かなかったら……
 あといったい、何人のおチ○チンをねじ込まれるんだろう……
 あたしはもう立つこともできないほどに限界を迎え、けれどヴァギナとアナルだけはますます締め付けを増して男の子たちを悦ばせている。休むことなく突き出される肉棒を求められるままに咥え込み、そして両の手の平でもご奉仕しながら、あたしは若くて純粋な青少年の欲望に応えてあげ続けて、そして――――――汗と愛液でドロドロに濡れ汚れたあたしを乗せて、電車はゆっくりと動き出す。



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「たくやー、昨日、あんたが巻き込まれた電車事故、なんか病院に担ぎ込まれたヤツまで出たそうじゃん」
 二時間以上も電車の中で缶詰めにされた翌朝、あたしはなぜか結婚して出て行ったはずの義姉の夏美が目玉焼きを突つきながら口にした内容に、ギクッと身を強張らせた。
「極度の疲労と脱水症状と酸欠とで集団幻覚見たってさ。『電車の中は天国でした』なんて、んなわけないよね?」
「ソ、ソウダヨネー、ソンナハズ、アルワケナイヨネー、アハハハハー」
「? なんか変だけど、まさかあんたも幻が見えてるのかい?」
 重ねて言うけど。そんなはずあるわけないじゃないですか。―――なにしろ、極楽やら天国やらを見せた本人がそう言ってるんだから。
 ま、集団で犯されたことをチクれば、あの子達は部活の大会で当然出場停止くらうだろうけど、あたしもそこまで鬼じゃない。外には出れないどろどろの格好だったので帰るときにトイレにこもって、騒ぎが沈静化するまで粘るのも大変だったけど、終わってしまったことを蒸し返すのも趣味じゃないし。まあ……気持ちよかったってのもあるけど。
 ―――それに、約束してくれたもんね。
 『黙っていてあげる代わりに、次の試合じゃ必ず勝つこと』―――自分でも甘いと思いつつも、情が移るのは別に悪いことじゃない。なんとなく憎めないスポーツマンたちを、今だけ限定で女になってるあたしが、ちょっとぐらい応援してあげたっていいじゃないか。
「あ、そろそろ始まる時間かな」
 夏休み中は朝食の時間もサマータイムだ。あたしはリビングに移動してテレビをつけると、ちょうど始まったばかりの試合中継に目を向ける。
 ―――もし勝てたら、もう一度会いに行ってあげてもいいかな?……まあ、全員一度に相手にするのはもうごめんだけどね。
 そんなことばかりしているから、胸ばっかり大きくなっていくんだろうな〜と苦笑しつつ、











 ―――あれ? そういえば病院に担ぎ込まれたんだっけ? 試合はどうなるの?




 なかなか始まらない試合中継。そして流れる不戦敗のアナウンス。
 せっかく勝利の女神が応援してあげたってのに……まあ、これも自業自得で天罰覿面と言うことか。うんうん。


41-XCmas2011 たくやから愛をこめてへ