34・MA-Change!(XC3)-前


 俺、相原拓也が松永先生に呼ばれたのは、またもや女になった騒動が一段落して二週間ほど経った頃だった。
 実を言うと、北ノ都学園に進学してからは宮野森学園にはあまり足を運んでいない。母校とは言え卒業したわけだし、理由が無ければ足繁く通うのもおかしな話だ。
 ただまあ……美人保健医の松永先生のことは、たまに思い出してしまう。
 生徒の相談にもよく乗ってくれるやさしい先生でありながら、その裏では男子女子関係なく自分が気に入った相手とはエッチしまくっていた松永先生。
 宮野森時代に女性化した時には俺も色々と相談に乗ってもらい、エッチな目にも散々合わされてきたわけだけど……男として、松永先生と肌を重ねたことは一度も無かった。つまり、女としては可愛がられていても、男としては松永先生の目に適わなかったということだ。
 ―――だから今でも忘れられないと言うか……
 先日、地下鉄で出会ってしまったのが俺の妄想に拍車をかけてしまった。
 なにしろ今はフリーの身。明日香は海外に留学してしまい、性欲ももてあまし気味だ。数多あるオカズの中でも、背中に感じた松永先生の胸の膨らみや耳の裏に吹きかけられたと息のくすぐったさは、今でも生々しく思い出せて姉妹、そのたびに股間は収まりが付かなくなってしまう。
 そんな松永先生から、
『ちょっと会いにきてもらえないかしら。個人的に相原君にお願いがあって……』
 と艶のある声でお願いされ、俺は一も二もなく夜の宮野森学園に忍び込み、松永先生の待つ保健室にあってきてしまった。



 そしたら、あたしの身体はまたもや女にされてしまったのだった。



「え? え? ええええええ〜〜〜!? ど、どういうことよ、これってェ!?」
 保健室に足を踏み入れた途端、待ってましたといわんばかりにバケツのようなヘルメットを被せられ、それが光ったと思ったら……なぜかあたしは女になっていて、しかもあたしが目の前にいる!?
「相原君、お久しぶり。……て言うのも変か。精神の入れ替えは成功したし、今はボクが相原君だもんね」
「な、何であたしがもう一人!? それに身体が女に……!?」
 バケツヘルムをはずした自分自身がなぜか余裕のある笑みを浮かべる一方で、あたしは何度も何度も膨らむ運命を持っているとしか思えない胸の膨らみを鷲掴みにする。
 ―――夢……これは悪い夢か何かよぉ……
 下に向いた視線を塞ぐような乳房は、明らかに今までよりもボリュームがある。重く、弾力のある膨らみをしたからうえに持ち上げ、ゆっくりとこね回しても身心地とその存在感とを確かめると、あたしはワナワナと唇を震わせながら、思わず感じてしまう心地のよさには反してポロポロと涙を溢れさせてしまっていた。
「ふぇ〜〜〜ん、やっと男に戻れたばかりだったのにィ〜〜〜!」
「ちょっとちょっと、そんなに泣かなくても」
「うるさい! 男のままのあたしにあたしの気持ちが分かるもんかァ! 今回だってどれだけの苦労を重ねたと思ってるのよ!? 知らないわけじゃないでしょ!?」
 鏡の中にいる自分の向けて放つように、心配そうに覗き込んできた男の姿のあたしに怒鳴り散らしてしまう。
「まいったな。説明すると面倒そうだからいきなり実行したのがマズかったかな。とりあえずほら、ちょっとこっちにきて鏡を見てくれる?」
 何をいまさら……鏡なら目の前にある。あたしの自分の姿がすぐそこに在るのに、どうして本当に鏡を覗き込まなければいけないんだろう……
 それでも手を引かれると、ショックで力が抜け、床にへたり込んでいたあたしも立ち上がり、どうして保健室においてあるのか分からない姿見の鏡の前に連れて行かれてしまう。
「………へ? 松永……先生……?」
 鏡に映る自分の姿に、更なる衝撃を受ける。
 そこにいたのは、先ほど一目だけ見た松永先生の姿そのもの。モデルのように背が高く、グラマーで、でも驚いてキョトンとしている表情が、記憶の中にある先生のイメージをより柔らかにしているようにも見える。
 ただ問題なのは……その驚いた顔をしている松永先生こそが、今のあたしの姿だと言うことだ。
「ど……どうし…て……?」
「実は河原さんに頼んで、精神を入れ替える装置を作ってもらったんだ。名前は……ずいぶんと長いから忘れたけど、相原君の身体をちょっと拝借したくてね」
「拝借って……そんな、なんで……!?」
 まだいまいち自体を飲み込めていないけれど……男のあたしの言葉を信じるなら、その身体に入っているのは松永先生と言うことになる。
 ―――で、あたしは松永先生になっちゃって……どうなってるのよ、いったい……
 心と身体が入れ替わる……SFやファンタジーではよく耳にする話でも、それを自分が身をもって体験するとは思わなかった。
 だから、
「は…はうぅ〜……」
 頭の処理能力を超えた事態にあっさりオーバーヒートしてしまい、姿見にすがりつくように膝から崩れ落ちてしまっていた―――


 −*−


「つまり、男の身体でエッチしてみたかったから、あたしに連絡してきて―――」
「身体を拝借したって訳。相原君ならこの手のトラブルには慣れっこだと思ってたんだけど、意外とそうでもなかったね」
「う、ううう〜……」
 保健室のベッドに腰をかけさせられ、自分自身に説明を受けると言うのは、なんとも不思議な感じだ。
 とは言え、松永先生の我侭であたしの身体を持って行かれるなんて、こちらにとっては堪(たま)ったものじゃない。………そう、堪ったものじゃないんだけど、
「はぁぁ……」
 溜息が出る。
 どうせあたしでは松永先生を説得することなんて出来はしない。それどころか
「一週間ほどでキチンと身体を返すし、相原君に迷惑はかけないって。それに面倒な仕事は十日分ほど終わらせてあるし、ボクの家のものは好きに使っていいから。仕事も適当にやってればいいよ。サボってどこかに遊びに行ってもいいし」
 条件は至れり尽くせり。しかもアルバイト代まで出してくれると言う。家に一週間帰れないけど別に問題ないし、研究室のほうも千里が関わっているなら説明もしやすいだろう。
 ―――どうしても断らなきゃいけない理由が特にないのよねェ……
 松永先生のことだから、あたしの身体を使ってエッチなことをしても、迷惑をかけないと言った以上は本当に大丈夫だろう。
「それじゃあ話は決まりだね」
 あたしの体に入っているせいだろうか、松永先生の口調は優しげな青年風になっている。いつも自分の事を「俺」と呼んでいる自分との違和感を感じないでもないけれど、むしろ「ボク」と自分の事を呼ぶ今の方が、さわやかさも加わって格好よく感じてしまう。それに松永先生の立ち居振る舞いもあってか、向かいのベッドから立ち上がる動作にさえ目を奪われ、ドキッとしてしまうのも……心中複雑。早速女性側に心が傾き始めたのかと頭を抱えてしまいたくなる。
 ―――決まりって言われてもなァ……今度は“自分の身体”じゃないんだし。
 入れ替わりの瞬間を物凄く端折(はしょ)られたけれど、今のあたしの身体は『松永先生の身体』。好きにしていいとは言われても、女性化しても普段の生活をそれなりに過ごせた『あたし自身の身体』ではないのだ。
 宮野森学園にいれば先生や生徒たちと接触する機会には事欠かない。生徒たちはおろか、卒業してから何年も立っているのだから知らない先生も増えているだろうし、生徒たちなんて一人も知りはしない。もしもあたしが知らない相手と話していてボロを出してしまうと、その迷惑は松永先生に後々にまで及んでしまう……と思うのだけれど、
「それにしても不思議だよね。身体と一緒に脳も交換したせいかな、相原君のことがあれこれ解るんだもんね」
「あたしの事…ですか?」
「うん。片桐さん、もうすぐ海外留学だって? それに科学部の先輩だった佐藤さん、今は北ノ都学園に移ってたんだ。そのせいで河原さんは発明の機会を得て張り切ってたわけか。一教師としては未だに対抗意識満々なのは向上心の現われだと考えたいけど、もう少し丸くならないと人間関係で問題を引き起こしそうだよね」
「ちょ、ちょっと待ったァ! それなに? あたしの個人情報どころか記憶もなにも全部駄々漏れなんですか!?」
「そういう事みたいだね。ああ、それからひと言忠告しておくけど……れっきとした恋人がいるなら、浮気はほどほどにするか絶対ばれないようにしないと後々マズいよ?」
「ぐはッ……!」
「気にしなくていいよ、ボクの記憶も全部相原君に握られてるから、立場的にはお相子(あいこ)だし。それに迷惑はかけないって約束はきちんと守るから」
「し…信頼してないわけじゃないんですけど……あ、あまり人間関係のことには触れないで……」
 あたしの人間関係は悪いわけではない……いや、一部においては友人の域を超えるぐらいに良過ぎる人もいたりする。―――が、それは当然の事ながら、人にはあまり知られたくない内密の関係だ。
 今の松永先生の口ぶりから察するに、明日香に知られたら一発で関係が崩壊しそうな内容の記憶まで知られた可能性が高い。それなのに「内緒にしておくから安心して」と言われても、全然安心なんてできるわけがない。
 ―――それに、あたしの方は松永先生の記憶をあんまり引き出せないのよね……
 誰かの顔を思い出そうと思っても、頭の中に浮かんでくるのはあたしの知っている人ばかり。宮村先生や寺田先生は宮野森学園に残っていることや、松永先生が千里に精神入れ替えの機械の製作を依頼した流れなどは記憶を呼び起こせるけれど、それ以外、今の宮野森の学生の誰か…と言うような曖昧でおおざっばなキーワードでは頭の中に白い靄がかかっているみたいになってしまう。
 ―――顔とかそういうのでも解った時に記憶を引き出せればいいんだけど……
 試そうにも、夜の保健室にいるのはお互いの身体を入れ替えた松永先生とあたしの二人だけ。これではまったく意味がない。
「じゃあボクはそろそろ行くよ。せっかく男の身体になれたんだから色々と試したいしね」
「はぁ……お願いですから、あたしの知り合いに手を出したりしないでくださいよ?」
「解ってるって。連絡はちょくちょくいれるからさ。じゃ、一週間後にまた会おうね」
 そう言って目の前に立った松永先生は、手に入れたあたしの身体を前かがみにさせると……あたしが困惑しているのをいい事に、不意打ち気味に唇を重ね合わせてきた。
「―――――――――――――――――――――――ッッッ!!!」
「自分の身体がボクの身体とキスしたと思えば、逆に嬉しいんじゃないの?」
 自分の身体であたしにキスされたから、嬉しくなかったんでしょうが―――!
「ま、いいや。それじゃ相原君、色々と楽しんでね♪」
 唇を押さえて愕然としているあたしを他所に、ウインクに投げキッスまでよこした松永先生は、遂にあたしの身体のままで保健室を出て行ってしまう。
 ―――とほほ……これでまた女の身体で生活かぁ……
 バケツのようなヘルメットは荷物になるので、そのまま置いていかれている。元の身体に戻るときはこれを使うんだろう。下手な場所においておいて誰かに蹴られて壊れてはマズい。あたしは重い身体を何とか立ち上がらせると、ヘルメットを拾い上げようとして……白衣から飛び出すように服を内側から押し上げている胸の膨らみに目を奪われてしまう。
 ―――松永先生のオッパイ、やっぱり大きいよなァ……
 宮野森の学生で、この胸に目を奪われないのは筋金入りの貧乳マニアだけだ。あたしだって、先生の巨乳を夜のオカズにして自慰に耽ったことは一度や二度じゃない。
「………………」
 ヘルメットを拾い上げるのをやめたあたしは、下唇を軽く噛む。そしてしばし物思いに耽ると、松永先生の出て行った保健室の扉に鍵を掛け、ぱちんと小さな音を響かせ、電灯の明かりを消してしまう。
 ―――今はあたしの身体なんだし……先生だって、あたしの身体でイヤラシいことをするんだから……
 あたしが足を向けるのは、さっき自分の姿を確認した大きな鏡の前。レースのカーテン越しに差し込む明るい月の光を頼りに姿見の前に立ったあたしは、そこに映し出された松永先生の全身へと熱を帯び始めた視線を何度も這い回らせる。
 ―――やっぱり美人だよね、松永先生って……
 今までこうやってじっくりと松永先生を見つめる機会なんて無かったけれど、見れば見るほどに、中身が自分だと言うことも忘れてその色艶に飲み込まれてしまいそうになる。
 まるでモデルのように長身でありながら、男のあたしがうらやむばかりに出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいる。どこにも非のつけようのないグラマーな体型で、ミニの体とスカートから伸びる引き締まった脚線美には美人美人と持て囃されたあたしがただの子供だったと痛感させられてしまう。
 そして、
 ―――ノーブラ……下着、つけてなかったんだ……
 最初に自分が女になってしまったことを確認する時には、混乱していて分からなかったけれど、白衣の下に来たノースリーブのブラウスの下には、何も身に付けてはいない。視線を下げれば視界を塞ぐかのような豊満な膨らみを量の手の平でゆっくりと持ち上げると、ズッシリとした重みが手の中いっぱいに広がり、その心地良さに身をよじりながら指先をゆっくりと柔らかい乳肉に食い込ませていく。
「んっ………」
 身体の心に響く大きな震えと共に、あたしのものではない声がノドから溢れ出そうとする。
 ―――乳首……もう勃っちゃってる……
 鏡を見つめているうちに興奮したのか、まだ一揉みにすら至っていないのに、ブラウスの布地を固く尖った先端がツンッと突き上げていた。
 触ってみたい……艶かましい吐息を漏らすたびにピンク色の靄のかかっていく頭の中は、焦点に捉えた双丘の頂にそびえる突端をいじることしか考えられなくなっていく。
 ―――松永先生の乳首を……自分の手で………あたしの…手で………
 ゴクリと喉を鳴らして我に返ると、あたしの十本の指は豊満な乳房に深々と食い込み、乳首を搾り出してしまっていた。だからあたしは人差し指だけ動かして……服の上から弾くように弄んでしまう。
「んっ……は、ああァ………」
 あたしの唇からこぼれ出る松永先生の声……その奇妙な違和感に興奮をより高ぶらせながら、乳房に駆け巡る甘美な電流に背筋を打ち震わせてしまう。
 ―――感度も……結構いいんだ……
 あたしよりもずっとSEXに慣れているせいか、ジンジンと痺れるほどに刺激が甘美で、あたしの頭の中は一気に蕩けてしまいそうだ。
 だけど、自分の身体をまさぐるようには行けないのがもどかしい……この身体が松永先生のものである引け目からか、あたしはゆっくりとしか手を動かせず、ますます固くなっていく乳首を爪弾く程度にしか弄り倒せない。
 でも……まるで焦らされるのはイヤだと言わんばかりに、あたしの股間からクチュ…と粘つく音が鳴り響いてしまう。
「あ…んはあァァァ……」
 気分を固めるために甘く鼻を鳴らし、白衣が肩から滑り落ちるのも厭わずに、たわわな膨らみを大きく円を描くように揉みしだく。その刺激に、いまやあたしのものになった美人保健医の身体は小刻みに震え上がり、ショーツから染み出した愛液の垂れ落ちる太股を擦り合わせるように膝をよじらせ、腰を揺さぶってしまう。
「ハァ……ハァ……もう…我慢…が……」
 半開きになっていた唇から垂れようとしていた涎をジュルッとすすり上げると、あたしは目を開き、目の前にある姿見に映る松永先生の姿に生唾を飲む。
 乱れた白衣に高潮した頬。見るからに身体を火照らせて快感を求めている女の顔に、揉み込まれ、一回り膨らむように張り詰めた乳房の下で心臓が張り裂けんばかりに高鳴ってしまっている。
 もう限界……あたしはもどかしげにブラウスのボタンをはずすと、薄暗い室内でありながら光を帯びているかのように見える白い肌を露出させると、服の内側に手を差し入れ、同時にもう片方の手をスカートの中へ滑り込ませていた。
「ふあ、あァ………!」
 あたしの右手が餅のように柔らかい松永先生の左の乳房をこね回し、左手が肌に吸い付くような履き心地のショーツの上から割れ目へと指先を滑らせる。途端に、直に乳房へ触れる興奮であたしの声は一段と大きくなり、
「んあッ!」
 脳天にまで突き抜けへ時蹴る快感美に、股間に差し入れた手を太股で絞り上げるように身をよじってしまう。
「んっ、あ…あふッ……くゥン……あっ、ああっ、ああああああああッ!」
 明日香が海外へ旅立ってから募らせていた欲求不満が、ここに来て一気に堰を切ってあふれ出してくる。
 今にも崩れ落ちそうなほどに脚が震えているのに、官能の突き上げに支えられて尻餅をつくことすら出来ない……ううん、違う。鏡に映る松永先生を弄び、その快感に崩壊寸前の理性と意識が飲み込まれる事で、身体と心の食い違いが原因の違和感が蕩けてなくなり、むしろ先生と自分が一体化したことによる喜びがズンッズンッと重たい疼きになって全身に響き渡っている。まつげを震わせ、切なげに眉毛を歪ませる松永先生の表情が自分の表情でもあると認識できてしまうようになると、あたしは姿見にすがりつくために胸元から手を引き抜き、冷たい鏡の表面にブラウスに覆われた乳首を押し付け、
「んんぅ……松永…せ、センセェ……」
 唾液にまみれた舌先が鏡を舐め上げ、肌を重ね合わせることを何度も夢想した美人教師と唇を重ね合わせる。
 ―――オッパイが押しつぶされて……ああァ……せ、先生ってば敏感で……え、エッチなんだからァ……!
 叩く簿記氏たち首を絡みの上で転がすように身体を揺さぶりながら、あたしの左手は湿り気と熱気の充満したショーツの内側へともぐりこみ、ヒクンヒクンと大きく震えている膣口へと中指の先端を押し当て……わずかな躊躇いを官能に蕩けた笑みでかき消し、薬指も揃えて二本の指を粘つく音を響かせて膣奥へと捻じ込んでしまっていた。
「あふぅうぅぅぅぅぅん!!!」
 形を滑らかに整えられた指の先端がッ津奥に到達すると、子宮が一際大きく震え、滴るほどに股間から愛液を噴出させていた。
 根元まで押し込んだ指は、まるでタコの吸盤のようにヴァギナに吸い付かれ、膣口に食いちぎられんばかりに締め付けられている。
 あたしのおマ○コとは感触も感じ方も違う……身体が違うのだから当たり前のことをいまさらながらに実感しながら、愛液が泡立つほどにヴァギナを描き回し、もう留めようもないオルガズムへの流れに身をゆだね、間断なく訪れる絶頂の予兆に歯を食いしばりながら吸い付くような締め付けのヴァギナから強引に指を引き抜いては乱暴なまでに強引に捻じ込むことを繰り返す。
「んッ、んッ、んッ、んッ、んんッ、ああぁ、松永…センセェ……イく…もう、が…我慢できないぃぃぃ!!!」
 鏡の淵を握り締めながら、大きく頭を仰け反らせて悲鳴にも似た声をあげた途端に、あたしの股間から熱湯のように熱い官能が一気に噴き出した。辛うじて立ったままの状態で腰が数え切れないほど跳ね上がり、生徒には見せられない姿で保健室の床へ濃厚な絶頂液を撒き散らしてしまう。
「くふゥ……!!!」
 ガーターベルトにつられたストッキングに包まれた膝をよじり合わせたまま腰を引けば、飛沫となって飛び散る愛液は股間の前だけでなく後ろにまで迸る。
 露出した胸元にネットリとした脂汗が浮かぶほどに強烈な絶頂感……SEXに慣れているはずの松永先生なのに、女になったときにあたしに勝るとも劣らない敏感ぶりに困惑しながらも、これが大人の女性の快感なのかと……今まで何十人もの男子生徒たちと関係を持ってきた松永先生のイヤラシい身体の業の深さにゴクッとツバを飲み込んでしまっていると、
 ―――そう言えば……バイブとか置いてあったよね、この部屋……
 今さっきイったばかりなのに、道具があることを思い出した途端にヴァギナの奥の大きな震えが挿入したままの指先に伝わってくる。
 こんなに性欲に敏感すぎる肉体なら、性欲の捌け口に男子たちとSEXしたくなる気持ちも解るけれど……中指の先端でコリッと膣の奥深くを抉ると、もうそんなこと、どうでも良くなってしまうほどに嬌声を上げて泣き悶えてしまう。
 ―――こんなに敏感な身体で一週間……ダメ、絶対にあたしも色事に飲み込まれちゃう……
 今度はバイブがいい。一番太いのよりも少し小さめでもいぼいぼ外いっぱい付いたバイブのほうがいいかも……でもどうせいっぱいあるのだから、ありったけのバイブ全てを今晩試してみようかと考えるほどに、あたしもまた性欲の歯止めが利かなくなってしまっている。―――でもそれは、あくまで一人きりだと思っていたからであって、もし他の人の前だったなら、バイブで快感を貪ろうなんて考えるはずもない。
 例えそれが、
「いやー、自分がオナニーしている姿を名前で見れるなんてずいぶん貴重な経験させてもらっちゃったね」
 ベッドに腰掛け、ニヤニヤと笑みを浮かべている自分自身――松永先生に持って行かれた『相原拓也の身体』の前でも、恥らう気持ちにだけは変わりは無かった………


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