その4A


…あ、あ、あん…うふ、あふん、くふ、う…ひゃう、あ、あぁん… 相原の喘ぎ声が聞こえる。だがそれは僕の身体の下からではなかった。何故か遠くの方から響いてくるような… 「むぐ!?むう、う」声が出せない…何故?…!! 気付けば僕は両手両足を縛られて薄暗い部屋の中に転がされていた。口元はガムテープが張られている。目が 暗さに慣れてくると、そこが絵の置いてあるアトリエ兼物置部屋だということが判った。 何故…何故こんな事になってるんだ…まだ頭がくらくらする…もしかして何か薬を… でも誰が…相原?…まさか!しかし他に誰が…相原だとしても何の為だ… 「あ、あん…あふん」…夢じゃない!?確かに声が、喘ぎ声が聞こえる。 声の方に身体を捻る。すると隣の部屋との襖が少しだけ開いている…身体をなんとか捻り灯りの向こうを見る。 そこでは全裸の相原が股間に手を添えて悶えていたのだった。 「あ、あ、いい、いいの…もっとぉ、弄ってぇ、クリ、トリス、いいのぉ」 相原がオナニーをしている…しかもこちらには股間とそれを弄る手が丸見えだ。 凄い…こんなアングル――僕は自分の状況も忘れ、その痴態に見入っている。 その時、両胸の先を相原が掴み、首をくねらせる。 「あぁ、いいの、乳首…抓ると、あふん!しびれるぅ」 しかし股間の手は止まらない…どういう事だ?訳がわからず襖まで身体を転がし覗きこむ。 そこには両腕を後ろ手で縛られ目隠しをされた相原が三人組に身体を弄られていたのだった… 「む、むう!ぐうう!」テープのせいで声が出ない。とりあえず出来るだけ唸り声を上げる。 「お!先生、お目覚めみたいだよ」相原の身体の後ろから乳房を持ち上げながら鈴木が云う。 「そうみたいだね」脇から執拗に股間を弄っている田中。 「むう、ぐう!」 その時、襖がサっと開いた。佐藤が目の前に立ちガムテープを剥がす。 「ごほっ、うん…な、何故、こんな事…」 「ふん。この先生様は今起きたとこじゃ無いぜ。起きてから声を上げるまでしばらく時間があったからな」 「な!?」「へ〜〜さすが覗き趣味」「や、やっぱりね」鈴木と田中が蔑みの目でこちらを見る。 「ば、馬鹿な事を云うな!お前らみたいな最低な…」 「じゃあ何故目が覚めたらすぐに声を立てなかったんですか?自分が縛られてる状況だ。どう考えたって異常 な状況だ、声を上げるのが普通じゃないの?」 「そ、それは…テープの…」「でも、唸るぐらいは出来たでしょ?実際最後は唸り声を上げてたんだし。でも あんたはたくやちゃんの喘ぎ声を聞いてそれどころじゃ無くなったんだな。そして襖に近づいてしばらくその 様子を覗いていた!…でしょ?」 「……」答えられない…・何も云えない。その通りだからだ。自分は間違いなく相原の痴態を覗く事に興奮し ていた…それはもしかしたら相原を抱いた時以上の… 「先生…こんな事してるのは、単に俺達があんたを恨んで、って訳じゃないんだ。あんたがたくやちゃんを裏 切ったからなんだよ」 「僕が…相原を?…ど、どういう」 「たくやちゃんはあんたを立派な教師だって信じてたんだよ。どんな女子生徒の誘惑をも毅然とした態度で跳 ねつけ叱る、正義感溢れる先生だ、ってね」 「……」「だから俺達は賭けをした。たくやちゃんがあんたにモーションかけてそれにあんたが乗っかるか どうか…だが、あんたはたくやちゃんがモーションをかける前に、風呂場のたくやちゃんを覗き、押し倒す…」 「う、うぅ」「しかもこんなにヤらしい、感度バツグンのたくやちゃんを相手にしながら、たくやちゃんを イかせられず、自分は勝手に射精しちまう」 「…」「まぁ、俺達だって初めは無理やりだった。あんたにどうこう云える筋じゃないさ。だけどたくや ちゃんはあんたより、俺達を選んだ。だから見せつけようと思った!それだけさ」 「相原が…お前達を?」 「は、早くぅ、ねぇ、焦らさないでぇ…頂戴ぃ。みんなのおちんぽぉ…」 話しが聞こえていないのか、相原はおねだりを続けている。 「じゃあね先生。さすがに場所借りてるだけに悪いからさ…思う存分覗いてていいから。どうぞごゆっく り…」そう云ってほんの少し隙間を残して襖を閉じる佐藤。 「はん、や、そんなとこ…弄って…いい、いいから、優し、く、あくぅん」 再び相原の喘ぎ声が隣の部屋から響き始める。しばらく目を瞑ったまま…薄暗い部屋の中でじっとしてい た僕は…やがてその声に吸い寄せられるように襖に近づき、三人と相原の痴態を終わるまで覗きつづけて いた…


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