プロローグ


 夢を見ていた……。薄い暗闇の中に私はいた。  明るく少しお転婆な妹……。厳しいけれど常に私のことを思ってくれるお父様……。  母親のいない私を母親のように、時には姉のように接してくれるメイド長……。  みんながすべて、私の元から消えていく、そして私は薄暗い闇の中に残されていった……。   「おい、起きろ」  誰かが呼ぶ声。お父様でも妹でもない。 「おい、起きろ!!」  その声に私は目を覚ます。 「おはようございます。良くお眠りになれましたかおじょうさま?」  そう言って私の視界に現れたのは精悍ながらもどこか陰のある30代の男。 「眠れるわけ……、無いでしょう……」   声を絞って私は答えた。 「そうですか。しかし今日のプログラムは厳しいですので覚悟しておいてください」 「……!!」  私はその言葉に恐怖した。そして私は目の前の男に許しを乞う視線を送る。 「もう、これ以上は……」  そこから先の言葉が出ない。私は言葉を続けることが出来なかった……。 「残念ですが、依頼主との契約でしてね。指定された日数が迫っているので今日から は徹底的に調教させていただきます」 「一体、誰なんですか?」  これまで何度も尋ねた言葉。しかし、男から返ってくる答えはいつも同じ。 「そのうち解りますよ。それよりも早く食事を済ませてください」  そう言った男は、私にパンとミルクを差し出してきた。 「もう、いや」  差し出されたパンとミルクを無視し、涙を流しながら声を振絞った。 「はい?」 「もう、お家に返して……」 「お嬢様もしつこいですねぇ。ですから何度ももうしあげたとうり、この調教プログ ラムが済めば家へ帰れますよ」 「どうして、どうして執事の貴方にこんなことをされなければならないの?」 「……しつこいぞてめぇ!! さっさとエサを喰わねぇか!!」 「ひっ!?」  男が急に怒鳴りだす。 「大体、この俺様がてめぇごとき牝犬の執事をやってやったのはな、すべてこの為な んだ!! それを毎日毎日同じ質問をしやがって、次にくだらねぇことをぬかしやがっ たらずいき責めだからな!!」 「そ、それだけは!? それだけは許してください。ずいきだけは……」  そう言って私はずいき責めをされた日のことを思い出す。私の大事な場所に大量に 塗りこめられたソレは、もどかしく、熱く、そしてとても切ない痒みを与えてきました。  私はその日何度も何度もこの男に許しを請いました。そして許してもらった代償は あまりにも大きすぎました。私の今後の人生を狂わすほどに……。  食事が済んだ後、私はいつもの場所にいました。周りには私に恥辱の限りを尽くす ための道具が視線をそらす先々に転がっています。そして私は今日もこの場所で全て を狂わす快楽責めに遭うのです。そう、今日も恥獄の1日が……。


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