第4話 罰ゲーム 水上耐久バランス −北原沙希編(2)−


私は第2ステージで、屈辱的な敗北を喫してしまい、プールへと転落してしまった。 そして、ウォータースライダーによりホテル外へと送り出されてしまったのだが・・・ ウォータースライダーから飛び出された場所は、ホテルの3階にある空中庭園だった。 空中庭園のプールから上がると、周りはすでにギャラリーに囲まれていた。 ギャラリーは総勢500人以上はいるだろうか。 私がプールから上がってくる姿を、カメラを構えて待ち構えていた。 全裸になった私の体に、フラッシュが激しく襲ってくる。 「さあ、惜しくも最後でリタイアしてしまいました、北原沙希ちゃんの登場です!!」 「オオオーーーーッ!」 やめて・・・写さないで・・・ 私は、顔と恥部を必死に隠しながら、中央の花道を早足で抜けていった。 屋外司会者から、アナウンスが聞こえた。 「はい、それでは残念ながら失格となってしまいました皆さんには、ここで着替えて帰っていただくわけですが、 更衣室はこの先の建物になります。」 早く・・早く帰りたい・・・ 「しかし、ここで皆さんは無事に帰るには、次の罰ゲームをクリアしないと帰れませんよーっ!!」 え?これってまさか・・・ 「皆さん、ここでは『腕立て伏せ』をやっていただきます。しかし、ただの腕立て伏せではないので、よく聴いて くださいね」 周りには、第2ステージでリタイアとなった女の子たちが、50人以上いる。 ここで全員が目の前にある、透明のアクリル板でできたステージへと移動させられる。 足元には、男性の恥部をかたちどったバイブのような棒が一本突き出ていた。 「それでは、みなさん、この特製バイブを恥部にいれ、合図と共に腕立ての要領で抜き差ししてください。」 ・・・なんて卑劣な・・・ 「途中で力尽きて倒れ込んだり、バイブが抜けてしまうと、みなさんの足元のアクリル板がぱかっと開き、一階 の水槽へドボンです。」 よく見ると、下の水槽までは10m近くあり、落ちたらひとたまりもない。 「それでは、時間もありませんので、早速スタートです。」 私たちは、四つんばいの形となり、バイブを恥部へと挿入した。 『はあっ・・・』 おかしくなりそう・・・バイブを入れただけで、こんなにも・・・ 「それでは、スタート!」 「いーち!」 「にーいぃ!」 パカッ  パカッ きゃあああぁぁぁぁっ ドボーーーーーーン!! 「おおっと、すでに5名ほどが1回目で転落だーーっ!」 私はなんとか続けることができていたが、周りの女の子たちは次々と水槽へと転落していった。 転落した女の子たちは、下の水槽で失神して浮かんだままだった。 しかし、非情にも腕立て伏せは続く。 「じゅーーっ!」 10回終わった時点で、残っているのは私のほかに10名ほどとなってしまっていた。 隣にいた女の子も、つい先ほど力尽きて水槽へと消えてしまった。 「あと10回で終わりにしましょう。しかし、次から大変だぞーーっ」 え?どういうこと? ウイィーーーーーン・・・ 『はあっ・・・』 なんと、バイブに電源が入り、恥部を刺激しだしたのだった。 思わず腰が砕けそうになってしまう私の体。 『ひやぁぁっ!』 ドボオオオーーーン! ああ、また落ちてしまった・・・ 次々と水槽へと転落していく女の子たちを目の当たりにしながら、何とか続けていくが、 私の体力もすでに限界に近づいていた。 「さあ、残るは白い靴下の沙希ちゃんだけです!」 なんと、あれだけいた女の子たちも、すでに全滅して、私だけになっていた。 「あと3回でクリアですが、ここで最後の難関です!」 『アアアアアッ』 なんと、バイブの表面に、突起が一斉に現れたのだった。 私はその瞬間、今までにない快感を覚えた! 「あああっ・・・いいよお・・・」 「沙希ちゃん、ついにダウンかーっ?」 もう体に力が入らない・・・い・・いっちゃうよぅ・・・ 『ダメーッ。も。もういっちゃう・・・』 プシャアアアァァァッ 「あーーっと、本日二回目の大噴火です!」 そして、わたしは体から一気に力が抜けてしまい、その場についに倒れ込んでしまった。 「ざんねーーん!ここでアウトだ!」 パカッ そして、私の体はまっさかさまに水槽へと落ちていった・・・ ドボオオーーーーーン・・・・・ 気が付くと、私はホテルの壁面に十字架として磔にされていた。 ぐったりとした体を晒したまま、私の挑戦は悲しい幕切れとなった。 北原沙希 16歳 第2ステージ 水上耐久バランスにて失格 THE END (続)


第5話へ