第二話 品川真美編


 名前を呼ばれ、入場口からプールサイドにある階段へと向 かった。10段ほどの階段を上ると、そこには3mとはいえ恐 怖のプールが下に広がっていた。そして、私は震えながらつ り橋のスタート地点に立った。胸いっぱいに深呼吸して、ハ イソックスをしっかりと伸ばし、両手を広げた。ゆれる橋を 一歩一歩確実に渡っていく。左右に風でゆれる橋を、バラン スを取りながら渡っていく。遠くに敗れ去った女の子達が、 無残な姿で晒されている。一つ私は奇妙に思った。誰も悲鳴 はおろか、ぐったりとして恥部をさらしているのである。 5m地点通過。しかし、緊張のあまり、バランスをとるのも 難しい。観客からは「ほらほら、落ちちゃうよー」「早く見 せろよ!」といった罵声が飛んでくるが、私にはそれどころ ではなかった。それ以上の天敵が襲ってきたのだ。  朝11時とはいえ、真夏日。35度を超える猛暑の中、この大 会は行われているのだった。8m地点通過。あと少し。頬を 汗が伝っていく。と思った瞬間、胸に異変を感じた。汗で背 中の紐が、半分千切れているのだった。とっさに胸を隠し た。この隠した動作が命取りとなってしまった。その反動 で、逆に完全に紐が切れてしまい。ビキニが外れてしまった のだ。片手では隠しきれず、両手で胸を隠す私。あと1m、 そう思った瞬間、私はバランスを大きく崩してしまった。右 足だけでバランスを取る。しかし、体はすでに橋からプール の方向へ倒れていった。プールサイドの女の子からは「あー っ」というため息にも聞こえる声が、そして会場からは歓声 に近いどよめきが起こった。「きゃあああああああああ っ!!」私は頭から落ちてしまう格好になり、プールへと転 落していく。その数秒間、私の頭の中には後悔の気持ちと、 これから起こる恐怖が沸き起こった。「ドボーーーーー ン!!」ブクブク・・・。ビキニの下は恥部をくすぐるよう に溶け、開放感に似た感覚になる。頭のリボンも解け、髪の 毛がロングの髪型に戻っていく。広がる静寂の水中に、遠く からモーター音が聞こえてくると思った瞬間、両側に黒いダ イバー服を着た男が私の足と手首を強くつかんだ。結び付け られる為の手錠のような輪が手首と足首を締め付ける。「あ ふっ」次の瞬間、無意識に声が出てしまった。ダイバーの一 人が、私の股にビー玉ほどの球を押し込んだのである。引っ 張られる手首と足首。自然と体の後ろで結ばれる。ザバア ッ!水上にやっと顔を出すと、反り返った体制で胸と恥部を さらけ出した私がいた。手袋とニーソックス以外は何も身に 着けていない。そのまま敗れ去った女の子たちの横へ吊り下 げられる。このまま私は・・・・・、と考え始めたとき、突 然私の恥部が熱くなった!「ウィイイン」「ハウッ!」そ う、さっき水中で入れられた玉は、超小型バイブだったの だ。体は抵抗するのだが、もちろん身動きが取れない。「イ ヤアアッ!」そして、私は朦朧とする意識の中で、やっとこ のイベントの趣旨がわかった。観客の男性も、男性雑誌の懸 賞で入場券を手に入れていることを聞いていた。これは出版 社とテレビ局が手を組み、最大級の恥辱番組を作る為だった のだと。と分かった瞬間、わたしは・・意識を・・うし な・・・って・・・・ね・・・ GAME OVER 「これって、私たちはクリアするしかないってことでしょ う?こうなったら、絶対最後まで生き残ってみせるわ。」 そして、私、高校1年生16歳の笹川美奈子の意思が固まった。 つり橋渡りをやっとの事で私はクリアしたが、次からのゲー ムも絶対に負けられない。私は次の第二関門へと進んだ。 (続)


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