第一話 女子高生水上アスレチック開幕


2003年夏、私の家に一通の手紙が届いた。「女子高生水 上アスレチック 出演のお知らせ」だった。「おめでとうご ざいます。来月開催されるテレビ番組、女子高生アスレチッ クへの出場者に選ばれました。出演料として、20万円が支 給されます。すべての関門をクリアし、ゴールまでたどり着 けば、賞金として100万円の賞金が与えられます。もしご参加 していただければ、8月○日にオープンする屋外プール『東京 ビッグマリン』までお越しください」これは・・・そう、 先々月の某雑誌の懸賞で応募したハガキが当選したのだっ た。高校2年生の私にとって、100万円は夢のような金額だっ た。その上、参加だけで20万円が入ってくるとなれば、参加 しない手はなかった。 私は品川真美。高校2年生の17歳。部活は新体操部で、県大会 にも出場経験がある。バランス感覚に関しては相当な自信が あった。せっかくのチャンスなんだから、ぜったい100万円G ETしてみせるわ! 8月○日、天気は快晴で、絶好のプール日和だった。会場であ る東京ビッグマリンへ到着し、集合場所へと急いだ。 「ようこそお集まりくださいました。これから女子高生水上 アスレチックの収録を開始します。その前に、競技について ご説明します。ルールは簡単、この東京ビッグマリン内のプ ールに設置された数々の難関をクリアして、ゴールを目指し ていただきます。ただし、失敗して途中でプールに落ちてし まった時点で、即失格です。プールはかなり深くなってお り、落ちてしまった時点で、スキューバ部隊が助けに行きま すので、ご安心ください。」えー、落ちちゃったらおしまい なんだ。絶対最後までがんばるよ!「それから、みなさん水 着をお持ちいただいたと思いますが、水着は我々の局から支 給させていただきます。」そして、一人一人水着を渡され た。私はピンク色のビキニだった。「それから、この手袋と ハイソックスを着用して頂きます。このアスレチックは、直 接素手素足で挑戦すると、怪我をする恐れがありますから、 かならず着用して下さい。」そして、私達は更衣室へ行き、 水着と水着と同じ色の手袋、そして黒いハイソックスを着用 したのだった。このハイソックスは、ひざの上までカバーす るもので、オーバーニーだった。周りを見ると、カラフルな ビキニを着用し、アイドルと言っても納得できるルックスの 女の子ばかりだった。応募するときに、写真同封とあったの で、テレビに映るだけのかわいい女の子を集めたのだろう。 ということは、私も?なんてことはないか・・・。私は長い 髪をツインテールにして縛り、激しい戦いに備えた。 200人の水着の女の子が会場に入っていく。その瞬間、私はあ まりの規模の会場に唖然となった。広大なプールに設置され たアスレチックの数々、至る所に配置されたカメラ、そして 客席いっぱいに埋まった観戦客。そんな中、早速第一種目が 発表された。 「それでは、さっそく行ってみましょう!第一関門は、水上 つり橋渡りです!」やった、私の得意なバランス競技ね! 「一人目のチャレンジャーは、水色のビキニで挑戦する16歳 金井美穂ちゃんだ!」「絶対落ちないようにがんばりま す!」カメラに向かってかわいらしいポーズを決め、10m のつり橋を渡り始めた。高さは水面から3m近くあり、かなり の高さだった。最初は60センチほどの幅から、ゴール地点で は30センチほどになり、かなりのバランスを要するようだ。 黒いオーバーニーの足は、内股で震えながらコケティッシュ に少しずつ進んでいた。順調に進んでいた彼女だったが、6m を過ぎたあたりで、突然バランスを崩した!「キャッ!」 「おっと、あぶないぞ!耐え切れるか?」「いやあっ、きゃ ああああ!」ドボーーーーーン!!ついに耐え切れず、彼女 はプールの深くへ転落してしまった。「あー、美穂ちゃん、 残念!さあ、サメが襲ってきたー!」なんと、プールの左右 から、サメの格好をした二人が、彼女へとものすごいスピー ドで寄ってくる。スクリューを背負っているため、これだけ のスピードで泳げるのだろう。数秒後、会場に大きなどよめ きが起こった。なんと、彼女は生まれたままの姿で、両手両 足をロープで縛られた格好で吊り上げられた。手足は後ろで 一箇所で束ねられ、ハイソックスと手袋を残し胸と恥部が全 開で晒されてしまった。よく見ると、わずかだが水着の破片 が腰の辺りに残っている。「さあ、みなさん、犠牲者第1号で す。プールに落ちると、水着は溶け、サメに食べられてしま いますよー!」そう、この水着は水溶性で、転落した時点で サメが両手両足にロープを結びつけ晒すというしくみになっ ていた。「いやああ!下ろして!」抵抗する彼女もむなし く、ただカメラの餌食になるだけであった。手袋とソックス は、長時間吊り上げられても良いように、痛みを和らげるた めのものだったのだ。次に挑戦した女の子は、足が震え前に 進めず、手をつきながら渡り始めた。2m地点を過ぎた直 後、突然水中から強烈な放水が始まった。「反則する女の子 は、放水の罰が待ってますよー」アナウンサーが面白半分で しゃべり始めた。「いやあああああ!」もちろん、水着はあ っという間に溶かされ、素っ裸にされてしまった。その場に 恥ずかしさのあまりしゃがみこんでしまったが、強烈な放水 は勢いを増していく。勢いに勝てず、ついに彼女はつり橋か ら落とされてしまった。こうして2人目の犠牲者が出てしまっ た。会場の中央には、出場者全員の写真がディスプレイに表 示されていた。転落した女の子の写真の上に、「GAMEO VER」の文字、そしてその下には、恥部の画像が表示され た。 次々と会場に響き渡る、女の子の最後の悲鳴。あとはサメの 餌食となり、晒されるだけ。私はもう逃げられなかった。49 人中25人が転落してしまった。そして、50番の私の番が回っ てきた・・・「それでは、品川真美ちゃん、Eカップのバス トが眩しいです。」「・・・恥ずかしい。でも、がんばらな きゃ!」「それでは、ゲームスタート!」 (続)


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