序章 新S&Gアドベンチャーワールド 開幕
(挿絵:さばにしきさん)第2話


※時々CGと文字が重なる場合がありますので、その時は1回再読み込みしますと直ります。

第1関門『水上鉄棒サバイバル』 (予選競技)
<ルール>
・水上6mに設置された鉄棒にぶらさがった状態で、長さ15mのプールを渡り切ればチャレンジ成功。
・会場には、スタート地点からゴールまでの15mの間にプールが横切っている。転落した際に安全に配慮し、深さ3mのプールとなっている。
・プールのスタート地点とゴール地点は水上5m地点にあり、飛び込み台のようにせり出すように設置されている。
・1本の鉄棒は長さ10m、直径5センチ。一度に10名がぶら下がるため、特殊な合金で作られているが、細かい1oほどの穴が無数に規則正しく空いている。
・精密ロボット操作のクレーンにより1分間で5mのペースで、ゆっくりと鉄棒が進んでいく。
・つまり10m渡り切るには3分間も鉄棒にぶら下がっていないといけないことになる。

「それではスタート!」2016年7月X日、真夏の太陽の下、東都国立競技場スペシャルアリーナの屋外プールで、いよいよ美少女たちの夏がスタートした。陽気な女性司会者の合図とともに、10人の水着少女たちをぶら下げた鉄棒が、ゆっくりとクレーンにより上がっていく。クレーンはプールの上へと移動し、私たちの体は、プールの真上へと移されたのである。会場は5月の快晴の空の下、女の子たちの白い素肌がまぶしく照らされているが、私の真下には、深さ3mのプールが不気味に薄暗く広がっている。
テレビカメラは全部で15機。それぞれの女の子を常に撮影する10機の固定型CCD、さらにまんべんなく少女たちを監視するように上から下から撮影できる高感度のドローン型CCD3機、そしてプールへ転落した際の水中の様子を撮影する水中高感度カメラ2機と、余すところなく挑戦者の女の子を捉えている。
「さあ、スタートしました!この鉄棒ぶら下がりは、ただ高所でぶらさがるだけのゲームではありません。チャレンジャーのみなさんが来ているビキニの紐は、水に触れると溶けてしまうのです。つまりぃー、プールへ転落した時点で、素っ裸になってしまうのです!完全にアウトォなんですよぉ!さあ、がんばって!必死に耐えるのだぁー!」
私の左右には、鉄棒に横一列に水着の女の子たちがぶら下がっている。そして、怪しい羽音を立てながら、小型CCD搭載のドローンが、私たちの周りを飛び回っている。バスト、わきの下、そしてヒップ、股間とじっくりと撮影しているのが分かる。きっとこの映像を見ながら楽しんでいる視聴者が大勢いるのだろう。苦しい表情を早くも浮かべている女の子もいるが、歯を食いしばり、両足をバタバタさせながら必死に耐えている。1分経過、まだ10人とも生き残っている。全員無事に渡り切ってくれればいいのだけれど・・・嫌な予感がする・・・。
 そんな時、私の左右の女の子に動きが現れた。同じ女子高校に通う、1年生のサナエとミナミだった。

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ゼッケンNo.4 サナエ 16歳 高校1年生
ピンク色ビキニ ピンク色手袋 白とピンクのボーダーニーハイソックス
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ゼッケンNo.6 ミナミ 16歳 高校1年生
水色ビキニ 水色手袋 白色ニーハイソックス
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「・・・やだ、おちちゃう・・・どうしよぅ・・・はやくぅ・・・」
サナエはまだ入学して3か月、ツインテールの髪型で、どちらかというとロリ系の目の大きなかわいらしい女の子だった。
ミナミも同じ高校1年生、セミロングの髪型の、清楚な感じだった。
どちらの彼女もスレンダーな体ながらもバストは順調に成長しており、共学の学校ならば間違いなく1位2位を争う美少女だろう。
苦悶に満ちた表情で、両足をしきりにクネクネと動かしながら、ぶら下がりに耐えている。
ミナミはサラサラのセミロングのヘアーを、夏の風に揺らしながら、必死に耐えている。
まだ制限時間の3分の半分も満たない状況で、苦しそうな状況に追い込まれてしまっている。
「だいじょうぶよ、がんばろ!あと半分。負けちゃダメだよ」
私は必死に彼女たちを励ました。ミナミは必死に何とか食らいつこうと、鉄棒の手を何度も握りなおす。
『おおっと、ゼッケン6番のミナミちゃんも早くも苦しそうだ。水色のビキニに包まれたDカップのバストがまぶしいぞぉ!さあ、カメラさん、アップしちゃってくださぁい!』
ドローンが不気味な音を立てて、ミナミの周りにスタンバイする。両足をばたつかせるその股間を狙って撮影しているのだ。
『さあ、中央のオーロラビジョンに注目だぁー!ミナミちゃんの恥ずかしいおまたが全開だぁー!おや?ちょっと濡れているのか?』
よく見ると、水色のビキニにじんわりとシミのようなものが見える。
「いやぁぁ!見ないでぇ!」
しかし、手袋が邪魔をして、ジワリジワリと体力を奪っていく。そう、実は手袋がこの関門の大きな落とし穴。
手袋は強化ナイロン製のもので、市販の軍手よりも薄手ではあるが、ケガの防止を目的としているため、かなり丈夫にできている。しかし、ナイロンであるために、とても滑りやすいという特徴がある。レーヨンにも似た手触りで、肌触りがとても良い。
つまり、「滑りやすい」のである。
小柄な彼女は、きっと手も小さいのだろう。直径5センチの鉄棒は、彼女の握力を確実に奪い、もはや限界にまでたどり着いてしまっている。

「ハァ、ハァ・・・すべる、すべっちゃうよぉ・・・ヤダぁ、落ちたくない、こんなところで落ちたくないよぉ・・・」
こちらでは、サナエが泣きそうな表情で、歯を食いしばりながら、何度も鉄棒を握り直し、両足をばたばたとさせながら耐えている。
 私は、そんな彼女の鉄棒を握る手を見た。なんとか頑張っているが、最後までもつかどうか・・・。
「落ち着いて!がんばって、だいじょうぶよ、落ち着いて!」
そして、もう一つの異変に気付いてしまう。
「・・・はぅぅぅ・・・ぃぃぃ・・・ぃぃょぉ・・・」
サナエの顔は真っ赤になっており、モジモジと両足をクネクネさせながら、吐息を漏らしている。
「ハァ・・・ハァ・・・き、きもちいいよぉ・・・・」
サナエの股間にも同じようなシミが、そしてさらに大きくなってきている。なぜ・・・?
もうダメだ!そう思った瞬間・・・
「・・・ぁぁぁ・・・やだぁ・・・やだよぉ・・・や・・・」
ツルッ
「・・あっ!キャアァァァァァ!!」
小柄なサナエの体を支えていた鉄棒にかかっていた指が、無情にも鉄棒から離れ、彼女の体は真っ逆さまにプールへと落下していく。
そして、ほぼ同時にミナミも落ちてしまった!
「・・・ぁぁぁ・・すべるぅぅ・・・キャアアアアアッ!」
たった数秒の出来事であったが、私にとってはとても長い時間に感じた。
ピンクのビキニに包まれたサナエは、力尽きるように宙を舞い、長い髪の毛を振り乱しながら落ちていった。
水色ビキニのミナミは、最後まで鉄棒にしがみつこうと足をばたつかせた瞬間に落ちてしまったため、大股を開いた状態でプールへと消えていった。
そして、無残にも冷たいプールへとたたきつけられた。
ドボォォォンン!ザッパァァーン!
2つの大きな水しぶきをあげ、彼女たちの体はプールへと消えていった。そして、私の左右には誰もいなくなった。
『ざんねーん!第一の犠牲者が出てしまいました!高校1年生のサナエちゃん、そしてミナミちゃん、二人ともここで力尽きてしまいました!同時に1分45秒でアウト、残念!失格です!』
そしてこの後、失格となったチャレンジャーたちに恐ろしい仕打ちが待ち受けていたのだった。

(続く)


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