序章 新S&Gアドベンチャーワールド 開幕
(挿絵:さばにしきさん)第1話


※時々CGと文字が重なる場合がありますので、その時は1回再読み込みしますと直ります。

2004年、まだテレビ局の規制が緩かった頃、存在していた伝説的な番組がある。
その名も「S&Gアドベンチャーワールド」。水着姿で集められた女子校生30名が、東都国立競技場スペシャルアリーナに設置された特製ドームで挑んだ、史上最高のサバイバルチャレンジだった。少女たちは勇敢に立ち向かい、水着姿で多くの難関に挑んでいった。しかし、主催者側の卑劣な罠にはまり、一人、また一人と悲鳴を上げながらプールへと消えていった。
主催者であるS&Gは、ワインを片手にモニターを見つめていた。プールへ落ちると即失格という厳しいルールの下、栄光と賞金を掴むためにチャレンジしていったが、ついに最後の一人となった星野絵里奈18歳のチャレンジが始まった。
最後のステージは、水上10mに設置された幅15センチの平均台を渡り切るというものだった。
「さあ、エリナちゃん、ピンクボーダーのビキニも、すでに汗まみれです。ピンクのボーダーニーソに包まれた細い足で、慎重に渡っていきます!」モニターには、18歳、これが高校生活最後のチャレンジとなる星野絵里奈が映し出されていた。順調に進んでいく挑戦者、しかし残酷にも、ゴール目前にしてトラップが作動する。
「ぁあああぁぁっ!」挑戦者の足元から、恥辱スチームが吹き上がる。ついにトラップにかかってしまった少女、次第に足元がおぼつかなくなっていく中、残り3mを残して最後のトラップのワイヤーが彼女の恥部に襲い掛かる。
「キャアアァァァァ!も、もうダメェ!」
力尽き、平均台から18歳の若く白い素肌の少女が、長い髪を振り乱してまっさかさまに転落していく。
響き渡る悲鳴、そして水しぶきを上げて消えていった。
これで最後のチャレンジャーが最後の関門で力尽き、漆黒のプールへと葬り去られていった。30名の美少女挑戦者は全滅してしまった。またしても、S&Gアドベンチャーワールドの攻略を目前にして、水着の美少女たちはプールの藻屑となり、男子生徒の餌食となってしまったのだった。
この年を最後に、S&Gアドベンチャーワールドは忽然と姿を消してしまった。
そう、番組への規制が強化され、番組は闇へと葬り去られたのだった。

しかし

あれから11年、再びあの世界が返ってきた。

S&Gは、新たな企画を練り上げていたのだった。
「2016年新S&Gアドベンチャーワールド」開幕
さらに厳選された美少女たちが、その栄光を手に入れるために挑んだサバイバルアタックである。
今回の挑戦者は100名。ビキニ姿に手袋とオーバーニーという姿での参加となる。
ルールは簡単、難関をクリアし、ゴールまで辿り着けばチャレンジ成功。しかしプールへ落ちてしまった時点で即失格となる。
新世代の女の子たちが挑戦するこの「新S&Gアドベンチャーワールド」で何が起こるのか?

「それでは、選手入場です!一人目のチャレンジャーからどうぞ!」
一人目のチャレンジャーからスタート地点で意気込みを叫んでいく。
そして、ついに私の番となった。
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ゼッケンNo.5エミ 17歳 高校2年生
ネイビー色ビキニ ネイビー色手袋 ニーハイソックス
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「エミ、高校2年生です。最後まで絶対にあきらめません!がんばります!」
私はスタート地点に立ち、カメラに向かって意気込みを叫んだ。最新型のCCDカメラが近づき、それが私の両足を開かせるように設置されている。ビキニは最小限の面積で作られたものであり、恥ずかしさのあまり身体を隠したくなる衝動にかられてしまう。しかし、隠すことは禁止されており、もし頻繁に隠すことがあればイエローカード、そして警告となり、ペナルティが課されることになっている。

今回のチャレンジャーは、過去最多の100名であるため、第一回の競技は一気にふるいにかけるための競技であるそうだ。
陽気な司会者が競技を発表する。
「第1関門は、『水上鉄棒サバイバル』です。ルールはいたってシンプル、水上6mに設置された鉄棒にぶらさがり、長さ15mのプールを渡り切ればクリアです」
会場には、スタート地点からゴールまでの15mの間にプールが横切っている。まずはここを超えないといけないということらしい。
1本の鉄棒に一度に10名がぶら下がり、1分間で5mのペースで、ゆっくりと鉄棒が進んでいくそうだ。つまり、10m渡り切るには3分間も鉄棒にぶら下がっていないといけないことになる。でも、なんとか我慢すれば、耐えることもできるだろうが、当然途中にトラップが仕掛けられているにちがいない。

私は第1グループ、5人目の場所にスタンバイした。目の前には、太さが直径5pほどの鉄棒が準備されている。鉄棒は金属製であり、手袋をしたままだと滑りやすいので、これも早く失格者を出すための罠である。そして、その鉄棒には細かい1mmほどの穴が規則的に空いているように見えた。これも何かの仕掛けなのだろう。

「それではスタート!」
いよいよ私を含め、第1グループの10名がスタートした。私の左右には、鉄棒に横一列に水着の女の子たちがぶら下がっている。
鉄棒はゆっくりと上へと上がっていき、6m地点でストップした。そして、ゆっくりとプールの上に向かってスライドしていく。
私の身体は、プールの上へと持ち上がり、手を放したらプールへ転落することが目に見える位置まできた。
苦しい表情を早くも浮かべている女の子もいるが、歯を食いしばり、両足をバタバタさせながら必死に耐えている。
1分経過、まだ10人とも生き残っている。
全員無事に渡り切ってくれればいいのだけれど・・・嫌な予感がする・・・。
そして、開始1分後、早くもその嫌な予感が的中した。
(続く)


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