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もうひとりの私

れいな

第6話
いつしか指は電話のプッシュボタンを押していた。
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「もしもし。」
 「あのっ、あの玲子です。」
「よぉ!」
「昨夜はぐっすり眠れた?」

笑いながら彼は言う。

 「眠れるわけ・・ないです・・・・」
「なんでぇ?」
 「だって・・・」
「だって何だよ?」
「俺には眠れない理由がわからないぜ。」
 「・・・・・・・」
「ところでさぁ、お前の今の格好を報告しろよ。」
 「えっ!・・ぅっ・・・・・裸です。」
「ちゃんと命令は守ってるじゃん。」

ニヤケながら聞いているであろう彼の顔が浮かぶ。
意を決して言葉を出す。

 「お願いです!お願いですから・・・・お願いですから・・・・」
「なに?」

言葉の続きを彼に促されても詰まってしまう。
でも・・・・でも、耐えられない・・・
勇気を振り絞って口にする。

 「お願いですからオナニーさせて下さい。」
「はぁ?オナニーさせて下さいだぁ?」

甲高い笑い声が受話器から聞こえる。思わず耳を塞ぎたくなる。

「まったく厭らしい女だなぁ。」
「まともな女はそんなこと言わないぜ。まったく呆れるね。」
「毎日オナニーしないと我慢できないわけ?」
「盛りのついた雌犬だね。淫乱!ドスケベ!」

投げつけられた言葉に顔から火が出るくらい恥ずかしくなる。

「ちゃんとメンソレータム買って来たのか?」
 「えっ・・・」

彼の言葉に呆然とする。
忘れていた・・・・・・・・
それどころではなかったのだ。

「どうなんだよ?」
 「・・・すっ・・すみません。忘れてしまいました。」
「はぁ???忘れただぁ?」

彼の怒りが想像される。
次の瞬間、彼の怒りをどうやって静めるかだけを考えた。
瞬間出た言葉。

 「すみません。淫乱な雌犬の玲子はオナニーをすることだけを考えていたんです。」
 「それで・・つい、忘れてしまいました。申し訳ありません。」
「へぇ〜」

彼の驚くような声が聞こえる。意外な言葉に驚いているようだった。

「そんなにオナニーしたいわけ?」
 「はい。淫乱な雌犬なので、アナタのち○ぽのことばかり考えていました。」
 「玲子はオナニーをしたくて堪らない淫乱な雌犬です。」

咄嗟に言葉がでる。
彼の機嫌を損ねたくないばかりに・・・・・

「今日は雌犬らしく素直じゃん。」
「まぁ、そういうことなら勘弁してやるよ。」

彼の機嫌よさそうな声の調子に胸を撫で下ろす。
よかった・・・・・

「じゃぁ、今から買いに行けよ。」
 「えっ?」
「まだ、開いている店はあるだろ?」
 「はい・・・」

即座に答える。彼の機嫌を損ねたくない。
それだけを考え、言葉が口を出る。

「但し、ノーパン、ノーブラでな。」
 「えっ?」
「文句あるわけ?」
 「いっ、いえ、とんでもありません。喜んで買いに行きます。」

彼の機嫌を損ねたくない。その一心で即座に返事をする。

「上に着るのはノーブラだってことがわかるようなワンピースにしろ。」
 「・・・はぃ・・・」
「着替えろ。」
 「はぃ・・・・」

恥ずかしい・・・そうは思っても、これ以上彼の機嫌を損ねたくない。
それだけだった。
別にこの状況を彼に見られているわけではない。
着替えたといって彼を誤魔化すことなど出来るはず。
そうは思っても・・・・出来ない。なぜだろ?
彼を騙す事など出来なかった。
上手くいけばイカせてもらえる・・・・
クローゼットの中からニットのワンピースを選び、身に着ける。
思わず視線を乳首にやる。しっかりと、乳首は立っている。
見れば直ぐにわかってしまう。

 「・・・・着替えました。」
「鏡で見てみろ。ノーブラだってことがわかるか?」

鏡に映し出された姿・・・
間違いなく立っている乳首がわかる。
鏡に映る自分がおぞましい。。。。。

 「・・はぃ・・・乳首が立っているのがわかります。」
「よし。買いに行け!」
 「・・はぃ・・・・」
「店の中に入る前に、思いっきり乳首を摘んで立たせろよ。」
「ノーブラだってことがわかるようにしろ!」
「ちゃんと命令に服従すれば今夜はイカせてやる。」

イクことができる・・・
あっ・・・イケル!イカせてもらえるの・・・・
イキたい。。。イカせてもらえるようにしなくちゃ。
それだけを考える。冷静に考えれば馬鹿な女としかいいようがない。
けれど・・・・
そんなことは誰よりも自分が一番よくわかってる。

 「ありがとうございます。行ってきます。!」
「買ってきたら電話してこい。」
 「はい!」

イカせてもらえる。
その言葉は麻薬・・・・・
餌を目の前にぶら下げられた犬のよう・・・滑稽・・・・

車を走らせ、ドラッグストアーを目指す。
さすがに近所の店には行けなかった。
車で20分ほど走り、目当ての店の駐車場に車を入れる。

辺りを見渡す。誰も居ない・・・
服の上から爪を立て乳首を摘む。

 「ぁぁんっ!あぁ・・・・あふぅ・・・・ぅ」

恥ずかしい・・・・
でも、命令を守ればイカせてもらえる。

十分立っている乳首を更に摘む。十分、立っていることを確認し、車を降りる。
恐る恐る店を覗く。幸い、お客に客はいない。
思い切ってドアを開け、店に入る。
売り場の表示板をすばやく見て、歩き出す。
メンソレータムの陳列棚を見つける。
いろいろな容量がある。一瞬、どれにしようか迷うが、咄嗟に一番少量のものを手に取り
レジに向かう。
レジに居たのは中年の女性だった。
気づかないで・・・・・ノーブラだってこと。
お願い、気づかないで。
祈る気持ちでレジに向かう。

「いらっしゃいませ。」
 「これをお願いします。」
「はい。」
メンソレータムを手渡すとき、目が合う。
次の瞬間、彼女の一瞬驚いた顔が目に入る。
バレた・・・・・
顔がみるみる赤くなる。
そんなとき,身体の中から熱いものが太股を伝わり,流れ落ちていることがわかる.

いやぁ!いや!なに,これ?

太股同士を咄嗟にあわせる.
いやぁ!いやよ!いや!
なんでよ・・・なんでこんなになるの??ぃやぁ・・
こんなの自分じゃない.
そう思うそばから続けざまに溢れ出ている・・・・それが自覚できる.
一刻も早く,その場所を立ち去りたかった
店員から告げられた金額を財布から取り出す。

「包装はいいです。」

品物を店員から奪うようにして店を出る。
車に戻りハンドルを握り締め,顔を伏せる.
いや・・・ぁ.なんで・・・
こんなことで濡らしてしまうなんて,うそぉ!
こんな身体が自分の身体だなんて認めたくない.
認められない・・・
心臓がドキドキする.
必死で自分自身を落ち着かせるように,自分自身に言い聞かせる.
落ち着くのよ.落ち着くの!
ハンドルを握る手が震える.
何をやってるの.家へ帰るんでしょ?
こんな状態じゃ帰れないわよ.事故でも起こすつもり?
あなたらしくないわよ.落ち着くの.
深呼吸して.
必死で平静さを取り戻そうと試みる.
帰らなくちゃ・・・

キーを回しエンジンをかける.

生まれく叙情詩とは?蒼き星の挿話・・・
夏の調べとは?愛の言霊

曲が流れる。。。。。
ゆっくりと深呼吸する。一呼吸おいて車を走り出す。
落ち着け。。。落ち着け。。。。。
自宅に戻り、彼に電話をする。

 「もしもし、玲子です。」
「ちゃんと買ってきたのか?」
 「はい。買ってきました。」
「ふぅ〜〜〜ん。店員は男だった、女だった?」
 「女性でした。」
「でぇ、相手はお前がノーブラだってわかったのか?」
 「・・・・・」
「どうなんだよ!」
 「はぃ・・驚いた顔をしていたので、わかったと思います。」
「よかったなぁ。淫乱な雌犬だって気づいてもらえて。」
「嬉しいだろ?」

彼の言葉に一瞬凍りつく。

「これからお前は色々な人に雌犬だってことを晒すんだよ。」
「楽しみだよな?」
 「はぃ・・・」

「はい」と応える以外、言葉が見つからなかった。
恐い・・・
これから自分はどうなるのだろう?
先のことを考えることが恐ろしい。
でも・・・・・
頭のどこかで凍りつきながら、しかし、どこかで頭が甘く痺れるような、そんな感じだった。

「男じゃなかったのが残念だろ?」
 「・・・・・」
「どうなんだよ?」
 「・・・はぃ・・・・男の人でなかったのが残念でした。」
「男に見てもらいたかったんだよなぁ?」
 「ぅっ・・っ・はっ、はぃ・・・男の人に見て欲しかったんです。」

彼の機嫌を損ねたくない。それだけだった。
彼の喜びそうな、求めている言葉を選んで口にする。

「どうせグチョグチョに濡らしたんだろ?」
 「はぃ・・・・」

彼の言葉を否定できず,肯定してしまう自分が惨めになる.
反応してしまう自分の身体を呪いたくなる.

「今,お○こがどうなってるか詳しく言ってみろよ」
 「・・・・」.
「早く言えよ!!」
 「はっ、はぃ!すっ・・すみません.」
 「おっしゃる通り,グチョグチョです.」

反応してしまう自分の身体を忌まわしいと思っているのに,
更にその忌まわしい状況を口にしなければならない.
言いたくない・・・

「へぇ〜.なんでグチョグチョなの?」

ニヤケながら含み笑いを浮べている彼の顔が浮んでくる.

 「薬屋のおばさんと目が合った瞬間に,出てきてしまって・・」
「どこから何が?」 
 「あっ・・・あの・・・あのっ・・・」
「なんだよ.とっとと喋れよ.うざいなぁ!」

駄目.ちゃんと話さなくちゃ.これ以上彼を怒らせることはできない.
早く話さなくちゃ.

 「すみません.」
 「目が合った瞬間に・・・・おっ,おま○こから愛液が流れ出てきて・・・・」
 「いっぱい溢れ出てしまって・・・・・」
 「それでグチャグチャに・・・」

泣きそうになりながら話す.思い出すだけで身体中が熱くなってる.

「おまえの厭らしい愛液,床に落ちてたんじゃないの?」
「人様の店先をマ○汁で汚すなんてホント恥ずかしい奴だよな.」
「そんなもの垂れ流すなんてまさに雌犬じゃん!」
「恥ずかしぃ〜〜〜〜。」
 「いっいえ・・・汚してません.太股をあわせて止めました.」
「はぁ?ばか野郎!なんで止めんだよ!」

いきなり彼の怒声を浴びる.
しまった・・・・
つい,自分は雌犬なんかじゃないって否定をする為に余計な一言を言ってしまった.
それを彼は見逃さない.

「雌犬は雌犬らしく垂れ流してりゃいいんだよ.」
「勝手にそんなことしてんじゃねぇよ!!」
 「すっ・・すみませんでした.すみません.」
 「これからはそのままでいますから・・・垂れ流したままでいますから.
  ですから許して下さい.」

必死で彼の怒りを静めようと媚びる.

「へぇ〜.じゃぁこれからは垂れ流すんだ?」
 「・・はぃ・・・・・」
「俺が命令すれば何処ででも垂れ流すんだよな?」
 「・・はぃ・・・どこででも・・どこででも垂れ流します・・・・・・」
「ふぅ〜ん.まぁ,今回は許してやるよ.」
「俺って寛大だからな.」
 「はい.ありがとうございます.」

よかったぁ〜.安堵する.
私は完全に彼の術中に嵌まっていた.
彼はわざと私を嫌らしい言葉で嬲り,辱める.
私のプライドが反応するように
そんな言葉に,つい私のプライドは抵抗,彼に反抗的な言葉を口にしてしまう.
彼は決して反抗的な態度を見逃さない.そして許さない.
私の言葉を逆手にとって責める材料にする.
私は抵抗すればするほど自分で自分の首を絞めていくことになる.
十分承知していながらも彼の思い描くように確実に落ちていく・・・・・
進む

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