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もうひとりの自分 (1)

れいな

第1話

何気なく窓の外に目をやると,空は鉛色.
今にも泣き出しそうな感じ.私はこんな空が大嫌い.
見ているだけで,なぜか無性に不安な気持ちになってしまう.
こんな空を見て,不安な気持ちになるようになったのは何時の頃からだろう?
あの人と知り合った日もこんな空.
不安に駆られて,追いつめられた気分で自分自身を制御できなくなっていた.
仕事からくるストレスも,もちろん影響してただろう.
会社帰りに渡されたテレクラのテイッシュ.
それがすべての始まり…….
*************************************

「ただいまぁ.」っていっても返事が返ってくるわけがない.
誰も部屋には居ないのだから.
わかっていても習慣で口から出てしまう.
帰宅早々,部屋に座り込む.
「疲れたぁ….何もしたくない.」
「やっと週末….ふぅ….」
夕食を簡単に済ませて入浴をする.
贅沢な入浴タイム.
入浴が大好きで,部屋を選ぶときは浴槽に拘った.
絶対,ユニットバスじゃなくて普通の浴槽がある部屋に住みたかった.
おかげで家賃は割高であるけど。
ゆっくりと時間を掛けて入浴することは実家を出る前からの憧れだった。
両親と暮らしていたときは父親に気兼ねし,ゆっくりと入浴時間を取る事が出来なかった.
厳格な父親で,長風呂なんぞをしようものなら「商売女じゃあるまいし,なんで風呂にそんなに時
間をかけるんだ!」と怒鳴られた.姉妹2人の長女ということもあり,小さい頃から婿を取って跡
を取る事を強制され,何度,理不尽なことをいう父親なんだと思った事だろう.母はそんな父親に
一切逆らう事など出来ずにいた.両親には猛反対されたが,就職を機会に家を出た.
週末は一時間半位かけてゆっくり入浴し,風呂上がりにはビールを飲むのが習慣となっていた.
その日もいつもと同じように過ごしていた.只,いつもと違っていたのはいくらアルコールを口に
しても不安な気持ちが晴れなかった.あの空を見たせいだったのかもしれない.
誰かと無性に話しをしたくなった。こんな自分の気持ちを聞いてほしい。
ふっと気がつくと帰路に渡されたテレクラのテイッシュを手にしていた.
不安な気持ちに耐えられなくなって,誰かと話がしたい.そう思って受話器を取っていた.
初めての経験だった.
音声ガイダンスが耳に響いた.
「コースはSMコースとノーマルコースです.SM,M女コースは1をプッシュして下さい.」
「SM,S女コースは2をプッシュして下さい.ノーマルコースは3をプッシュして下さい.」
自然に指は1を押していた.
「もしもし?」突然,若く明るい男の声が聞えてきた.
  「……」
「もしもし?」
  「…あっ……もしもし…….」
「よかったぁ.切られたかと思ったよ.」
「もしもし,聞いてる?」
  「…はぃ……」
「もしかしてさぁ,こうい所にかけるのって初めて?」
  「……はぃ.」
「そうなの?何かあったわけ?それでかける気になったわけぇ?」
  「……ぇえ,まぁ,いろいろと…」
「ふぅん〜.そうなんだ.」
「ところでさぁ,君の名前は?なんて呼べば良いの」
  「…名前??…玲子」咄嗟に出た名前だった.
「俺の名前はよしのりっていうんだ.」
相手の男性は饒舌だった.
ワインを飲みながら,当たり障りのない会話が2時間以上も続いた.
  「あなたって不思議な人ね.」
「どうして?」
  「だってぇ…こんなたわいもない会話を2時間以上も続けてくれるんだもん.」
  「会話するのにかなりの料金を払うんでしょ?」
  「普通こんな所に電話して,こんな話を2時間以上する人ってあまりいないんでしょ?」
「はははっ.そうだねぇ.金かかるもんねぇ.普通はしないかも.」
「もっと違う話をしたくなった?」
  「もっと違う話って?」
「電話したときガイダンスを聞いて自分の意志でM女コースにしたんでしょ?」
「どうしてM女コースにしたの?経験あるわけ?」
  「いきなり話題を変えるのね.(笑)」
「まあ,様子を伺っていたのさ.君ってサクラじゃないようだし,ごく普通そうに思えるけど?」
「なのにどうしてこんな所に電話してきたのかな?って考えてた.」
  「きゃははっ.そう見えるの.今ねぇ,ワインを飲みながら電話してるから良い気分なの.」
  「よっぱの勢いで話しちゃおうかなぁ?」
「おもしろそうじゃん.話してよ.顔だって知らない相手なんだから,いいじゃん.」
今迄誰にも言えなかったこと….この時,初めて人に話した.
  「昔から願望はあったと思うの.でも,最近はその願望がすっごく強くなってきたの.」
  「多分,仕事のストレスが影響してると思うの.」
彼は優しく聞いてくれた.知り合ったばかりの相手なのに不思議と素直に言葉が出ていた.知らな
い相手に対する気安さからなのか…。
誰にも言えなかった自分の弱さ.気持ち.そして願望を…….
「その願望ってさぁ,現実に試してみたいと思わない?」
  「えっ!どうやって?」
「一度会ってみようよ.いいじゃん.無理な事はしないし」
  「……でも…」
「嫌なら帰ればいいじゃん.人目のある所で会えばいいでしょ?」
  「…でも…」
「来週の土曜日,仕事は休み??」
  「そうだけど….」
「今の状態から脱出したいんでしょ?」
「来週の土曜日の午前11時.浜松町の改札でね.今から俺の携帯の番号いうから書き取ってよ.」
  「行くとは約束できないけど.」
「それはそれで仕方ないじゃん.縁がなかったんだから.」
「あっ.そうだ.冒険ついでに,会うとき下着はTバックを着けておいでよ.」
  「えっ??何??」
  「そんなの持ってないわよ.無理よ.」
「そうなの.これを機会に買えばぁ?(笑)でさぁ,ノーブラでおいでよ.上着を着てきてもいい
からさぁ.」
  「なっ,なにを言ってるの??出来ないわよ.そんなこと.」
「いいじゃん.これは君自身を開放するための命令だよ.しておいでよ.」
「会うまで毎日電話しておいでね。待ってるから。」
  「そんなこと言われても…。」
口調はやわらかな感じで,決して強い脅しをかけるような物言いではなかった.
けれど…自分の中で彼の言葉に逆らえないような何かを感じていた.
どうしてそう感じてしまうのか,自身にも理解できなかった.
彼の言葉が心に重くのしかかってた。
結局、土曜日が来るまで毎日彼に電話をして色々と話しをした。
散々迷った挙げ句、約束の場所に行く前に駅の公衆トイレでノーブラになり、Tバックに穿き替え
た。待ち合わせの場所には時間通りに着いた。

第2話

待ち合わせの場所には時間通りに着いた。
出掛けるギリギリまで何を着ていくべきか迷った。時間に遅れそうになり、やっと着てい
く洋服を決めた。
可能な限り、身体のラインが、胸の突起が浮き出ないものを選んだ。胸元で紺と白の模様
が入ったリボンを結ぶ濃紺のブラウス、紺と白のストライプの膝上10センチ程度のミニ
スカートだった。胸元をいかに隠すか、ブラを着けていない事がわからないに様に、そし
てなにより自分自身毅然とした態度が取れるように清楚で硬い感じのするものを選んだ。
私の持つ赤いバック。それを彼が見つけて声を掛けてくるはずであった。彼は本当に現れ
るのだろうか? 待ちぼうけ…。それに、どんな人? 嫌なタイプだったら…。自分では
どんな人物なのか想像できなかった。不安な気持ちで一杯だった。着くと直ぐに声を掛け
られた。
「玲子さん?よしのりです。はじめまして」
にこやかに微笑み掛ける彼がいた。
  「あっ。そうですけど。はじめまして。」
「待ちました?」
  「…いえ。今、着いたばかりです。」
「こんなところで立ち話も変だから場所を変えましょうよ?」
そう言うと彼はごく自然に私の右手を握って歩き始め、私は彼に従った。
不思議な感覚だった。初めて会った人にいきなり手を握られて、何も違和感を感じていな
かった。なぜだろう? どうして? 自分自身に問い掛けても答えは見つからなかった。
歩きながら彼を観察した。ごくごく平凡な人。この人があんな命令をしたの? そう思わ
ずにはいられなかった。そう思いながらも自分もそっか。心の中で苦笑いをしていた。彼
が向かったのは貿易センタービルの展望台。その日は幸いな事に人気がまばらであった。
「気が強いって言ってたけど、全然そういう風に見えないよ。」
  「そうですか?」
「そうさ。だって今、緊張しまくりって顔をしているぜ。気が強いどころかオロオロって
感じ。」
  「………」
「言われた通りにしてきたの?」
  「えっ……」
彼はいきなり繋いでいた手を放し、腕を絡ませてきた。
  「あっ…。」
すかさず背中を指でなぞる。
「ふぅ〜ん。えらいじゃん。言われた通りにノーブラだね。」
真っ赤になって俯くことしか出来なかった。
「じゃあさぁ、下もTバック?」
  「……」
「へぇ〜、答えられないんだ。ってことは、Tバックなんだね。」
彼はニヤリと笑った。いきなりお尻をゆっくりと撫でられた。恥かしくて堪らなかったけ
ど、何故か抵抗できなかった。次の瞬間、いきなりスカートの上からTバックを捕まれて、
一気に上に引き上げられた。
  「あっ…。嫌ぁ…。」甘い言葉が出てしまったことに自分自身、驚いた。身体に電流
が走った。同時に大事な部分に焼き鏝を押しつけられたような痛み、それでいて今迄経験
した事のないような甘美な言いようのない何かを感じた。身体は確実に反応を始めていた。
「Tバック、食い込んだんじゃないの?甘い声だしちゃってさぁ。」
彼はにんまり笑うと私の顔を覗き込んだ。先程の彼とは別人のようだった。私は、自分の
反応を見事に言い当てられて羞恥心を煽られてしまった。さらに彼の手はスカートの上か
らお尻を撫で回し始めた。その手は次第に無遠慮に撫で回し始める。あまりの無遠慮な触
り方に思わず悲鳴をあげてしまった。
  「お願いです。止めて下さい。」
「やっぱりさぁ、玲子ってM女だよね。」
「感度もいいじゃん!」
いつのまにか呼び捨てになっていた。知り合って間もない人に、こんな理不尽な振る舞い
をされているのに何も抵抗できない自分に驚いていた。痴漢に遭えば捕まえて間違いなく
警察に突き出す自分が…。自分自身の行動が理解できなかった。
「まあ、ベンチに座ろうよ。」
彼に促され人気のないベンチに腰を掛けた。
「足を開いてよ。」
  「えっ?」
「足を開け!って言ったの。」
既に肩に手を回されて胸を触られていた。夢のような、自分でないような不思議な状況だ
った。
  「こんなところで? そんなこと出来ない。誰かに見られちゃう。」
彼は耳元で囁く。
「早く!足を開けよ。自分で触られる体勢になるんだ。自分の意志で」
魔術に掛かったようだった。
夢遊病者のように彼の言葉に従って、わずかに足を開いたと思う。その瞬間、彼の指は開
いた足の中に素早く入り込み、自由に動きまわっていた。身体が自然に彼を受け入れてい
た。
「俺との間に衝立てのように置いてあるバックをどけろよ。」
「もっと俺が、玲子を自由に触る事が出来るようにどけろ。」
素直にバックを置き換えている自分がそこにいた。
彼は更に片手を胸にまで延ばしていた。力強く乳房を掴まれた。
  「ああっ!駄目。駄目よ。お願いです。やめてください。」
「玲子ぉ。こんなに乳首を勃起させ、硬くして、あそこもぬるぬるじゃん。」
「こんな状態でそんな言い訳が通じるわけないだろぉ。グチャグチャだぜ。」
「それにどこで触られてると思ってるわけ? 公衆の面前だぜ。」
「誰か人が来るかもね。ははっ。」
彼の放つ言葉は心の内側に染み込んでいった。
彼の顔が覆い被さってきた。いつのまにか唇が重ねあっていた。私は、ごくごく自然に彼
を受け入れていた。まるで恋人同士のように。
何故?? どうして逆らえないの? そう思う反面、もしかすると・・やっと自分が変わ
れるかも。期待する気持ちの方が大きかった。身体は素直に反応し、幾ら鎮めようと思っ
ても逆らうだけであった。素直にあそこは反応し、濡れていた。自分の意志でどうする事
も出来なかった。
私は散々彼に嬲られた。
言葉と指で……
彼はその場所から移動することを私に告げた。
  「あのぉ…お手洗いに寄りたいの。」
「駄目だよ。下着を直したいんでしょ。」
  「…お願い…。」
「駄目だよ。許さない。そのまま移動するよ。」
  「………」
「駄目だね。許可できないよ。下着も濡れて気持ち悪いんでしょ?」
何も言わなくても、彼には私の身体に何が起こっているのか把握できていた。身体は確実
に理性を裏切り反応し続けていた。媚肉から溢れ出てくるものを止める事など出来なかっ
た。
「こういう状況で自分の身体が反応して、感じて濡れたってことを自覚するんだ。これが
本当の玲子の姿さ。」
そこまで言われた私は何も言えなかった。彼は再び私の手を取り歩き出した。
電車の中は人影がまばらであった。
彼は肩を抱きながら再びスカートの前面の上から改めてTバックを引き上げた。
  {きゃぁ! あっ!」
再び引き上げられた事により、Tバックはより一層媚肉に食い込んだ。敏感な部分にまで
きっちりと。
「んっ?なに、色っぽい声出してるんだよ。感じてるわけぇ?」
  「あっ…お願いです。トイレに行きたいんです。」
  「駅に着いたらトイレに行かせて下さい。お願いです。」
「駄目だね。許さない。」
彼の目を見て…抵抗できない自分を悟った。
そのままTバックを食い込まされて歩くことを促された。媚肉からさらに愛液は溢れ出し、
太股を伝い落ちている事がはっきりと自覚できた。止めたい! 必死で堪えようと思って
も身体は理性を裏切った。一歩、歩く度に敏感な部分に食い込みは増し、燃えるような熱
さと痛み、同時に押さえ切れない快感を味わっていた。思考能力は止まり、ただ快感に身
を任せ始めていた。
「腰をくねらせて歩いているぜ。恥かしくないわけ?」
「卑らしく腰を振って歩いて淫乱さが滲み出てるぜ。」
私は、まるで夢遊病者のように彼の後に従っていたと思う。
向かったのは鴬谷。

第3話

鴬谷の駅から直ぐ近くのホテルに入った。
彼は当たり前のように部屋を選び、素直に従う私がいた。
エレベーターに乗り込む。乗り込むや否やブラウスのリボンを解かれ、ボタンを外し始め
た。広がった胸元に、当然のように彼の手は滑り込み、胸を揉み始めた。乳首は敏感に反
応し、硬く尖り始めた。
重要な仕事がある朝は、必ずスーツを着て出勤した。着るもの一つで自分を毅然とさせ、
奮い立たせる事が出来るから……。でも、今日はどんな服を身に着けようと、きっと関
係なかった。何の効果も無く、着衣は乱されていく。

  「お願い。止めてください。誰かに見られたら。」
「いいじゃん。ここはそういうことをする場所なんだぜ。誰も不思議には思わないぜ。」
エレベーターを降り、部屋に入る間も休みなく責めは続いた。既にやっと歩ける状態だっ
た。休みなく押し寄せる快感に逆らえなかった。
「君って、やっぱりMだね。M体質なんだよ。自分でも分かっているんでしょ?」
  「……そんなことないです…ぅ」
「じゃあさぁ、確認しようよ。Mじゃないんでしょ?」
  「でもぉ…。」
彼から逃れられない自分がいた。既に彼の腕に絡め取られて…。彼の顔が覆い被さり、唇
をむさぼられた。耳元に唇を這わせ、囁いた。
「玲子。感じてみろよ。感じさせてやるよ。壊れるぐらい。」
「今迄と違う女に変えてやる。」
私の奥深くに隠された扉が叩かれた。耳元に絶え間なく囁かれる言葉。
彼の手で上半身はすっかり乱され、胸は露出していた。すでに硬くなった乳首に彼は舌を
這わせ、胸を揉みしだく。時々、乳首に歯を当て、噛む。下半身も乱され、指は遠慮なく
太股の奥を狙ってくる。あそれでも残っていた理性が太股を硬く閉じるように努力する。
けれど、乳首を噛まれた瞬間力が抜けた。彼はそれを見逃さなかった。強い抵抗を始める
と再び乳首を噛まれた。そして、私の力が抜ける。彼はそれを繰り返し、ついには太股の
奥に指を進入してきた。既にそれを受け入れたがってる自分がいた。容赦なく肉裂を嬲ら
れた。身体は確実に、今迄経験した事のない感覚を味わい始めていた。そして、自分自身
の変化に戸惑っていた。
  「ひぃ…やめてぇ…。許して下さい。」
「見ろよ。もぉ、あそこはドロドロだぜぇ。(笑)」
「こんなに感じているくせに。何がやめて下さいだよ。グチャクチャもいいところだぜ。」
「身体は素直なのに口は素直じゃないなぁ。まあ、そう言っていられるのも今のうちだけ
だよ。」
「今に自分の口からおねだりをするようになるさ。」
  「そんなことありません。やめてください!」
しかし、身体は言葉を裏切っていた。彼の容赦ない責めに身体は蕩け始めていた。秘部は
熱く痛いほどに膨らみ始め、熱さを押える為のものを持ち望んでいた。しかし、必死で理
性を呼び戻そうとする自分がいた。そして理性を封じ込めようとする自分もいた。
まだ優等生ぶるの? あなた馬鹿じゃない! ここまで何の為に来たのよ。日常のあなた
のことを何も知らない男なのよ。これが、きっと壊れる最後のチャンスよ。無駄にするの。
もう一人の自分が叫びだす。
決断できないまま自問自答を繰り返し、僅かな抵抗をしていた。
その時、彼が投げかけた言葉。
「あんまり抵抗するとさぁ、マジに縛るぜ。」
その言葉に、心の奥の扉が開き始めた。彼の目は雄の目だった。長い間持ち望んでいた、
自分より強いと思える雄の目だった。待ち焦がれていた。
縛ってよ。縛って。縛れるものなら…お願い。縛って。私を抵抗できないようにして。そ
して壊して。心が悲鳴をあげた。私は彼に自由を奪われたくて、どうしても奪われたくて
抵抗を続けた。心の中で彼に縛られる事を何度も祈りながら。自分が認めることが出来る
男にだけ、組み伏せられたかった。雄の力で。
「決めた。マジに縛る。こんな場所だから浴衣の紐しかないけど。」
「玲子を開放する為に縛ってやるよ。」
彼に、生まれて始めて後ろ手に手を縛られた。ホッとしている自分がいた。これで自由に
なれる。やっと開放される。自分の理性がプライドが邪魔をしない、本当の自分が出せる。
言葉と身体は裏腹だった。
  「いやぁ…やめてぇ…。許して下さい。」
四つん這いで這っている自分がいた。手を使えず、なす術の無い惨めな格好で晒し者にな
っていた。言葉では許しを請うても、身体は責められる事を望んでいた。スカートは取り
上げられ、既に全裸の状態であった。秘部を彼の前に晒した。いきなり指を入れられ、責
められた。
「聞こえるだろぉ?グチョグチョという音が。おまえのあそこの音だぜ。」
「男を欲しがって、入れて貰いたくて騒いでる音だぜ。」
部屋の中に響き渡るグチョグチョという音。自分自身が立てている音を聞く事は耐え切れ
なかった。しかし、許されるはずもなく、容赦なく、わざと音をたてられ、ゆっくりとい
かされることなく責められ続けた。彼は執拗に音を立てて私に聞かせた。ついには、敏感
な部分は剥き出しにされ、爪を立てられた。
  「きゃぁああ!あっぅ。はぁ…ぁ…ぅ。お願い。許して下さい。」
「駄目だね。」
  「おかしくなります…。ぁ…ぁっ…。」
容赦ない、けれどいかされることなく彼の責めは続けられた。縛られている事によって自
由を奪われ、抵抗することもできなくなり責めを感受していた。
今迄、いつも、誰とSEXしても快感を最後までいった事はなかった。快感を受け止めた
い!そう思ってもいつも理性が邪魔をした。快感から身体は逃げ、快感を演技し続けてき
た。そうすることしか出来なかった。
感じる事を恥かしい事だと思ってきた。我を忘れる、そんなこと出来るはずが無かった。
いった素振りを見破れずに満足する男達。"馬鹿な男"そう思ってきた。
馬鹿じゃない!満足しているか、してないかを見破る事も出来ないなんて。女がいったか、
いかないかはわかるですって? ばぁーか! そんなもん見破れるわけないでしょ。
子宮が締め付ける? そんなもの演技出来るのよ。少しぐらいの締め付けなんか自分で意
識すればどうにでもなるの。幸せな人ね。私の身体も心も貴方の自由になんか出来ないの
よ。所詮、男なんて馬鹿な生き物。
そう思い続けてきた。負けたくない、男には。男の自由になんかならない。
そう思う事は屈折してる…自分が一番わかっていた。何故、好きな男に対してもそう思
うの?わからない。でも、そう思って生きていかなければ自分が保てない。自分を見失っ
てしまう。
いきなり目の前に彼の指が差し出された。彼は私にその指を見る事を強要した。ゆっくり
指は広げられた。広げられた指からは、愛液が糸を引いていた。屈辱的だった。

第4話

「見ろよ玲子。これがお前の身体の素直な反応さ。」
「口ではどんなに抵抗の言葉を言おうとも、お前の身体は正直に反応する。」
  「いやぁああああああ!見たくない。」
「見ろよ!自分の身体の反応を!」
髪の毛を捕まれ、俯いた顔を引き起こされた。目の前に突き出された指を見る事を強要さ
れた。目を開けてみる事など出来るわけが無かった。思わず視線をそらした。その瞬間、
顔を出し始めた秘唇に爪を立てられた。
  「きゃぁっ!」
「ほら、見るんだ。自分の愛液にまみれた指を。」
「自分で認めるんだ。淫乱な自分を。」
「認めてしまえば楽になれる。」
  「やめてぇ……。やめてください。許して。」
彼は顎に手を伸ばし、俯いている私の顔を上げさせ覗き込む。ゆっくりと耳元で淫靡な声
で囁く。
「玲子。今から感じさせてやるよ。好きなだけね。」
「ただし、クリト○○だけでね。何度でも感じさせてやるよ。」
  「ぁぁっ…ん…。」
いきなり唇を塞がれる。ゆっくり、秘唇をなぞり始める。今し方、爪を立てられた事によ
って敏感さを増し、剥き出しにされた秘唇を突っつき、指で転がし始める。身体は意志に
逆らいジンジンと熱さを増し、愛液がとろとろと流れ出す。
「感じてるよね。大洪水だぜ。いきたくて堪らなくなるさ。」
「だが、指でクリト○○を嬲るだけだ。決していかしてなんかやらないよ。」
「イク寸前で止めてやるよ。ふふふっ。」
「玲子が自分から望まない限りね。」
「いかせて欲しいなら、自分からお願いするんだ。」
愛液で濡れた指で、私の唇をゆっくりなぞる。愛液が充分、唇を濡らすように。
「この口でお願いするんだ。どう?自分の愛液の口紅だぜ」
「淫乱な言葉を口にするお口にぴったりな口紅だよねぇ。」
彼は残酷に言い放つと、笑みを口元に浮かべた。
「自分の中に入れて欲しいとお願いするまで何度でもクリト○○を嬲ってあげる。」
「すでに愛液で下のお口もグチョグチョだぜ。」
  「い…や…ぁ…。そんなこと…。」
  「ぁっ…。いえません。…ぅっ…。」
今迄、経験した事の無い辱めを受けながら徐々に昇ってくる快感を防ぐ事などできる筈も
無かった。
その言葉通り、彼の責めは何度でも続いた。けれど、決していかせてはくれなかった。甘
美な波が広がり始めていた。しかし、昇り詰める寸前で指は止められ、甘美な波が引き始
める。引き始めた波を引き戻すように秘唇に当てられた指が再び動き出す。そして耳元で
囁かれる。
「いかせてなんかやらないよ。ふふっ。」
「何度でも同じ事を繰り返してやるよ。いく寸前で止めてやる。」
「いきたくて仕方ないだろ?」
  「あぁ…もうだめぇ…。許して下さい。」
  「はっぁ……お願いです。いかせて下さい。」
  「もぉ…駄目です。」
思わず口走っていた。強要されたからではなく、身体が発した言葉だった。
彼は勝ち誇った顔で、耳元への囁きを続ける。
「どうして欲しいか、お願いしてみな。」
  「はぁ…ぁあ…。いかせて下さい。」
「どうやっていかせてほしいわけ?」
  「ぁっ、どうでもいいです。どうでもいいからお願いです。いかせて下さい。」
「駄目駄目!具体的にどうして欲しいかお願いするんだ。」
  「いやぁ……。もぉ…駄目です。」
「俺の言う通りに言うんだ。」
「お願いです。玲子のぷっくり膨らんで疼いているクリト○○を嬲っていかせて下さい。
って。」
  「ぁっ…。」
「早く、お願いしろよ。でないと絶対いかせないぜ。このままの状態を続けるよ。」
  「いやぁ…ぁ…。そっ…それだけは…嫌ですぅ」
  「ぁ…っ…。おね…がぃですぅ…。玲子の…クリト○○を嬲ってぇ…。」
「駄目だね。」
  「はぁっ…。どうして……。」
「今の自分のクリト○○がどういう状態か言ってないだろ。」
「ぷっくり膨らんで疼いているって言葉が抜けてるだろ?言えよ!」
  「ぁぁ…そんなこと言わずに…。ひぃいいぃぃぃぃぃぃ!」
「駄目だね。」
  「…ぁ…っ…。ぉねがいですぅ……。れっ…れいこのぉ、ぷっ…ぷっくりぃ膨らんでいる、
ぅぅうずいているクリト○○を嬲って下さい!」
  「ぁあああっ……」
「ふふっ。よぉーし、いい子だ。いかせてやるよ。」
  「ああぁっ、いぃ…。たまらない…。」
  「もぉ…だめですぅ…。いっちゃう。だめぇぇぇぇぇ。」
  「あっ……いぃぃ……」
生まれてイクことを知った。あられもない言葉を発し、突っ伏した。
身体が理性を裏切った。確実に。彼のクリト○○への責めは続けられた。
何度でも繰り返し……。

第5話

  「あん…あっ…ふぅん…。」
  「ぁぁ…ん…。駄目ぇ!あっ…いっちゃう。やめて!」
  「きゃあぁ……っ。」
「またいったの。ふふふっ。」
「淫乱な身体だよね。何度いってもいき足りないんじゃないの?」
既に彼の手によって何度も昇りつめていた。イクたびに足に力が入り、ガクガクと震え、
何度、突っ張ったことか。それでも彼の手によって昇りつめることを身体は嫌がっていな
かった。
  「ぁ…ぁ…っ。お願いです。休ませて下さい。その手を止めて下さい。」
「駄目だね。まだいき足りないでしょ?」
「クリト○○だけでは満足できないんじゃないの?」
  「ぁ…っ…はぁ…。いやぁ……。」
彼は、指をいきなり潤みきった媚肉の中に一本だけで入れた。しかし、動かさずただ入れ
るだけ。
  「えっ!なに?」
「別に入れただけさ。何にもしてないよ。」
「何かしてほしいわけ?動かしてほしいの?  」
  「い…いやぁ…。ほしくなんかありません。」
彼はニヤッと笑った。指を入れただけで動かす事はなかった。しかしクリト○○への責め
は続けられた。
「そろそろ動かしてほしい?」
  「あ…あっ。抜いてぇ…。お願いです。抜いて下さい。」
「身体はこんなに素直なのに、まだ口は素直にならないわけ?」
「ほらぁ、おま○こは大洪水を起こしてるぜ?」
  「ひっ…ひっ……ひどい!!」
「欲しいくせに。無理は身体に毒だよ。いや、おま○こには毒かもね。」
彼は卑らしくニヤけた笑いを投げかける。
入れられただけで責めを受けない媚肉が焦れ始めていた。彼は私がそういう状態であるこ
とを十分知っていた。知った上での責めだった。
  何故? どうして? 戸惑いながらも身体は求めてる。
欲しい。自分から欲しいと願った。中に入っている指を動かして欲しい。掻き回して! メ
チャクチャに掻き回して! 身体が、子宮が彼を欲しがっていた。
「玲子ちゃん。指をそんなに締めつけないでよ。ふふっ。」
「中がひくついているぜ。指を掻き回して欲しいんだろ?」
「遠慮するなよ。お願いしてみろよ。」
  「お願いです。どうか部屋を暗くして下さい。お願いです。」
「だめだよぉ!」
   「お願いです。恥かしいんです。」
   「明かりを、どうか明かりを暗くして下さい」
「駄目だね。玲子の卑らしく乱れる姿を見てやるよ。」
   「いやぁああああ!」
「駄目なものは駄目さ。」
「さぁ、早くお願いしろよ。」
自分の媚肉が彼の指を締め付けているのがわかる。身体が彼を欲した。
  「あっ…。お願いです。もぉ、駄目です。」 
「何が駄目なの?」
「何がどう駄目なのさ?詳しく説明してよ。」
  「そっ、そ…ん…なぁ……。」
  「そんなことを言わずに……お願いします。」
「何をどうして欲しいか、お願いしてみな。」
   「ぁっ……だっ……だ…だからぁ…お願いです。いかせて下さい。」
「今だってクリト○○で十分いってるでしょ。いきたいならそれでいいじゃん。」
  「そっ、そうじゃなくて…そうじゃなくて……」
「そうじゃなくて何?」
「さっきはどうお願いしたんだっけぇ? 思い出してごらんよ。」
「どうやっていかせてほしいわけ?」
  「あっ……。嫌です。そんなこと言えません。」
「言えなきゃ仕方ないよね。どうしてほしいか俺には分からないもん。」
彼は意地悪く、にやけた顔を私に向ける。
「具体的にさぁ、どこをどうしてほしいのか言ってもらわなくちゃ。」
「言うまで何もしてやらないよ。」
「駄目だね!具体的にどうして欲しいかお願いするんだ。」
  「ひどい…。どっ、どうして…どうして私にこんなことをするの?」
「ひどいこと?心外だなぁ。」
「好きなんだろぉ?苛められるのが?」
媚肉は熱く焦がれ、身体は火照っていた。どうしようもなく身体は自然にもじもじと動い
ている。彼はわざとくびれた脇腹、盛り上がったヒップを撫でる。
  「お願い!もぉ…早く…早くどうにかしてぇ。」
「どうしてほしいのかなぁ?言ってごらん?楽になれるよ。」
  「あぁ…。このままじゃ駄目なんです。わかってるんでしょ?」
  「お願いです。ほしいんです。」
「だからさぁ、何処に何がほしいわけ?」
「俺の言う通りにお願いするんだ。」
「どうか、玲子のおち○ぽが欲しくてヨダレを垂れ流しているおま○こに、おち○ぽを嵌
めて下さい。」
「ほらぁ、言ってみろよ。」
  「いあやぁああああ!そっ、そっんなぁ。そんなこと言えません。」
「じゃあ、ずっとこのままだね。」
  「お願いです…。許して下さい。」
「駄目だね。言えよ!」
  「ぅ…ぅっっ…。どうか…どうか…玲子のお…ぉ…。」
「おち○ぽが欲しくてだろ?ささっと言えよ。」
  「おち○ぽが欲しくてぇ…よっ…よだれを垂れ流しているお…おっおっおま○こに…
…。」
「さっさと言えよ。おち○ぽを嵌めて下さいだろぉ?」
  「ぅっ…ぅっ…ぅぅぅ…おち○ぽを嵌めて下さい。」
「まあ、最初だからそれぐらいで許してやるよ。但し、これからはそういうわけにはいか
ないからね。」
「今回だけは仕方ない、嵌めてやるよ。」
彼は私をうつ伏せに転がした。手を縛られ、身体を支えることもできず、お尻だけを突き
出したような死ぬほど恥ずかしいポーズをとらせた。
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