第4話


私は仕方なく、その兄貴分の背中にタオルを当てました。 片手で胸をおおうように隠し、体操座りのように体を丸めることで、あそこを 見えないように隠しました。 あっというまに、私の回りにギャラリーが集まります。 後ろから私の方を囲み、口々に卑猥なことを言いました。 「綺麗な背中だよねぇ」 「お尻の割れ目も上の方だけ見えて、すごくかわいいよ〜」 「オッパイもはしっこしか見えてないところが、またいいよねぇ」 私はかなしくて、涙が出てきました。 「おら、もっと力入れてやんなよ!」 女性の声におどされるように、私は右手でタオルを持ち、男性の背中をこすり ます。 「おらっ! てめえやる気あるのか!」 女性は怒ります。 すると洗っている兄貴分は、にこやかに言いました。 「まぁまぁ。ここらへんで許してやろうか」 私は驚きます。 回りの男たちから、大きな声があがりました。 「マ、マジですか、兄貴!?」 「カンベンしてくださいよー!」 「これじゃ生殺しっすよ!」 兄貴分は一喝します。 「やかましい! とっとと部屋に帰れ!」 私と彼は許してもらえたと安心しました。 すると兄貴分は、そこにいた女性4人に言いました。 「あとはお前らに任せるよ」 私の気持ちに、悪寒が走ります。 「なるほど…♪」 すると女性は私の元に来て、言いました。 「じゃあ、あとは私たちと一緒にお風呂回ろうよ♪」 「まさか、断らないよね?」 もちろん、断れるわけがありませんでした。 観衆が去った後、私は女性4人のうち2人に連れられて、サウナの入り口まで 来させられました。 ここは温泉がたくさんあるレジャースポットのようなものですので、サウナも いくつかあるのです。 彼はもう2人の女性によって、別の場所に連れられていきました。 私は不安が走ります。 私の左右にいる二人の女性は、バスタオル巻き。 しかし私はハンドタオル一枚でここまで歩かされました。 でもハンドタオルでももらえるだけ、マシなのかもしれません。 サウナの扉を開けると、そこには20人くらいのたくさんの男の子がいました。 あまり広くないので、席は彼らでいっぱいです。 顔や体つきからして、男子中学生たちのようです。 おそらく修学旅行の子たちでしょうか。 全員、腰にタオルを巻いています。中にはほとんど隠していない子もいました。 彼らがほとんど占拠していたので、他の女性たちは遠慮して入れないようでし た。 すると私を連れてきた女性が言いました。 「さぁ、入るわよ」 私はその言葉を少しだけ予想していましたが、それでも信じられませんでした。 「ほ、本当…ですか…?」 「冗談だと思う?」 そのセリフに、私は言葉を失います。 「入ってイイ?」 女性の一人はドアを開け、中学生たちに聞きました。 全員、目をまるくして見てきました。 おそらく混浴と言うことで少しだけ期待してきたとは思いますが、ほとんど男 性だけで落胆していたことでしょう。 私たちを見て、まさに子供たちの目の色が変わりました。 バスタオルを体に巻いていても、ほとんどセミヌードの女性です。 おそらく女性経験のない彼らには、とても強い刺激のはずです。 「うふふ。かわいいのが見えてるよ?」 その言葉に我に返った学生さんは、あわててタオルを腰に当てました。 そして二人に強引に連れられて、私が入ってきたとき、彼らの目が明らかに驚 愕の表情に変わりました。 私は小さく、薄い黄色のハンドタオル一枚で、胸とアソコだけを隠しながら入っ てきたのですから。 片手で前でタオルをつかみ、もう片手でお尻を隠します。 しかし隠せる範囲は狭く、彼らの目が、痛いほど私のお尻に突き刺さるのを感 じました。 「なんか混んでるから、立ってないとダメみたいよ」 その言葉に彼らは席を空けようとしましたが、彼女はそれを制して言いました。 「立って、待ってようか」 そう言われては、仕方ありません。 私はまるで見せ物のように、座っている彼らの前で、ハンドタオル一枚で立た されました。 前はハンドタオル、後ろはお尻を必死に押さえています。 この体勢は非常につらく、だらだらと汗が出てきました。 そしてそれ以上に、少年たちの前でこんな格好で立ちつくす恥ずかしさで、体 が熱くなってきました。 「汗ですけてるよ〜?」 その言葉に、彼らの目が、さらに一斉に私の体に注がれます。 私は恥ずかしさで涙が出てきました。 そんなときです。 彼女は言いました。 「ね、この子、そろそろ限界だから、座らせてあげてよ」 すると彼らは、すぐに席を空けました。 うぬぼれるつもりはないのですが、たぶん誰もが、自分の隣に座って欲しかっ たのかもしれません。 「クスクス…。ひとつでいいのよ。その二段目なんか、どう?」 「ほら、あけてくれたんだから、座りなよ。ねぇ?」 二人の女性に強制的に言われては、仕方ありません。 サウナは3段になっていて、まさにその中央の段に座らされました。 一段目を上がるとき、とにかく見えないように、気をつけたつもりでした。 しかしハンドタオルのすきまに、一段目の子の視線が突き刺さります。 そして片足だけを一段目にかけたときです。 女性の一人が、私のハンドタオルの下の方をつかみました。 「えっ?」 その瞬間です。彼女はそのタオルを、スカートをめくるようにつかみあげたの です。 「キャーッ!」 私はあわてて、片手で胸部分を、そしてもう一方の手で、その部分をおさえま した。 もちろんお尻は丸出しです。 「おーー!」 一段目の子たちの目が、一斉にお尻に注がれます。 私はすぐにへたりこんでしまいました。 「ちょっとぉ。何でこんな子たちの前で、恥ずかしいことしてるのぉ?」 「早く座りなよ。あけてくれたんだから」 それはまだ、序曲に過ぎませんでした。 (つづく)


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