第17話


「じゃあ、みんなよく見て? 性教育の教材だからね」 「こんな風に体を提供してくれる大人なんて、今、いないよ?」 「教育熱心だねぇ」 女性たちの心ない言葉が響きます。 「う、うう…。ううう…」 先に声を上げたのは、彼の方でした。 「あら? なに泣いてんの?」 彼の隣にいるマリという生徒は、ニヤニヤと笑いながら言いました。 「そんなに隠してほしいの? このちっさいチンポ」 彼女はそれを指で弾きました。 「あぐっ!」 彼は思わず腰を引きます。 ふたたび笑い声が湧き上がりました。 そのときです。ヤクザの女性が言いました。 「でもねー? このひと、まだ隠してるよね?」 「???」 「まだ脱いでないものがあるもん。全裸じゃないよねー?」 私には意味が分かりません。 すると生徒たちも不思議がっていましたが、すぐに一人が声を上げました。 「むけー!」 その言葉にハッとしたかのうに、他の生徒も言います。 「むーけー!」 「むいちゃえー!」 それはあっというまに「むーけー!」というコールになりました。 「ほら、じゃあ期待に応えちゃわないと」 ヤクザの女性は、私たちのとなりにいる、さきほどオタマを持っていた少女たちに言いました。 「はーい♪」 「じゃ、失礼しまーす!」 「サウナでは全裸にならないと、健康にも悪いそうですよ」 二人とも顔は黒く、唇は厚く、お世辞にも美人とは言えません。 彼女たちは勝手なことをいいながら、彼の左右にしゃがみ込みました。 彼は声を出すこともできず、ただ手を頭の上に組み、動きませんでした。 すると女性たちはニコニコとしながら、左右から彼のおちんちんに手を掛けました。 「むーけー!」「むーけー!」 声は一段と大きくなります。 すると女性たちは、左右から皮に掛けた手を引っ張り、亀頭を露出させました。 にゅるん。 そんな音が聞こえたような気がしました。 「きゃーーーー! ピンクー!」 「かっわいーー!」 「写真とらないとー!」 生徒たちの声が一段と大きくなります。 「これは固定しておかないと、ねぇ」 「誰か、バンドエード持ってない?」 それに答えるように、生徒の一人が、手元のポーチからバンドエードを出しました。 「じゃ、固定しましょう」 女性はそう言うと、セロハンテープで皮を止め、完全に亀頭が露出したままにさせました。 「キャーーー!」 「こんなのはじめてみたーー!」 すると女性は笑います。 「うふふふ。矯正手術よ」 「すごいー!」 「じゃ、そのままでちょっとしたゲームをしてもらいましょうか」 「え?」 私たちは驚きます。 すると女性は、左右の女の子に耳打ちしました。 二人はそれを聞いて、ニヤリと笑います。 すると私の隣にいる、リナという生徒が言いました。 「ねーねー、隠してほしいですか?」 「え?」 「だからー。隠してほしいかって聞いてるんですよー」 私はそう聞かれて、当然こう答えます。 「あ、はい…」 「じゃあね…」 するとリナは私のあそこの前に、オタマをあてました。 彼の隣にいるマリという生徒もまねをするかのように、彼の前にオタマを当てます。 私たちは驚きます。 その瞬間です。 「マンあっげて!?」 その声と共に、リナは私のオタマを5センチほど上にあげました。 もちろん、丸見えになります。 「キャー!」 「また見ちゃったー!」 生徒たちから声があがります。 「いやっ! やだあああああああ!」 「ほら、あなたも背伸びしないと隠れないよ?」 私はその言葉に、唇を噛みながらつま先立ちになりました。 ギリギリ、隠れる状態です。 「チン下げるっ!」 その言葉に今度は、彼のオタマを下げました。 もちろん丸見えです。 「やーだー! やっぱりピンクー!」 「ちっせーーー!」 「皮むけてると、全部見えてるから、よりはっずかしーよねー!」 女性たちの声が響きます。 「わっ!」 彼はあわてて、腰を落とします。 「マン下っげる!」 今度は私の前のオタマが下に下げられます。 私はあわてて中腰になります。 しかしそれこそ、蹲踞のような姿勢になりました。 「チン下げて!?」 彼の前のオタマはさらに下がります。 彼はさらに腰の低い蹲踞の姿勢になりました。 「マン上げて!」 私のオタマが、上げられます。 私はあわてて立ち上がりました。 「チン上げ……ないっ!」 彼のオタマが上げられかけ、そして再び下がりました。 フェイントです。 しかし彼は、立ち上がってしまいました。 また歓声が響きます。 「ほーら、みんな!? これが露出狂よ!?」 「だって自分から出したんだもんねぇ」 「じゃ、ちょっと休んでていいよ。負けたから」 するとマリは彼のあそこを、オタマで捧げ持ちました。 「ほら、さらし首」 「あはははは! 亀頭がさらし首!?」 女性たちはさらに盛り上がります。 「じゃ、続けましょう!」 「マン下げ…ないで、マン上げ…ない!」 それは高度なフェイントでした。 私はやはり引っかかり、思い切り腰を落としてしまいました。 「キャー! すっげー!」 「丸見えー!」 「おっぴろげー!」 生徒たちはまた大声を上げます。 「やあああああっ!」 私はつい、声を出しました。 「まぁ、よく頑張ったんじゃない?」 「そうね。いずれにしても負けは彼ね」 そして女性は、私たちにたいして、ニヤッと微笑んだのです。 (つづく)


第18話へ