肉欲の罠(修正版)

沼 隆

おことわり この作品は、フィクションです。
      登場する人名、地名、団体名は、
      実在するものと一切関係がありません。

登場人物  上原真樹夫 〈蘭香商事〉社員
      上原 彩美 真樹夫の妻
      小菅 一樹 〈蘭香商事〉課長
      小菅 志穂 一樹の妻
        *   *   *
      牟田 拓也 AV男優
      倉橋 亜美 AV女優〈沢井みあ〉
      ほしの麗奈 AV女優
      柿沼ルミ子 〈カイカン企画〉社長


(1) スワッピング

町田のラブホテル〈ほっと・プッシー〉
ここは、スワッピング用の部屋がある。
ちょっと広めの部屋で、
ダブルベッドが2つ、並んでいる。
薄いレース地のカーテンで、目隠しが出来る。
いきなり、というのがためらわれる向きには、
最初はカーテンで隠すのもいいだろう。
上原真樹夫、彩美夫婦
小菅一樹、志穂夫婦が、
ここを利用するのは、今回が2回目だ。
前回は、どこかぎこちないところがあった。
セックスしているところを、見られるのだ。
やはり、慣れることが、大切なのだ。
慣れたら、リラックスして楽しめる。

真樹夫は、小菅の妻の股間に顔を埋めて、
あふれ出してくる淫水を、
じゅるじゅる音を立ててすすっている。
「おいしいよ、志穂さんの、マンコ汁」
「ああん・・・真樹夫さんったらぁ」
「おれの、チンポ汁も、なめてくれよ」
「いいよ」
こうして、真樹夫と志穂は、
シックスナインの態勢になって、
互いの性器をすわぶる。
「志穂さん、チンポしゃぶり、じょうずだっ」
「キモチ、いい?」
「ああ、すごく、キモチ、いい」
「もっと、気持ちよく、してあげる」
しゅぼっ
志穂は、口を大きく開いて、真樹夫の肉棒をくわえ込む。
玉袋を揉むのも、絶妙の指使いだ。
真樹夫が、志穂の黒ずんだおマンコから、隣のベッドに視線をやると、
小菅一樹が、真樹夫の妻、彩美とつながって、腰を振っている。
志穂のマンコに視線を戻す。
「志穂さん、マン毛、処理してるんだ」
「だってぇ、真樹夫さんが見るんだもん」
小柄な志穂のからだを、真樹夫は抱き起こし、
胸を押しつけながら、唇を吸う。
「あふぅ」
「チンポ、いれたいよ」
「いれて」
「ああ、ズブッて、いれるよ」
「うん、ここに、マンコに、いれて」
小菅と、彩美をあおるように、言葉にする。
真樹夫は、体を起こして、志穂に重なっていく。
「志穂さんの、おマンコ、チンポ、ほしがってる?」
「うん、欲しいって」
「ホントだ、よだれ、垂らしてる」
「真樹夫さんたら、もうっ」
「ほら、ぬちゅぬちゅ、言ってる」
志穂は、両膝をたてて、真樹夫を迎え入れる態勢をとる。
「あたしの、おマンコ、かわいがって」
「ウン、いやらしい、マンコを、気持ちよくしてあげるよ」
「ああんんん」
志穂は、乳房がDカップなのだが、
身長が150センチ足らず、
ぽっちゃりとした童顔で、
腕に抱きかかえていると、
少女とセックスをしている気分になる。
小菅課長は、そこが気に入ったのかもしれない。
真樹夫も、なかなか悪くない、と思っている。
しかも、志穂の性器は、使い込まれていて、
しまり具合も、腰の使い方も、申し分がないのだった。
志穂は、スワッピングを楽しんでいた。
自分の言葉が、隣のベッドで彩美とつながっている夫を、
刺激している。
AVを見て、研究しているのか、それとも、自然にそうなるのか。

(2) 麗奈

ほしの麗奈のマンションである。
シャワーを浴びて、からだを拭きながら、
バスルームから出ると、
拓也が携帯を切るところだった。
「いまの電話、誰から?」
「ん?」
拓也は、口ごもった。
麗奈は、いっそうきつい声で、言った。
「だれよ、元カノ?」
「あ、ああ」
「まだ、つきあってんの?」
「つきあって、ねぇけど」
「つきあってんじゃん、なんだよ、いまの電話」
「相談が、あるって言うから」
「なんの、相談?」
「いや・・・・・・」
「エッチの相談じゃ、ないよね!」
「ちがうよ、麗奈、そんなんじゃねぇよ」
「あたし、だましたら、承知しないからね」
「そんなこと、しねぇよ」
「チンポ、出しなさいよ」
「え?」
「チンポ、出しなって」
「なに、すんだよ」
「きょう、休みだったんだろ?」
「うん」
「よそで、エッチ、してないよね」
「してないよ」
「こっちに、来なよ」
「なんだよ」
「チンポ、調べたら、わかるんだから」
「してねぇよ」
「へぇ、見せられないんだ・・・・・・拓也、だれとしたの?」
「だからぁ」
「社長?」
「・・・・・・」
「ルミ子のやつと、したの?」
「・・・・・・」
「なんか、変だと思った・・・・・・」
「なにが!」
「拓也、おまえ、マンコくさいんだよ」
「なにいってるんだよぉ」
「この部屋に入ってきたとき、感じたんだ、マンコのにおい」
「おまえのにおいだろうっ」
「すわれよっ」
ほしの麗奈に突き飛ばされて、
拓也は麗奈のベッドに、仰向けにひっくり返った。

麗奈の相手役として、拓也は1本出演していた。
《麗奈 極太チ●ポでイキまくり》
撮影が終わると、麗奈は拓也を自分のマンションに誘い、
お仕事と無関係にセックスをして、一夜を明かした。
そして、その日から、麗奈は拓也に嫉妬するようになった。
拓也がAVの仕事をした日は、拓也を部屋に呼んで、
ののしり、つかみかかり、のしかかり、
疲れた拓也のチンポをフェラでいきり立たせると、
何度もイッて、満たされるまで、
拓也を責め立てた。
拓也は、最初は、いい気になっていた。
麗奈を嫉妬させて、楽しんでいた。
麗奈も仕事を続けている。
〈男優〉たちとセックスをして帰ってくる。
何人もの〈男優〉と、Dキスをして、
チンポをしゃぶって、
マンコ、なめさせて、
ザーメンなめて、
そして本番をして帰ってくる。
けれど、拓也は何とも思っていない。
麗奈は、そのことに気がついてもいた。
カリスマ男優、河東鷹と中出しセックスを撮影した日も、
拓也は、何も言わなかった。
安全日だとわかっているから、
鷹の精液が襞の間に残ったマンコに、
拓也も中出しをしたのだった。
ふたりが、一緒に暮らし始めたことは、内緒だった。
社長の柿沼ルミ子にも、話していない。
知ったら、ルミ子はかんかんに怒りだすかもしれない。

「うぜえんだよっ」
拓也が、突然叫んだ。
「おめぇ、うぜえんだよ」
「な、なんだよ」
拓也の反撃に、麗奈はうろたえた。
「女とハメるのが、おれの仕事だ、
 いちいち、ぶうたれるんじゃねえよ」
拓也は、ベッドから立ち上がる。
「な、なんだよ、拓也」
「どけっ」
立ちはだかる麗奈を突き飛ばして、拓也は玄関に向かう。
「ま、まってよ、拓也」
呼び止める麗奈の声に、振り向きもしないで、
スニーカーに足を入れる。
後ろから抱きついてきた麗奈は、
「ごめん、拓也、ごめん、怒らないでよ」
「やめろ」
「行かないでよ、行っちゃ、いやだよ」
「うぜぇ女、嫌いなんだよ」
バン!
おもいっきり激しく、ドアを後ろ手に閉めて、
拓也はエレベーターを使わず、非常階段を駆け下りた。
携帯が鳴る。
麗奈だ。
拓也は、無視して、バイクをスタートさせた。

(3) 彩美

「楽しんだ?」
「うん・・・・・まあね」
「なんだよ」
「小菅さん、あんまり、うまくないって言うか・・・・・・」
「相性、良くない?」
「うん、そんな感じ」
「そっかぁ」
「真樹夫は、志穂さんと、とっても楽しんでるみたいだけど・・・・・・」
「うん・・・そうだな・・・・・・彼女、楽しんでるなあ」
常盤台の自宅に帰る車の中である。
「なんか、おなかすいた」
「喰うか」
「うん」
「なにが、いい?」
「そうねえ・・・・・・」

焼き肉レストラン《チャングム》
カルビと、ミノと、ホルモンと、
レバ刺し。
「ビール、ガマンしてね」
「ああ」
キムチ。
レストラン中に、いい香りが漂っているのだが、
向かい合った真樹夫と彩美のロースターからも、
じゅうじゅうと、肉の焼けるうまそうな音が、立ち上る。
「おいしい」
「ああ」
「ビール、飲む?」
「ああ、飲みたいなあ」
「代行頼んでいいよ」
「そうするか」

「郁恵がね」
「いくえ?」
「ほら、千葉の、わたしの友だち」
「ああ、あの、高校生と遠距離恋愛してるっていう・・・・・・」
「うん」
「で?」
「仲間にいれてくれないかって」
「仲間に、って?」
「夫婦交換の・・・・・・」
彩美は、声を潜めた。
つられて、真樹夫も、声を潜める。
「おまえ、俺たちのこと、そいつに話したのか?」
「・・・・・・うん」
「まじかよぉ」
「最初のとき、どうしたらいいか、心配になって、
 郁恵に相談したんだよ」
「なんだ、なんだ、なんだよぉ」
「だってぇ・・・・・・ホントに、心配だったんだから」
「わかるけどさぁ」
真樹夫は、ビールをごくりと飲んだ。
「だって、彼女、独身だろう?」
「うん」
「おい、まさか、その高校生を・・・・・・」
「うん」
「嘘だろう・・・やばいよ、それって」
「だよね」
「だよねって・・・彩美」
「無理だよね」
「高校生いれて、乱交パーティじゃ、まずいでしょう」
隣のテーブルのカップルが、ちらっとこちらを見た。

「乱交パーティ、だってよ」
「うふ」
「おっさんたち、やるねぇ」
「聞かれちゃうよ、たっくん」
「食えよ」
「うん」
「で、決めたか?」
「え?」
「AVの仕事」
「・・・・・・」
「パンツ屋の店員、続けるつもりかよ」
「う、うん・・・・・・」
「エッチして、100万だぞ」
「させたいの?」
「ん?」
「あたしが、ほかのひととエッチするの、いやじゃない?」
「ああ」
「いやでしょ?」
「まあ、それは、そうだけどさ」
「あたしが、ほかのひとと、エッチしても、いいの?」
「おまえなら、絶対、アイドルになれるって」
「ほしの麗奈みたいに?」
「ほしの麗奈・・・か・・・・・・」
1時間ほど前、その、ほしの麗奈の部屋で、いさかいになり、
倉橋亜美のアパートに行って、遅い晩飯に誘い出したのだった。
「たっくん、麗奈のファンなんでしょ」
「ファンっていうか・・・・・・」
「あたし、麗奈みたいに、かわいくないもん」
「そんなこと、ないよ」
「うそ」
「おまえ、かわいいよ、麗奈とは違うタイプだけどさ」
「ほんと?」
亜美は、まんざらでもない顔をした。
「エッチ、好きだし」
「たっくんの、ばかぁ」
「イクときの、おまえの顔、すっごくエロいから」
「なによぉ」
「なあ、出ろよ、出て、稼げよ」
「ほかのひとと、エッチするんだよ、たっくん、いいの?」
「だって、お仕事でするんでしょうが」
「たっくん、割り切れるんだ」
「ああ、割り切れる」
亜美は、口をとがらせている。
「どうしても、っていうんなら」
「いいんだな」
「うん」

拓也は、スター気取りの女が、女王様ヅラするのに、うんざりしていた。
それに、ほしの麗奈は、そろそろ賞味期限切れだ。
DVDが売れなくなっているらしい。
新人〈女優〉が、次々に出てくる世界だから、仕方がない。
遙あかねは、《潮吹き潮干狩り・赤貝濡れ濡れ》
美咲せりなは、《メコスジ美少女★イカせておねがい》
百合まりかは、《乳姫 まりか 抜かせてあげる》
で、AV女優ランキング ベスト3に入っている。
ほしの麗奈は、かろうじて9位にいる。
〈女優〉から、ソープ嬢に転身する道があるけれど、
麗奈なら、吉原や堀之内で、もっと稼ぐだろう。

亜美に稼がせて、こいつの稼ぎで、いい思いをするさ・・・・・・
拓也は、うれしくなって、笑いたくなった。
「どうしたら、いいの?」
「おれ、調べとくから」
「うん」
新人AV〈女優〉の誕生だ。
拓也は、キムチを口に放り込んだ。

(4) 〈女優〉みあ

「社長、この子が、沢井みあちゃんです」
「そう、沢井みあ、かわいい名前、つけたね」
「わたしが、考えました」
「そ」
「沢井みあです。よろしくおねがいします」

カイカン企画社長、柿沼ルミ子は、
新人女優、沢井みあこと倉橋亜美を、
じっくり眺めた。
この子は、拓也とどんなセックスをしているのだろうか、
と、思った。
拓也は、自分がAVに出演していることを、この子に話していない。
ルミ子は、すぐ、ばれるよ、と拓也に注意した。
ばれたら、どうするの?
と、叱りつけたのだが、
拓也が、1本撮ったら、話します、と言うので、
OKしたのだった。
最近、ほしの麗奈のことも、やっかいになっていた。
賞味期限が切れてからでは、遅すぎる。
沢井みあを連れてきた営業部員の玉井に、
「この子、よろしく頼むね」
と言い、
「麗奈のこと、うまくやって」
と、付け足した。
荷の重い仕事の念を押されて、金田は、
「はい」
と、気鬱そうに返事をした。
そろそろ、ほかの業界に移ったらどうかな、と、
麗奈を説得しなければならないのだ。
この世界で、男はずっと働けるけれど、
〈女優〉は、すぐにリストラの対象になる。
ハメるだけで、ぼろい稼ぎをしてきたんだから、
その味は、忘れられないかもしれない。
何とか、生きていくさ・・・・・・
こうして、沢井みあのデビュー作
《エロかわ★沢井みあ メコスジいじり》
が撮影された。

(5) 亜美

「ひどいっ! たっくん、ひどいよっ!」
「隠すつもりは、なかったんだけどさ」
「うそだよ、そんなの、うそだよ」
亜美のぼろアパート。
湿った布団の上で、いっぱつやって、
拓也は、自分がAV男優であることを明かした。
「ふたりで、稼げるじゃんか」
「なんで、黙ってたんだよぉ」
「だから」
「いろんな女と、やったの?」
「・・・・・・」
「何人くらい、やったんだよぉ」
「だから、仕事だって」
「ほしの麗奈と、したんだ・・・・・・」
「1本、出たよ」
「やだよぉ」
「亜美、稼げるだけ稼いだら、きっぱりやめるから」
「どういうこと?」
「いつまでもやれるわけ、ないだろ?」
「そうなの?」
「そうさ、ほしの麗奈だって、もうおしまいなんだから」
「ええっ、そうなんだ・・・・・・」
「賞味期限ってものが、あるんだ」
「しょうみきげん・・・・・・」
「だから、稼げるときに稼いどくんだ」
男優に賞味期限がないことは、亜美に教えなかった。
「たっくん、何本ぐらい出たの?」
「10本くらいかな」
「そ・・・そんなに」
遙あかねは、《遙あかね 潮吹き★秘貝いじり》
百合まりかは、《泡姫★まりか 絶頂テクニック》
蒼井まあさは、《新妻まあさ 濡れ濡れパンティ》
沢尻ことねは、《熟女 イキっぱなし》
秋葉うのは、《うの バックでイッちゃう》
神田のりこは、《美乳しぼり ハメ崩し》
と、売れ筋ビデオに出演しているのだが、
亜美に教えない。
「ねえ、麗奈と出たの、見せてよ」
「やめとけ」
「なんでだよぉ」
「見ても、しょうがねぇよ」
《麗奈 極太チ●ポでイキまくり》
は、麗奈、最後のビデオになるはずだ。
「見たいよぉ」
「そんなに見たいんなら、自分で借りてこいよ」
「もぉ」
ふくれっ面をしている亜美に、拓也は言った。
「ちんぽ、しゃぶれ」
「うん」

(6) 小菅の計画

「真樹夫ちゃん」
小菅課長が、にやにやしながら、近づいてきた。
「ちょっと、相談があるんだけど」
〈蘭香商事〉がある雑居ビルの屋上。
梅雨の合間の青空が広がっている。
上原真樹夫は、たばこを吸いに、屋上に上がってきたのだ。
小菅は、真樹夫を追ってきて、
自分もたばこに火をつけた。
「ネットの掲示板にさぁ」
小菅は、一息ついた。
「スワッピングしませんか、って、出したわけよ」
「だいじょうぶですか?」
「うん・・・まあな」
「なんですか、その、まあなって」
「いろんなやつから、返事が来たわけさ」
「いたずらメールも、いっぱい来たんでしょう」
「いやぁ、すさまじいの、なんの」
「で?」
「で、1通、気になるのがあって」
「気になる?」
「気に入った、かな」
「へえ」
「『最近、夫婦関係が、ぎくしゃくしています、
 お力を貸してください』とか、何とか」
「なあんだ、定石通りじゃないですか」
「で、メールのやりとりをしてさ」
「ひえぇ」
「バカにするんじゃないよ、真樹夫ちゃん」
「・・・・・・・・・」
「で、昨日、旦那にあったわけさ」
「まじっすか?」
「まじっす」
真樹夫は、あきれた顔で小菅を見つめた。
「なかなか、感じがいい男で」
「つまり、不安がなくなった?」
「期待通り」
「おいおい」
「女も、なかなかどうして」
「写真、見た?」
「ああ」
「課長は?」
「志穂の写真は、掲示板に」
「ええっ! それって、やばいでしょう」
「顔は、ぼかしをいれて」
「・・・・・・まさか、俺たちの写真・・・・・・」
「それは、してません」
「ほんとですか?」
「ほんと」
「確かめますからね」
「いいですよ」
小菅は、続けた。
「で、志穂の写真を見せたわけさ」
「ふうん」
「相手、牟田っていう男なんだけど」
「本名?」
「うん、運転免許証、見せ合って」
「ふうん」
「信用できる相手でなくちゃ」
「でしょうね」
「こわい、こわい」
「うんうん」
「で」
「なんですか?」
「君らも、一緒に、どう?」
「6P?」
「そ、6P」
「6Pね」
「うん、6P」
「先方には、俺たちのことは?」
「一応、話した」
「で?」
「かみさんに、話してみます、って」
「ふうん」
「で」
「ん?」
「6人で、しましょう、って」
「そうですか」
「段取り、おれがつけるから」
「わかりましたよ」
「彩美さん、OKするかな?」
「話してみます」
「あとさ」
「ん?」
「女3人だと、生理日調整」
「ああ」
「彩美さんの、生理の予定、教えてよ」
「それも、聞いておきます」
「じゃ、よろしくね」
そういって、小菅課長は、うれしそうに、階段室に去っていった。
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