肉欲の罠(修正版)

沼 隆

おことわり この作品は、フィクションです。
      登場する人名、地名、団体名は、
      実在するものと一切関係がありません。

登場人物  万田 光夫 〈わぎな〉の女主人、鮫島雪絵の愛人
      瀬口 美奈 美恵子の次女 〈東横女学館〉生
      瀬口美恵子 ビューティサロン〈グランス〉の女主人
      倉橋 亜美 ランジェリーショップ〈わぎな〉の店員、
        *   *   *
      宇梶 隼人 美容整形外科医 女性器形成が専門
      牟田 沙織 看護師
      牟田 淳史 沙織の夫
      牟田 拓也 淳史の弟 大学生


(1) 美奈

「瀬口美奈さん・・・・・・だよね」
風采の上がらない中年男に声をかけられて、
美奈はギョッとした。
「警察のものだが、ちょっと話を聞きたいんだがね」
「な、なんですか?」
「ここは、人目があるからね。
 ちょっと、そこの交番までいいかな?」
「こ、交番って」
「交番がいやなら、別の場所でもかまわないよ。
 いっしょに来てくれるね」
男の強引な言葉に、美奈はうなずいていた。
男は、黙っていた。
美奈は、耐えきれなくなって、
「どんな用なんですか?」
とたずねた。
男は、美奈の目をじっと見つめて、
「ここではまずいんじゃないか?」
と答えて、美奈を怖がらせた。
駅裏の商店街を抜けて、5分ほど歩いた。
古ぼけた2階建ての木造アパートがあった。
「見てもらうものがあるんでね。中に入ってくれ」
美奈は、ついていくしかなかった。

万田は、美奈を亜美の部屋に連れこんだ。
「〈わぎな〉って店、知ってるよね。
 下着を売ってる店だよ」
「え、ええ・・・・・・」
「行ったこと、あるだろ」
「・・・・・・」
「さっき、その店の前、通っただろ。
 エッチな下着売ってる店だよ」
「・・・・・・」
「お店の人から、相談を受けてたんだ。
 どうも、ちかごろ、万引きが多いらしくて。
 なんか防ぐ方法がないか、ってね」
「・・・・・・」
「それでね、防犯ビデオをつけたらどうかってね」
美奈は、耳まで真っ赤に染まっている。
万田は、うまくいったと内心ほくそえんでいる。
「つい最近取り付けたばかりなんだけどね、
 このあいだ撮ったやつの中に、
 万引きの現場があってね。
 どうも、きみが通っている東横女学館の
 制服を着た子が写ってるんだけどね、
 制服が、東横女学館のものだってことは
 わかるんだけどね、
 おじさんたちには、制服を着ている子は、
 みんな同じに見えてしまうんでね、
 それで、きみが、たまたま東横の生徒さんだから、
 捜査に協力してもらえないかなあ
 ビデオを見てもらうだけでいいんだけどね」

万田は、カセットを取り出して、ビデオデッキにセットする。
「見てもらうだけでいいから
 もし写ってる子を知ってたら、
 教えてもらえるとうれしいんだけどね
 教えたくなかったら、教えてくれなくてもいいよ
 友だちなら、かばうの、当然だしね」

ビデオの画像は鮮明だった。
誰の目にも、写っているのは、美奈である。
美奈は、試着室に持ち込んだ下着のうち、
2枚のパンティをすばやく身につけると、
ブラジャーを試着し、店員を呼んで、
サイズをチェックしてもらいながら、
結局気に入らずに返してしまうところまでが、撮られていた。
「これ、誰だか、わかるよね」
「・・・・・・」
「返事ができないのかな?」
「す、すみません・・・・・・」
美奈は消え入るような声で答えた。
恐ろしくて、口の中が、からからになっていた。
「これ、きみなのかな?」
「・・・・・・はい」
「きみなんだね」
「・・・・・・はい」
「認めるんだね、いけないことしましたって」
美奈は、こくりとうなずいた。
「つらいんだよね・・・・・・警察としては、
 学校と親御さんに知らせるきまりなんだよね」
万田は、ほくそ笑んだ。
露骨な、いやらしい笑みだった。
(かわいい娘だ・・・・・・
 いじめがいがあるというもんだ
 ・・・・・・へっへっへっ)
万田は、よだれをすすった。
「あのう・・・・・・」
「なんだい?」
「もう、2度としませんから
 ぜったい、しませんから
 学校とお母さんには言わないでください」
「おいおい、そんな勝手なこと言われてもね
 規則は規則なんだから
 曲げるわけにはいかないんだよ」
「お願いします・・・・・・お願いします」
美奈は涙声になっていた。
涙が、こぼれてきた。
大粒の涙をぽろぽろこぼしながら、
何度も何度も頭を下げた。
万田は、美奈を背後から抱きかかえるようにすると、
「おいおい、泣かないでおくれよ
 困ってしまうよ
 おじさんまで、泣きたくなってしまうよ」
万田の目は、冷ややかに笑っていた。
美奈を、なぐさめようと抱きしめるそぶりを見せながら、
その腕で、乳房のボリュームをはかる。
「お願いします・・・・・・お願いします」
「このビデオを・・・・・・
 なかったことに・・・・・・
 するわけには・・・・・・
 いかないからね」
万田は、ゆっくりと、
からみつくように、言った。
美奈は、思わずからだを硬くした。
刑事の手が、自分のからだの線を確かめるように、
胸から脇へ、脇から腹へと滑っていく。
「いやあ」
小さくつぶやく。
「学校には、
 明日行くことにして、
 お母さんのお店には、
 今夜にでも行かせてもらうよ」
「・・・・・・いやあ・・・・・・いやあ」
万田の手は、制服の上から乳房をもんでいる。
「・・・・・・だめぇ・・・・・・だめぇ」
美奈は、恐ろしさのあまり、
体がこわばってしまって、
万田の腕から逃れることができない。
万田は頬ずりをしながら
右手をスカートの中にすべらせた。
「・・・・・・いやあ・・・・・・だめぇ」
美奈の太ももはひんやりと冷たい。
それを万田はいとおしむようになでまわす。
「・・・・・・いやあ・・・・・・やめてぇ・・・・・・」
恐ろしくて、小さなかすれた声を出すのがやっとである。
「明日、
 放課後でいいから、
 署まで来てもらうからね。
 調書を
 作らなくちゃ
 いけないんだ」
万田は、一言口にするたびに、
美奈のからだを指先で味わっている。
美奈は、顔をくしゃくしゃにして、泣いていた。
スカートをまくり上げる。
真っ赤なレースの縁取りがついた、
ピンクのパンティが丸見えになる。
「これ、万引きしたパンティだね」
美奈は、しゃくりあげながら、泣いている。
「いやらしいパンティだ。
 美奈ちゃんの毛が、
 真っ黒い毛が、透けてるね」
万田の右手が、パンティの上から美奈の恥丘をなでまわす。
「ひぃっ・・・・・・ひぃっ・・・・・・いやぁ」
パンティの中に指をすべり込ませる。

「いたい・・・・・・いたい・・・・・・やめて・・・・・・いたいっ」
確かに狭かった。
かたくて、抵抗感が強い。
美奈の上半身をしっかり抱きしめるようにして支えると、
万田は、グイッ、と腰を突き出した。
「あはぁ!」
美奈が口を大きくあいて苦痛の叫びを上げると同時に、
万田の陰茎がズン、と美奈の奥に侵入する。
「グェッ!」
というような音が美奈の喉からもれる。
万田の陰茎はぐいぐい締め付けられる。
「ちからを抜いて! ゆるめろ!」
美奈の両目から涙が溢れ、
口からはよだれをたらしている。
パンティは簡単に引き裂かれ、
隠されていた秘所に万田は分け入ったのである。
が。犯されることへの抵抗は思いのほか強く、
美奈は必死になって、万田の陰茎を拒んでいた。
「ちからを抜け! いつまでも痛いだけだぞ!」
苦痛に耐えかねて、美奈はちからを抜いた。
むりやり硬いものを打ち込まれた鈍痛感が下腹部にあったが、
引き裂かれるような激痛は去った。
美奈は呆然としている。
「そうだ、それでいい」
「・・・・・・」
「もう、痛くないだろ?」
美奈は、万田の問いには答えず、
ぼんやりと焦点の定まらない視線を
天井に向けている。
ヒクッ、ヒクッ、と微かにしゃくりあげている。
どうやら泣き止みそうだ。
「おじさんが、もっと気持ちよくしてやるぞ」
膣のぬめりを感じながら、
万田はゆっくりとピストン運動を開始する。
ぬめりが増してすべりがよくなった。
しかし、小娘と一緒にいけるとも思わなかった。
「そろそろ、出すか」
万田は言葉に出した。
「いやあっ、やめてっ!」
けれど、その声は、かすれていた。
悲鳴にもならなかった。
ピストン運動を続けながら、
ポケットからコンドームを取り出す。
美奈は、放心したように、万田を見ている。
涙をいっぱい浮かべて。
万田は、美奈の目の前でコンドームを袋から取り出した。
「これ、つけるから、安心しな」
装着しようとしていったん抜いたとき、
血にまみれた陰茎が目に入った。
美奈の処女は、この脂ぎったオヤジに奪われた。

(2) 宇梶の誘い

宇梶隼人は、今日予定された最後の手術を終えて、
一息ついている。
小陰唇縮小、大陰唇縮小、クリトリス包茎手術、
そして、処女膜再生手術。
ネット広告のおかげで、お客様は、ひっきりなしだ。
びらっ、と広がった大陰唇の写真と、
口を閉じた大陰唇の写真を並べて、
【手術前】、【手術後】と表示したら、
大陰唇縮小手術が増えた。
クリトリス包茎は、
不潔だ、包茎チンポが、垢まみれで、不潔なのと同じです、
と書いたら、
クリ包茎手術が増えた。
クリがむき出しになったら、
いつもパンティで刺激されて、
感じやすくなって、
いいかもしれない。
オナルときも、ぐっと気持ちよくなりますぜ、
と、そんな下品な言い方はしないけれど、
お客様には、それとなく、におわせる。
カレシや旦那さんとのセックスライフが、豊かになりますぜ・・・・・・
本日、最後の手術は、処女膜再生だった。
〈聖らびあクリニック〉は、全国展開している。
そのサイトにアクセスする女たちが、
大切なひとに、破らせてあげたい、
と思うように、し向けていく。
処女膜を再生したところで、処女に戻るわけではない、
セックス経験豊富な女が、
処女のふりをするのも、つらかろうと思うのだが、
破かれる快感というのも、あるのかもしれないなあ・・・・・・
と、宇梶医師は思うのだ。
今日のお客様は、
しっかり使い込まれていて、
大陰唇は黒ずみ、
クリトリスも、ぷりっ、とむき出しになっていた。
感度がよくて、
指を1本挿入しただけで、ひくひくさせたし、
親指の腹でクリをなで上げると、
マンコが、キュン、としまって、
とろっ、とマンコ汁がたれてきたのだった。
Gスポットを、人さし指で押したら、
尻をひくつかせ、
いれてっ、
と言っているみたいに、
マンコが、ぴくぴくした。

看護師の牟田沙織が、片付けをしている。
〈聖らびあクリニック〉のナースの制服はピンク。
理事長の好みだ。
お客様が、リラックスできるように、
という「コンセプト」だ。
沙織が、腰をかがめたとき、尻が突きだされて、
パンティとブラジャーのラインがくっきりと浮き出た。
尻が、きゅっと揺れて、
宇梶医師のチンポをほしがっているように、見えた。
宇梶の妻が、そうするのだった。
今晩、エッチしたい、という気分になると、
夕食をテーブルに並べるときに、
キッチンで後片付けをしているとき、
宇梶の視線を意識して、
尻をうごめかす。
そんなとき、妻はミニスカートをはいていたり、
からだにぴったり張り付いて、
欲情した尻のうごめきを見せつけるパンツをはいていたり、
するのだった。

「牟田さん」
宇梶医師は、沙織に声を掛けた。
「明日、オフなんだろ?」
「はい」
「なんか、予定、あるの?」
「いえ、べつに」
沙織は、出会い系で知り合ったマキオと、会いたかったのだが、
マキオの都合がつかなかった。
前回、マキオが誘ってきたときには、
沙織が生理中だった。
町田のラブホテルで、初めてエッチしてから、3週間たった。
マキオとしたくて、たまらなかった。
マキオの都合が悪いと知って、がっかりしていた。
明日は、退屈な休みになるかも・・・・・・
そんな気分のときに、宇梶医師から誘われたのだ。
断る理由はなかった。

(3) 沙織

オフの日が、雨になった。
もうすぐ、梅雨入りかもしれない。
牟田沙織は、宇梶医師の迎えを待っている。
アパートまで、迎えに来る、と
今朝、電話をしてきたのだ。
夫の淳史が、仕事に出かける間際で、
まだ家にいた。
「誰?」
淳史に聞かれて、
「クリニックの宇梶先生」
と答えた。
「きょう、沙織、オフなんだろ?」
「そうだよ」
「で、どんな用件なの?」
「明日の手術のことで」
「へえ、せっかくのオフなのになあ」
「うん」
「じゃあ、行ってきます」
ドアノブに手を掛けながら、淳史は振り向いて、言った。
「ああ、今夜、拓也が、泊まりに来るから」
「なんなの?」
沙織は、どきりとした。
「俺に、相談することが、あるらしい」
「ふうん」
「すしでも、とれよ」
「うん、そうする」
沙織は、あの日のことを思い出していた。
3週間ほど前のオフの日に、
町田のラブホテル街の入り口にあるコンビニで、
草野修と待ち合わせをしているところに、
拓也が入ってきたのだった。
草野が近づいてくると、
蛇のようないやらしい目つきで沙織と草野を見つめると、
あっさり出て行った。
そのことが、心のどこかに残っていて、
拓也の出方次第だ、と決めていたのだが、
3週間たつうちに、いつの間にか薄れていた。
今夜、拓也はどう仕掛けてくるのか、
気にはなるけれど、
草野のことは、どこまでもしらを切り通すつもりでいた。
そう思うと、踏ん切りがついた。

玄関のドアをロックして、寝室に戻った。
薄暗い室内。
沙織は明かりをつける。
昨夜の寝床は、敷いたままだ。
なんだか、湿っぽくて、いやな感じなのだけれど、
お出かけの支度に、時間をかけたかった。
せっかくのオフの日。
楽しまなくちゃ。
普段着を脱いで、裸になった。
鏡に映った、自分の裸身に、見とれる。
張りのいいヒップ、
きゅんとくびれたウエスト、
そして、生意気そうに、つんと突きだした乳房、
ちょっと開きかげんにした唇、
潤んだ瞳・・・・・・
チェストの奥から取り出したパンティを選び出した。
ショッキングピンクに、黒い水玉模様、
黒いレースの縁飾り・・・・・・
クリニックの勤務の日には、はけない下着。
だって、透けてしまうんだもん。
看護師長、下着にまで口を出すんだから・・・・・・
スケベな中年女のくせに・・・・・・

ドレッサーの前に座った。
威張ったように、突きだした乳首。
指先でつまんでやる。
「ん・・・・・・」
自然にもれる、妖しいため息。
キモチ、いいんだもん・・・・・・
乳首をつまんだとたん、あそこがキュンとして、
そして、ため息がもれてしまう。
昨夜、寝床に入った夫に、
「エッチ、しようよ」
と迫ったのだった。
「ああ・・・・・・」
夫は、けだるそうに返事をして、
おざなりに愛撫をし、
挿入し、射精して、
沙織が、熱くなる遙か手前で、
沙織から抜け落ちたのだった。
今日一日、宇梶医師とデートする。
後ろめたさから、
夫を求めたのだけれど、
後ろめたさは、夫が抜け落ちた瞬間に消え失せて、
夫を求めたことが、腹立たしかった。

夫の精液をぬぐい取ったティッシュペーパーが、
枕元に散らばっている。
鏡に映った、その情けない光景に、
沙織は、一段と腹が立ってきて、
ドレッサーの上に無造作に置かれた夫のヘアブラシを、
布団の上に投げつけたのだった。

沙織は、宇梶医師の迎えを待っている。
アパートまで、迎えに来る、と
今朝、電話をしてきたのだ。

「またせたな、沙織」
「呼び捨て、ですか、せんせい」
沙織は、宇梶がいきなりぞんざいな物言いをしてきたのに、むっとした。
「ふふ、怒ったのか、だがな、沙織」
宇梶は、車をスタートさせた。
静謐な車内。
エンジン音が、ほとんど聞こえない。
「牟田さんとか、呼ばれたいか?」
「そういうわけじゃ」
「なんて呼べば、いい?」
「沙織、さん、とか」
「沙織さん、か、ふふ、それも、いいだろ」

「おまえ、オフの日は、大胆な格好、するんだな」
「こんな格好、きらい?」
「いいや、大好きだよ、ただ、普段のおまえと、違うからさ」
タイトスカートが、沙織の腰に張り付いている。
むき出しの太ももが、
しっとりと湿り気を帯びている。
宇梶は、左手でハンドルを握り、
右手を、沙織の太ももにすべらせる。
沙織の手が、宇梶の手に被さるように触れてくるが、
やめて、と拒むのではなくて、
宇梶のいたづらな手に、自分の手を添えただけのことである。
ぴったりそろえた両方の太ももの間に、
宇梶の指が進入してきて、
汗ばんだ両ももを、
指先で、開かせる。
沙織は、素直に両膝を開いた。
「あんっ」
スカートのすそが、ほんのわずかまくれただけで、
パンティがあらわになった。
「ふふふ」
宇梶が、含み笑いをする。
「セクシーな下着だね」
「きらい?」
「いや、大好きだよ」
「よかった」
「ん?」
「おれは、白い下着が好きだ、なんて言われたら、困ってしまうもの」
「ははは」
白い下着が好きだ、と言ったのは、沙織の夫だ。
結婚するまでは、何にも言わなかったくせに、
結婚したとたん、そんなことを言いだした。
「んんっ」
宇梶の指が、沙織の淫裂をなでまわした。
「敏感なんだね」
「あうっ」
「パンティ越しに、触っているのに・・・・・・沙織、すごく感じるんだ・・・・・・ふふふ」
「んんんっ」
宇梶のしなやかな指が、沙織の淫裂を、
そっとさするようにはい回る。
ちゅぷ
「しみ出してきたよ」
「んんんんっ・・・・・・」
沙織は、目をとして、体をシートに押しつけていた。
股間から噴きあがる快感が、
尻をひくつかせる。
沙織は、耐えられなくなって、
両膝を、ぶるぶると、ふるわせた。
「そんなに、キモチが、いいのか・・・沙織」
「ん・・・・・・キモチ・・・いい・・・・・・」
赤信号で、宇梶は車を減速させていき、
車が止まると、助手席の沙織を抱き寄せて、
ねっちょりと、舌をからませた。
隣の車線に止まったタクシーの運転手が、
おっ
と言う表情をして、卑猥な視線でこちらをのぞく。
宇梶は、その視線を、視界の端に感じながら、
沙織のブラウスの胸ボタンを外し、
ブラジャーから引き出した左の乳房を、
音を立てて吸った。
じゅばっ、じゅばっ、じゅばっ
「ああああっ」
沙織が、からだをわなわなとふるわせる。
後ろの車のクラクションが鳴った。
信号が、青に変わっていた。
宇梶は、車を発進させ、加速していった。
沙織は、乳房をさらけ出し、
両足を開いた、淫らな姿のまま、
助手席で、目を閉じて、じっとしている。
「沙織」
沙織は、目を開いた。
運転席の宇梶は、前方を見つめている。
「沙織、裸になれ」
沙織は、宇梶の横顔を見つめる。
宇梶は、沙織を見つめて、
「脱げ」
と言った。

対向車や、併走する車からの視線が、
好奇の目線が、沙織は疎ましかった。
目を閉じたら、気にならなくなって、
車の中で、全裸でいることが、
沙織をリラックスさせていた。
「キモチ、良さそうだな、沙織」
「ウン、キモチ、いい・・・・・・」
「そうか」
「すごく、自由になった気分」
「へえ」
「先生も、裸になりなさいよ」
「ははは、そうだな、そうするかな」
「そうよ、そうしなさいよ」
沙織は、目を開いた。
外からの視線は、もう気にならない、と言うより、
それを楽しんでいる自分に、沙織は酔っていた。
運転席の宇梶を見ると、
口では、裸になるか、と言いながら、
そうしそうにないのだった。
沙織は、体を起こすと、宇梶の腰に手を伸ばし、
ベルトをゆるめ、
ファスナーを引き下ろし、
下着に包まれたペニスを引っ張りだした。
宇梶は、何ともないような顔をして、前方を見ている。
沙織は、シートベルトを外した。
それから、宇梶の股間に顔を埋めていった。
ペニスは、すでに硬くなっていた。
沙織は、音を立ててすわぶった。
しゅぼっ、しゅぼっ、しゅぼっ
宇梶の体が、びくん、と反応した。
下着が、宇梶の玉袋をくわえ込んだまま、
沙織の指のじゃまをする。
「脱いで」
「ああ・・・次の、赤信号で」
「うん」
「もうすぐだ」
「うん」
赤信号で、宇梶は腰を浮かし、
ズボンと下着を、ふとももまで引き下ろした。
自由になった玉袋を、沙織は指先に包み込むようにして、
くにゅくにゅと、揉んだ。
「んぐっ」
「痛かった?」
「いや」
「きもち、いい?」
「ああ」
しゅぼっ
しゅぼっ
しゅぼっ
宇梶の股間で、沙織の頭が上下する。
くわえ込んだペニスを、沙織がすわぶっているのだった。
「沙織」
「んごっ・・・・・・ふぁい」
「チンポ、うまいか」
「んごっ・・・・・・ふぁい」
「そか・・・・・・うまいか」
車が、減速しながら、左折する。
「おれも、おまえのおマンコ、なめたい」
「ん」
「もうすぐだ」
「ん?」
「ラブホテル」
「ふぁい」
「でも」
「ん?」
「イキそうだ」
「ん?」
「沙織、もう、ガマンできん」
宇梶は、ファミレス〈ドニーズ〉の駐車場に車を入れた。
車が止まった。
宇梶は、腰を少し突きだしてきて、
沙織が動きやすいようにして、
それから、沙織の頭部を両手でつかむと、
ペニスに突き立てるようにして、動かした。
「おごっ」
「続けろ」
「あぐっ・・・・・・げふっ、げふっ」
沙織は、ペニスをのどの奥に突き立てられて、
何度かむせたあと、
再びしゃぶり始め、
そして、勢いよく噴き出す宇梶の精液を、口の中に受け止めたのだった。
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