肉欲の罠(修正版)

沼 隆

おことわり この作品は、フィクションです。
      登場する人名、地名、団体名は、
      実在するものと一切関係がありません。

登場人物  牟田 拓也 〈相模原国際経済大学〉学生
      牟田 淳史 拓也の兄 信金職員
            牟田 沙織 淳史の妻 看護師
      柿沼ルミ子 


(1) 兄夫婦

牟田拓也が、兄夫婦(淳史と沙織)が暮らすアパートを出て、
そのあと、何をしたか、書いておこう。

月曜日の朝、淳史が出勤したあとも、拓也は寝床の中にいた。
沙織に起こされて、朝食を食べさせてもらえないまま、
追い出されるように、アパートを出た。
沙織が拓也を急かせたわけを、拓也は知っている。
沙織は、男と待ち合わせをしている。
沙織が、「ウエハラさん」と呼ぶ男。
沙織が、淳史に、友だちと買い物に行く、と嘘をついていることも、
拓也は知っている。

  3年前、新婚夫婦の引っ越しの手伝いに来たときに、
  拓也は、盗聴器を仕掛けた。
  音声感知式の盗聴器は、
  新婚夫婦の話し声に反応して、スイッチが入り、
  天井裏に隠したレコーダに記録される。
  拓也が、兄夫婦のアパートに来るのは、
  録音データを〈回収〉するためでもある。
  新婚当初には、濃密なセックスを聞かされた。
  けれど、まもなく、
  淳史が仕事に追われ、疲れ切って、
  セックスを面倒くさがるようになった。
  手抜きをしたセックスが、週に一回、あるかないかだ。
  沙織は性欲をもてあましはじめた。
  出会い系サイトにアクセスをするようになった。

この日は、10時に町田の駅で男と約束をしている。
沙織がどんな男を選んだか、拓也は知りたかった。
知ってどうするか、考えてもいた。
けれど、拓也も約束があった。
年上の女、柿沼ルミ子に誘われたのだ。

  拓也がルミ子に出会ったのは、先週、金曜日の夜である。
  宅配ピザのバイトで、配達に行った。
  管理人が常駐している、ハイクラスのマンション。
  ルミ子は、パーティを開いていた。
  玄関先には、男物や女物の高価そうな靴が並び、
  奥の部屋からは、楽しそうなおしゃべりが聞こえてきた。
  1万円札2枚と一緒に、携帯番号を書いた紙を渡された。
  「明日のお昼頃、電話して」
  ルミ子は、そういって、ほほえんだ。
  拓也が、これまで会ったことがないタイプの女だ。
  年上の女ということもあるが、
  化粧や、髪型、ファッション、
  どことなく、危険な香りがする。
  翌日、拓也は電話をした。
  で、月曜日に会うことになったのだ。

拓也は、町田に向かってバイクを走らせる。
コンビニのにぎりめしで、腹ごしらえをして、
エロ雑誌を片っ端読みつぶしていって、
約束の時間になった。
コンビニの駐車場に、車が入ってきた。
ルミ子が、ハンドルを握っていた。
ルミ子が手招きをした。
拓也は、助手席に乗り込んだ。

「時間厳守ね」
「え?」
「時間に、正確な子、好きよ」
ルミ子は、サングラスをしている。
くっきりとした目鼻立ちに、似合っている。
色白の肌に、ルージュが美しい。
「コンドーム、持ってる?」
「い、いいえ」
ストレートにきかれて、
拓也は、たじろいだ。
そのつもりで、来てはいるのだが。
ルミ子は、ドラッグストアの駐車場に車を入れた。
財布から1万円札を渡して、
「買ってらっしゃい」
と言った。

(2) ルミ子

ラブホテルの駐車場に入る。
ルミ子は、先に立って入っていき、
拓也は、コンドームの包みを持って、あとを追った。
ルミ子は、パネルから、ためらいなく部屋を選ぶ。
部屋に入って、拓也はすぐに、ルミ子を抱こうとした。
「いそがないで」
ルミ子は、外したサングラスと、バッグを、枕元に置く。
コンドームの入った包みを拓也から受け取ると、
開封して、いつでも、すぐに使えるように準備した。

「時間は、たっぷりある、でしょ?」
「はい」
ルミ子は、拓也に背中を向けながら
「はずして」
と言った。
拓也は、ルミ子の上着の背中についているボタンを、
一つずつ、外していった。
グレーの、美しい光沢をしたシルクのワンピースを脱がせる。
ルミ子は、黒いレースの下着を着けていた。
突きだした乳房を包む、ブラジャーも、
なまめかしいシームの入ったストッキングをつるすガーターベルトも、
股間を包む小さなビキニパンティも、
高価だと、拓也にもわかる、レースの下着。
ルミ子は、ベッドサイドに腰を下ろす。
「タクヤも、脱ぎなさい」

ルミ子が見ている前で、拓也は上半身、裸になる。
ジーンズを脱ぐ姿を、ルミ子がじっと見ている。
下着姿になった。
股間が、ふくらんでいる。
ルミ子が、かすかにほほえむ。
「それも、脱ぎなさい」
拓也の肉棒は、充血を増していた。
ルミ子は、拓也の肉棒を見ていた。
ルミ子の視線に、肉棒は、敏感に反応した。
「いらしゃい」

ルミ子に抱き寄せられて、拓也はベッドに寝かされた。
ルミ子が唇を重ねてきた。
ルージュの匂いが、鼻腔を満たす。
ルミ子の舌が、拓也の口の中にもぐり込んできて、
拓也の舌をなめ回す。
肉棒が、一気に堅くなっていく。
ルミ子の、舌と、唇が、
拓也の口を、舌をなめ回し、からみつく。
ルミ子のだ液が、たれてきて、拓也のだ液と混じり合う。
拓也は、それを、ごくりと飲んだ。
ルミ子の、軟体動物のような舌が、
拓也の官能をかき立てる。
乳房を包むブラジャーが、拓也の胸をこする。
その、かさかさとした感触。
「ブラジャー、外したい?」
ルミ子が、拓也の目をじっと見ながら言った。
拓也は、うんと、うなずいた。
「ブラジャー、外して」
拓也は、ルミ子の背中に指を伸ばし、ブラジャーのフックを外す。
ルミ子は、上半身をわずかに起こして、ブラジャーを脱いだ。
乳房が、拓也の口もとに、差し出される。
拓也は、両方の乳房をつかむ。
「ああっ」
ルミ子は、切なそうに、あえいだ。
「おっぱい、かんじやすいの」
拓也は、右の乳首を吸った。
「あふっ」
拓也は、ルミ子を抱きながら、からだを入れ替えた。
仰向けになったルミ子の乳房に、すわぶりついた。
ちゅぱっ、ちゅぱっ、ちゅぱっ
「あふぅ、あふぅ」
ルミ子は、気持ちよさそうに、目を閉じて、
拓也が吸うたびに、体を震わせて、反応した。
乳首が、堅くなっていく。
拓也は、それを舌の先で転がし、
それから、きゅっ、と、甘噛みをする。
「ああんっ」
拓也は、ルミ子の敏感な反応を味わい尽くす。
乳房を、もむだけで、吸うだけで、ちょっと甘噛みするだけで、
快感に、身もだえする。
すっかり堅くなって、いきり立っている肉棒の先が、ルミ子の脇腹に触れて、
にじみ出した先走りが、ルミ子の肌を汚す。
そこに目をやると、ひとすじの濡れたあとがある。
「ちんぽ、いれたい?」
「うん」
「タクヤの、ちんぽ、ほしい」
「ああ」
「さわって」
「ん?」
「さわって」
「あ」
「おまんこに、さわって」
ルミ子の下半身には、パンティと、ガーターベルトと、
そしてストッキングが張り付いている。
タクヤは、パンティの上から、性器を触った。
蜜がパンティを濡らしていた。
割れ目を指でなぞる。
「あうっ」
ルミ子と目があった。
「感じる、感じるよ、タクヤ」
指先に力を入れて、なぞる。
「タクヤ、脱がせて、パンティ、脱がせて」
拓也が、ガーターを実際に見るのは、初めてだった。
足の付け根の、パンティと、ストッキングに挟まれた部分だけが、
むき出しになっている。
柔らかい、足の付け根は、しっとりと汗をかいている。
ガーターベルトの靴下止めから、
ストッキングを外した。

パンティの下には、しっとりと汗をかいた下草が、
黒い三角形の茂みをつくっている。
そこは、指を差し込むと、
蜜があふれ出してきて、拓也の手をぐっしょり濡らした。
拓也は、ルミ子の両足を開かせながら、分け入っていき、
そそり立つ肉棒を、ルミ子の淫裂にあてがった。
「ああんっ」
たったそれだけで、ルミ子は淫らな声を上げる。
「いれて」
ルミ子が、ほしがっている。
「いれて・・・タクヤの、ちんぽ、いれて」

「ああっ、すごい、すごいよっ、タクヤっ、すごいっ」
ルミ子は、亀頭を差し込んだだけで、尻をわなわなとさせた。
「タクヤっ、もっとっ、いれてっ」
ルミ子は、叫ぶように言った。
タクヤの亀頭が、ルミ子の穴をぐいっと広げているのだった。
「もっと、もっと、いれてっ」
拓也は、じらしながら、じわじわと、埋め込んでいく。
じれるルミ子が、おもしろい。
ルミ子の、淫らな反応が、拓也を楽しませていた。
「ああっ、ああっ、はいってるっ、はいってるっ」
ぬちゅっ、ぬちゅっ、ぬちゅっ
「ああ、すっごく、かたいっ、ああっ、すごいっ」
拓也は、ぐぐっと、おもいっきり埋め込んだ。
「ああああああぅぅぅぅぅっっっ」
ルミ子は、肉棒から逃げるように腰をひいたかと思うと、すぐに突きだしてきて、
奥を突き上げたのだった。
「うううっ、ちんぽが、あうっ、子宮を、子宮を、突いてくるぅ」
ぬちゅ、ぬちゅ、ぬちゅ、ぬちゅ
肉棒と、肉穴がこすれる音が、いやらしい音を立てている。
「突いてっ、突いてっ、タクヤっ、ちんぽで、おマンコ、突いてっ」
ルミ子の言葉で、拓也はあおられていく。
ルミ子は、感じることを、言葉に出すことで、快感を高めているのだった。
ずちゅっ、ずちゅっ、ずちゅっ、しゅぶっ、しゅぶっ
「ああっ、いいっ、いいっ、いいっ」
次第に、快感が高まっていくと、
ルミ子の声は、大きくなっていって、
叫び声に変わっていった。
ルミ子は、セックスの快感に、何もかも忘れて、激しく腰を突き上げてくるのだった。
「いく、いく、いく、いく、いく、いく、いく」
ルミ子の肉穴が、ぎゅぎゅぎゅぎゅっ、と拓也の肉棒を締め上げる。
「うぐぅ」
拓也が、うめく。
「おうぅ」
「いぐぅ、いぐぅ、いぐぅ………いぐううううううっぅぅぅ」
鳴き声が、部屋中に広がった。
拓也は、ぐっ、とこらえた。
ルミ子が、肉棒を締め上げながら、イクのを、見下ろしている。
拓也は、耐え抜いた。
ルミ子が、イッたのを確かめると、
じゅぼっ
肉棒を抜き、コンドームを小袋から取り出す。
ルミ子は、拓也の手元を、ぼんやり見ている。
拓也が、コンドームを肉棒の付け根まで引き下ろすと、
「来て」
そういいながら、もう一度拓也を迎え入れるために、
足を開いた。
穴は、淫水をしたたらせている。
肉棒の先端を、濡れた裂け目にあてがうと、
ルミ子は誘い込むように穴を寄せてきた。
ヌルヌルに濡れた穴は、くにゅくにゅと
うごめいて、肉棒をくわえ込む。
拓也は、ぐうううっ、と腰を進めた。
子宮を、突き上げた。
「あうっ」
乳房が、ぶるっ、と、揺れた。
「ううっ、ハマってる、おくまで、ハマってるぅ」
はっ、はっ、はっ
拓也の、しっかりとリズムを刻みながら、
ハメ続ける。
「ああ、いいよっ、タクヤっ、いいっ」
「ウッ、ウッ、ウッ」
「タクヤも、いい?」
「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ」
「キモチ、いいっ?」
「ハッ、ハッ、ハッ……いい、いいよ……ハッ、ハッ、ハッ」
「ううううっ、あうっ、あうっ、いいっ、いいっ、いいっ」
拓也も、爆発が近づいていた。
「なぇ、タクヤ、イキそう、イキそうだよ、またイクぅ」
「ああっ、お、おれも」
「ね、ね、ね、いく、いく、いくよ」
「ああ、」
「ああああ、いいっ、いいっ、いいっ、いいよぉぉぉ」
拓也の腰の動きが、早まっていく。
「うぐぅ、いぐ、いぐ、いぐぅぅぅ」
「うごっ」
拓也の尻が、ビクビクビクッ、とけいれんする。
肉棒を、熱い精液が噴き出していく。
「あああふぅぅぅぅ」
肉棒が、びくんびくんと脈打つ。
「あああっ、出てるっ、出てるっ、タクヤ、感じるよぉ
 タクヤの、ザーメン、出てるぅ」
ぎゅっ、ぎゅぅぅっ
肉穴が、肉棒を締め上げた。
びゅっ
最後のひと噴きが終わると、拓也は腰の動きを止めた。
「だした?」
「ああ」
「ああああ」
ルミ子は、顔を朱に染めている。
じゅずっ
肉棒を、穴から引き抜く。
湿った、肉のこすれる隠微な音。

拓也は、ルミ子の隣に横になった。
ルミ子と目が合う。
潤んだ目。
上気したほほ。
開いた唇のあいだから、きれいな歯が見える。
生臭い吐息。
肉感的な唇が、拓也の口づけを求めていた。
唇を重ね、いたわるように、吸いあう。
「よかった、タクヤ」

枕元のデジタル時計は、11時を回っていた。
股間に、コンドームに包まれた肉棒が、萎えて、
のたりと、寝そべっている。
ルミ子は、肉棒が張りを失って、
しわしわになったコンドームの先端を持ち上げた。
「だしたのね、たっぷり」
コンドームの先端の、精液だめは、ぷくっとふくれていた。
ルミ子は、拓也の肉棒から、コンドームをはがしていく。
ほっそりした白い指先を、拓也は見つめた。
真珠色のマニキュアがしてあった。
ルミ子の腕、かた、せなか、そして、乳房、
脇腹、腰へと視線をはわせる。
「ほら、こんなに、たくさん、出てる」
ルミ子は、コンドームをつまみ上げて、拓也に見せた。
精液だまりのふくらみからあふれるほど、射精していた。
ルミ子は、くってりとしたコンドームを、枕元の灰皿に捨てた。
それから、顔を拓也の肉棒に寄せていき、
精液にまみれた肉棒を、なめ始めた。
ぺちゅ、ぺちゅ、ぺちゅ
「おいしいよ、タクヤ、ザーメン、おいしい」
なめる口もとを、拓也に見せながら、
亀頭をなめ、カリのくぼみをなめ、
そして、茎を、根もとに向かって、丹念になめていく。
ぺちゅ、ぺちゅ、ぺちゅ
「ああ、大きい、タクヤのちんぽ、大きいよ」
肉棒の、一番太い部分が、ルミ子の手の中に収まらなかったのである。
「極太くん」
そういって、いたずらっぽく、クフン、と笑った。
「ゴクブトくん、また、おおきくなってきたよ」
ちゅぽっ
ルミ子は、亀頭をくわえ込んだ。
「あぐぅ」
大きな、あめ玉をすわぶるように、
しゅぶっ、しゅぶっ、しゅぶっ
ちゅぽっ、ちゅぽっ、じゅぽっ
ふくれあがった亀頭を口から出して、
「ああっ、くるしいっ、イキが、息が詰まるよっ」
とあえいだ。

亀頭をしゃぶり、茎をなめ回す。
ルミ子の唇と、舌の動きは、巧みだった。
肉棒は、すっかり回復していた。
「こんなに、おっきい、ちんぽ、あたしの、おくちじゃ、ムリ」
うふっ、とルミ子は笑って、しゃぶり続ける。
じゅずっ
肉棒をしゃぶると、だ液があふれ出す。
ルミ子は、口にたまっただ液を、すすり込んだ。
じゅずっ
「おいしい、おいしいよ、タクヤの、ちんぽ」
「ねえ」
「ん?」
ルミ子は、とろんとした目で、タクヤの呼びかけに応える。
「なに?」
「おマンコ、なめたいよ」
「うん」
ルミ子は、肉棒を握る手は、そのままに、
下半身を、移動させて、
拓也のからだに重ねていって、
股間を、拓也の顔の前に、差し出した。
ぷっくりとした尻は、ひんやりとしていた。
正面に、淫らに濡れて、ぱっくりと開いた淫裂。
肉の裂け目を、両手で広げる。
「あん」
肉穴の粘膜は、赤く充血して、
濡れてつやつやと光っていて、
びらびらが取り囲み、
その外側を、黒ずんだ唇が縁取っている。
「すごく、いやらしい」
「タクヤったら」
「ものすごく、いやらしいよ、ここ」
「いやになった?」
「いや、いやらしくて、いやらしくて、たまんないよ」
「もぉ」
じゅぶ
拓也は、口をつけ、たまっていた淫水を、すすった。
「んぐっ」
じゅぶ
「あうっ」
ルミ子は、拓也の舌の動きに、肉棒をしゃぶり続けられなくなった。
肉棒をにぎったまま、拓也の太ももに、頭をのせた。

肉穴に、舌の先を差し込む。
肉棒のように、もぐり込むことは、できない。
小さな洞穴の奥は、見えなかった。
舌が、クリトリスを探りあてる。
豆粒ほどの大きさの、肉芽。
舌先で、こする。
「あうっ」
包皮はめくれて、クリトリスは、紫色にふくれあがっている。
「もっと」
ルミ子は、哀願するように言った。
「もっと、クリ、しゃぶって」
拓也は、唇をつけると、ジュッ、と強く吸った。
「あふっ」
ルミ子の尻が、ぎゅっ、とすぼまった。
「クリ、キモチ、いいよぉ」
「クリも、おマンコも、おっぱいも、気持ちいいんだね」
「ウン、タクヤ、あたし、クリも、おマンコも、おっぱいも、キモチいい」
「そうなんだ」
「それに・・・・・・もっと、ほかのところも・・・・・・」
「どこ?」
「タクヤ、自分で、見つけて」
「ああ」
「指で、して」
もっと、強い刺激が欲しくなって、
ルミ子は、体の向きをかえた。
「指で、クリ、いじって欲しい」
切なく、求めてくるルミ子は、愛らしく、
拓也は、濃密なキスを交わしながらからだをずらしていって、
手を、ルミ子の股間に差し入れた。
指先を、肉穴にたまった蜜で濡らすと、
そっとクリトリスをこする。
「んぐっ」
人さし指の腹で、つま弾くようにこすっていく。
ほんの数ミリの、細かく、速い動き。
「んっ、んっ、んっ」
拓也の指の動きにあわせて、ルミ子がうめく。
クリトリスが熱を帯びてくる。
拓也は、肉穴に指を沈めて、蜜に浸し、
こりこり、こりこり、こりこり、こりこり
クリトリスをこすり続ける。
あうっ、あうっ、あうっ、んぐぅ、んぐぅ、んぐぅ」
ルミ子の快感が、どんどん高まっていく。
うめき声が、あえぎ声に変わり、そして、悲鳴に変わっていく。
「あああああああああああああぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」
体をぶるぶる震わせて、イッた。

2つめのコンドームを、拓也は自分で外していく。
ルミ子は、拓也の指先を見ている。
何度もイッて、ルミ子は、動きたくなかった。
セックスのあとの、このけだるさ、
体中の皮膚が、ほてって、
腰に心地よい疲れがあって、
ルミ子は、この時間も、好きだった。
男が、後始末をする姿を、ぼんやり、見ている。
拓也が、力を失って、ノタリと垂れ下がった肉棒を、
ティッシュで拭いている。
拓也が、立ち上がり、トイレに向かった。
拓也の、引き締まったからだが、いとおしかった。
尻と、太ももの動きを、ルミ子は、眺めている。

ぐうううっ
拓也の、腹が鳴る。
「おなか、すいたね」
ルミ子が言った。
「なにか、食べよう?」
「うん」
「ねえ、嫌いなもの、ある?」
「いや、ないよ」
「じゃああ、あたしに、まかせて」
「うん」

ルミ子は、ルームサービスに、電話をした。
「サーロインステーキ、できるよね?」
「はい、用意して、あります」
電話の向こうの声が、拓也の耳にも聞こえる。
「じゃあ、それ、お願い、あ、それと、ワインも、ね」
「はい、かしこまりました」

ルミ子は、トイレに行った。
排尿の音が、拓也に聞こえた。
ベッドにもぐり込み、まどろんでいると、ルミ子ももぐり込んできて、
口づけを交わし、うとうとしたのだった。
進む

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