肉欲の罠(修正版)

沼 隆

おことわり この作品は、フィクションです。
      登場する人名、地名、団体名は、
      実在するものと一切関係がありません。

登場人物  牟田 沙織 看護師
      牟田 淳史 沙織の夫
      牟田 拓也 淳史の弟 大学生
        *   *   *
      上原真樹夫 会社員


(1) 義弟

相模栗原の駅西口から、バス停で5つめのあたりに広がる住宅地。
瀬口美恵子の家の向かいに、しゃれたアパートが建っている。
その101号に、牟田淳史、沙織夫婦が住んでいる。
淳史は、〈三茶信用金庫〉の職員、二子玉支店に勤務している。
沙織は、〈聖らびあクリニック〉の看護師だ。

ゴールデンウィークが終わった、月曜日の朝である。
朝から、汗ばむほどの陽気だ。
淳史は、朝食抜きで、出勤していった。
沙織は、コーヒーメーカーのスイッチを入れる。
沙織は、ゴールデンウィーク中に当直日があったので、
今日は代休日である。
結婚3年目、ふたりだけの生活なのだが、
昨日は、淳史の弟、拓也が、遊びに来た。
時々、泊まりがけで夕食を食べに来る。
拓也は、食費の節約になる。
淳史は、弟の生活ぶりを、
四国の両親に報告して、安心させるためでもある。
拓也は、3浪して、この春、〈相模原国際経済大学〉に入った。
兄弟で、酒を飲んで、拓也は一泊した。
そして、淳史が出勤し、8時を過ぎた。
拓也は、まだ寝ている。
(さっさと、帰ってよっ!)
沙織は、イライラしてくる。
学校に行かないのだろうか。
でも、それでは、沙織は困るのだ。
10時に待ち合わせをしている。
化粧も、着替えも、これからするのだ。
「拓也くん、起きてよ」
返事がない。
「拓也くん、あたし、出かけるんだから、早くして!」
拓也は、ふてくされた顔をして、
沙織の前に現れた。
よれよれの下着姿で。
男根が、だらりと垂れ下がっているのが、ふくらみからわかる。
寝起きの体臭が、汗臭い、オスの臭いが、沙織の鼻をついた。
獣の臭いだ。
「ねえ、腹、すいたよぉ」
「やめてよ! あたし、でかけるんだから」
「おお、こえぇ」
「学校が、あるんでしょ」
「余計なお世話だよ」
「いいかげんにしてよ、さっさと、帰ってよ!」
「わかりましたよ、ネエさん」

  拓也は、淳史と沙織が結婚すると、遊びに来るようになった。
  新婚夫婦の生活を、好奇心むき出しに観察した。
  それから、いやらしい目で沙織を見るようになった。
  気がつくと、じっと沙織の後ろ姿を見つめていたりするのだ。
  沙織が、いやな顔をしたことで、
  もっと大胆に、見るようになった。
  胸のふくらみを、じっと見つめられると、ぞっとする。
  淳史に話した。
  「おいおい、おれの弟を、そんな風に言うなよ」
  話しても、無駄だった。

沙織は、夫婦の寝室に入った。
ドレッサーの前に座って、化粧を始める。
淳史が、隣の部屋で、わざと音を立てながら、着替えをしている。
無理矢理起こされて、腹を立てているのだろうか。

拓也は、沙織の姿を思い出している。
寝ぼけた顔を装いながら、
沙織を観察したのだった。
沙織の肌は、しっとり、汗ばんでいた。
白いブラウスの下に、輝くように真っ白なブラジャーが透けていた。
胸のふくらみが、拓也を誘うかのように突きだしている。
ジーンズは、尻にぴったり張り付いて、割れ目に食い込み、
尻のふくらみを見せつけていた。
アサダチは、萎えたのだが、
沙織のせいで、肉棒が堅くなっている。

 尻も、おちちも、ぷりぷり、ぷりぷり
 おおっ
 ちんぽが、ボッキしちまったぜ
 ふふっ、ふふっ、ふふっ

拓也は、いきり立った肉棒を、ジーンズに押し込めながら、
妄想していた。
沙織を布団に押し倒し、
いやがる沙織を犯す。
鼻息を荒くしていた。
(ああっ、いやっ、いやっ、いやっ、やめてっ)
(ふふっ、ふふっ、ふふっ)
ブラジャーをむしり取り、パンティを引き裂く。
(いやっ、いやっ、いやぁぁぁぁぁ)
拓也は、指先に、女の乳房の弾力を、
下腹部のすべすべした手触りを、
陰毛の感触を、
秘肉のじっとりしたヌメリを、
想像していた。
壁の向こう、すぐ手の届くところに、沙織がいる。
拓也は、のろのろと着替えながら、
妄想の中で、沙織を犯していた。
肉棒が、女陰にめり込んでいく感触さえ、感じていた。
拓也は、自分のからだに密着して、もだえる沙織を、
なまなましく感じている。
いきり立った肉棒を、沙織の中にぶち込みたかった。
肉棒は、やりたがっているのだが、
拓也は、ガマンする。
拓也も、待ち合わせをしているのだ。

向かいの家に、車が止まった。
アパートの住人たちが、〈月曜日の男〉と呼んでいる、
建築業者が、愛人の家に到着したのだ。
それは、9時を過ぎたしるし。
沙織は、10時に、町田で、待ち合わせをしている。

化粧がすんだ。
ドレッサーの前で、全裸になる。
からだには、自信がある。
胸も、おしりも、なまめかしい曲線を描いている。
「なまめかしい」
と言ったのは、看護学生時代につきあった、中年男だ。
引き出しの奥にしまい込んでいた、下着を取り出す。
パンティをはき、ブラジャーをつける。
そのとき、いきなり寝室のドアが開いた。
「いやっ!」
沙織は、両腕で胸を隠す。
「へえ、ネエさん、セクシーだねぇ」
拓也が、にたにた、薄気味の悪い笑みを浮かべている。
「なによ、いやらしいっ!」
「へへっ、そっちこそ」
「出てって!」
「はいはい、じゃあ、ネエさん、また来るね」
拓也は、沙織の下着姿を、なめるように見ると、
にたりとほくそ笑んで、出て行った。

ひらひらがついたミニスカートに、
胸元にギャザーが入ったキャミソール、
男たちが振り返る。
沙織は、うきうきしていた。

(2) 出会い

上原真樹夫は、近づいてくる女を見て、にんまりした。
ひらひらがついたミニスカートに、胸元にギャザーが入ったキャミソール、
胸のふくらみ、ウエストのくびれ、
ミニスカートのすそが、ひらひら揺れて、
ナマ足が、まぶしい。

女は、にっこり微笑んだ。
「やあ」
「こんにちは」
「すぐそこだから」
「はい」
男は、先に立って歩き出す。
女がついてくるのを確かめるように、
横目で振り返る。
ラブホテルは、すぐそこだ。

部屋に入るなり、真樹夫は女を抱きしめた。
「あっ」
女は、かすかに声を上げた。
いやがる声ではない。
女は、テーブルにバッグを置いた。
だきよせた女の胸が、真樹夫のからだに押しつけられる。
ぶにゅ
そのボリュームに、真樹夫は満足した。
真樹夫は、何も言わずに、女の唇をすった。
女は、真樹夫にしなだれかかる。
真樹夫の肉棒は、すでに堅くなっていて、
女の下腹部に触れた。
女は、肉棒の堅さに、反応した。
真樹夫は、肉棒を、ことさら女の下腹部に押しつけた。
(ほら、おれのムスコだ、感じるだろ?ふふ)
舌をからませる。
女の鼻腔から、甘い吐息がもれる。
ねっとりと舌が、互いの舌をなめあい、
唾液がまざりあう。
真樹夫は、抱きしめている女の背中を、ゆっくりとなでる。
左の腕で女の上半身を支え、
右の腕は、女の体の曲線に沿って、
腰から尻へと降りていく。
スカートの上から、女の尻をそっとつかむ。
女は、敏感に反応した。
女の尻が、キュンとしまり、
かすかに上体を反らせて、
真樹夫の口元に、熱い吐息をはいた。
(ふふ)
スカートの裾から、指を差し込む。
女の尻が、ぴくりとした。
小さなパンティが、尻を包んでいる。
そのパンティを、押し下げながら、尻をじかにつかんだ。
ひんやりとした尻の感触。
うっすらと汗ばんでいる。
ひんやり、しっとりとした尻。

真樹夫の指は、パンティにもぐり込む。
尻から腰を回って下腹部へ、
ゆっくりとすべらせていき、
陰毛におおわれた下腹部をなでた。
「ああん」
女は、声というより、のどからこぼれ出すように
かすかな悲鳴を上げた。
真樹夫の指は、淫裂に滑り込む。
「ああ、こんなに、濡れているよ」
「いやぁ」
「ぐっしょり、濡れてる」
「んっ」
「いやらしい、からだだ」
「いやぁ」
「ほら、ぐしょぐしょだよ」
蜜に濡れた淫裂を、真樹夫の指は、なめらかにはい回る。
そこは、ぬるぬるとして、しかも、熱かった。
真樹夫は、からだをかがめながら、指をすべらせていく。
人さし指の先端が、肉穴にもぐり込む。
「あああん」
ちゅぷ
肉穴は、真樹夫の指先をきゅっ、と締め付けた。
真樹夫は、ぶち込みたくなっていた。
指を抜く。
女のキャミソールを脱がせ、ブラジャーをはぎ取った。
フックを外してやると、スカートは女の足下に落ちた。
パンティ1枚の姿になった女を、
真樹夫は抱きかかえ、ベッドに寝かせる。
女は、両腕で乳房を抱きかかえるように隠し、
そろえた両膝をくの字に曲げて、真樹夫を見上げている。
真樹夫は、舌なめずりをした。
脱いだシャツとパンツを、ソファーの上に放り出し、
股間を隠す下着1枚の姿になる。
女は、真樹夫をじっと見ているのだった。
ふくれあがった肉棒が、下着の前をもっこりと突き上げていて、
先走りが下着に小さなシミをつくっている。
真樹夫は、前屈みになりながら、下着を脱いだ。
女の潤んだ目が、肉棒を見つめる。
真樹夫は、ベッドに上がる。
女のパンティをはぎ取る。
さっき、指で確かめた陰毛の生え具合を、真樹夫は目で確かめる。
逆三角形をした黒い茂みが、しっとりと湿り気を帯びて、
女の下腹部に張り付いている。
乳首が、たっている。
真樹夫は、女を左の腕で抱くようにして横たわり、
唇を吸い始めた。
女が、応える。
自分から、真樹夫に乳房を押しつけてきて、
ねだるように、からだを寄せてきた。
ぺちゅ、ぺちゅ、ぺちゅ
唇が、舌がふれあい、からみ合い、吸いあう。
真樹夫の指が、淫裂に分け入って、
クリトリスを探りあてて、
指先で、転がすようにいじると、
女は、尻をぷるぷると震わせた。
そして、クリトリスを、真樹夫の指に押しつけるように突きだしてきて、
もっと、もっと、とせがむのだった。

蜜があふれ出して、
肉穴の後ろにある、すぼまった小さな穴に流れていって、
そこらあたりを、ぐっしょりと濡らしている。
真樹夫は、上体を起こす。
それから、女の足を開かせながら、下半身を割り込ませていく。
女に、ひざを立てさせる。
女の肉穴は、真樹夫をほしがって、よだれをしたたらせている。
真樹夫は、右の手に肉棒をつかむ。
女は、潤んだ目で、真樹夫をじっと見ていた。
真樹夫は、女におおいかぶさっていく。
肉棒を淫裂にあてがう。
それから、すぐに肉穴を探りあて、
先端部分をもぐり込ませる。
「あはっ」
肉棒が、さしこまれるこの瞬間を、
女は待ちこがれていたのだろうか、
気持ちよさそうな悦びの声を上げた。
肉穴は、よくしまっていた。
真樹夫の亀頭のふくらみを確かめるように、
きゅっ、きゅっ、と締め付ける。
真樹夫は、じわじわと、埋め込んでいった。
熱く濡れた肉穴が、
真樹夫の肉棒をくわえ込んでいく。
「んんんっ」
女は、焦点を失った目を、天井に向けていた。
そして、鼻であらい息を吐き、
からだをぶるぶるっと、ふるわせた。
すっかり埋め込んで、真樹夫と女の恥骨がぶつかる。
「ああっ」
真樹夫は、ゆっくりと腰を動かし始める。
しゅぶ
しゅぶ
しゅぶ
しゅぶ
しゅぶ
「あああっ」
(いい声、だしやがる)
「あああっ、あああっ、あああっ」
女は、真樹夫にあわせて、自分も腰を使い始めた。
そして、そうすることで、もっと気持ちがよくなったのだろうか、
女のあえぎ声が、だんだん大きくなっていった。
獣のように、うめき、あえぎ、泣いた。
いきなり、真樹夫にしがみついてきて、全身をぶるぶると震わせたりもした。
真樹夫のひたいに、背中に、うっすらと汗が浮かび上がる。
「もっと、気持ちよく、してやるから」
真樹夫が、言葉にした。
「うん、うん、うん」
女は、真樹夫を潤んだ目で見上げながら、そう答えた。

  【最近、夫婦生活がなくて。 不満なわたしをなぐさめて】

出会い系サイトの書き込みを見てコンタクトをとった女が、
掘り出しものだった。
女が、恥ずかしさも何もかも、すっかり忘れて、
快感に身をまかせて、
からだをくねらせ、よがり声を上げた。
真樹夫は、すっかり満足していた。
コンドームを2個使い、
なごりおしい気持ちで、シャワーを浴びた。
午後は、仕事に戻らなければならなかった。

(3) 余韻

牟田沙織は、町田の駅に近いイタリアンレストラン
〈ら・ばるば〉に入った。
〈サラダ・マリナーラ〉を待つ間、
真樹夫のことを思い出している。
乳房が、真樹夫の指と、唇と、舌の動きを思い出している。
優しく、力強く、
揉んで、舐めて、吸った。
その感触が、よみがえってきて、
乳房を触りたくなる。
それから、性器。
真樹夫は、指で丹念に愛撫して、
挿入するときも、沙織を焦らせるようにして、
もぐり込んできた。
そのあとも・・・・・・
沙織を、たっぷり楽しませてくれたのだ。
久しぶり・・・・・・
余韻が、下腹部に残っていて、
沙織の体は、火照ったままなのだ。
真樹夫が、仕事に戻らなくては、と言って、
なごりおしそうに沙織のからだを離れていった。
もっと時間があったら・・・・・・
もっと、したかったのに・・・・・・
いったん火がつくと、沙織のからだは冷めにくい。
淫裂が、膣が、子宮が、そして、乳房が、
快感の余韻を楽しんでいる。
沙織の体は、欲張りなのだ。

〈サラダ・マリナーラ〉は、美味しかった。
魚介も、野菜も、新鮮だし、
いいオリーブオイルを使っている。
コーヒーを飲みながら、待ち合わせまでの時間をつぶす。
2時に、待ち合わせをしている。
勘定を済ませて、店を出て、
ビルのトイレに入って、パンティをはきかえた。
股布は、淫水がねっとりとしみこんでいた。
進む

戻る