麻耶の黒い下着(修正版) 第15回

沼 隆

登場人物  坂下大樹 アマチュア写真家 浩平の父親
      野口明菜 麻耶の妹 大学生
      真壁宗男 大学講師
      浜部朱美 大樹の写真仲間
      沢渡良太 大樹の写真仲間
      篠田麻妃 大樹の写真仲間


(1)

山口県、〈湯涌温泉〉のホテル。
ダイニングルームで、ビュッフェスタイルの朝食。
ツアーの客が大勢いる。
洋服姿の客が多いのは、朝食が済んだら、出発するのかもしれない。
駐車場には、大型の観光バスが何台も並んでいる。
秋芳洞、萩、津和野、青海島・・・・・・
〈湯涌温泉〉周辺に、観光地がいくつもある。

7時に、6人がそろった。
くつろいだ浴衣姿だ。
朝食は、美味かった。
「いつもは、こんなに食べないのに」
と言いながら、麻妃は、ご飯のお代わりをした。
朝日が、ダイニングルームに射しこんで、まぶしい。
9時に、宗男の部屋に集まることにして、それまでは、思い思いに過ごすことにした。
排便もしておきたいし、準備もいる。
朱美が、みんなから離れて、ロビーの隅に行き、携帯をかけている。
ダンナに、モーニングコールでもしているのだろうか。

明菜と宗男の部屋。
明菜が、排便を済ませ、歯を磨いている。
宗男が、バスルームに入ってきた。
明菜を背後から抱き寄せて、
浴衣をはぎ取った。
「ま、まって」
鏡のなかに、裸の明菜。
「ふふ」
宗男は、ムッチリ盛り上がった明菜の乳房を、
重さを確かめるようにもみ上げる。
「あうん」
「キモチ、いいか、そうか」
「あんっ」
「いい弾力だ」
「あうっ」
「ここも・・・・・・はは、こんなに、濡らしてやがる」
「いやぁ」
宗男の腕の中で、明菜の体が悶える。
「おっと、チンポ、起ってきたよ、明菜」
硬い肉棒が、明菜の腰を突く。
宗男が、明菜を放す。
明菜は、ほっとして、両手を洗面台に突いた。
宗男が、ポーチから、浣腸器を取りだした。
「いやぁ・・・・・・それ、いやぁ」
ジュズッ
宗男は、手早かった。
浣腸器をグリセリンの液体で満たす。
「尻を、突きだせ」
「いやっ」
「なんだと!」
「それ・・・・・・いやっ」
「おい、おれを怒らせるのか?」
「なんでだよぉ」
明菜は、宗男の剣幕に気圧されて、尻を突きだした。
「アナル、いやだよぉ」
「ふん」
宗男は、指先で明菜の肛門を広げ、
浣腸器の先端をさし込んだ。
「うううっ」
150ccほどの液体が、明菜の直腸に注ぎ込まれる。
「んんっ」
宗男が、浣腸器を抜いた。
「5分、ガマンしろ」
「んんん」
明菜は、洗面台に突っ伏した。
「ふふ、がんばれよ」
「ア、アナル、い、いやだ、よっ」
「ゆうべ、朱美に、やらせろ、っていったら、あの女、ことわってさ」
「ううっ」
宗男は、鏡に映った明菜の、苦痛にゆがんだ顔を見下ろしながら、
浣腸器を片付けていく。
「アナルが、どんなにいいか、あいつらに、見せてやる」
「そんなの、いやぁ」
「ふふ」
「・・・・・・」
「どうした?」
「・・・・・・」
「効いてきたか?」
「・・・・・・」
明菜のひたいに、汗が浮かんでいる。
「そうだ、もっと、ガマンするんだ」
「も、もう・・・・・・無理・・・・・・」
「バカ言え、まだ2分もたっていないぞ」
「んんっ」
「そう、そう、おまえの、その顔」
「んぐっ」
「苦しそうな顔、かわいいよ、かわいいよ、明菜」
「お、おねがいっ」
明菜の声は、悲鳴に変わっている。
ぐるるるるるる
下腹部がなる。
明菜は、下半身をよじりながら、必死でこらえる。
明菜が、一瞬でも気を緩めたら、
激しい勢いで、噴き出すだろう。
宗男が、明菜の下腹部を鷲掴みにして、ぎゅうっと揉みあげた。
「うぐうっ、や、やめ・・・・・・やめてっ」
「まき散らすんじゃ、ないぞ」
明菜の顔から、血の気が引いていく。
「いいぞ、明菜、いいぞ」
なんという苦痛、体の中で、怪物が暴れ回っているような、
すさまじい苦痛、
括約筋に、神経を集中して、
必死で、括約筋を締める。
「も、もう、無理・・・・・・」

快食快便で爽快感がからだ中を充たす。
大樹の全身に、力がみなぎっていく。
朱美と、ひとハメしたい気分だ。
紫色のレースの下着。
ブラジャーのフックを留めながら、抱きしめてやる。

朱美には、初めてのスワッピングだったし、
初めての乱交だった。
ゆうべ、真夜中すぎに、宗男や明菜たち4人が自分たちの部屋に帰っていったあと、
大樹は朱美をしっかり抱きしめて、
「朱美のおかげで、とても愉しかったよ、ありがとう」
と言った。
朱美は積極的に参加したわけではない。
けれど、初対面の宗男に抱かれることは、怖くて、
その怖さのせいで、けっこう興奮したのだった。
アナルを求められて、それはお断りした.
朱美は、アナルセックスの経験がない。
初めての男と、いきなりアナルというのは、いやだった。

大樹は、朱美の腰に、勃起を押しつける。
朱美は、それをぎゅっと握りしめた。
「今日も、楽しんでくれ」
朱美は、鏡のなかの大樹を見つめて、うなずいた。
みんな忘れて、なにも考えないで、セックスするキモチになっていた。
そのために、来たんだ。
最後には、大樹が、きちんとして欲しい、と思っている。
仕上げは、大樹のおちんちんが、いい。

9時になった。
宗男の部屋のドアには、
「起こさないでください」
という札が、掛けてあった。
大樹のノックに、明菜がドアを開けた。
明菜は、下着姿だった。
光沢のある、黒の、エナメルのブラと、Tバック。
「いいねえ、うれしいねえ」
大樹の言葉に、明菜は答えないで、
「脱いだものは、ここに」
クロゼットを示した。
大樹は、裸足になり、浴衣を脱いだ。パンツ1枚になる。
朱美も、下着姿になる。
「これをつけて」
明菜は、ふたりにマスクを差し出す。
「仮面舞踏会だね」
「そうよ」
「大胆になれる」
「大樹さんの望み通りね」
明菜の言葉には、皮肉があった。

部屋の奥では、宗男が何か忙しそうにしている。
黒のTバックは、明菜と揃いなのか、
エナメル風に光沢があり、つやつやと光っている。
明菜は、テーブルにグラスを用意している。
ノックがして、大樹がドアを開く。
麻妃と良太が立っていた。
マスクをつけた下着姿の大樹を見て、
良太が、オッ、という顔をした。

ダブルベッドが、部屋の真ん中にある。
寝乱れたシーツが、そのままだ。
ベッドサイドテーブルの上に、宗男のコンドーム、
それに、バイブレーターが置いてある。
大樹は、持参したコンドームを、隣に置いた。
良太も、コンドームを並べる。
宗男は、ビデオカメラをセットし終えた。
カメラには、ライトと、マイクが取り付けてある。
「大樹、ちょっと・・・・・・」
「なんだい?」
朱美が、大樹を部屋の隅に呼ぶ。
「ビデオ、撮るの?」
「そうだよ」
「そんなの・・・聞いてない」
「いいじゃないか、せっかくムネさんが用意したんだし」
「そんな・・・・・・」
大樹は朱美に答えようともしないで、宗男のところに戻る。
「バッテリーは?」
「じゅうぶん」
「ちょっとやらせてよ」
「いいですよ」
宗男は、大樹に要領よく教えていく。
室内を撮影、再生して、納得した様子だ。
「なるほど」
「さすが、メカに強いですね」
「こういうもの、大好きなんだよ。おもしろいね」
「ビデオに転向しますか?」
良太が、紙袋からバイブレーターを取り出した。
「これ、使っても、いいかな?」
「明菜、おまえは?」
宗男が訊くと、明菜は、いいよ、と応えた。
朱美も、うなずいた。いやだ、と言えない。
「こんなものも、用意したんだ」
「なんだい?」
「先週、仕事で熊本に行ったんだけど」
「おみやげ?」
「うん、肥後ズイキ」
「なんなの?」
「ズイキって、食べ物じゃないの?」
「これは、違うんだ」
「面白そうだね」
「使ってみようよ」
「良ちゃん、ほかには、ないの?」
「ん? すみません、これだけです」

「始めようか」
「そうだね、愉しく、やろうね」
明菜が用意した水割りで、乾杯する。
宗男が、カーテンを開ける。
覗かれる心配は、ない。
朝の光が、部屋を明るくする。
ビデオ撮影に、外の光も、欲しい。

朝の明るさのなかでは、照れる。
けれど、よけいなことを言うと、しらけてしまう。
女たちは、緊張しているのか、口数が少ない。
パートナーを、じゃんけんで決める。
男3人、女3人がじゃんけんをして、
良太と朱美が勝った。
自動的に、宗男が麻妃と、大樹が明菜と、ということになる。
良太は、朱美を抱き寄せる。
朱美は、大樹をちらりと見た。
朱美に、思いっきり楽しめと、微笑んだ。

良太の濃密な口づけを受けて、朱美の緊張が解けていく。
その朱美を、良太は軽々と抱え上げて、ベッドに寝かせた。
大樹は、壁にもたれて立っている。
麻妃と明菜は、チェアに座っている。
良太は、AV男優のように、ふるまった。
朱美の身体を、カメラに向けるように、気遣いをしながら、
抱きしめ、愛撫し始める。
「いいねぇ」
宗男が、ビデオカメラを構えて、ベッドの周りを移動しながら、つぶやいた。
朱美は、下着を脱がされていき、良太の肉竿に刺し貫かれた。
パンツ1枚の大樹も宗男も、サオを堅くしている。
「大ちゃん、来いよ」
良太が言う。
大樹は、パンツを脱ぐと、ベッドに上がり、朱美の乳房を揉み始める。
良太は、サオを抜いて、朱美の腰を抱き上げながら、ベッドに仰向けになった。
サオを、腰を沈めてくる朱美の肉穴に射しこむ。
「あああああっ」
子宮を突き上げられて、朱美が喜悦の悲鳴を上げる。
その口元に、大樹はサオを近づける。
朱美は、大樹のサオをしゃぶりだす。
口には大樹のサオを、淫裂には良太のサオをくわえ込んでいる。
大樹の指が、朱美の髪を掻きあげる。
視界のはしに、ビデオカメラのレンズが見えた。
麻妃が、朱美の背後から、乳房を揉む。
「あああああぅぅぅっ」
大樹のサオを口から出して、大きなヨガリ声を上げた。
大樹が、朱美の口にサオを戻そうとしたとき、
大樹の腰に麻妃がしがみついてきて、サオをくわえ込んだ。
しゅぼ、しゅぼ。しゅぼ・・・・・・
美味そうに、音をたててすわぶる。
すわぶりながら、尻をうごめかせて、パンティを脱いだ。
それから、麻妃は、大樹をベッドに押し倒し、
そそり立つ大樹のサオに向かって、尻を落としていく。
「あああっ」
麻妃が、泣く。
「麻妃、大ちゃんの相手は、明菜ちゃんだぞ」
「だってぇぇぇ」
麻妃は、しぶしぶサオを抜き、ベッドから降りた。
大樹は、起きあがると、明菜を抱き寄せた。
大樹は、仰向けのままである。
明菜が、大樹の下腹部にまたがり、
いきり立ったサオに指を添えながら、腰を沈めていった。

いつの間にか、良太がビデオカメラを構えていた。
宗男は、コンドームを装着している。
それから、指先にローションをたっぷり付けると、
大樹のサオをくわえ込んでいる明菜の穴の、
数センチ後ろにあるもう一つの穴に、塗りつけた。
「ああっ」
明菜は、観念しているのか、かすかに声を上げた。
「あっ」
朱美と、麻妃は、宗男のしていることが、ようやくわかった。
明菜の背後からのしかかるようにかぶさっていくと、
宗男は、明菜の肛門にゆっくりとサオを挿入していった。
「ぐぉっ」
押し殺したような声で、明菜はうめいた。
大樹と、明菜と、宗男の3Pを、
朱美と麻妃は固唾を飲んで見つめ、
良太は、息を殺してビデオを撮り続けた。
大樹と、明菜と、宗男のうめき声、
明菜のあえぎ声が、
ベッドのきしむ音だけが、
静まりかえった部屋の中で、聞こえる。
進む

戻る