麻耶の黒い下着(修正版) 第10回

沼 隆

登場人物  坂下大樹 アマチュア写真家 浩平の父親
      坂下麻耶 大樹の妻
      坂下浩平 大樹の先妻の子
       *   *   *
      野口明菜 麻耶の妹 大学生
      真壁宗男 大学講師
      浜部朱美 大樹の写真仲間
      沢渡良太 大樹の写真仲間
      篠田麻妃 大樹の写真仲間
      塩津美和 坂下家の隣人


(1)

真壁宗男(まかべ・むねお)は、ドラッグストアに寄った。
コンドームとアナル用のローション、浣腸を買う。
アナルファックまでやれるかどうかは、雰囲気しだいなのだが、
一応、用意しておくのだ。
地下鉄の室見駅近くで明菜を乗せる。
明菜のワンルームマンションは、駅から5分の所にある。
明菜は、ナーバスになっている。
生理が終わったばかり。
明菜の性欲が強くなる時季なのだけれど、
3Pが不安にさせているのか。
明菜はダイさんしか知らない。
ダイさんとは、以前したことがあるから、
もうひとりの男、リョウタが、気になるのだろうか。
宗男にも、初対面なのだ。
ダイさんの友人ということだから、心配はしていない。
経験もあるということだし、
リラックスして、楽しめばいい。
ダイさんの女、アケミにも、期待している。
初めて、らしい。
アケミも、ナーバスになっているかもしれない。
山口県のある温泉のホテルをとってある。
前回使ったホテルだ。
明日の夕方まで、3室とってある。
初めは、カップルごとに別の部屋で
うまくいったら、3組が同じ部屋で
ということになる。
今夜か、明日の午前中あたり・・・
アケミも、マキも、30代。
どんな反応を示すだろうか。
どんなテクを見せてくれるだろうか。
3人の女の中で、明菜が一番若い。
リョウタも、ダイさんも、期待しているだろう。
あしたは、もっと楽しめるだろう。
ダイさんは50近いから、がんばれるかな?
バイアグラ、使うかも・・・
くっくっくっ・・・

明菜は、大樹のことを考えていた。
宗男が、ダイさんと呼んでいる、坂下大樹は、
明菜の姉、麻耶の夫なのだ。
姉の夫と、明菜は一度セックスをしていた。
宗男に初めて連れて行かれたスワッピングの集まりに、大樹がいたのだ。
リカコという女を連れていた。
乱交の淫靡な快楽に酔い、明菜は大樹と交わった。
姉の夫と交わることに、明菜は悦びを感じていた。
いけないことをすることが、これほど激しく、
悦びを味わわせてくれるなんて。
あの日のことを、明菜は思い出している。
人の道に背く、恥ずべき行いに、明菜はおののき
同時に、そのおののきが体の芯で青白い悦楽の炎をあげている。
麻耶の顔が、ちらっと浮かぶ。
その麻耶の首に、いまわしい黒革の首輪。
浩平が、にやりとする。
乳房が張って、乳首が飛び出しているのが、わかる。
明菜の肉がうずく。
走り続ける車の振動にも刺激されて
とろとろと流れ出した蜜が、パンティの股布を濡らす。
・・・・・・触って・・・・・・触って欲しい・・・・・・
股間を、キュンと締めてやる。
・・・・・・ああっ・・・声、出ちゃう・・・・・・
流れ去る街の景色を、ぼんやりと見ている。
乳房が、うずく。
もんで欲しいと、訴えている。
・・・ガマン・・・できない・・・
「どうした、明菜?」
「・・・・・・ン」
・・・・・・したい・・・したい・・・したいよ・・・
・・・・・・ちんちん、欲しいよ・・・・・・
明菜が望むものが、手にはいるのは、まだ先のこと。
これから、6人でお昼ご飯して、
ホテルにはいるのは、3時頃。
「なんだ、乳首、たってるじゃないか」
明菜は、シルクサテンのブラをつけている。
サポート機能など全くない、おしゃれな下着。
その上にシルクのブラウスを着ていても、乳首の勃起がくっきりつき出している。
宗男は、にやりとする。
さっき、明菜がナーバスになっていると心配したのは、よけいなことだったな・・・
これだと、あそこは、濡れ濡れだな・・・
濡れ濡れといっても、明菜の蜜は、ネットリしている。
指を2本挿しこんで、明菜の蜜をたっぷりつけて、
引き出した指をV字に広げると、指のあいだに、糸を引くのである。
その粘りけが、男根に、ぬめぬめした快感を与えてくれる。
宗男は、集合場所である九州自動車道、古賀SAに車を走らせる。

(2)

古賀のSAで3組が合流し
早めの昼食をとって、山口に向かう。
秋芳洞によって、ホテルにはいると、ちょうどいい。
「ねえ、明菜、いくつなの?」
朱美が、大樹に訊ねる。
「大学に行ってるからな」
大樹は、明菜の年齢を知っている。
妻の妹なのだ。
誕生日まで知っている。
「なんで、あんな若い子、いれるんだよぉ」
「おいおい、なに、すねてるんだよ」
「不公平ジャン、大樹も、良ちゃんも、あんな若い子抱けるのにさ」
「仕方ないだろ、ムネさんの彼女なんだから」
「大樹、知ってたんでしょ?」
「知ってたけどさ」
「あの子と、やりたかったんでしょ?」
明菜と、やることになる。
それは、はっきりしている。
オレは、明菜とやりたくて、きょうのパーティを決めたのだろうか?
きっかけは、このあいだの撮影会だった。
良太・麻妃とセックス写真を撮りあって
それから、スワッピングをしようと、持ちかけたのだった。
朱美も渋って見せたけれど、結局同意して
つまり、機が熟したワケなのだが
2組のスワッピングの計画がふくらんで、宗男・明菜を引き入れたのだった。
大倉人志も誘ったのだが、仕事の都合で参加できなかった。
ずいぶん、悔しがっていたのだ。
オレの都合も考えてくれよと、文句を言われたのだった。
「ムネさん、オレより若いんだから、彼女が若くても、仕方、ないだろ」
「なによっ」
オレは、明菜とやりたいのか・・・
麻妃とやりたいと思った。
良太は、朱美とやりたがっている。
それが発端だった。
2組でやっても良かった。
宗男・明菜を引き入れたのは、パーティをもっと愉しくするため。
明菜とやるため。
明菜の、20すぎの若いからだが
弾力と、硬さと、しなやかさと
イクときの表情を思い出す。
あえぎ声。
イクときの声。
ただ一度交わっただけなのだが、
もう一度、味わいたい。
メインは・・・明菜・・・
「帰るか、朱美?」
「えっ」
「いやなら、帰ってもいいよ」
「どうすんのよ」
「うちまで、送っていく」
「どういうこと?」
「あの4人を、がっかりさせたくないからな」
「どうするのよっ」
「おまえをおくって、あとで4人と合流して、カメラマン、やるさ」
5人で、楽しむことだってできる。
カメラマンに徹する?
まさか。
乱交に加わるさ。
「八幡のインターチェンジで、引き返す」
「・・・・・・」
朱美のからだは、もうたっぷり味わった。
そろそろ、終わりにするか・・・
一悶着あるのがウザイけれど、なんとか切り抜けて・・・
良太と宗男は、がっかりするだろうけれど・・・
古賀のSAで昼飯を食っているとき、ふたりとも、
朱美が気に入った様子だったからな・・・
すまん、良太、宗男・・・
「ねえ、怒ってるの?」
「ああ」
「・・・・・・」
「クダラナイこと、いうからサ」
クダラナイことというより、痛いところをつかれた、というべきか。
「ごめん、大樹」
「いいよ、しかた、ない」
八幡ICが近づいてきた。
大樹は、ムッとした表情で、前方を見つめている。
週末が、台無しだ。
この女のせいで。
くそっ
馬鹿女がっ
送っていくと口走ったことを、後悔している。
そうだ、鹿児島本線の最寄り駅で降ろせばいい。
ぶちこわしにされて、たまるか!
最寄り駅は、八幡か、黒崎か・・・
出口に向かう。
携帯が、鳴り出す。
「だいちゃん、どうしたの?」
麻妃だった。
「朱美が、いやだっていうから、送ってくる。ホテルで、合流するよ」
「そっか・・・」
携帯を切ると、大樹は、朱美に言った。
「朱美、悪いけど、電車で帰ってくれないか」
「えっ」
「黒崎か、八幡の駅まで送るから、そこから電車で帰ってくれ」
「ひどいっ」
大樹は、朱美をなだめようという気持ちが湧かなかった。
あとで、良太や宗男に文句を言われるかもしれないが、
朱美のスケベな身体を、ふたりは味わいたかったに違いないのだから、
味わい損ねさせた責任は、大樹にある。
「素直に受け入れればいいだろうがっ」
若い女に嫉妬してどうなる?
おまえは、そのスケベな身体で、楽しめばいいのだ。
良太のチンポで、宗男のチンポで、
オレとハメる時みたいに、ハメまくればいいじゃないか。
大樹は、むかついていた。

こんな大樹を見るのは、初めてだった。
朱美は、どうしたらいいのか、わからなくなっていた。
「降りろ」
「・・・・・・」
「早くしろ」
「大樹、ごめんなさい」
うしろの車が、クラクションを鳴らす。
「大樹と、行くから」
「ちっ」
大樹は、ことさらいやみたらしく、舌打ちをする。
「よけいな手間をかけさせるんじゃない」
時間を無駄にして、しかし、大樹は、ほくそ笑む。
朱美は、二度とワガママを言わないだろう。
車を、八幡ICにむけて走らせる。
ちょっと手間取ったが、これで、良太にも、宗男にも、文句を言われることはない。
オレは、なんでいらだっているんだろう・・・
麻耶のことが、ちらりとかすめる。
後ろめたさからなのか・・・
明菜を抱く。
麻耶の妹を。
しかし、大樹は明菜を抱きたかった。
明菜の中に、チンポを埋め込みたかった。
二十歳過ぎの女の、肉の手触り、
あの日の、若々しい反応を、大樹は思いだし、
もう一度、この指で、このチンポで、感じたかった。
「朱美、麻妃ちゃんに電話して、行くって伝えろ」
朱美は、バッグから携帯を取り出す。
「麻妃、ごめんね、あたし、一緒に、行くよ」
「あはは、良かった、がっかりしてたんだよ、朱美ったら、おしおきだからねっ」
麻妃のうしろで、良太の笑い声が上がる。

(3)

ディルドーが、塩津美和の肉穴からゆっくりと抜かれていく。
美和が、なごり惜しむように、もう一度味わうように、
肉穴を絞めては、ゆるめている。
真っ黒いディルドーが、とうとう肉穴から出てきた。
ぷっくりと膨れあがった亀頭が、美和の膣液に濡れて、光っている。
亀頭が、肉襞から離れるとき、美和は大きく溜め息をついた。
それから、こちらに顔を向け、恥ずかしそうに微笑む。
恥ずかしいけれど、隠してもしょうがない。
この遊びを、麻耶は知っていたし、
浩平は、写真に撮っている。
ふたりに隠しても、しょうがない。
上体を起こして、ティッシュで股間を拭う。
乳首が、たっている。
美和は、満足していた。
とってもキモチがよかった。
夫に見つかってしまったけれど、
浮気をしたわけではないし。
下着を着ける。
麻耶と浩平の視線を感じながら。

浩平は、麻耶を抱き寄せた。
唇を重ねる。
麻耶は、抗わない。
したかったというのか・・・
舌をからませる。
ふたりの唾液が混じり合う。
麻耶の舌の裏を舐め、歯を、歯茎を舐める。
ぺちゃ、ぺちゃ、ぺちゃ・・・
麻耶の乳房を感じる。
しっかりと突き出た乳房が、浩平の身体に押しつけられる。
むっちりとしたふくらみが、浩平の胸板で押しつぶされて、ゆがむ。
その、押しつけられ、押しつぶされ、ぐにゅりとゆがむ感触を、浩平は味わっている。
ワンピースの背中のファスナーを引き下ろす。
浩平は、開いたところを左右に広げる。
麻耶の両方の片が現われる。
ワンピースを引き下ろす。
ワンピースは麻耶の足下にはらりとおちて、
浩平の腕の中にいるのは、純白のブラとパンティ姿の麻耶。
・・・・・・麻耶、オレ、こんな下着、嫌いなんだよ・・・
浩平は、肉棒を堅くしている。
麻耶の肉に埋め込むのは・・・いつ?
向かいの家の窓から、ベッドに起きあがった美和が、こちらをじっと見ている。
ふふ・・・
浩平は、鼻先で笑う。
麻耶が身体を硬くする。
・・・・・・麻耶、おまえを笑ったんじゃない・・・お隣の・・・おばさんを笑ったんだ・・・
・・・・・・朝っぱらから、オナニーするおばさん・・・・・・
麻耶のからだは、浩平にしっかりと抱きついている。
麻耶は目を閉じて、しっかりと抱いている浩平の
指と、手と、腕を、背中と腰に感じている。
浩平の顔を見ることができない。
怖い・・・そう、怖いのだ。
崩れていく自分が、怖い。
夫のひとり息子と、セックスしたがっている自分が、怖い。
そう、したいのだ。
したい。
浩平くんと、したい。
浩平の指が、ブラジャーのフックをはずしてしまう。
ブラジャーがはぎ取られ、乳房があらわになる。
浩平が、麻耶にのしかかるようにして、左の乳房に吸い付いて、
じゅばっ、じゅばっ、じゅばっ、と
激しく吸うのだった。
麻耶の乳房は、敏感に反応し、
快感が、乳房から全身に広がっていき、
子宮を引きつらせ、
膣から液をしたたらせた。
浩平は、強く吸った。
強く、強く、吸った。
じゅばっ、じゅばっ、じゅばっ・・・
麻耶は、必死でこらえた。
声が、漏れるのを。
感じていることを示す、淫らな声が漏れるのを。
唇をしっかり閉じて、あふれ出ようとする声を、こらえる。
こらえても、こらええても、
乳房から全身にほとばしる快感が、とうとう、麻耶に声を上げさせた。
「ああああああああああああああああああ」
喉を締めあげるような、悲鳴となって、
麻耶の口から、淫らな声が、吹き出す。
「ああっ、ああっ、ああっ、ああっ」
ひとたびあふれ出たら、もうこらえることはできなかった。
そのまま、浩平のベッドに押し倒される。
のしかかってきた浩平に、右の乳房をもみし抱かれ、左の乳房を激しく吸われて、
麻耶の閉じた目は、まぶたの裏に、閃光を見ていた。
頭の中が、真っ白になり、
なにもかも自制が効かなくなって、
激しく嗚咽しながら、身体をヒクつかせている。
浩平は、パンティを引き裂いた。
「ああっ」
驚いて、麻耶は一瞬目を開けた。
引き裂かれるときに、パンティが食い込んで、股間に痛みを感じてもいた。
浩平と、目が合う。
強い視線に、麻耶は、怖くなった。
目を閉じてしまう。
両ひざを浩平につかまれ、左右に大きく広げられる。
「あ。いやっ」
性器が、むき出しにされてしまう。
浩平は、じっと見つめているのだろうか。
浩平が、麻耶の股間に顔を埋めてきて、
じゅるっ
淫裂にたまった麻耶の淫らな汁を、浩平が吸ったのだ。
じゅじゅじゅっ
うっすらと目を開くと、麻耶の両腿のあいだに、浩平の頭があった。
気配を感じたのか、浩平が視線を摩耶に向ける。
真剣な目をしている。
じゅじゅっ
淫水とともに、びらびらした粘膜も吸われる。
キモチ・・・いい・・・
浩平の舌が、淫裂を丹念に舐めていき、それから、肉穴を広げながら、挿しこまれる。
・・・そこ・・・そこが・・・そこが・・・そこに・・・そこに・・・
穴をひとしきり舐めまわした浩平の舌が、一瞬引っ込むと、
あの場所、ピーナツほどにふくれあがった、肉のつぼみ、
充血して晴れ上がった、肉芽を、舐め始めた。
「ああっ」
・・・もっと・・・もっと、強く・・・して・・・
・・・もっと、強くして、いいの・・・そこ、もっと・・・
「ああっ」
・・・噛んで・・・噛んで・・・噛んで・・・噛んで、いいのよ・・・
舐めまわす浩平の舌に、麻耶は無意識に、クリトリスを押しつけていた。
浩平の歯の先が、クリトリスをこすり、その刺激で、麻耶は尻をひくつかせる。
浩平は、上気して桜色に染まった麻耶のほほを見つめている。
・・・興奮してる・・・こんなに火照って・・・
わずかに開いた唇のあいだから、白い小さな歯がきれいに並んでいて、
鼻腔がかすかに広がっていて、
乳首が、たっていて・・・
おマンコ、びしょ濡れだ・・・
ふふ・・・・・・

(4)

めかりトンネルを抜けると、関門橋が目の前に現われる。
完成して、30年もたつのだ。
開通当初、父親の車の助手席に載せてもらって、見物に来たのだが、
巨大さにびっくりしたものだ。
今、沢渡良太の車の助手席には、篠田麻妃が乗っている。
良太は、バツイチ、ふたりの娘は、別れた妻が埼玉で育てている。
遠く離れてしまうと、寂しいキモチも薄らいでいく。
一緒に暮らす女が欲しい気もするが、面倒くさい気もする。

助手席に座っている篠田麻妃は、家庭がある。
夫と、3人の娘。
建設会社に勤めるダンナが、週末は、やれゴルフだ、接待だと、家を留守にして、
かまってやらないうちに、麻妃は、男をつくってしまったのだった。
ダンナは、麻妃を求めるが、
のしかかってきて、おざなりに麻妃をいじり、すぐに果ててしまうので、
麻妃は、「アナ借りマン」と呼んでいる。
さっさと終わらせてちょうだい、と思いながら、足を開く。
麻妃のほうから腰を使ったりすると、ダンナは敏感に反応して、
あっという間に射精してしまうのだ。
早漏!
ダンナが、どうしようもない早漏だと思い知って、あっさりあきらめていたのだが、
男との出会いが、麻妃をかえた。

たまたま、天神イズムで開かれていた写真展を覗いたときに、
受付をしていた沢渡良太と知り合い、
坂下大樹が主宰するサークルに入会して、
良太と肉体関係を持つようになった。
「撮影旅行」と称しては、3人の娘を祖父母に預けて、
良太とセックスを楽しんでいる。

坂下大樹は、宗男と明菜のことを、なにも話していなかった。
「良太も、麻妃ちゃんも、満足すると思うよ」
ただ、そう言った。
で、古賀のSAで紹介されて、良太は喜んでいた。
アキナは二十歳そこそこの女なのだ。
スワッピングに参加するなんて、驚きだが、好奇心が強いのか。
ムネオの仕込みがいいのか。
麻妃は、ムネオをどう思っているのだろうか。
ムネオも麻妃も30代・・・・・・
そうか、さっき、朱美ちゃんが帰ると言い出したのは、このせいか・・・・・・
良太は、納得して、ふふふ、と笑った。
「なによ、良ちゃん、思い出し笑いなんかしちゃって!」
助手席の麻妃が、にらみつける。
「ゆうべは、ダンナと?」
「そうだよ」
「りちぎなひとだね」
「そう、毎週金曜日の夜」
金曜日の夜は、必ず麻妃にのってくる。
昨夜は、危険日なので、コンドームをつけた。
セックスは、へたくそでも、女を孕ませることはできる。
「良ちゃんは?」
「ん?」
「風俗、行ってない?」
「おいおい、なんてこと、言うんだよ」
「だってさぁ、1週間ぶりジャン」
「ああ、たまって、たまって、へへ、したくてたまんないよ」
「待ちきれないんでしょ?」
「へへへ・・・」
「あたし、危険日なんだ」
「ああ」
「ゴム、使ってね」
「ああ」
「それに」
「ん? わかってるよ、ふたりにも言っとく」
コンドームを使うのは、ルールなのだが、
その場の雰囲気で、使うのをいやがったりする男がいるのだ。
一応、きちんと再確認をしておく必要がある。
たしかに、アキナと、アケミと、ナマハメできるなら、言うことなしだ。
ナマで味わいたいのは、自然なことだ。
ナマで始めて、射精が迫ったら、ゴムをつけるという線で、説得したいところだが。
肉竿が、ナマの感触を思い出して、むずむずしてくる。
へへ・・・正直なムスコだ・・・
アキナと、アケミと、麻妃ともするだろうから、
3つ味わえる。
大樹は、もう一つ用意したかったらしいが、
都合がつかなかったらしい。
もう一つ味わえたら・・・へへへ

「ビデオ、どうだった?」
「うん、すごかったよ」
ビデオというのは、昨年公開された、成人映画《華と蛇》のDVDのことだ。
先週「デート」したときに、良太が麻妃に貸したのだ。

《華と蛇》は、2種類のバージョンが公開されている。
日本国内公開版と、ヨーロッパ公開版である。
あの杉本彩乃が、
バラエティ番組にも出演する杉本彩乃が、
全裸でSMシーンを演じた超話題作。
共演の遠藤浩市とのセックスシーンも、日本版では大幅にカットされているけれど、
ヨーロッパ版ではノーカット、無修正の本番が見られるので、
芸能ジャーナリズムが騒然となっている。
30代の女ざかり、なまめかしい杉本彩乃の奔放な生き方は、
女性たちにも指示されているから、
《華と蛇》は女性週刊誌でも何度も取り上げられた。
昨年公開されたとき、配給会社は《女性専用》の日を何度も設定したので、
この映画を劇場の大きなスクリーンで見た女性もたくさんいる。
彩乃さん、きれい、とか
彩乃さん、すごい、とか
肯定的な意見のほうが多かったので、配給会社は、パート2の制作を発表している。
彩乃、って、いやらしい、とか
彩乃、汚らしい、とか
言おうものなら、女性たちから反感を買ってしまう。
「杉本彩乃、って、こんな仕事して、いいんですかね」
「せっかく築いてきたものが、これじゃあ、ぶちこわしでしょう」
とコメントした文化人は、バカ扱い。
ふん、ホントは、見たいくせに!
ババアのひがみよ!
と、罵声を浴びせられたのだ。

で、良太が麻妃に貸したのは、この《華と蛇》のDVD.
日本の配給会社が制作した正規版ではなくて、
インターネットで手に入れたヨーロッパ・バージョンの海賊版。
それを、このあいだのデートの時に、良太が麻妃に貸したのである。
「ビデオ、どうだった?」
「うん、すごかったよ」
「じゃあ、見たんだ」
「うん」
「どうだった?」
「彩乃、すっごくきれいだね」
麻妃にしてみれば、年齢がほとんど同じ杉本彩乃の
隅々まで手入れの行き届いた美しい肌に、まず見とれたのだ。
麻妃の肌も、すべすべしてきれいなのだが。
「すごく、がんばってる、びっくりしたよ」
「そう?」
「SMシーン、演技といっても、やっぱり、いたそう」
「いたいよ、きっと」
「苦しそうだったし」
水を大量に飲まされるシーンがあるのだが、
杉本彩乃の胃のあたりがぽっこりふくらんだのには、
驚いた。
おおっ! 本当に、やったんだ・・・

パリ郊外の、とあるシャトー。
正装した男たちだけのパーティ。
しかしどの男も、まがまがしいマスクをつけて、正体を隠している。
部屋の明かりが消え、部屋の中央をスポットライトが照らす。
司会者が、ショーの開幕を告げる。
「今夜は、美しい日本の女たちを、ご鑑賞いただけます」
紅毛碧眼の男たちのあいだに広がるどよめき。
男たちは、知っている。
体験したものも、いるだろう。
しっとりとなめらかな肌で知られる日本の女。
男の指先に、まるで吸い付いてくるような、肌。
今夜は、どんなショーなのか。

杉本彩乃が演じるヒロインは、舞台の中央に引きずり出される。
華麗なドレスをはぎ取られ、なまめかしい下着をむしり取られていく。
取り囲む野獣たちの熱い視線を浴びて、彩乃は必死で抵抗する。
革製のマスクと腰布をつけただけの毛むくじゃらの男がふたり、
彩乃の両脇にたち、彩乃を縛り上げ、締めあげる。
彩乃の悲鳴。
股間が大きく広げられる。
痛みと苦しさにゆがむ、彩乃の顔。
カメラはゆっくりと彩乃の股間に寄っていく。
美しく整えられた陰毛が、性器を縁取り、
肉襞のあいだに、ピンク色をした粘膜が覗いている。
SMのさまざまなテクニックが、展開していく。
日本版で施されたデジタル処理が全くないので、
杉本彩乃の迫真のSMプレイを見ることができる。
息をのむすさまじさなのだ。
手首、足首、身体のあちこちに、縛った縄のあとがついていく。
大量に水を飲まされてむせかえり、
やがて放尿するのだけれど、
男の指で、ぱっくり広げられた割れ目の一点から、
初めは、ためらうようにわずかなひと吹き、
それから男たちに責め立てられて、パシャパシャと一気に放尿する。
日本の劇場公開版では、肝心な部分がデジタル処理されて見られないから、
彩乃の背後から、ホースを使って水を出しているといっても、
そうなのか、と思われてしまいそうな映像になってしまった。
日本版は、そう言う点で、杉本のがんばりを台無しにしている。
残念なことだ。
そうそう、山咲セリ主演のSM映画《血とバラ》は、ひどかった
セリは、ずっとふんどしをつけていて、
まあ、ふんどしマニアは喜ぶかもしれないが、
「おらおら、おまえの汚いところを、皆さんにお見せしろ!」
とか男優が言うのだが、ふんどしをつけていたのでは、滑稽なだけである。
日本国内の劇場で性器どアップができないのは、わかっている。
だからといって、ふんどしは、ないだろう。
セリはがんばっているけれど、「SMごっこ」のそのまた「ごっこ」でしかなくて、
残念でした。

で、《華と蛇》に戻るけれど、
国内版ではカッとされた相手役、遠藤浩市とのセックスシーンも、
ヨーロッパ版では、ちゃんと見られる。
麻妃は、遠藤浩市と杉本彩乃のセックスを、昨夜、見たのだ。
射精した夫が、いびきをたてて眠り込み、娘たちが寝静まった、深夜に音を消して。
週刊誌の記事にあったとおり、遠藤と杉本は、
パリの安アパルトマンのベッドの上で、激しいセックスをする。
アダルトビデオでいくらでも見られる本番セックスも、
杉本彩乃の本番は、やはり別格だ。
映画俳優が実際に性交する映画が、次第に増えてきているけれど、
《愛のコリーダ》が、最初だったと思うけれど、
それ以後、ほとんど続かなかったし、
日本映画では、まだまだといった状況だ。
で、杉本彩乃と遠藤浩市のナマ本番。
大きなスクリーンで、見たいです。

良太は、助手席の麻妃に尋ねる。
「感じた?」
「ん?」
「セックスシーン」
「うん・・・・・・」
麻妃は、濡れたのだった。
ダンナのチンポが、中途半端なことをして出て行ったから、なおさらだった。
ビデオを見ながら、性器をいじり続けたのだ。
「彩乃の、イクときの顔だけどさ」
「うん」
「演技なのか、ホントにイッてるのか」
杉本は女優、イクときにも、演技の味付けをしたのだろうか。
「あれ見るとさ、麻妃ちゃん、抱きたくなって」
「なによぉ」
「麻妃ちゃん、彩乃に似てるからさ」
目元と口元が、似ている。
つまり、かなり似ている。
良太のお世辞ではない。
「麻妃ちゃんのイクときの顔、思い出すんだよ」
「へぇ、そうなんだ」
「声は、麻妃ちゃんのほうが、激しいな」
「なによぉ」
良太がウソを言っているとは思えないので、麻妃はうれしい。

「やっぱ、ビデオだよな」
「ん?」
「ダイちゃんの写真、抜群だけどさ、やっぱ、ビデオだよ」
「でもさ・・・」
「そうだよな・・・」
良太は、古いビデオカメラをもっていて、
つまり、娘たちと一緒に暮らしていたときのなごりなのだが、
それで麻妃とのセックスを撮影したことがあるのだ。
三脚で固定したカメラで撮影した映像は、あほらしいほど退屈なものだった。
プロが制作するエロビデオと同じようなわけにはいかない、
そんなことはわかっているのに、良太も、凝り性なのである。
「だいちゃんに、ビデオ勉強させるか」
「ふふふ」
「オレがシナリオ書いて、ダイちゃん、撮影監督」
「主演は、あたし?」
「主演女優」
「ふふ」
「共演は、オレ」
「でも、SMは、いやだよ」
「へへへ、そこまでは、考えなかった」
「うそばっかり」
「て言うか、いやだってことは、いいってことか?」
「だから、いやだって」
「麻妃が、いやだって言うときはさ、いいよって意味だからな」
「あ」
「なんだ?」
「あの、ムネオってひと」
「ああ」
「なんか、Sっぽくない?」
「そおか?」
「うん、そんな気がする」
「おいおい」
「なんか、いやらしい道具、持ってきてるかも」
「へえ、あいつ、そんな風に見えるのか・・・」
「アキナって子、なんかさ、ムチの痕があったりなんかして」
「なるほどね」
「なるほどねって?」
「麻妃の勘、鋭いからなあ・・・」
「このあいださ、ネットで、クリピアスの写真、見たよ」
「クリピアス?」
「クリに、ピアスだって」
「ああ」
「痛そう」
「クリピアスねえ」
「興味ある?」
「もし、彼女がしてたら・・・」
「もぉ、想像してるんでしょ!」
そうなのだ、良太は、クリピアス、未見なのである。
ちんこピアスもあるそうだが、想像してみると、すごくいたそうで、
思っただけで、縮みあがる。
包皮にするのか・・・それとも、亀頭に・・・
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