「真夜中の図書室」アクセス10万記念作品

神々の棲む島 

沼 隆

菜摘は、約束どおり、出発待合室にいた。
女の子をつれている。
あずさ。
可愛らしい子だ。
数年前に離婚した父親に似ているそうだ。
近づいていくと、菜摘が、そして、あずさが立ち上がり、会釈を交わす。
チャンギ国際空港のラニマヤ島行きの便が出発するゲート前で私たちは待ち合わせていた。
私は、留学先のアンジェから、パリ経由で到着して、約束の場所にまっすぐやってきたのだ。
菜摘母娘は東京からの便で、午後の遅い時間に到着していた。

菜摘とは、チャットで出会った。
日本語から遠ざかっていた私は、ホームシックにかかっていた。
日本語で話せる相手を求めたのだと思う。
何度目かのチャットで、思いがけない出会いをしたのだった。
菜摘は、商業デザインをしている、と言う。
興味を示したら、作品の写真が送られてきた。
菜摘の人柄が、才能が感じられた。
魅せられた。
わたしは、まずその作品に興味をもち、それから作者に惹かれたのだ。
写真を交換した。
毎晩のようにチャットをした。
そして、あずさが冬休みになると、わたしたちはシンガポールの空港で待ち合わせることにしたのだっ
た。
行き先は、モラネシアのラニマヤ島。インド亜大陸から伝わった古代の宗教が深く根付いている島。
「神々が棲む島」という神秘的なあだ名を持つ。
菜摘は、この島で、私と一週間過ごすことに同意したのだった。

フィロメーヌ・ファビアンは、私がクリスマス休暇を過ごす場所を話すと、専門の知識を開陳して、と
いうのも、フィロメーヌは文化人類学の教授なのだが、ラニマヤ島の風俗・宗教・文化を仔細に話して
くれた。
菜摘に伝えると、いっそう強い関心を示した。
私自身、古いインドの多神教が今でも信仰されており、歓喜の神を主神とする現世の享楽を肯定する教
義に、好奇心を刺激されていた。
フィロメーヌが見せてくれたおびただしい数の写真のなかには、寺院の壁面に刻まれたレリーフがあっ
た。それは、喜悦の表情を浮かべて交接する男女の姿であった。アーリア系であることを示すくっきり
とした目鼻立ちの男女が、さまざまな体位で交わっていた。
このことは、菜摘には伝えなかった。子供づれで訪れる場所と思えなかった。
休暇を女友達と過ごすことを話すと、フィロメーヌは、微笑んで、楽しんでいらっしゃい、といった。

「こんにちは、あずさ。はじめまして」
あずさは、私にきちんとお辞儀をした。
菜摘は、私もなのだが、チャットでもう何十時間も言葉を交わしてきたのに、その中にはセックスに関
する話題もあったし、擬似性交をしたりもしたのだが、初対面の気恥ずかしさもあって、そのことがお
かしかった。

寝室が2つついたコテージ風の部屋を予約しておいたのだが、前日の落雷で電気系統が故障し、使用で
きなくなった、まことに申し訳ないが、トリプルの部屋を用意させていただいた、と丁重にわびるし、
島には設備の整ったリゾートホテルがここ一軒という状況では、受け入れるしかなかった。
シングルベッドが2つ、少し小さなエキストラベッドがあった。
あずさは、「ここ、あたしの!」と言って、小さなベッドに飛びのった。

長旅の疲れから、あずさはすぐに寝息を立て始めた。
私は、菜摘のベッドに入った。
菜摘との初めての性交である。
菜摘のからだは柔軟に反応し、私の腕の中であえぎ、悶え、達した。
声を抑えようとして、唇をしっかりと閉じて、私の胸に顔を押し当てる。
しかし、絶頂に達したとき、こらえきれずに、ううううっ、と言ううめき声を漏らした。
あずさの深い寝息が聞こえた。
後始末をして戻ってきた菜摘としばらく抱き合っていたが、いつしか菜摘は寝息を立て始め、私は自分
のベッドにもどった。

明け方、窓を開ける気配に目が醒めた。
白い人影が薄明かりに浮かぶ。
菜摘が、寝間着姿で、窓の外を見ていた。
あずさを起こさないようにそっと起き上がると菜摘の背後に立ち、抱きしめた。
言葉は要らない。
舌が絡まりあい、唾液が交じり合った。
それを、私はすする。
潮騒の音が聞こえ、森のほうからは鳥の鳴き声が聞こえる。
テラスに出た。
闇の中に紺碧の南太平洋が広がる。
それは、はるか南、南極大陸まで続いている。
東の水平線が次第に淡いピンクに染まっていく。
海と空の境に走る赤い線が、強い橙色に変わっていき、太さを増し、ぐんぐん上空に広がっていく。
もうすぐ太陽が昇るのだ。
菜摘は昨夜の行為のあと、パンティを穿いていなかった。
私は、テラスにおいてある籐製の椅子に腰を下ろし、後ろ向きの菜摘を抱きかかえた。
寝間着の裾をたくしあげ、濡れそぼつ淫裂に私の勃起を挿入した。
先端が子宮を突き上げたとき、菜摘は上体をのけぞらせ、くうっ、とかすかにうめいた。
菜摘の指が私の手を握り締めた。
ぎいっ
腰を動かすと、椅子がきしんだ。
私の動きにあわせて、菜摘も腰を動かした。
「あっ…あっ…あっ…」
小さく開いた菜摘の唇から、かすかなあえぎ声が漏れる。
やがて、菜摘の腰の動きは激しさを増し、淫裂で私の勃起をむさぼるように味わいながら、淫水をした
たらせた。
さおの付け根の袋がぐしょぐしょに濡れていく。
ぎっ、ぎっ、ぎっ…
二人を支える椅子が、うめくように軋みつづける。
それは二人の腰の動きが奏でるリズムそのままであった。
「ねえ…イッていい?」
菜摘は、小さく叫んだ。
私は菜摘の指をはなし、しっかりと上体を抱きかかえるようにした。
その腕の中で、菜摘は、ああ…ああ…と泣き声にも似た喜悦の声をあげながら達しようとしていた。
「ママ…」
部屋の中から、あずさの声がした。
私は動きを止めた。
菜摘は身づくろいをしながらゆっくりと立ち上がった。
なごり惜しそうにきゅっと力を入れて、私のペニスに挨拶をした。
菜摘はちょっと肩をそびやかすと、私に口づけをして、コテージにはいった。

メインダイニングで朝食を取る。
傍目には仲睦まじい親子に見えただろう。
あずさは、私に打ち解けていたし、菜摘は私に絶えず微笑みかけている。
私は口づけを交わしたい衝動に駆られていた。
あずさの目が気になった。
菜摘と視線が絡み合う。
菜摘が口づけをしてきて、私はそれに応えた。
「うふふ」
あずさが、私たちを見つめている。

ホテルは、子供たちのためのプログラムを提供している。
客の子供たちを一日預かり、遊ばせてくれるのだ。
あずさは、それに参加したい、と言い出した。
外国の子供たちと遊べることが好奇心をそそったようだ。
私は、菜摘とフィロメーヌ・ファビアンが教えてくれた寺院に出かけることにしたのである。
私たちを運んだ車の運転手は、2時間後に迎えに来ると言い残して引き返していった。
森の奥にあるその場所は静まり返っていて、人気がほとんどなかった。
そして、そこは、刺激的な場所だった。
神聖な領域ではあるのだが、性の悦楽を肯定する宗教の聖地であった。
たいていの宗教は、人間の本能を抑制することを求める。
そんな宗教に慣れている私には、そもそも、キリスト教文明の研究を専攻しているからなのだが、驚き
の連続だった。
フィロメーヌが見せてくれた写真そのままに、石に刻まれた男女が、歓喜の表情を浮かべて交わってい
るさまは、理屈っぽく分析しようとする私の意識を打ち砕いた。
さまざまな体位で、恍惚の表情を満面に浮かべて男女が交わっているのである。
どの像も全身で悦びを表現していた。
この歓喜の輪に、私も加わりたい、と思った。
私の手は汗ばんでいた。
菜摘の手を握る。
小さな柔らかい手も、汗ばんでいた。
指先で、菜摘の手のひらをなでた。
生命線が作る窪みを、ちょうど淫裂をまさぐるときのように。
菜摘の手がピクリとし、覗き込むとうるんだ目をして、頬を染めていた。
私たちは抱き合い、唇をむさぼった。
ペニスが激しく勃起して、パンツの中から飛び出したがっていた。
それを菜摘の腹に押し付けた。
菜摘は、音を立てて私の口を吸い、舌を絡ませ、熱い鼻息を吹きかける。
パンティはぐっしょりと濡れていた。
寺院の隅、人目から隠れる場所で、交わった。
絶頂に達した菜摘の悲鳴が、寺院の内部に木霊した。

ホテルに戻ると、メッセージが届いていた。
フィロメーヌからのファックスと、ラニマヤ大学の文明学教授ラオ氏からの伝言だった。
明日、新月の夜、イラワンジャヤの村で祭祀が執り行われる。興味深い儀式なので、参加しないか、と
言うのである。
フィロメーヌは、「ガールフレンド」と一緒に参加することを奨めていた。
寺院での体験と重なって、私は出かけたいと思った。
菜摘も同行したいという。
私は、ラオ教授に電話をして、参加の意思を伝えた。

朝食のあと、あずさはすぐに子供たちのプログラムに参加した。
夕方から出かける、と言うと、お帰りになるまで、お預かりします、と、ホテルが言う。

午前中、私たちは、人気のない図書室の片隅で交わった。
午後、午睡のベッドの上で交わった。
この島が持つ不思議な力に取り付かれたのかもしれない。
夢中で性交した。
夕刻、ラオ教授が迎えにきて、私たちは、イラワンジャヤの祭りに参加した。

村の中央にある広場には祭壇が設けられていた。
祭壇には、神像が置かれている。
男女2神が交わっている像である。
胡座をかいた男神のひざにまたがるように女神が座っている。
男神の陰茎が女神の淫裂を刺し貫いている。
なまめかしい淫裂がぱっくりと唇を開いて、節くれだった陰茎をくわえこんでいる。
男神が欲望を剥き出しにした表情を浮かべて、腰をグイと突き出している。
女神は、弓なりに背中をそらして、歓喜の表情を浮かべている。
この世にこれ以上の悦びはない性の快楽に浸りきっている神像であった。
その石像の周りには、熱帯の鮮やかな色彩の花や芳香を放つ果物が飾られている。
村びとたちは、「よそ者」である私たちに警戒感を示さなかった。
神聖な宗教儀式に「よそ者」の参加を拒む宗教がほとんどであるのに、ここは違っていた。
訪れるすべてのものを、同胞として迎え入れるのだ、とラオ教授が教えてくれた。
「この宗教ほど普遍性を示すものはないよ」と、教授は付け加えた。
日が落ちて暗闇に包まれる。
文明社会からやってきた私の目には、闇の中で蠢くものがしばらく見えなかった。
闇の中から、ホウホウという獣の鳴き声が聞こえた。
すぐにそれが男の声であることに気がついた。
森の住人、オランウータンを模しているということだった。
闇の中で鳴き声を発する人数が次第に増していき、広場全体に広がっていったとき、私は、鳥肌が立ち、
身震いをした。
かつて、バリ島で見たケチャを思い出した。
自然と一体になったもの、自然そのもののように思われた。
私も、大自然の一部であり、大自然そのものなのだ、と直感させられた。
あれこれと言葉で分析しようとする自分が愚かなものに思われた。
私は、男たちの身体の内側から吹き上がってくる力に圧倒されていた。
やがてたいまつに火がともされて、広場は明るさを取り戻した。
祭壇の周りに、大勢の男女が輪になって座っていた。
全員が一糸まとわぬ姿であった。
「参加しないか?」
ラオ教授が誘う。
「はい」
私よりも先に、菜摘が返事をした。
全裸になった。
ラオ教授の後に従って、私たちは住民たちの輪に加わった。
たいまつの明かりが、菜摘の白い肌を照らしていた。
ちらちらと揺れる炎を映して、菜摘の身体の陰影が揺れる。
菜摘と私が地面に座ったのを見届けると、ラオ教授は別の円陣に加わった。
祭壇の前に祭祀長が姿をあらわすと、いったん静まり返った。
祭祀長が祭壇に向かって何度も礼拝をおこなった後、それが始まった。

椰子の実を器にした酒が振舞われた。
円陣を組んで座っている男女の間で、酒器がまわされた。
私も飲んだ。
熱帯の果物から作ったのだろうか、豊饒な甘い香りが立ち上る。
グイと飲む。
香りと違って強い酒だった。
菜摘も飲んだ。
「おいしい」
「ああ」
先ほどと同じように、男たちの中からホウホウという叫び声が上がりだし、その輪が広がっていく。
酒を盛った椰子の実が繰り返しまわってくる。
次第に、身体が熱くなる。
酒が効いてきた。
男たちの叫びは次第に力強いものになっていき、全員が、叫びだしたとき、それは耳を聾するほどのも
のになっていた。
心臓が高鳴った。
私の体内を流れる熱いものが私を高ぶらせ、勃起していた。
ウオッ、ウオッ、ウオッ・・・
短く、強いリズムで繰り返される咆哮。
私の心の奥底に潜んでいた野性が解き放たれるのを望んでいた。
私も、叫び声に加わっていた。
ペニスが、ビクン、ビクンと脈打っている。
あぐらをかいて座っている男たちの股間には猛々しく天に向かって反り返っている肉棒があった。
たいまつの明かりに、赤黒く獰猛ないきもののように見えた。
何組かが性交を始めた。
ごく自然に始まった。
私の隣りの男女が始めた。
菜摘は、恍惚とした表情をして、私を見つめていた。
目はうつろになっていた。
上向き加減の鼻腔がわずかに広がって、荒い息をしているように見えた。
唇がかすかに開いて、白い歯が覗いて見える。
乳房をこちらに差し出すようにして、上体が揺れている。
私は菜摘を大地に横たえ、足を開き、それから挿入した。
菜摘は、待ち望んでいたものを受け入れる悦びに突き動かされるように、
ああああああっ
と、大きく叫んだ。

起き上がった私に、酒器が差し出された。
のどをうるおしたかった。
菜摘と分かちあった。
菜摘は、口に含んだ酒を私の口に流し込んだ。
菜摘の唇が私の胸から腹へと下がっていき、それからペニスをくわえる。
巧みな舌使いに、うめき声を漏らしてしまう。
広場には、男女のうめき声、あえぎ声が、あちこちで起こっていた。
菜摘が引き出した快感に私は素直に反応し、のどから沸きあがる喜悦のうめきを隠そうとしなかった。
理性を失ったのではなかった。
羞恥を忘れたのではなかった。
ここでは、理性も羞恥も無意味なのだった。
私は、菜摘とひとつになって、自然の営みに、無我夢中になって没頭したにすぎないのでる。
私は、回復していた。
菜摘を四つんばいにすると、背後から挿入した。
先端が子宮を突き上げた。
あはぁ、あはぁ、あはぁ・・・
菜摘が大きく叫んだ。
尻をわなわなとさせて、全身が快感に刺し貫かれていることを示していた。

村人たちは、パートナーを代えながら交わり続けた。
私たちのすぐそばで、男女の交わりが繰り広げられた。
誰もが夢中で性交していた。
私は菜摘とつながっていた。
抜こうとするのを、菜摘はとめた。
「ね、このままじっとしていたいの」
硬さを失おうとするペニスを、菜摘は、肉の鞘でクイッ、クイッと締め付けた。
「こうするの、好き・・・」
「……」
「こうすると、あなたを感じるの」
回ってきた酒を今度は私が口移しで飲ませた。
「おいしい」
腕の中の菜摘がいとおしく思えた。
しっかりと抱きしめた。
菜摘を愛する悦びに私は充たされていた。
菜摘のなかで回復した。
「ああ・・・感じる」
私は結合したまま菜摘を抱き起こし、ゆっくりと身体を入れ替えていった。

始まって、どれほど時間が経過したのだろう・・・
菜摘は、私の腕の中で、すべてを私にゆだねている。
うっとりとした視線を私に向け、甘い吐息を吐いている。
「菜摘・・・」
私は、激しく腰を突き出した。

ホテルにもどったのは、明け方近くだった。
へとへとに疲れていた。
シャワーを浴びるのもそこそこに、ベッドに倒れこんだ。

「ママ、おなかすいたよ」
「うん、じゃあ、一緒に朝ごはん食べに行こう」
「私も、いくよ」
「あ、起こしちゃった? ごめんね」
「いや、私も、おなかがペコペコだ」

夕刻に、ホテルをチェックアウトすることになっている。
あずさは、迎えに来たブロンドの男の子と、駆け出していった。
昼寝から覚めて、散歩に出た。
「ありがとう・・・ここに来てよかった」
「ああ」
「ゆうべ・・・とても、よかったの・・・」
「そう? 私も・・・ねえ、菜摘、また、会いたいな」
「うん、会いたい」
「愛してるよ、菜摘」
ジョギングロードを外れて、やしの幹にもたれかかった菜摘に口づけをする。
風が、菜摘の髪をなびかせる。
まぶしそうな視線で、私をじっと見つめている。
ワンピースの裾をたくしあげ、ビキニのボトムの紐を解いた。
鮮やかな水色の小さな布切れが、足元に落ちる。
菜摘の右足をしっかりと抱え揚げながら、立ったままの姿勢で挿入した。

日没が近づいていた。
菜摘は、海に入っていった。
後を追う。
私が菜摘の中に出したものが太ももを汚していた。
それを洗い流していた。
腰のあたりまでの深さの場所で、私たちは抱きあった。
夕日が私の顔を照らしていた。
まぶしかった。
菜摘がシルエットになって、私の腕の中にいる。
少し大きな波が打ち寄せてきて、菜摘は足元をすくわれ、よろける。
しっかりと抱きかかえた。
打ち寄せる波が下半身を洗う。
この島に来て、自然の美しさ、自然と一体になった人々の強さを感じていた。
それが、菜摘と私をとりこにしていたと思う。
私たちは強い絆で結ばれていた。
身体の内奥から沸きあがる愛情で結ばれていた。
二人を、歓喜が捕らえていた。
太陽が水平線に沈んでいく。
私たちはしっかりと抱き合って、それを見ていた。
太陽がすっかり沈んでしまい、あたりはぐんぐん暗くなっていく。
「して」
「ん?」
「ここで…して」
うなずく私に、菜摘は、しっかりとした声で言った。
「したいの…ここで、したいの」

波打ち際に横たわって、満天に輝く星を見ていた。
ときおり、打ち寄せてくる大きな波が私たちの腰を洗う。
「ああ…大好き」
菜摘が、私を見つめながら、叫ぶように言う。
上空を、私たちが搭乗するはずだった飛行機が、上昇していった。
翼に取り付けられた明かりが次第に小さくなり、そして見えなくなった。
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