「ストーカー・ラブ」作:二次元世界の調教師


「舞ちん、おはよう」
「あ、おはよー、ノッコ」
「よく降るねー」
「仕方ないよ、梅雨だもん。ふふん」

 私は教室に入る前にお気に入りの傘をたたんで傘立てに入れようとした。とてもカワイイ、ブサイクな猫のイラストが付いてて、こないだママにねだって買ってもらったばかりだ。ついご機嫌で鼻歌なんか歌っちゃってる私。

「あ、新しい傘買ったんだ。見せて見せて」
「えー。しょーがないなあ、ホラ」

 もったいぶって見せても、ホントは見せびらかしたくてウズウズしてたから、すぐに広げて見せてあげる。

「変なネコー」
「カワイイでしょ」
「それで、そんなにウキウキしてたんだ」

 高二にもなって子供っぽいと思われそうだが、カワイイものは仕方ない。私はノッコにブサネコを見せびらかしてから傘立てに収め、2人で教室に入った。

 ノッコ、こと吉岡信子と私は、1年の時からバドミントン部でダブルスのパートナーを組んでおり、とても仲が良い。ノッコは「ノッポ」と言いたくなるくらい背が高くてやせており、ボーイッシュなショートカットで男の子に間違えられそうな外見だ。だけど性格的には大人しくて女の子っぽい子である。対照的に、私花田舞は背が低くてポッチャリ型。ウシウジするのが大嫌いで男の子みたいな性格だと思う。パパやママにはいつも、少しは女らしくしなさいと叱られるんだけど、こればっかりは性分だから仕方ない。

ーーノッコはいつ見てもスタイルいいよねえ……

「舞ちん、どうかしたの?」
「いや、どうしたらアンタみたいにやせられるのかな、と思って」

 いかん、つい見とれてしまった。この子が男なら絶対ホレているだろう。バドミントンはとても運動量の多いスポーツで、毎日同じように汗を流しているのに、どうしてこんなに差が出るのだろう。しかもノッコの方が良く食べるのに、全く神様は不公平だ。

「私は舞ちんみたいに、もっと太りたいよ。だって、ガリガリなんだもん……」

ーーノッコ、どこ見てんのよ!

 今度は反対にノッコにジロジロ見つめられてしまったが、この子が私のムネに視線を集めていると感じたのは決して自意識過剰ではないと思う。私は90センチを超える巨乳で、女友達には羨ましがられるけれど、自分としてはコンプレックスを持っている。小学校の中学年くらいからもう膨らんで来て、男子にはよくイタズラで触られたし、ちょっとしたからかいやイジメの対象になっていたのだ。今でも運動するときハッキリ言ってジャマだし、男子の嫌らしい視線を感じるのはとても苦痛だ。ママも同じ体型なんだけど、将来あんなに醜く垂れてしまうのかと思うと、本当にげんなりしてしまう。

「お早うございます」
「あ、お早う!」
「……」

 私たち2人が前のドアから入ってすぐの所で見つめ合っていると、クラスメイトのくせに妙に丁寧な言葉遣いの挨拶を掛けられた。私はその男子に反射的に軽く挨拶を返してしまったが、後ろから声を掛けられたノッコは振り向こうともせず、黙って下を向き固まっている。佐藤大樹と言う、その問題の男子が通り過ぎてから私の方へ顔を上げたノッコの視線は、無言で「あんな子に口利かないで」と訴えているかのようだった。彼女のこんな態度には理由がある。

 佐藤はメガネを掛けたちょっとオタクっぽい感じの男子だが、ノッコは1年の時コイツからラブレターを渡された。ところが丁重にお断りした所、どうもコイツにストーカーのような行為を働かれたらしいのだ。学校の中でも外でも常に見張られているような気配を感じ、机の中に入れてた体操着などの所持品がなくなった。そして無言電話が掛かったり、どこで知ったのか彼女のメアドに匿名の嫌らしい内容のメールが入って来るようになった。好きです、だの、いつもあなたを見ています、だのといったキモい言葉以外に、とても人には見せられない、いかがわしい内容のメールが頻繁に届くようになったと言う。しまいには、学校のトイレや更衣室、家でも着替えやら入浴場面をのぞかれて盗撮までされたらしいと、ノッコは言う。部活のとき一緒に着替えてたのは私だから、さすがにそれは彼女の妄想が入っているのではないかと思うのだが、大人しい彼女はきっと悩んでノイローゼに掛かっていたのだろう。私だってそんな目に合わされたら、きっとおかしくなってしまうに違いない。 

 結局ノッコは一部始終を担任の先生に打ち明けて相談し、佐藤のストーカー行為は治まったのだが、おかげで彼女は異性との交際に消極的な女の子になってしまった。スタイルは抜群だし、私なんかよりずっと女の子らしく優しい性格だから、結構男の子から声を掛けられてるみたいだが、ノッコの方が距離を置いて引いてしまうので彼氏が出来ない。あんなことがあったのだから仕方ないとは思うけど。ちなみに私の方も巨乳と言う武器がありながら、ちっともモテない。男勝りの上にガサツで女らしさは皆無の性格だから、男の子も私を彼女にしたいとは思わないのだろう。それに巨乳と言えば聞こえが良いが、ありていに言えばおデブちゃんなのだ。バド部で鍛えてるから、そんなに見られないことはないと思うんだけどな。

 さて2年に上がり、信頼している担任の先生も変わらず、私とも同じクラスになったことをとても喜んでくれたノッコだが、何とストーカー男佐藤大樹とも引き続きクラスメイトになってしまった。うちの学校は1学年3クラスの小規模校だからやむを得ないのかも知れないが、担任の江島先生も気を利かせて2人を離してやれば良かったのにと、私は思う。まだ若い先生だからそんな力がないのかも知れないが、それは私たちの預かり知らぬことだ。

 佐藤は無口で大人しく全く目立たない男子で、初め私は気にも留めていなかったのだけれど、ノッコから打ち明け話を聞かされてもうビックリだった。そう言われて見ると、佐藤は小太りでどことなく粘着質、女子と話している所を見たこともないし、いかにもストーカー行為を働きそうなアブない男子に見えてしまう。今私たちの側を通り過ぎた彼は、一番後ろの自分の席に着くまでに男子とは多少挨拶を交わしているが、女子には誰1人挨拶せず相手からも完全に無視されている。

ーーコイツ、もしかして女子ではノッコにだけ、あんなバカ丁寧な挨拶をしやがったのか……

 それに気付いてギクッとした私に、思い詰めたような表情を浮かべ頭1つ高い背をかがめたノッコは、人に聞かれぬよう耳打ちして来た。

「口利かない方がいいよ。アイツ女子には全員シカトされてるから、自分に気があると勘違いするかも……」

ーーマジかよ。シカトなんか知らねえそ…… 

 女の子同士のネットワークは怖い。キモい、とか、ウザい、とか理由にならない理由でもいつの間にかうわさ話が広まって、特定の誰かをシカトしよう、なんて取り決めがクラスで発生していることがよくある。そういうのが大嫌いな私だけは抜きにして、みんなで佐藤をシカトすることになっていたのかも知れない。もしかしたらノッコに対する佐藤のストーカー行為も知れ渡っているのだろうか。ノッコが自分から言いふらすとは、とても思えないが。

「大丈夫だろ、挨拶しただけだぞ」

 私の常識では、ガキじゃあるまいし、気に食わない相手でも挨拶されれば返事くらいするだろうと思ったし、シカトだなんて低劣な行為に加担するつもりは、さらさらなかった。ところがノッコは引き下がってくれなかった。

「私もそうだったんだって! アイツに口利いただけで……」
「わかった。気を付けるよ」

 やれやれ。私はノッコに一応そう言ってやったのだが、納得したわけではなかった。今も女子にシカトされているかわいそうなモテない君の佐藤だが、ヤツの好きなタイプがノッコだとすれば、私はほぼ真反対ではないか。それにこれまで私だって佐藤と口を利いたこともなかったのに、たったあれだけのことでホレられてしまっては困ってしまう。ストーカー男だって、そこまで常人離れはしていないだろう。

「お早う!」
「あ、ツヨシ先生、おはよっ!」
「お早うございます」

 その時元気の良い声と共に、担任の江島剛先生が教室に入って来た。時計を見るともう始業直前である。江島先生はまだ30前くらいの若い数学の先生で、皆に下の名前で呼ばれているように生徒にはとても人気がある。ノッコもこの先生だからストーカーについて相談する気になったのだろう。生徒思いのツヨシ先生ならきっと親身になって彼女の相談に乗り、解決してくれたのに違いない。

「花田っ! 今日部活の後で補習だぞ、いいな?」
「うんっ!」
「舞ちん、大変だねー」

 しまった。つい嬉しそうに答えてしまった。何てこっぱずかしい。数学がからきし苦手で、中間試験では何と0点を取ってしまった落ちこぼれの私に対する補習がもう何週間もずっと続けられている。ノッコや他のクラスメイトたちは同情してくれるのだが、実は私ツヨシ先生と出来ちゃったのだ。最近私がちっとも嫌がってないので、いつも一緒にいるノッコには気付かれてるかも知れない。

 初めはもちろんイヤでイヤで仕方なかった数学の補習だけど、先生の部屋に呼び出されて1対1で教えてもらってるうち、次第におかしなムードになって来たのだ。いくらバカな上に口が悪く、おまけに太り気味な私でも、花も恥らうジョシコーセーだ。密室で個人補習と言う環境を作った先生は、初めからその気があったのだろうと思う。小柄でファニーフェイスで巨乳の私は、どうやら年上の男性に好かれるタイプらしい。ツヨシ先生の方は、イケ面とは言い難いが長身なのでそれなりにカッコ良く、おデブちゃんの私にとってはストライクゾーンど真ん中だった。3回目の補習の時、私のあまりの理解の悪さに苦労している先生に、「出来の悪い生徒を持って大変だね、先生。肩でも揉んであげよっか?」などと、じゃれついてあげたら、いきなり抱き寄せられて唇を合わせて来た。もちろん私の方もその気だったから身を任せて先生の「女」となり、放課後の補習はツヨシ先生とのえっちなデートに変わってしまったのだ。男の人と交際するのは先生が初めてだった私は、まだ最後までは許していないけど、今日くらいソロソロ、などとけしからぬことを考えていた。先生は独身だと言・u桙チてたから、将来はこの人のおヨメさんに、なんてガラにもないことを思ったりもしている。

「あのね、舞ちん」

 今日もハードな練習を追え部室で着替えていると、ノッコが妙なことを言って来た。

「アイツなんだけど……」

 アイツとはストーカー男佐藤のことだ。ノッコがそんなぞんざいな呼び方をするのはヤツしかいない。

「今日の授業中、ずっと舞ちんのこと見てたよ」
「気のせいでしょ……変なこと言わないで」
「イヤ、ホントだから。マジで気を付けた方がいいと思う」

 今クラスでノッコと佐藤は最後尾の座席で、何と隣り合わせである。ノッコはもちろん嫌がってたし、事情を知っている先生も気を利かせてやれば良さそうなものだが、クジ引きで決めたものだから致し方ない。そして私は一番前のど真ん中と言う特等席だ。ツヨシ先生に恋しちゃってる私は、彼の授業ならウットリ眺めてれば良いが、他は苦痛以外の何物でもない。そしてノッコは、佐藤が脇目もふらず正面を向いて私を見ていたに違いないと主張するのだ。バカバカしい。

「授業中前向いてりゃ、私を見てたかどうかなんてわかんないでしょ」
「きっとそうだよ! だって今までは……その、私の方をずっとジロジロ見てたのに……」

ーー何てイヤラシイ男だ……

 ストーカー事件からもう半年以上たつと言うのに、諦めずノッコに視線を送って来ると言う佐藤のしつこさと気味の悪さを感じた私は、背筋をゾクッと冷たいものが走るのを感じていた。そしてヤツの興味の対象が、今朝挨拶に返事してやっただけで私の方に変わったと言うのか? あり得ないと思うものの、ノッコがウソを付く理由もないし、正直薄気味が悪かった。そしてその悪い予感はたちまち現実のものと変わる運命だったのである。

「まあ、気を付けとくよ」
「ねえ舞ちん、スパッツはかないの?」
「あ、ああ。暑いし、ムレるじゃん、コレ」

ーーヤベッ! 鋭いなあ、ノッコ。このパンツも見られちゃってるよね……

 今からツヨシ先生との補習があることをノッコは知っている。なのに私は、暑くてもパンチラ防止にみんなはいてる黒いスパッツをはこうとせず、しかもちょっとエッチなデザインの小っちゃなパンツなんかはいちゃってるのだ。ピンクのフリフリが付き、布地の面積が少なくて少しスケちゃってるそれは、ママに隠れて自分で買った「勝負パンツ」のつもりだった。女らしさのかけらもない私が、彼氏いない歴16年だと信じ切っているパパやママが見たら、驚いてぶっ倒れかねない羞ずかしいデザインのパンツである。

「ふうん。補習だよね、頑張って」

ーーうーん。この子には勘付かれちゃったかも知れないな……

 私は自分にやましい所があるせいか、ノッコが意味深に「補習頑張って」と言ってるように聞こえてしまった。そしたらノッコは、他の着替えてる子には聞こえないように、ソッと耳打ちして来た。

「早く着て!」
「えっ?」
「ノゾかれちゃってるかも知れないでしょ!」
「まさか」
「いいから早く!」

 争っても仕方ないので素早くスカートをはいたんだけど、ノッコはよほどストーカーされたことにトラウマが残っているようだった。

「舞ちん、私の言うこと信じてないでしょ」
「悪いけど、そうね」
「だったらウソだと思ってもいいから聞いて。アイツ、舞ちんの下足箱に何か入れてた」
「マジかい!」
「うん。帰る時、気を付けて見て」
「参ったね……」

 せっかく先生との「デート」に胸をときめかせていた私のテンションはかなり下がってしまった。それってまさかノッコももらった、佐藤からのラブレターだろうか? あの子の話では、今朝私に興味が切り替わったらしい、と言うことだったが。だとすれば恐るべき変わり身の早さだし、とてもまともな人間の行動ではない。私はノッコが悩まされた異常な「ストーカー」の恐怖を少しだけ味わい、それが杞憂に過ぎないことを祈るような気持ちになっていた。

ーーま、ノッコの勘違いだよね、きっと……

「舞ちん、出来たらスパッツはいて欲しい」
「ノゾかれるからって!? いい加減にして、考え過ぎだよ、ノッコ!」

 それはノッコに対してと言うより、得体の知れない恐怖がジワジワ込み上げて気つつある、自分自身に対して言い聞かせているようなものだった。早く気分を切り替えて先生に会いに行かなくては。「勝負パンツ」まで用意して臨むツヨシ先生との「デート」を台無しにされてはたまらない。

「失礼します。先生、来たよ」
「よし、花田。ちょっとそこに立ってろよ」

ーーフフ、先生の目線が下がってる。今日は舞ちん、イケないミニスカだもんね……

 ツヨシ先生は、私が不安を振り払うつもりで入室前に思い切ってガッと上げて見せたスカートに目をクギ付けにしながら、入口のドアを内側からロックしに行った。

「ねえ先生。この部屋さ、絶対のぞかれたりしないよね」
「そんなこと気にしたこともなかったがな。どうしてそんなことが気になるんだ、花田」

ーーうわ、何言ってるんだろ、私。こんな格好だし、絶対勘違いされちゃうよ……

 いや勘違いではないのだけど。ついついパンツが見える寸前までミニスカにしてしまい、のぞかれることを気にする言葉を口にしたら、襲ってくれと言ってるようなもんだ。そして勝負パンツをはいて来た私は、確かにそれを望んでいるには違いないのだが、男を誘うようなマネはしたくなかったのだ。

「先生、今日出た宿題教えてよ」
「宿題だって!? そんなことより、そこに立って良く見せてみろ。お前、そんなにスカートを短くしてもいいと思ってるのか」

ーーや、ヤバイ。先生、いきなりエロモードに入っちゃったよ……

 いつもは一応数学の勉強をして、一段落付いてから、キスしたりえっちなことを始めるのだけど、もうツヨシ先生の目がギラついて鼻息が荒いのがわかるのだ。自分がまいた種のくせに、バージンの私は怖くなってしまった。それにそんなことはあり得ないと思いながら、ノゾかれてるかも知れないと言う不安が頭から離れてくれない。

「おい、手で隠すな! シャンと立って、両手は頭の後ろで組んでみろっ!」

ーーえーん、先生が怖いよお……

 いつもは私が九九を間違えても怒らない優しい先生なのに、すっかり興奮した様子のツヨシ先生が大きな声で怒鳴りつけるので、私はそんな情けない気持ちになった。この状況でなかったら、このエロ教師っ! と怒鳴り返して股間をケリ付けてやる所だ。そして仕方なく私が言われた通りにミニスカートを押さえていた手を上げると、先生は正面にしゃがみ込んで手を伸ばして来た。

「どうして、こんなにスカートを短くしてるんだ、花田?」

ーーそれはツヨシとえっちしたかったから、何て言えるわけないよねえ……ヤだ、先生いきなりエッチ……

 ツヨシ先生は私がキッチリ閉じ合わせて立ってるアシのひざ小僧辺りから両手で撫で回し、だんだんその手が上に移動して来るの。しかも、ローアングルから見上げてるもんだから、ハズカシイえっちパンツまでバッチリ見えちゃってると言う……

「アシを開くんだ、花田」

 私がワナワナ慄える脚を頑張って広げると、先生ったら内腿をイヤらしくスーッと撫でて来て、生暖かい鼻息まで感じちゃうの。もう完全にエロ教師モードだよ、ヤバイってこれ……

 私は自分がモロにえっちのお誘いを掛けてしまったことを棚に上げ、もう理性を失ったように私のフトモモを撫で回す先生に、ちょっとだけ後悔していた。そして。

ーーまさか、絶対ノゾかれちゃいないよね……

 まだその確信は取れていないのだ。どうしても、ありもしないはずの「ストーカー」の心配が頭をかすめてしまう。

「おい、どうして黒いのを、は、はいてないんだ、花田」

 はく方が校則違反じゃん、とはとても言えなかった。こんな超ミニスカ、校則違反以前に年頃の女の子としては大いに問題あり過ぎだろう。ツヨシ先生は自分の言葉のおかしさに気付いていない様子で、興奮してどもっちゃってんの。ちょっとカワイイ。

「校則違反の罰だ、花田。しばらくそのまま立ってろ!」

 そう言った先生は、床に這いつくばると私のマジで太いフトモモ(冗談じゃないって 笑)を嫌らしく手で撫で上げながら、ローアングルでマジマジとミニスカの中を覗いて来た。もうこりゃ完全にエロ教師のセクハラだっつうの。

「そんなイヤらしいパンツをはいて、羞ずかしくないのか、花田」
「は、ハズカシイよ・・・・・・」
「だろうな。お前マン毛がハミ出てるぞ」

ーーどっひゃー!

 穴があったら入りたい、とはこのことだろう。私女の子なのに結構毛深いんだよね。もう火が噴き出てるんじゃないかってくらい顔が真っ赤になり、ちょっと開いて立ってるアシが物凄い勢いでガタガタ慄え出して立ってるのがやっとの状態になってしまった。ハッキリ言ってハダカになるよりずっとハズカシイよ、これは。ツヨシ先生ったら、下から舐め回すようにガン見しちゃってるし。それでも、バカだけど先生の言い付けは守る良い子の私は、言われた通り両手を首の後ろに回して大人しくしていた。そして先生はやっぱり大人だなあと思ったのは、フトモモを撫でてほとんどギリギリの所まで触ったのに、肝心の部分には手を出さず離れていったことだ。でもそれは、えっちをやめてしまったわけではない。その反対だ。

「よし、次は罰として服を脱がせるぞ。いいな?」

ーーうわ! いよいよだ・・・・・・

 これまでは服を着たまま、キスしたりおっぱいやアソコを触られたりしただけだった。それに先生の方も着衣のまま、私に大事な所を触らせたりしてたけど、えっちするにはハダカにならなきゃなんないのだ。たぶんクラスでもススんでる子はもうしちゃってるみたいだし、オクテの私も16年間守り続けたバージンとオサラバするんだと思うと、すごくすごーく緊張しちゃった。

 もちろん覚悟を決めてた私は、先生の手がデカ過ぎるおっぱいでパンパンに張ってるカッターシャツのボタンを外して来ても、そのままじっと手を組み何もしないで脱がせてもらった。先生は大人だしえっちの経験も十分あるのに違いない。シャツを脱がせブラも外してプルンとまだ全然垂れてない巨乳が姿を現しても落ち着いていたから、私は安心だった。初めての私でも先生に任せてればきっと大丈夫だろう。

「大きいな、花田」
「イヤン」

 私の上半身をハダカに剥いた先生が、ムネの膨らみの頂点のツボミを指でチョンチョン突ついて来ると、羞ずかしくなるくらい女の子っぽい声が出てしまい、ますます赤面がひどくなった。

「こうすると気持ちいいか?」
「あんっ! き、気持ちいいよ、せんせー・・・・・・」

 ツヨシ先生が両手で双乳の膨らみを包んでゆっくり揉んで来ると、私は素直に快感を口にした。やっぱりえっちに慣れてるらしい先生はおっぱいのイジり方もとても上手。決して痛くないよう優しくモミモミしながら、指で乳首をクリクリしたり、唇を寄せてチューッと吸って来たりすると、私は体が浮き上がってしまうような幸せな心地良さに浸っていた。

 が、しかし。

「あーん、もう立ってらんない」
「よし、花田。先生とえっちしよう。いいな?」

 もうメロメロに感じちゃった私がへたり込んでしまうと先生も体から離れてくれた。そして私は自分でスカートを脱ぎ始めると、少し冷静になって余計な邪念が頭に浮かんでしまった。

ーーこんな学校の中で、先生と生徒がイケないことしちゃってもいいの? お互いハダカになって、こんな所を誰かに見られたら……

 何てこった。どうしても「ストーカー」の不安が頭を離れてくれない私は、あっと言う間に全裸になってた先生がこちらに向かって来ると、体を丸めて防御の姿勢を取ってしまってた。でもツヨシ先生は、私が羞ずかしがってるのだとばかり勘違いしてくれたようだった。

「おい花田。今さらそんなに羞ずかしがらなくてもいいんだぞ」  

 それでも私は両手でムネの膨らみを隠すようにして体を丸め、先生に背を向けると固まってしまってた。

「仕方ないな。じゃ自分でパンツを脱いで渡しなさい」
「……うん」

 私はこの期に及んで怖気づいてしまった自分の情けなさを嘆きながら、何とか「勝負パンツ」を脱ぎ、先生に手渡した。こんなにあからさまにえっちのお誘いを掛けておいて、ここで拒絶したら先生がかわいそうだ。と言うより自分の行動の軽率さに腹が立つ。そんな女の子はサイテーだ。

「ベチョベチョだぞ、花田」
「イヤン……」

 それはもう私もわかっていた。バドの練習で大量にかいた汗も染み付いてるだろうし、さっきスカートの中を覗かれたとき、ドクンドクンとおしっこを洩らしちゃったのかと言うくらい、えっちなお汁が溢れて来たのを感じてたから。つまり私は処女でありながら、もうえっちするための体の準備は出来ちゃってたわけだ。それはもちろん先生にも伝わっただろう。

 ところが。

「よし、えっちしよう、花田」
「イヤだあっっ!!」
「どうして?」

 先生が私に身を寄せて座り、抱き寄せて唇を合わせようとすると、私はパニックに陥って強く拒絶してしまった。先生が困ってしまうのも当然だと思ったけど、もう私は溢れ出す感情がコントロール出来なくなり、えーん、と泣きベソなんかかき始めちゃってた。

ーー一体、何やってんだろ、私……

 これまでも「補習」のたび、ツヨシ先生にキスされたり体を触られたりと、えっちな関係を持って来た。そして今日、際どい超ミニスカからえっちなパンツをチラつかせる挑発的な態度で、ここまで先生を誘っておきながら、最後の最後に怖くなって逃げてしまうなんて。私はもう自己嫌悪で一杯になり、ますます涙が止まらなくなって来た。

「おい、泣くなよ、花田。先生が悪かった」

ーーそんなこと言わないで。先生が悪いんじゃないよ……

「つい、お前もえっちしたがってるんだろう、なんて、とんでもない思い違いをしてたみたいだ。許してくれ」

ーー違うんだって! 私だってエッチしたかったんだから、さっきまでは……

「よし、今日はもう服を着て帰れ。ここであったことは全部忘れてくれ」
「先生、違う! 違うんだよ……私、初めてだから急に怖くなっちゃって……」
「もうわかったから、花田」
「先生。えっちはダメだけど……シタいんでしょ?」
「何!?……お、おい、花田!」

 もう私としては精一杯の懸命な行動だった。隣に座ってる先生にすがり付くようにして、おちんちんを手に取ったのだ。

ーーうわ、熱くて、硬いよ……ヤキイモみたい……

 ううむ。もうちょっと気の利いたたとえはなかったのかと思うが、そのとき私は本当にそう思って、両手でその熱さをもらうがごとく大切に握り締めていた。季節外れもいいところだけど。

「いいのか、花田」
「うん。私、先生を出させてあげるよ」

ーー舞ちんだって、知ってるもんね……

 そう。バージンの私でも、処女を守ったまま男の人を出させてあげる方法があることくらい知っている。女の子向けの雑誌なんかにも載ってるし、ネットで調べたこともあるし、パパが隠し持ってるえっちな本やビデオを見ちゃったこともある。実は私、えっちなことに興味津々のイケない女の子なのだ。特にツヨシ先生とこんな関係になっちゃってからは、いつか試してみようと思ってたことがある。

「先生、おっぱい好きでしょ」
「あ、ああ、もちろん」

 ここでまず私は唯一自慢出来る巨乳で先生の顔をムギュッとした。これまでもしてあげたことがあって、ツヨシ先生はとても喜んでくれるのだ。きっと「おっぱい星人」なんだろうと思う。果たして先生は子供みたいに喜び一杯の顔になり、私も嬉しくなった。

ーー舞ちんの必殺技、やっちゃうよ!

 もちろんそんなエッチなことするなんて生まれて初めてだけど、私はここで想像してた必殺技の「パイずり」を繰り出した。「ヤキイモ」君を大きな乳の谷間に挟んで、ムギュしてあげたのだ。

「は、花田、お前・・・・・・」

 どこでそんな技を覚えたんだ、と言い掛けた先生は、私の処女を疑ったのかも知れない。でも、もうやっちゃったことは仕方ないから、私は先生をノックアウトして余計な茶々を入れさせまいと、ムギュ、ムギュ、と何度も繰り返して熱くて固いアレをおっぱいで挟み付け、目を丸くして驚いている先生の反応をうかがった。

「気持ちいい? せんせー」
「ああ・・・・・・天国にいるような気分だぞ、花田・・・・・・」

ーーウソばっかり・・・・・・

 それはたぶん、先生が頑張ってる私をホメるつもりでオーバーに言ったんだと思う。だってオチンチン自体に大した刺激はないだろうと思うもの。だけどとても嬉しかったので、私は次に本気で先生を出させてあげる努力をした。ツヨシ先生のソレをオクチでパックンチョして、熱いソフトクリームを舐めてるつもりでペロペロクチュクチュと舌や口を動かしてあげたのだ。「ソフトクリームを舐める要領で」ってのはどこかで読んだことがあったからなんだけど、正直やり方は良くわかんなかった。もしかするとあんまり気持ち良くなかったかも知れないんだけど、優しい先生はとても喜んでくれ、花田、出すぞ、とオクチの中にドピュッと粘っこい液を出してくれた。

ーーうげえ! ゲロゲロまずいじゃん、コレえ・・・・・・ごめん先生、こりゃ飲めないわ・・・・・・

 ホントはゴックンしたげると男の人は喜ぶ、みたいな知識もあったんだけど、実際不味過ぎてゲロを吐いちゃいそうだったので、その粘液は全部の手の上に吐き出してしまった。それでも先生は凄く感謝してくれて、花田、ありがとう、と頭を下げてくれたので、私は頑張った甲斐があったと思った。いつの間にか涙も引いて笑顔に戻れていたようだ。

「花田、ちゃんと下にはいて、スカートも長く戻して、襲われないように気を付けて帰るんだぞ」
「うん、わかった。又、近いうちに補習してね、先生」
「そうだな」

 自分がパンツ取っちゃったくせに先生がそう言うもんだから、私はノーパンの上にスパッツを直ばきし、スカートも長くして、ウキウキしながら先生と別れた。次の「補習」のときこそロストバージンかなあ、なんてのん気なことを考えながら。ところが先生とのえっちな「補習」はこれが最後になったのだ。

ーーゲッ! マジかよ……

 帰り際に下足箱を開けると、ノッコの言ってた「手紙」が封書で入っていた。私は誰もいないのに辺りをキョロキョロ見回し、メチャクチャ不安な気持ちでそれをカバンに入れた。

ーーこれは読まない方がいいや

 ストーカー男佐藤が寄越した「ラブレター」に違いないのだ。どんなことがあっても、あんなサイテー男と付き合うなんてあり得ない。そう判断した私は、小雨の中ブサネコの傘をさしてわざわざ途中の公園に入り、ゴミ箱に捨てた。もう夜で暗かったし、雨の公園に用事のある人がいるはずもないから、私は誰にも見咎められず厄介払いが出来たと思い、ホッとした。そりゃ中身に興味がなかったと言えばウソになるけど……後から考えれば、私がこの「手紙」を読もうが読むまいが、忌まわしい運命に違いはなかったかも知れない。

「ごめんママ。補習で遅くなっちゃってさ」
「いいわよ。しっかり勉強教えてもらいなさい」

 ずいぶん遅くなったので怒られるかなと思ったけど、ママは意外と上機嫌に迎えてくれた。娘の帰りが遅くなりゃ、少しは心配しろよな、なんて勝手なことを思ったくらいだ。きっとツヨシ先生とマジメに補習してるもんだと思い込んでるのだろう。だけどママの次の言葉に、私はアレ? と思った。

「舞ちゃん。アンタ少しはダイエットでもしてやせたら。先生に嫌われちゃうわよ」

ーーもしかしてママ、私と先生の関係に気付いてるんじゃ……

 そう言やママも、江島先生って背が高くてカッコいい先生ね、なんて言ってたっけ。私が先生とえっちな関係になってることがわかってて、むしろ歓迎してるような気がしないでもない。だって、何を隠そうママだって、女子高生時代に担任の先生といい関係になって結婚しちゃったと言う人なのだ。やっぱり血は争えないってことだろうか。ママは、太り気味で頭の出来の悪い娘が学校の先生をゲットすりゃ上出来だ、くらいに思ってるのかも知れない。

 そんなことを考えてたら、ちょうど他の高校に勤めているパパも帰って来て、珍しく親子3人揃って夕食をとることになった。ママはともかくパパまでが、1人娘の私に向かって、まだ彼氏は出来ないのか、とうるさく言って来る。普通逆だろ。よっぽど私がモテない子だと思ってるみたいだ。いやま、その通りなんだけどさ。

ーーエヘヘ、でも先生と出来ちゃったんだもんね……

 両親とそんな会話を交わしながら、オロカな私はそんなのん気なことを考えていた。やっぱり親がそうだったから、学校の先生と教え子が引っ付くことを安易に考えてて、そんなのめったにないことで障害も多い、と言う意識が欠落してたと思う。

 食事が終わり、もしやと思って自分の部屋でケイタイをチェックすると、知らない発信元からのメールが入ってた。パソコンからみたいだがそんなに前ではない。私は不穏な胸騒ぎを覚えたが、佐藤からだとわかっている手紙を捨てたように、その誰からとも知れないメールをチェックしない勇気はなかった。仮に無視したとしても、もっと手ひどい報復を受けるだけだったに違いない。そのメールは、いきなりショッキングな出だしで始まっていた。

ーー何コレ!? あ、あり得ない……

 あまりの衝撃で手がガタガタ慄えてケイタイを取り落としそうになり、それでももう一言一句も読み落とせない気分に陥ってしまったそのメールは……

「僕の手紙を捨ててくれましたね、舞ちん……」

 あの小雨の中、夜の公園で辺りに誰もいないことを何度も確認してから手紙を捨てたはずなのに、それを見られていたのだ。

ーーモロ、ストーカーじゃん、これ……

 四六時中付きまとって監視すると言う「ストーカー」の恐怖が私に降り掛かって来たのだ。そしてメールは長々と続いていた。

「僕は舞ちんのことが大好きなクラスメイトです。いつも君のことを見ています……」

ーーノッコが言った通りだ……
 
 あの子もラブレターを渡されて断った直後から、匿名のメールに悩まされたのだ。わかっているのにあえて名乗ろうとしないそのメールは、ストーカー男佐藤からに違いない。今朝挨拶を交わすまで口を利いたこともなかったくせに、私を「舞ちん」と呼ぶなれなれしさ。コイツには社会的常識と言うものが欠落しているのだ。

 が、メールを読み進めていくと、私は本物の恐怖のどん底に突き落とされてしまうことになった。

「君は僕からの手紙を捨てたばかりか、江島と出来てたんだね。許せない。すぐに別れるんだ……」

ーー何でそんなことがわかるのよ! それに命令するなんて、一体何様のつもり?

「今日江島の部屋であったことを僕は全部知っている。ウソでない証拠に写真も撮らせてもらった……」

 そこまでメールを読んで、添付されてた画像を急いで確かめた私は、頭をハンマーで殴られたような衝撃を覚え、とうとう泣いてしまっていた。お互い全裸だけど、顔までハッキリと確認出来る。先生のアレを生徒の私が口に含んでいる、犯罪的な証拠写真だ。

 もう頭がクラクラして、涙でかすむ画面を、それでも私は読み続けないわけにはいかなかった。中身を見ずにラブレターを捨ててしまったように、この悪魔からのメールを削除してしまえたなら、気休めくらいにはなっただろうか。

「他にもたくさん写真を撮った。舞ちんは、今から僕の言うことに全て従いなさい。さもないと、いろんな写真があちこちに出回ることになる。今日の命令は、まず江島と別れること。カンタンだね。そしてもう1つ。今日江島を誘惑した服装で明日学校に来ること。ミニスカでスパッツをはかないんだぞ。Bye!」

 もう一体どうしたら良いのかわからず、しばらく泣きながら呆然としていた私。

「舞ちゃーん。早くおフロに入りなさい」

 さっきから何度も入浴を促してたらしいママの声にハッと気付いた私は、気持ちを落ち着かせるためにも涙を拭いておフロに入った。おかげで昂ぶってた神経が少し鎮まって来ると、私をずっと見張って観察し、盗撮した写真をネタに脅迫して来るストーカー男佐藤に対する怒りがふつふつとわいて来た。親友のノッコに続き、私にまでその汚らわしい手を伸ばして来るとは絶対に許せない! だけど、一体どうしたらいい? いくら気の強い私でも、いざ対処の方法を考えると、うまい答が見つからなかった。何と言っても学校で先生とえっちな行為に耽ってた決定的な写真を撮られてしまったことが、私を気弱にしてしまう。どんなことがあっても、あんな写真がバラまかれることだけは阻止しなければいけない。そうなると考えは堂々巡りで、名案は浮かびそうになかった。

 そろそろのぼせて来たのでおフロを上がり再び部屋に戻ると、私は勇気を出してメールに返信した。

「佐藤君、こんな悪ふざけはやめて。でないと、すぐ警察に訴えるわよ」

 警察に訴えること。それが私の出した一応の結論だった。でもそれは出来れば避けたい最終手段である。事情を聞かれて、先生とえっちして盗撮されて、だなんて話したくはないもの。それにそんな強行手段に訴えたら、佐藤がキレて盗撮写真をあちこちバラまいてしまうかも知れない。そしたら問題は解決しても、私にとっては身の破滅だ。もうとても学校には行けないだろう。だから私は、警察に訴えると言って佐藤を説得し、場合によっては取引に応じてやるつもりだった。まるで核兵器を持つ相手と交渉するような気分である。

ーーアイツと付き合うなんて考えられないけど、話をするくらいなら……

 現に女子全員にシカトされてる佐藤は、今朝私が挨拶に返事しただけで、ラブレターなんか送って来たではないか。学校でちょっと話をして相手をしたげれば、佐藤にストーカー行為をやめさせることが出来るのでは? と一瞬でも思った私は大甘だったと言わざるを得ない。まるで待っていたかのごとく、すぐに又メールが帰って来た。いや佐藤は今もPC画面を眺めて、私とリアルタイムのメール交換を楽しんでるに違いない。

「どうして僕が佐藤だと思うんだ? 僕は佐藤ではない。警察に訴えたいなら訴えるがよい。僕は写真をバラまかせてもらおう。舞ちんが本気にしないといけないから、まず江島に送っといてやるよ。面白くなって来たね。Bye!」

ーーう、ウソお!

 佐藤がトボけるのに腹を立てた私は、ヤツの報復と思われる行為の大胆さに愕然としてしまった。担任の先生まで脅迫しようと言うのか? いくら名前を伏せても、1年の時ノッコにストーカー行為を働いたことを知られている、当の江島先生にそんなことが出来るのだろうか? 女の子とまともに付き合うことも出来ず、ストーカーをしでかすような男は勇気のない小心者に違いないと思っていた私は、思ってみなかった佐藤の反撃がただのハッタリであることを祈り、まとまらない頭でケイタイを持ったままベッドに潜り込んだ。もちろん一睡も出来そうにはなかったけど、精神的に疲れ切って一刻も早く寝てしまいたい気分だったのだ。

 次の恐ろしいメールが届いたのは、床に潜って30分も経たない頃だった。何とツヨシ先生からだ。そしてそのメールの内容を確認した私は、今度こそ完全に打ちのめされた気分になり、ベッドの中でボロボロにマジ泣きしてしまっていた。

「花田、これまであったことは全部なかったことにしてくれ、頼む。理由は聞くな。もしこんなことが明るみになったら、お前だって困るだろう。俺はたぶん教員をクビになるかも知れない。もう補習も終わりだ。いいな?」

ーーアンタ、それでも担任かよ!

 佐藤が要求して来た通りの、先生の方からの別れの通告だ。ノッコに対するストーカーを解決してくれたと聞き、先生に対して持っていた信頼感は跡形もなく崩れ去った。ことが自分の身に及ぶと、私を守ろうとするどころか、自分の保身を第一に考える身勝手な男だったのだ。佐藤がハッタリでなく実際に盗撮写真を送りつけて担任を脅迫したことが証明されたのもショックだったが、私はそれより恋していてバージンまであげちゃおうと思ってた先生の実の姿を知らされたことが悲しくてボロ泣きした。

 ようやく涙も枯れ果てて来た頃だったろうか、佐藤からさらなるメールが届いたのは。何と言うしつこさ。私は自分がどんどんコイツのペースに嵌り、逃れられない底なし沼に足を踏み入れてしまったような恐怖を味わいながら、そのメールをチェックしないではいられなかった。

「無事、江島とは別れたかい? 舞ちんへの命令をもう一度確認しよう。江島とすぐに別れること。明日の服装については少し命令を付け加える。スパッツをはかずに登校して、江島の授業中だけスカートを上げ、ヤツにパンツを見せてやれ。僕はいつでも君を見てるから、ズルをしたらすぐにわかる。ズル休みもダメだぞ。舞ちんが命令に背いたら、次は吉岡さんに写真を送ろうかな。Bye!」

ーーやめてえっ!

 私の唯一無二の親友であり、1年のときストーカーを働いていたノッコに盗撮写真を送り付けようという佐藤の底意地の悪さに、私は心の中で悲鳴を上げた。ヤツにストーカーの被害を受けていた当事者であり、大人しく私以上にオクテと思われるノッコに、私と先生のいかがわしい行為を知られることは耐え難かった。それだけは絶対に阻止しなくては、私の頼る所がなくなってしまうではないか。 

ーーこんなことを相談出来るのは……ノッコしかいない……

 ホントは頼りにしたい先生を失ってしまった以上、私がストーカーについて相談出来るのは彼女しか考えられないことを、悔しいが佐藤のメールが教えてくれたようなものだった。両親はダメだ。ママは私と同じ短気で一本気な性格だから、絶対に根掘り葉掘りメールの内容まで穿鑿して来るだろうし、勝手に警察に連絡して取り返しの付かないことになりかねない。パパはめったに顔を合わせることもないし、男の人に相談するのは嫌だ。そのためノッコには悪いと思ったけど、とても1人じゃ抱え切れないと思った私は、こんな遅い時間なのにケイタイで彼女を呼んだ。すると持つべきものは親友で、夜の12時前と言う非常識な時間帯の呼び出しにも嫌がらず応じてくれたノッコに、私は迷いながらまずこんなことを聞いた。

「あのさ、ノッコ。うちらの担任って独身だよね?」
「江島先生? いや、確か子供もいるって聞いたけど……」

 ノッコはずいぶん詰まらないことを聞くと思っただろうけど、私にとっては十分な重みを持つ江島先生の正体だった。だけど幸いもう泣き過ぎちゃったおかげで、流すべき涙は残っていなかった。

ーーやっぱり先生、ただのアソビだったんだ、私とのコト……

 いくらおバカな私でも、冷静になって考えれば、妻子持ちの先生が本気で高校生に入れ込むわけがないことくらいわかる。私はただ、体目当てでアソばれてただけなのだ。

ーーバージンなんかやらないで良かったよ、マジで……

 だけどその火遊びの代償は、私にとっても先生にとっても高くつくものだった。蛇のように狡猾で残忍なストーカー男佐藤に決定的なエロ写真を盗撮され、身動きの取れない苦境に陥ってしまったのだ。

「舞ちん、そんなこと聞くために電話して来たの?」
「いや、違うよ。ノッコ、ごめん。実は……」

 黙りこくってしまった私にノッコの方が焦れて本題を促し、私は細かいことは伏せて、佐藤からストーカーメールが届いたことを話した。

「すぐ担任の先生に話した方がいいよ」

 とノッコ。それが出来ればこんなに悩むことはない。

「いや、それはちょっと……」

 ノッコは気の短い私らしくない、ためらいだと思っただろうか。

「じゃあ、どうするつもりなの? アイツ、しつこいから黙ってちゃダメだよ」

ーーわかってるよ、そんなこと! 私だって、どうしていいかわからないから……

 アンタに相談してるのに、とは言えなかった。江島先生に助けてもらった彼女が、同じことを私にアドバイスするのは当然なのだから。だけどやっぱりノッコに話したのが良かったのか、その時私の頭に1つ名案が浮かんだのだ。どうして気付かなかったんだろう? それは最も簡単で私らしい打開策だった。

「私、明日佐藤に直接文句言ってやめさせるから。悪いけどノッコ、一緒に付き合ってくんない?」
「う、うん、いいよ……」

 そうだった。匿名のメールと言ったって差出人はバレバレなんだから、直接会って話せばいいではないか。女の子とまともに口を利くことすら難しい気弱な佐藤のことだ。案外アッサリ非を認めて引き下がるかも知れない。実際ノッコへのストーカー行為を突き止められた佐藤は、もうそれをやめてるわけだから。

「アイツがあくまでシラを切るつもりなら、蹴っ飛ばしてみんなに言いふらしてやる!」
「そうだね。舞ちんなら大丈夫だよ……」

 それが大いなる希望的観測に過ぎない可能性も頭をかすめたが、私はもうそう自分を納得させるよりなかったのだ。ノッコだって大丈夫だと太鼓判を押してくれた。もっとも彼女は盗撮写真のことは知らないのだが。

ーーいつまでもウジウジ悩んでられるかっつーの!

 こうして私はノッコに相談したおかげで、その夜ぐっすり眠りにつくことが出来たのだが。

「ねえ佐藤君。変なメール送って来たの、アンタでしょ!」
「え!? 何のこと? 僕知らないよ……」

 次の日さっそく善は急げとばかりに、私はノッコと一緒に始業前自分の席に着いていた佐藤を詰問しに行った。幸いクラスで浮いてるヤツの近くには人がいない。「ストーカー」行為を口にするのは他の子たちの手前気が引けたが、よく考えるとむしろ困るのは佐藤の方だ。今でも女子にシカトされてる彼の立場がさらに悪化しても自業自得だろう。

 そう自分勝手に理屈を組み立てた私は、勇気を出しいつもの男勝りで勝気な「舞ちん」になって強い口調で言ったんだけど、佐藤はもちろんシラを切るよりない。平気でトボけて見せる佐藤はなかなかの役者だなと思ったが、私は机をバンッ! と叩いて大声で怒鳴ってやった。

「とにかくやめてっ! 本気で警察に訴えるからねっ!」
「ホントに知らないんです……ごめんなさい……」
「あんだとお!」
「舞ちん、やめて……」

 私がキレてしまった様子を黙って見ていたノッコが、本気で佐藤にケリを入れようとするのを止めてくれた。私の剣幕にすっかり怯えてしまい、シラを切りながら謝罪を口にする情けないストーカー男の姿に、私は勝利を確信した。

ーーどんなもんだい、舞ちんを怒らせたら怖いんだぞ!

 他の子たちも何事かと注目してるし、私にたずねて来た友達には、ハッキリと、佐藤から変なメールが送られて来たことを言いふらしてやった。その前のラブレターのことやら、メールの内容についてはもちろん一切口にしなかったけど、これで十分だろう。

 暴力沙汰を止めてくれたノッコは、私らしい乱暴な解決法だと思ってるだろうか。彼女にとっては災難だけど、ノッコの席は佐藤の隣だ。授業中に妙な様子がなかったか、後で聞いてみよう。こうしておバカな私は意気揚々と一番前の自分の席に戻ったのだ。

「ツヨシ先生、オハヨッ!」

 朝のHRに先生が入って来ると、私はわざといつものように明るい声で挨拶してやった。すると先生はそれに答えず、何食わぬ顔で無視しやがった。佐藤をとっちめてやったつもりで気持ちが大きくなってた私は、さらに調子に乗りバカ丸出しの大声で聞く。

「ねえ、今日も補習すんのー?」
「いや、もう補習は終わりだ」
「え〜っ!? 私、せんせーと数学の勉強するの楽しみだったのにー!」
「ウソばっかり」
「舞ちん、フラれちゃったんだー」

 周りの友達もそう言って笑ってくれた。先生はたぶん複雑な気持ちだったろう。何だか落ち着かない様子でHRを始めた。教卓の後ろに立った先生は、本当に私の席の真正面だ。机の下の私の下半身もしっかり見えてるに違いない。

ーーそう言や、コイツにパンツを見せろ、だなんてバカな命令されてたな。フン、もう二度とお前なんかに見せてやるかっつうの! 今度あったらセクハラで教育委員会に訴えてやるんだから!

 もちろんそんな命令などもうヘのカッパの私は、黒いスパッツをはいてて万が一にも見せてしまう心配はない。スカートは短めで、アシをだらしなく広げて座るお行儀の悪い私でも、無駄なものは無駄だ。 

 4時間目は数学の授業だったけど、私は当てつけのように最前列の席で爆睡してやった。バカでも一応マジメに授業を受けるのが取り得の私としては少々気が引けたのだが。それでも先生には全く注意されなかった。

 そして昼休み。一緒にお弁当を食べるためノッコがやって来たかと思いきや、違ってた。ママに作ってもらってる私と違い、彼女は自分で弁当を作って来る家庭的ないい子なんだけど、今日は忙しくて作れなかったから学食に行くんだと言う。なのにわざわざ佐藤の様子を報告しに来てくれたのだ。そしてヒソヒソと耳打ちしてくれた内容に、私は思わずギョエ〜ッ! と叫びたい気分になった。

「あのね、言いにくいんだけど……やっぱりずっと舞ちんのこと見てて……左手はずっとズボンの中……」

 何と佐藤は授業中ずっと私の方を見ながら、左手で股間を弄ってたらしいと言うのである。ズボンのポッケを破って、チンコを握るやり方があるんだそうだ。ノッコから佐藤のストーカー行為の1つとして聞かされていた。やめていたそのおぞましい行為を、私にけちょんけちょんにやり込められた佐藤が、思い出したようにやっていただなんて。

ーーコイツ、マゾかよ……

 ノッコはずっと見てたわけじゃないだろうが、そんな姿勢でズボンの前がモゾモゾ動いてたと言うのである。わざわざ嫌なものを観察し報告してくれた彼女には悪いが、いっぺんにメシがまずくなった気分だった。

ーーハー、食った、食った……

 食事を終えた私がつまようじで歯をシーシーしていると、ノッコが妙に急ぎ足で学食から帰って来た。

「舞ちん、舞ちん! 何だか人がたくさん集まってるよ、校門の掲示板の所で……」
「マジで? すぐ行かなきゃ!」

 ヤジ馬精神で好奇心の人一倍旺盛な私は、ノッコに誘われるまま校門を入ってすぐの所にある掲示板まで見に行ってみた。すると確かに生徒の人だかりが出来ており、中でハゲ頭の教頭先生を初め何人かの先生が、帰りなさい! と大声で怒鳴っていた。どうやらその問題物件はもう先生たちが片付けちゃったらしい。ガッカリした私は散っていく生徒の中から知り合いの女子を探し、何があったのか聞いてみたんだけど、それを聞いた瞬間私は絶句してしまった。

「何かハダカの男と女の写真が貼ってあったみたい。ああ、気持ち悪い〜!」

ーーも、もうおしまいじゃん! あの写真顔までバッチリだったし……

「舞ちん、どうしたの? 急に顔色が悪くなったよ」
「ノッコさ、ごめん。気分悪くなったから帰る。先生にそう言っといて」

 まるで天国から地獄に突き落とされたようなショックだった。写真をバラまくぞと言う脅しを、佐藤がまさか本当に実行に移すとは。

 回収されたって言うけど、それまでに江島先生や私の顔を知ってる人間が見ちゃってるだろうし、回収した先生がそれを問題にしたら? もうどうして良いのか皆目わからなかったし、その場でウェーンと泣いちゃわないので必死だった。心配していろいろ言って来るノッコの言葉も上の空で、私は彼女の静止を振り切ると勝手に家に帰ってしまった。

ーーどうして、あんな無茶なことしちゃったんだろう……

 うちは共稼ぎで昼間は誰もいない。私は自分の部屋に閉じこもって、昨日の晩と同じように又ボロ泣きした。今度はもう取り返しが付かない。佐藤の脅迫を軽視して、強気に強行解決を図ろうとした自分のバカさ加減に後悔しまくりだったけど、後の祭だ。

ーー先生、クビになっちゃうのかな……

 妻子のある身でありながら、学校内で教え子とえっちなことをしちゃったのだ。ニュースになってテレビや新聞に出るかも知れない。そうなれば私の方もタダではすまない。いや、あの写真を知った人に見られてしまった今となっては、もうとても学校になんかいけないと思った。

 だけど昨夜もそうだったけど、人間の涙の量には限りがあるのだろう。大泣きしてたら次第に涙も出なくなり、少し落ち着いてきた。するとまるでそれを図っていたかのようにメールが届く。やはりアイツからだ。

「佐藤じゃないと言ったのに。写真をみんなに見られたのがそんなにショックだったのかい。安心しろ、あれは顔がバレないようにマジックで黒く塗りつぶした写真だ……」

ーー助かった……

 正直そう思ってホッとした私を、佐藤は改めて脅迫して来た。

「次はないからね。顔出し写真を公開されたくなかったら、必ず命令に従うんだよ、舞ちん……」

 こうして私はジワジワと追い詰められ、まな板の上のコイのような心境に陥っていった。こんな忌まわしいメールなのに、削除するどころか一言一句見落とさないようチェックしないではいられないのだ。佐藤が本気で盗撮写真をバラまいてしまうヤバい男であることがわかった以上、もう私にはコイツの命令に背くことは許されないのだ。

 そんな心理状態の私に、メールの命令が届けられる。

「命令だ。復唱しろ。二度と佐藤君を疑ったりしません。二度と・・・・・・」

 同じ言葉が二度繰り返され、私は自然と復唱しているような気分に陥った。

「あなたをご主人様とお呼びします。あなたを・・・・・・」

 そんなあり得ない理不尽な命令も、私は復唱してしまう。もちろんまだそんな気にはなれないが、じきに自然とメールの送り手を「ご主人様」だと思ってしまいそうだ。

「明日、授業中ずっと江島先生にパンツを見せます。明日・・・・・・」

 ゴクリ。私はなぜかわいて来たツバを飲み込む。今日背いてしまったこのエッチな命令を、明日実行する私はきっとスリリングな興奮に見舞われてしまうに違いない。そして「ご主人様」は予行演習をさせてくださった。

「今からパンチラを撮って、ご主人様に写メで送ります。今から……。今日中に送らなければ、顔出し写真をバラまくぞ」

 二度繰り返されない言葉は命令でなく、「ご主人様」の脅迫みたいだった。命令に従うよりない心境に陥っていた私は唇をペロリと舐めると、スパッツを脱ぎ超ミニ丈までスカートをたくし上げると、明日先生に見せる時のつもりで、イスに座ってだらしなくマタを広げ、白いものがバッチリ覗けた有様を写メで撮影し「ご主人様」に送った。

ーーこんなエッチな写真、佐藤に送っちゃった!

 私は送信してしまってから、自分がいつの間にかストーカー男のペースに嵌り、ごく自然に命令に従ってしまった事実に慄然とした。だが間髪を入れずに送り返されて来たメールが、私への暗示をさらに強化するかのごとく命令を続ける。

「私は、ハズカシイことをすると、とてもコウフンします。私は……」

 復唱するまでもなく、それは事実だった。だって心臓がすごくドキドキして、身震いまでしちゃってたのだから。

「今日は寝るまでに、いっぱいオナニーをします。今日は……」

 ドキッ! そのえっちな命令を目にした私は、さらに全身に込み上げる興奮の高まりを覚え、ケイタイを置いてしまった。実は私バージンのくせに毎日1人えっちしちゃってるイケない子なのだ。乾いてた唇を再びペロリと舐めた私は、心の中で「ご主人様」に呼び掛けた。

ーーご主人様! 舞ちん、今からいっぱいオナッちゃいます・・・・・・

いきなり、なんてはしたないけど、ご命令だからいいのだ。私はもう服を脱ぐのももどかしく、カッターシャツの上からチクビを探り当てた。

ーーもう、こんなコリコリになっちゃてる・・・・・・

「あんっ!」

 そしてもう片手がさっき写メで「ご主人様」に送信したパンツの上から、下のオマメちゃんをまさぐると、やっぱりコチコチになっててすごく気持ち良く、今度はえっちな声まで出てしまってた。

ーーああんっ! キモチイイ、キモチイイよ、ご主人様あ・・・・・・

 そのままクリクリと上下のトンガリボーヤをイジッてると、いつになく強烈な心地良さに包まれた私は我を忘れた。きっと「ご主人様」の命令に従ってえっちなことをしちゃったから、いつも以上に興奮して強い快感が得られるのだろう。私はカッターシャツのボタンを外し、ブラをむしり取って巨乳ちゃんをギュウギュウ揉み上げ、指で直にチクビを転がした。余りの気持ち良さで頭の中がカラッポになりそうだ。下の方はパンツの上からで十分だ。バージンだし、怖いから直に触るのはタブーなのだ。

ーーご、ご主人様、いくうっ!

 私は驚くほど早くスパークしてしまい、しばらくウットリと心地良いアクメの余韻に浸っていた。が、その直後届いたメールの内容は、えっちな快感にボンヤリしていた頭を冷やすのに十分な衝撃的なものだった。

「明日学校に行ったら、ご主人様の前でノッコにパンツを見せて、オナニーの回数を報告します。明日……」

ーーな、何!? 何でノッコに……

「驚いたか。ノッコはもうずっと僕の性奴隷だ。何でも命令に従う。舞ちんがウソだと思うといけないので、朝のSHRが終わったら、ノッコとトイレに行け。そこでオナニーして見せるよう、ノッコには命令しておく……」

 ノッコが佐藤の性奴隷だって!? ストーカーの被害は治まったと言うのは大ウソで今でも続いており、今度はその汚らわしい手が親友の私にまで回って来たと言うのか? 私の頭は果てしなく混乱した。が私の戸惑いをかき消そうとするかのごとく、メールの命令は続いていた。

「新しい命令だ、復唱しろ。学校以外でノッコと連絡は取りません。学校……僕からノッコにもそう命令しておく……」

 この命令で私の疑念を直接ノッコに問い質す道は閉ざされた。彼女だって連絡に応じてくれないだろう。

「これから学校では、ノッコがご主人様の代わりになります。これから……」

 私の頭はますます混乱する。

「ではもう一度、明日の命令を繰り返して確認する。復唱しろ。明日学校に行ったら、ノッコにパンツを見せて、オナニーの回数を報告します。明日……SHRの後、トイレでノッコにオナニーを見せてもらいます。SHR……
江島先生の授業中、ずっとパンツを見せます。江島……Bye」

 メールが終わって、ハッと我に返った私は明日やらねばならない命令の内容を想像して、「ご主人様」となるストーカー男佐藤の狡猾な手口に舌を巻いた。ノッコと佐藤は隣の席なのだ。ノッコにパンチラを見せ、オナニーの回数を報告するのを、内心ニヤニヤしながら素知らぬ風を装って眺めるつもりなのだろう。そしてこれまで佐藤はずっとノッコを見ていたと言うが、今度からは前の席の私の痴態も観察しながら、ズボンのポッケに手を入れ手でシコシコと楽しむつもりか。あまりのおぞましさに背筋を悪寒が走ったが、命令されていきなりオナってしまった私は、彼の羞恥命令を実行することに興奮してしまうことは避けられそうにない。恐らくノッコもこんな嫌らしい手口を続けられて「性奴隷」にまでされてしまったのではなかろうか。そしてそれは近い将来の私の姿でもあるように思われた。

ーーあんなサイテー男の性奴隷だなんて、絶対にイヤだ! ああ、でも……一体どうしたらいいの?

 絶対に公開されてはならない破廉恥写真を握られ、命令に逆らおうとして顔を隠した写真を貼り出すヤツの本気さを見せられた私には、もう逃げ道はない。頼みにすべき先生も一緒に脅迫されてる始末だし、親友のノッコまで既に佐藤の軍門に下っているとは……

 私は暗澹たる気持ちに陥ってベッドに潜り込んだが、あろうことか心に刷り込まれた佐藤の命令が頭に響く。

「今日は寝るまでに、いっぱいオナニーをします……」

ーーああっ! 

 明日のことを想像しただけでも興奮が治まらなくなっていた私は、命令を実行すべく胸と股間に手を忍ばせて自棄になったように激しいオナニーに突入してしまったのだった。

 次の日ノッコはまるで避けるかのように早く登校しており、私が教室に着いたときにはもう最後列の席に座っていた。だが佐藤はまだ来ていないようだ。チャンス、と思った私は急いでノッコの席まで直行したのだが。

「お早う、ノッコ」
「お早う、舞ちん。体の具合はどう?」
「う、うん、もう何でもない」
「でさ、回数なんだけど……」
「まだよ。それは彼が来てからね」

ーーやっぱり……

 一見いつもと同じようなノッコの対応に、この子、あのメールについて何も知らないんじゃないか? と思ったんだけど、やはり間違いなく彼女も佐藤の命令に従っているようだった。何しろ、オナニーの回数報告をするには、佐藤を待てと言ったのだから。と、言うことは? 私は大人しく女の子っぽい性格だけど、外見的には男の子みたいな親友を見て信じられない気持ちになった。

ーーノッコが佐藤の性奴隷? 冗談としか思えないけどなあ。しかも、この後オナニーして見せるだなんて……

 人のことは言えないけど、ノッコは間違いなく処女だろう。それどころか、えっちな好奇心旺盛でオナニーの常習者である私と違い、1人えっちしたこともないのでは? と思ってたのだ。そして、この大人しい親友がこれからオナっちゃう姿を見せてくれるんだと思うと、私はついコウフンしてしまい、スパッツをはかずに来たスカートの中が少しジュンと潤うのを感じていた。

ーー私って、何てイケない子……
 そして、そんなイケない私「舞ちん」は、その後あの江島先生に向かって羞ずかしい白パンチラを授業中ずっと見せてやらねばならないのだ。もしかするとあの日みたいに、コウフンしてビチョビチョにパンツを濡らし、染みまで作ってしまうかも知れない。私がそこまで妄想を膨らませた頃、ようやく佐藤がやって来た。

ーーこの情けない男が「ご主人様」なのか? 見えねえ……

 やっぱり女子にはシカトされ、それでも平然と自分の席までやって来た佐藤は、ただの気弱で根暗な、「彼女いない歴16年」君にしか見えない。だけどコイツは私と先生の決定的な場面の盗撮写真を握っており、言うことを聞かないと本気でバラまこうとする、超アブない男なのだ。とりあえずコイツの機嫌を損なうことだけは避けなければ。そして佐藤は私たちだけには丁寧に挨拶をして来た。

「お早うございます」
「あ、お早!」
「……」

 この前と同じだ。私はつい返答してしまい、ノッコは無言で下を向く。この反応の違いは性格の違いだろう。そして佐藤がノッコの隣に着席すると、私は命令を実行した。

「あ、あのさ、ノッコ」
「え!?」
「4回だったよ」

ーーエーン。超ハズイよお……

 バカ正直にそう申告した私は、ノッコや、その向こうで無関心を装ってるけど実は注目してるに違いない佐藤が、その回数をどう思ったかと考えると、すごく羞ずかしかった。ツヨシ先生とのえっち写真を貼りだされたショックで異常な心理状態にあった私は、命令を受けてから半ば自棄になり、まるで盛りのついたネコみたいに何度もしちゃったのだ。誓って言うが、あれはいつもの私じゃない。どんなにえっちな気分の時でも、普通は2回が限度だ。

「4回って多過ぎない? オナニーの回数」

ーーウソお〜っ! 何でそんなことバラしちゃうのよ!

 さっきオドオドと下を向いてしまったノッコが、人の変わったようにしっかりした声で「オナニー」なんて言っちゃうもんだから、私はビックリしてマジで顔が真っ赤になってしまった。無関心を通そうとしていた佐藤も、その回数の多さにニヤリとこちらを向いたのがわかる。幸い他のクラスメイトには、良く聞こえていないと思うんだけど。そして「ご主人様」佐藤に睨まれてるせいなのか、ノッコは自ら「命令」を口にする。

「スカートを上げるのよ、舞ちん」

 初めて聞くノッコの強い口調にタジタジとなった私は、オズオズと両手でスカートの裾を持ち上げ始めたのだが、何とノッコは問答無用とばかりに、いきなり私のスカートをバッと派手にめくり上げてしまった。一瞬だったけど「パンチラ」と言うより「パンモロ」だった。佐藤ももちろん見ていたに違いない。クラスの他の子たちは、仲の良い女子同士の他愛ない悪ふざけと見てくれただろうか。

「スパッツははいてないみたいね、舞ちん、でも次からは必ず白をはくのよ」

ーー白なんてハズカシ過ぎるよ、ノッコ……

 佐藤はかわいい「性奴隷」であるノッコの、予想外の言葉に聞き耳を立てているのだろうか。パンチラしちゃう命令を受けていた私はブルーのパンツをはいてたのだけど、見られて一番羞ずかしい色が白であるのは言うまでもない。

「ホームルームの間も1回だけスカート持ち上げて、先生にパンツ見せるのよ、舞ちん。予行演習」
「う、うん、わかったよ、ノッコ……」

 ノッコは佐藤の前だからか、調子に乗ってそんな命令を追加して来た。まるでヤツに操られてるみたいだ。そして私はそんなえっちな命令にも従うよりないのだった。

ーーノッコが「ご主人様」の代わりになるんだよね……

 昨日復唱させられた命令が頭に蘇る。そう。今日からノッコは「ご主人様」の代理として命令を下さるのだ。佐藤なんかに命令されるより、ずっといいではないか。たとえ彼女が「性奴隷」として佐藤に操られているだけだとしても。

 SHRの後うちの学校では授業開始まで10分間の休憩がある。遅刻ギリギリで教室に駆け込んだ生徒にとっては、別名「おしっこタイム」。ノットと連れ立ってトイレにやって来た私は、他の生徒の動向を見てしばらく待った。何しろ2人で一緒に個室に入るんだから、人に見られるわけにはいかない。1時間目は間違いなく遅刻だろうが、それは覚悟するよりなかった。

「ねえ、舞ちん、ドキドキした? 先生にパンツ見せちゃうの」
「うん、すっごいドキドキした……」

 そして個室に入るとすぐ便座に腰掛けたノッコは、私にパンチラの羞ずかしさを確認すると、もっと羞ずかしいことを始めた。「ご主人様」の言った通りだ。スカートをたくし上げ、スパッツをはいてないノッコは、白いパンツの上からアソコを指でスリスリとやり始めちゃったのだ。

「舞ちん、オナニーして見せるからよく見てて、ハズカシイけど……イッテ見せなくちゃいけないの、ご主人様の命令で……あん、舞ちん! キモチイイッ!……」

 ハズカシイと言いながら、だんだんエッチモードに入ってそんな声を出してしまうノッコに私はギクッとしたが、同時に興奮してしまった。ノッコは着衣の上からおっぱいをイジり、パンツの上から指を這わせるやり方で、私と同じだと思った。やっぱり彼女もバージンだからだろう。

「気持ちいいの? ノッコ」
「うん……舞ちんが見てるから、いつもよりすっごくイイ……ああ、舞ちん、舞ちん、見て見て、私のオナニー!」

ーードキッ! そんなこと言われたら……私までシタクなっちゃうよ!

 もちろんそんなヒマはない。私は自然とスカートの前を手で押さえながら、気持ち良さそうに目を細めてオナッちゃってるノッコに聞いた。

「ねえ、すぐイケそう?」
「わかんない……ああんっ!」
「手伝ったげよっか?」
「え?……うん、オッパイ揉んでくれる?」

 まさかオナニーしてて授業をサボるわけにはいかない。私は自分だったらどうすれば早くイケるかを考えて、ノッコの希望通りおっぱいをイジってあげることにした。手早くカッターシャツをはだけブラも外すと、プルンと弾け出たノッコのおっぱいは、小っちゃいけど形が良くピンクの先っちょはもうコウフンしてツンと勃っていた。私はノッコ自身の手が揉みしだいてるのとは反対側のお乳をゆっくりと揉み。クリクリと乳首を指で転がしてあげた。

「アンッ! そ、それいい、気持ちいいよ、舞ちんっ! 御願い、チュッチュして、チクビをチュッチュしてえ!」

ーーノッコ!

 すっかりえっちモードに入ってしまい、普段のおしとやかなお嬢様ぶりからは想像も付かない乱れようを見せる親友の姿に、私も頭がクラクラするほど興奮し、リクエスト通りお乳を柔らかく揉みながら先っちょに唇をすぼめてかぶせると、チューッと強く吸ってあげた。

「あ〜っ! ま、舞ちん、イク! イクウッ!」

ーーノッコとレズっちゃった……

「ご主人様」の命令とは言え、親友ノッコのオナってる所を見せられて興奮し、ついお手伝いまでしちゃった私は、彼女が激しく昇り詰めてしまうと、そんなアブない行為に自分から手を染めてしまったことにひどく罪深さを覚えていた。

「さ、今度は舞ちんがハズカシイコトする番だよ……」

 服装を整えたノッコが、いつになく悩ましいハスキーな声でえっちなお色気を振りまきながらそう言うので、私はゾクッとした。

「う、うん……」
「命令を追加するわ。江島先生にパンツを見せながら、舞ちんもオナニーするのよ」
「そ、そんなの、無理だよ!」
「学校じゃ私がご主人様の代わりよ。命令に背いていいと思ってるの?_」
「ノッコ……」

 佐藤に操られているのだとしても、アイツの命令以上のえっちな要求を突き付けて来る、大人しくて真面目な親友に、私は大きな戸惑いを覚えていた。私の見てる前で羞ずかしいオナニーなんかさせられて、この子もおかしくなってしまったんだろうか? ところが、私が絶句してそんなことを考えていると、ノッコがケイタイを出して画面を開いて見せたのである。その画面に映された画像を確認して、私は泣きたくなった。

「これ、一体どういうこと? 何だか楽しそうに補習に行ってるな、と思ったら……」
「わかったよ、ノッコ。もう画面閉じてよ……」

 それは私が先生に「パイずり」をしてる写真だった。この分では佐藤が言った通り、盗撮写真はたくさん種類があるのだろう。私はとうとうノッコにまで、先生とのえっちな行為を知られてしまったことに愕然とし、彼女の態度が豹変した理由も理解した。

「ご主人様から送られて来たの。江島先生とこんな仲だったんなら、オナニーして見せても平気でしょ、えっちな舞ちん……」
「ノッコ、ダメッ!」

 そんなことを言いながら寄って来たノッコが、私のスカートの上からアソコを押さえて来たので、私はうろたえその手をどけてもらおうと、自分の手で掴んでもがいた。だけどノッコはいつになく強い力で、しつこく私の大事なトコロをスリスリして見せたのだ。

「ホントはシタイくせに。さっきもココを手で押さえてたでしょ、舞ちん」
「ノッコ! もうわかったから、お願い、やめてえ……」

 やっぱり私と同じオナッ子なんだろう。執拗にアソコを探って来るノッコの指タッチは、しっかりクリちゃんを押えて刺激を与えて来る。だから私はすぐに気持ち良くなってしまい、その手をどかせようとする自分の手や体全体の力が抜けてしまう気がしていた。

ーーア〜ン! この子、すごい上手……

 ノッコのえっちな指が、スカートの上からでも探り当てた私のはしたないトンガリボーヤをスリスリするたびに、ツーンツーンと心地良い電流が走り抜けて来るみたいだった。

「命令に逆らったら、すぐにご主人様に報告して写真をバラまいてもらうわよ」
「……それだけはやめて……」
「じゃあお昼になったら私の席まで来て、ご主人様に聞こえるように報告するのよ、舞ちん。何回イケたか、ね」
「うん……」

 授業中先生にパンツを見せながらオナっちゃうなんてことを想像しただけで、私はおかしくなりそうだった。でも、もう逃げ場はない。ご主人様も、隣の席のノッコも、後ろから私を観察してるのだから。その上、直後に報告もしないといけない。

 さて大遅刻で1時間目の教室に戻った私とノッコ。国語のおばあちゃん先生に、私が「すいません。ゲリピーだったんで」と言い訳をすると、ノッコは嫌な顔をしていた。いいじゃん、ハズカシイのは私なんだから。今日の数学の授業は4時間目だったけど、私はさっきノッコの指にクリタッチされたアソコがずっとムズムズして困ってしまった。

 ノッコはまるで見張ってるかのように、休憩になるとすぐ私の席までやって来て、どこへ行くにも付きまとって来た。仲良しのノッコだから周りの目には不自然じゃなかっただろうし、私もイヤではなかったけれど、アンタがストーカーかっつうの! いや、実際にノッコは「ご主人様」の代わりに、ストーカーのように私を監視していたのである。

 2時間目が終わり私がトイレに行こうとすると、ノッコも当然のごとく付いて来て、廊下でこんなことを耳打ちして来たのだ。

「トイレもずっと一緒だよ、中までね」
「それも命令?」
「もちろん。ダメだよ、勝手にオナっちゃ。私見張ってるからね」

ーーバレてたんだ……

 アソコが疼き、トイレで秘かに1人えっちをしちゃおうと思ってた私は、図星を刺されてしまった。 

「行かないの? トイレ」
「行くよ、もちろん……マジで中まで入って来んの?」
「そうだよ」

 ここでやめるとオナニーしたくてトイレに行くつもりだったのがバレバレなので、私は仕方なくトイレに直行する。そして人がいないのを確認すると2人で一緒に個室に入り、ノッコに見られながらおしっこをした。チョロッとしか出なかったけど、アソコを拭くところまでしげしげと眺めたノッコはこう言うのだ。

「ハズカシイ? 舞ちん」
「そりゃそーだ」
「まだオナっちゃダメだよ。我慢してから、先生にパンツを見せてオナればきっと最高だよ」

ーーそんなこと言わないで……

 アソコを紙で拭く手指の動きが妙にエロティックになってしまう私は参ってしまった。イケないオマメちゃんがピンコ勃ちになって、触れて欲しくてウズウズしてるのがわかるのだ。ノッコの言う通り、4時間目のパンツ見せオナニーはきっとすごく刺激的で最高に気持ち良いに違いない。

「あん!」
「舞ちん、ダメッ! クリに触らないの!」

ーーえーん、ハズイよお……そんなうもりじゃなかったのに……

 おしっこが終わったアソコをフキフキしてて、ついうっかりイケないトコロに触れてしまい、えっちな声が出た私はすぐにノッコに注意された。こんな所まで監視されてるんだと思うと、すごくドキドキしてしまう。

 3時間目は私の唯一得意な体育の授業だ。今日は女の子だけどサッカーをした。私は雑念を振り払おうと目一杯グランドを走り回り、気持ち良く汗をかいたのだけど、授業が終わってすぐ今度はノッコにトイレまで誘われた。学校では彼女が「ご主人様」の代わりなんだから、拒否することは出来ない。もしかしてノッコがおしっこ見せてくれるのかなあ、と思ったら、もっと変態チックなことを要求されてしまった。

「パンツを交換するわよ」
「な、何で……」
「舞ちんにもっとハズカシイ目を味わって欲しいの。私の白だから……」

 わけのわからん理屈だが、ノッコがサッサとスパッツを脱ぎ捨てその白パンツまで脱いでしまうもんだから、私もブルーのパンツを脱いで、ためらいながらノッコの白パンツと交換した。

ーー私の、結構汗でビッチョリだけどな……

 ハズカシイと言うより申し訳ない気がしたけど、ノッコは手早く私の青パンツをはきスパッツとスカートを戻していく。私はノッコから渡された白パンツも当然ながら汗でしっとり潤っちゃってるのを感じて、妙な気持ちになった。それに私はデブで、ノッコはスマートだから、小っちゃいんじゃないかと思ったら、着けてみると案の定、ピチピチだった。しかもそれは彼女が私を辱めようとするつもりだったのか、マジメっ子がはいてるなんて想像も出来ないような、えっちなデザインのパンツだったのである。

ーーゲーッ! すっげえハイレグじゃん、コレ、生地が薄くてスケてるし……ヤバいよ、ハミ毛しちゃう!

 先生とえっちしようとしたとき注意されたのに、まだしっかり処理してなかった私は後悔したが、今さら剃るわけにもいかない。マジで遅刻しそうだったので、急いでその激ヤバ白パンツをはき教室に戻るしかなかった。

 そしていよいよ始まった因縁の江島先生の授業。先生は朝と同じように真正面に座る私と目を合わせようとせず、まるでシカトされてるように感じた。コイツの薄情さがわかり百年の恋も冷めちゃってた私はこんなエロいパンツを見せたくはなかったが、「ご主人様」の命令は絶対である。

ーーオラ、ツヨシ! シカトしてねえで、しっかり見ろよ! 舞ちんのパンツ、今日もエロエロなんだからな……

 私は手のひらを返したように冷淡な態度を取る先生に腹を立て、コイツに見せ付けてやるんだと言う奇妙な闘志を燃やして、見え易いようにイスを引くと、スカートをダイタンに上げ、アシをだらしなく開いて白パンツが見えるようにしてやった。

ーーフフ、先生気付いたな。ホロホラ、見たいんだろ? 遠慮してないで、こないだみたいにガン見してみろよ、このエロ教師っ!

 うーむ。私ってやっぱり淫乱なんだろうか。でも命令されてイヤイヤやらされるより、どうせなら積極的にガバッと行った方が私らしいもの。そしたら真正面だけに、イヤでも目に入るであろう私のパンチラに先生も気付いたらしい。無関心を装っていても、時折どうしてもチラ見して来る様子がわかった。どんなもんだい! ところがそうなると今度は逆に、急激にハズカシサが込み上げて来ちゃったのである。女心は複雑だ。

ーーバ、バカ、そんなに見るなよ! ハミ毛してんのがバレるだろうが……うう、や、ヤバイ……めっちゃ、コウフンして来たぞ……

 先生は私のパンチラがわかっても決して注意はしないだろう。それをいいことに、私はノッコの追加命令である「オナニー」まで始めてしまった。

ーークリがこんなになってる!……ああ、す、スゴイよ、こんなの初めて……ああ〜っ!

 今朝ノッコにイタズラされてからずっと秘かに疼いてたイケないオマメちゃんはもうピンコ勃ちの状態で、ピチピチの彼女のパンツの薄い生地をプックリと押し上げていた。ソコを指でスリスリすると、いきなりドーンと快感の大波が押し寄せ、私はすぐに我を忘れてはしたない指遊びに夢中になる。ああ、いい! すごく気持ちいい。もう正面の先生の目も、後ろから見てる「ご主人様」とノッコの視線もどうでも良かった。

「アンッ!」

 何とあっと言う間に快感が弾けてしまった私は、その瞬間頭の中が真っ白になり、慌てて口を手で塞いだんだけど、ちょっとエッチな声が洩れてしまった。

「舞ちん、どうしたの? 顔が真っ赤だよ」
「い、いや、何でもない……」

ーーゲーッ! 気付かれてしまった……

 隣の席の女子に異変を指摘された私は、ますます紅生姜みたいにひどく赤面してしまう。ちなみにこの子以外周りは男子ばかりだ。何も言われないかも知れないけど、様子が変なことに勘付かれてるかも知れないと思うと、死ぬほどハズカシかった。

ーーまさか、オナってるとはバレてないよね……

 そう思うととてもいたたまれない気になったけど、私を注意した子はもう授業に集中してるみたいだったし、覚悟を決めてえっちなことを続けるよりなかった。だって「ご主人様」の命令は絶対なんだもの。

ーー舞ちん、1時間中オナっちゃうよ! や、ヤバイ、又気分が出て来た、すっごく気持ちいい……ああ、見て見て、舞ちんのオナニー、えっちでしょ? コウフンしない?……

 元はと言えば先生が私に手を出したのがイケないんだ。一度素晴らしいアクメに到達した私は思考が妙に女の子っぽくなってしまい、先生が見てると思うと心臓が爆発しそうなほどドキドキしながら、えっちな指遊びを続けたのだった。

「あ、あの、4回……」
「すごいね舞ちん。4回もイッタんだ……」

ーーノッコ! 「イッタ」なんて言わないで、ハズカシ過ぎる……

 スリル満点の授業中パンツ見せオナニーに完全にハマってしまった私は、もうメロメロになって脚をフラつかせながら何とかノッコの席にたどり着き、「ご主人様」も聞いてることを確認してイッチャッタ回数を報告した。幸いおべんとタイムで、他の子たちは仲良し同士机を引っ付けて食事をしてたから、このハズカシイ会話をはっきり聞いてたのは、1人ポツンと弁当を広げていた「ご主人様」だけだったようだ。それでも私は穴があったら入りたいような心境だった。

「トイレに行くわよ」
「ま、又あ〜?」

 思わず反抗するような口を利いてしまったが、大人しいノッコに手を引かれると従うよりない私、何だかいつもと関係が逆みたいだったけど、これでいいのだ。ノッコは「ご主人様」の代理なんだから。

「そこに立って、スカートを自分でめくりなさい。パンツが見えるまで」

 個室の中ですっかり命令口調になったノッコに、私は大人しく従う。するとしゃがみ込んだノッコは、ピチピチで私のワレメちゃんに食い込み状態の自分のパンツをチェックして来た。

「ビチョビチョだよ、舞ちん。アソコの毛も中身もスケちゃってる……」
「イヤ……」

 ノッコの手が無遠慮にヌレヌレで完全にスケてしまった白パンツを撫で回して来ても、両手でスカートをめくり上げて立つ私は動けなかった。本当に「性奴隷」になって「ご主人様」ノッコにかしづいているという、アブない錯覚を起こしそうだ。

ーーヤバいよ。私、だんだんこんなことにハマって来てる……

 そう自覚しても、大の仲良しであるノッコに服従すること自体は私にとって苦痛でなく、アブない甘美な興奮を喚起するだけでしかなかった。少なくても本当の「ご主人様」である、ストーカー男佐藤に服従させられるより、はるかに受け入れ易かった。佐藤がそこまで計算してこんな手の込んだことを仕掛けて来たのだとすれば、ヤツは天才だ。いや実際そうなのに違いない。何しろ、あのマジメっ子のノッコを、こんなエッチな「性奴隷」に堕として操っているのだから。

「そのままじっとしておきなさい。写真を撮るわ」
「そんな、ひどい……」
「ごめんね。でも、ご主人様から舞ちんのハズカシイ写真をたくさん撮るように命令されてるの」

 ノッコが顔までバッチリのパンチラ写真やら、濡れてスケたエロ過ぎパンツの接写までケイタイカメラで撮影していくと、私の絶望感は深まった。ますます脅迫に使われるエロ写真が増えて、逃げ場がなくなって来たわけだ。

「このパンツは没収よ。後でご主人様に献上するわ。さあ脱ぎなさい、舞ちん」
「い、イヤよ、許して、ノッコ……」
「命令に逆らうのね、罰を与えるわ。ブラも没収!」
「ああ……」

 オナニーでひどく汚してしまったパンツを佐藤に献上すると言うおぞましさに、つい口応えしてしまった私は、ブラジャーまで取られてしまうことになった。巨乳なので、コチラの方もひどくハズカシイ。案の定、私からブラを奪い取ったノッコはからかって来た。

「コウフンしてるのね、えっちな舞ちん。ムネのポッチリがわかるわよ。それにおっぱいがユサユサ揺れて、男の子たちは大喜びでしょうね」
「ハズカシイよ、ノッコ……」
「今日はノーパン、ノーブラで過ごすのよ、舞ちん。嬉しくてゾクゾクするでしょ」
「そんな……」

 この後ノーパンで濃い陰毛がモジャモジャのアソコまでモロに接写されて教室に戻ったのだけど、歩くだけで巨乳が揺れてメチャクチャにハズカシかった。

 その夜届いた「ご主人様」からのメールには、やはり今日1日私が経験したハズカシイことの全てが触れられていた。「性奴隷」であるノッコとの連絡が密なのだろう。

「君が汚したパンツを頂いた。シミが付いてひどく黄ばんでるぞ。今僕は舞ちんのおまんこのニオイが染み付いたパンツをかいでる所だ。うう、クサイ、ノッコよりもクサイぞ、これは……

 ノッコが献上した証拠のつもりか、そのパンツの黄ばんだシミの様子まで接写した写メまで送られて来た。私は佐藤がその汚いパンツのニオイをクンクンかいでいる姿を想像して、ブルッと悪寒が走った。さらにトイレで撮影された羞恥写真も送られて来て、脅迫のネタとして佐藤の手に渡ってしまったことも示された。

「復唱しろ。私は、授業中にパンツを見せながらオナニーして、何度もイッテしまう、淫乱な性奴隷です。私は……」

 復唱も何もその通りだったのだが、一言一句も見逃せない私は心の中でその言葉を復唱することによって、本当に自分が淫乱な性奴隷であると学習してしまうようだった。この後も、オシッコを見られると興奮します、だの、ノーブラで巨乳を揺さぶり男子に見せ付けるのが大好きです、だのとしつこく復唱文が届けられて、私はハズカシイことが大好きでコウフンしてしまう、ヘンタイでインランな女の子なんだと頭に叩き込まれた気分になった。こんなにしっかり復習していれば、おバカな私でも少しは数学が出来るようになってたに違いない、いや、マジで。

「今日から、ヘンタイでインランな舞ちんにふさわしいオナニーのやり方を伝授しよう。今日はクリムキのレッスンだ。まず、服を脱いでハダカになりなさい」

ーーオナニーのレッスンだって!? しかもハダカになれって……うう、ハズカシイ。でもコウフンしちゃう。私、ヘンタイでインランなんだもんね……

 夜ご主人様からのメールをドキドキワクワクしながら受け取っている私は、自分の部屋の中だ。わが家は部屋の中からカギを掛けることは出来ないから、スッポンポンになるのも結構ドキドキものの冒険だ。おかげでスリル満点でアブないコウフンを味わいながら全裸になった私は、次の指示を待った。

「ハダカになった証拠に写真を送りなさい」

ーーああ、又脅迫のネタが増えてしまう……

 そう思っても逆らえない私は、写メで全裸写真を「ご主人様」に送った。ハダカだとオナカがちょっとぷっくり膨らんでるのがハズカシかったりする。いいもん。私その代わりすっごい巨乳なんだから!

「ではアソコを開いて、クリトリスを探しなさい」

ーーヒイッ! ありました、ご主人様……

 ベッドに腰掛けアシを開いてアソコを覗き込みながら、女の子の唇を指でくつろげると、いきなりえっちなオツユがトロリと溢れて出た。部屋の中でハダカになった時点で、ドキドキと心臓が高鳴りひどく興奮しちゃってたのだ。自分のカラダながら改めてこうして眺めて見ると、とても卑猥だと思った。ワレメちゃんからえっち汁がこぼれてフトモモまで濡らすのを見、ますます興奮してしまう私はとってもイケない子。そして毎日イジってるからよく知ってるはずのビンカンなしこりは、唇の合わせ目付近にポッチリ頭をもたげてるのが確認出来た。もちろん、もうすでにコチコチで、触れたらすごく気持ちいいだろう。だけどバージンの私は、怖くてまだ指で直接タッチしたことはない。でもパンツの上からでもメチャクチャ感じてしまうのだから、直接では刺激が強過ぎるのではなかろうか。
「皮をかぶっているから、本体に触れないよう気を付けてめくりなさい」

ーーこ、これが「クリムキ」か……す、すっごい刺激的……

「ご主人様」の指示に従い細かい作業に没頭した私は、何とか包皮をどけることに成功し、それだけで強烈な感覚を覚えるのに怯えてしまった。まるで触れてはいけない爆弾の導火線でも弄っているような気持ちだ。

「クリをムイたら、写真を撮って送りなさい」

ーーああっ!

 私は叫びたくなる程すさまじいコウフンに見舞われながら、これ以上はないと思われるくらい卑猥な写メを送った。こんなとんどもないことを、カワイイ(かどうかは知らないけどさ)娘が1つ屋根の下でやっているのを、パパやママに知られたら、と思うと、猛烈な罪悪感を覚えたけど、それが又かえってイケないコウフンをあおるのだから、どうしようもない。そして「ご主人様」の返信は、ますます私のコウフンを募らせた。

「舞ちんのクリはデカいな。しょっちゅうイジってるからだろう」

ーーああ、その通りです、ご主人様。舞ちん、毎晩オナっちゃうエッチな子なの……

「ではクリの皮をムイたりかぶせたりしなさい。百まで数えてあげるから、合わせてやるんだよ。1……2……3……」

 ケイタイを片手にカウントを見つめ、もう片手で「クリムキ」行為をやってると、すぐにとてもエロチックな気分になった。だけどカウントは嫌になるくらいゆっくりで、そのうち私の頭の中にはしたない考えが芽生えて来る。

ーーああ……焦れったい、もっと速く!……クリちゃんを直にイジりたい……

 そしてようやく百カウントが満了すると、まるでそんな私のイケない願望を見透かしたような命令を「ご主人様」は下さった。

「……100。では皮をムイたまま、本体に指で軽くタッチしなさい」
「ああっ!」

 今度は実際に声が出てしまった。それくらい直接タッチの刺激は強烈だったのだ。だがそれは、恐れていた苦痛の感覚だけではなかった。

「次は軽く指で摘みなさい」
「ウウンッッ!!」
「痛くないか、摘んでみた感想をメールで送りなさい」
「……ちょっと痛いけど、すごくキモチイイです、ご主人様」
「では次に、カウントに合わせて皮をムイたらキュッと摘みなさい。はい、1……2……3……」

 うう。確かこれは「イタギモ」って言うんだよね? 皮をムイたクリちゃんを指で直に摘むのは、すごく痛いのにとても気持ち良かった。

ーー私ってマゾだったんだ……

 自分はハズカシイことが大好きでコウフンしてしまう子なんだと心に刷り込まれていた私は、さらに痛いことも気持ち良く感じてしまうことによって、そう思ってしまった。だって、ハズカシイことや痛いことを歓んじゃうのを、マゾって言うんだよね?

 そう納得してしまうと、カウントに合わせてクリをムき、本体を摘むと言う淫靡な行為がとてつもなく気持ち良くなってしまい、マジでヤバくなって来た。

「……50……51……52……」
「だ、ダメ! いくう〜っ!」

 まだカウントは半分残ってるのに、私何回イッチャウんだろう……

「……100。よし、今日のレッスンは終了だ。しっかり復習しとくんだぞ。では復唱しろ。今からクリムキオナニーの復習をして、たくさんイキます。今から……明日もノッコにパンツを見せて、オナニーでイッた回数を報告します。明日も……明日やることはノッコに伝えておくから、彼女の命令に従え。 Bye!」

 こうして次の日からも同じようなエッチな命令をこなす日々が続いた。夜になると、処女なのにアソコに軽く指を含ませたり、オシリノアナをイジったりする新しいオナニー方法を伝授され、卑猥な接写写真を送らされた。翌日は「ご主人様」佐藤の見ている前で、ノッコにはいてるパンツを見せ、夜オナニーで気をやった回数を報告することに始まり、トイレや授業中にさまざまな恥辱行為を強要された。一緒に入るトイレの個室の中でのノッコとのレズビアンまがいプレイや、授業中のSMチックなプレイはどんどんエスカレートしていった。

 ノッコとは、「ご主人様」に教えられた嫌らしいやり方でのオナニーを見せ合ったり、えっちなシミ付きパンツを交換したり、オシッコを見せたら相手が後始末をしてあげるようになった。特にオシッコの残りを全部舌でナメてキレイにしてあげるプレイは強烈だった。アブないことをしてると言うコウフンで、まるでアソコがトロケちゃうんじゃないかと思うくらい気持ち良く、私もノッコも声を張り上げてよがりまくっちゃうもんだから、外に聞こえやしないかと心配になるくらいである。

 授業中は先生にパンツやブラを見せたり、指でスリスリオナっちゃうくらいはカワイイもので、途中でノッコに汚れた下着を没収され、後はノーブラノーパンで過ごすのが日常になった。スカートも先生の目を盗んで、出来る限りの超ミニだ。ノーパンがバレそうな超ミニと言う犯罪的にヤバイ格好は凄まじく刺激的で、私がいつもアソコからオツユを溢れさせているのは言うまでもない。

 そしてそんな発情した私のカラダを慰めるため、乳首やムキぐせを付けられたクリちゃんに当てたり、アナルに入れちゃうローターが装着されるようになった。私だけではない。何とノッコも同じローターを装着させられているのだ。これは超強力なリモコンで動くので、最後尾の座席の「ご主人様」佐藤が持ってると思われるコントローラーによって与えられるメチャクチャ気持ち良いブルブルで、私は授業中最低1回は必ずイカされてしまう辱めに合っている。ノッコも同じブルブルに責められて悶絶してるんだろうと思うと、初め特にアナルに強く感じていた嫌悪感は次第に薄まり、いつしかマジで気持ち良過ぎて授業中に一瞬意識が飛んでしまうくらい強烈なアクメを覚えるようになってしまった。そんな時私は(ノッコ! 舞ちん、イッチャウ!)と一緒に辱めを受けている親友の顔を思い浮かべるのだ。サイテー男佐藤のメガネヅラなどよりずっと良い。仲良しの女の子2人を同時に責めるなんて、やはりコイツのやり方は天才的だと認めざるを得ない。
 
 それまでで最悪の猛烈にハズカシイ「事件」が起こったのは、週末を控えた金曜のことだった。昼下がりの5時間目、奇しくも江島先生の数学の授業である。どうした風の吹き回しか、こんなことになってから初めて当てられ、黒板の前に出て問題を解くことになった。しかもノッコも同時に指名され、他の数名の生徒たちと並んで答を書くのである。ノッコとは隣り合わせだったけど、これでは佐藤の絶好の餌食ではないか。恐ろしいローターが動く前に一刻も早く答を書いて難を逃れなくては。幸い、と言うべきか、私が当たったのは恐らく中学生でも解けそうな基本題である。先生が私を気遣ったのだろうが、さすがに易し過ぎだ。お前、バカにしてるだろ、絶対!

 だけど黒板に進み、一段高い教壇の上に立った私は強要されているミニスカのあまりの短さに愕然とした。しかも昼休みにノッコに下着を没収されたからノーパンなのである。私は片手で何とかオシリの辺りを押さえ、隣のノッコに(ハズカシイよ〜)とSOSのつもりで視線を送った。ところが彼女は、(メッ!)と私を叱るような目付きで、私の手を払っちゃったのだ。どうも隠しちゃいけないらしい。私は泣きたくなったけど、ノッコは「ご主人様」の代理なので逆らうわけにはいかず、私は仕方なく生の桃尻が丸見えになる寸前の超アブない姿をクラスメイトたちの視線に晒すことになった。みんなの視線が私の下半身に集中するのが痛いほど感じられ、露出したムチムチの生アシがヤバいほどガタガタ慄えてしまう。

ーーウィーン……
ーーヒエ〜ッ!

 そして黒板にチョークを当てようとした瞬間、2つのチクビのローターが同時に動き始めた。あーん。これが露出のカイカンと言うものか、いつもより数段鋭い感覚がゾクゾクと込み上げて来た私はすっかりうろたえてしまって、ノーブラのムネをユサユサと揺さぶってしまう。ふと横を見ると、マジメっ子で成績も良いノッコは難しそうな問題をタンタンとチョークを鳴らし解いているようだ。でも彼女の色白な顔もうっすらと火照り、ちょっと膨らんだ鼻の頭に汗をかいていて、彼女もやっぱりチクビのカイカンと戦ってるのだと思うと、ますます巨乳がキュンとなった。ノッコはブラも着けてるし、普通のスカートだから目立たないけど。

 参った、スッゲー気持ち良くてバカな頭がますます回らなくなり、簡単な問題のはずなのになかなか解けないのだ。このままではたぶん、もっとハズカシくて辛い場所のローターが動いてしまう。何とかしなくては思っても、チュークを持つ手がワナワナと慄え始め、ますます動いてくれなくなった。

ーーそ、ソコ、ダメッ! 許してえ〜っ!

 ついに来た。女の子の一番弱い急所のオマメちゃんへのブルブルだ。全身に打ち響くような強烈なカイカンの大波に襲われた私の頭はカラッポになってチョークを持つ手は固まり、大きなムネとオシリを見せ付けるようにグイグイ揺さぶってたと思う。ノーパンもバレちゃったかな? 私がインランでヘンタイな女の子であることが、クラス中に知られちゃったわけだ。等とぼんやり考えてたら、何と、隣でスラスラ問題を解いてたはずのノッコがチョークをポトリと取り落とし、ウッと下腹部を押えてしゃがみ込んでいた。

「どうした、吉岡っ!」
「だ、大丈夫です。急にちょっとめまいが……」

 そうだった。ノッコはクリちゃんの感度が、私以上に発達しちゃってる子なのだ。トイレでアソコのナメっこをしてるから、お互いの感じるトコなんかは良くわかっている。彼女も「ご主人様」の命令でしっかりクリ包皮をめくってローターを密着させてるはずだから、きっとたまったもんじゃなかったろう。でもおかげで私は注目されずにすんだし、クリローターの刺激はスッと消えて助かった。それに「急にめまいが……」なんて言い訳は、貧血っぽい色白スレンダー美人のノッコだから通用すると思った。私が言ったら、冗談はよせ、と笑われそうだ。

 だけどまだ難は終わっちゃいない。ノッコも立ち上がり私と一緒に黒板に向かうと、止まってたチクビとクリのローターが一斉に微振動を始めて来た。ずっと軽い振動だったから取り乱さずにすんだけど、全くしつこい野郎だ。それに……

ーーアナルはやめろよ! この、サイテー野郎……

 相手は「ご主人様」なのに、パニックになりそうな私は心の中で毒づいた。実は私、ノッコがクリに弱い以上に、羞ずかしいアナルがめちゃくちゃに弱い困った体質なのだ。ああ、だけど。隣のノッコはすぐに立ち直ってもうすぐ問題を解き終えそうだが、私の方はもう少し掛かりそう。おまけに弱い振動でも、チクビとムケクリのブルブルが又もや良くなって来てしまった。これはヤバイ。(あーん、ノッコ! 助けてよ)と思った時、とうとうオシリに恐怖のブルブルがやって来て惨劇が起こったのだ。

「舞ちんっ!」
「花田、どうしたっ!」

 やっぱりダメだった。残酷な「ご主人様」は、あろうことか目一杯のレベルと思われる強力なバイブレーションをアナルに見舞って来たのだ。私はあっと言う間にチョークを取り落として「イク」と言いそうになった口を手で塞ぎ、もう片手でノーパンのオシリを押えてうずくまっていた。心配して駆け寄ってくれたノッコや先生の方を見る余裕すらなく、頭の中が真っ白になっていた。それだけではない。

ーージョ〜ッ!

 何と私はその場で感極まって、オシッコまで洩らしてしまったのだ。ノーパンで露出したフトモモを滴り落ちる生暖かい液体の感触だけを記憶して、私はショックでしばらくその後の記憶が飛んでしまった。 

「エーン、ハズカシイよ、ノッコ」

 気が付いたら保健室のベッドで寝かされ、付き添いで来ていたノッコにそう泣き言を述べていた私。

「私、もうみんなに合わせる顔がないよ」

 そりゃそうだ。あんな超ミニスカでノーパンだったこともバレちゃったろうし、何と言ってもアナルでイッチャッタ直後に失禁までしてしまったのがヤバ過ぎる。

 ところがノッコは妙に自信ありげに励ましてくれた。

「舞ちんなら大丈夫だよ! みんな舞ちんのこと、大好きだし」
「そうかなあ?」

 それとこれとは別問題と思うんだけど。

「それにみんな舞ちんが下痢だったって知ってるし。体調不良だったのを笑ったりしないわよ」
「マジで?」
「気にすることなんかないって、ホントに」

 ゲリでおしっこはしない気もするのだが、大人しいノッコがガッツポーズまで作って、ダイジョーブと言ってくれたので、気分屋の私はずいぶん気が楽になった。

「気分良くなったー? だったら、吉岡さんはもう授業に戻りなさい」
「あ、はい、わかりました」

 どうやら6時間目が始まってるらしく、あんまりやる気のなさそうな年配の養護の先生が何やらパソコンを打ちながら、そう声を掛けて来た。するとノッコはとんでもない行動に出たのである。ガチャリ!

ーーノッコ! う、うそ!? 何で手錠なんか嵌めるのよ!

 ブイーン!

ーーああ、ローターまで……音が聞こえちゃったらどうすんのよ。それに……オシリだけはカンベンしてよおっ!

 何とノッコは無言で私の両手を背中で束ねて手錠掛けし、しかもローターを全部軽く動かして来たのだ。ニカッと笑ったノッコはローターをチラッと見せて、自分だけカラダから外してしまったことを示していた。何てズルイんだ……そして私の背中の下にコントローラーを入れて隠し、分厚い布団を改めて掛け直したノッコは、放課後まで大人しく寝ててね、と言い残して保健室を出て行っちゃったのだ。

 こうして部屋にはベッドに寝かされた私と、少し離れた机に座った養護の先生だけになった。万一先生がこの布団をどけて私のカラダを見ちゃったら、と思うと心臓が爆発しそうなくらいドキドキしてしまう。それに4つのローターのモーター音は、耳を澄ませば聞こえちゃいそうだ。

 下手に動いて先生に不審に思われてはいけないと思った私は、ゆっくり慎重にカラダを動かそうとしたが、手錠はガッチリ掛かっててどうにもならない。チクビのローターはうつ伏せになって下に擦れ付けたら外れそうだったが、バレるのが怖くてそんな大きな動きはとても出来やしない。さらに包皮をムイちゃったクリちゃんに当たるローターとアナルにズブリと刺さったローターに至っては、どんなにアシをギュッとよじり合わせたりもがいてみたところで、絶対に外れてくれそうになかった。それどころか。

ーーや、ヤバイ! 下手に動いたら擦れて良くなって来ちまった……あ、あ、あ、ダメだよ〜っ!

 たぶん一番弱い振動と思われるローターで、まだくすぐったい程度だったのに、外そうと腰をよじったりしてると余計な刺激が加わり、妙な気持ちになって来ちゃったのだ。おまけにコントローラーに当たってスイッチが上がってしまったぽく、にわかに振動も強まって来た。慌てて無駄なあがきをやめ、アシを少し開いてじっとしておこうと思ったんだけど時すでに遅し。自分の指で剥いてしまった鋭敏なクリちゃんにピトリと密着したローターからは、つま先が反り返っちゃうほど心地良い調べがツーンツーンと響き渡って来る。そして私の泣き所のオシリノアナと来たら。もう泣きじゃくりたくなるくらい気持ち良くて、ブイーンと慄えてる円筒を交わそうとアナルの力を緩めても逆に食い締めてみてもどうにもならず、私はチクビを含めた三所責めで、完全にメロメロになって来た。

「あら、又凄い汗ね」

ーー先生、来ないでっ!

 いつの間にか私の額が大粒の汗でビッショリになってることに気付いてしまった養護の先生がやって来て、これで拭きなさいとハンカチを渡そうとする。私は手を出そうにも手錠が掛かってビクともせず、それを知られるわけにもいかないと言う大ピンチだ。おまけに先生が近寄って来たと言う緊張感で、チクビからクリから、そしてアナルから、より一層強烈に心地良い戦慄が込み上げて来て、私はとうとうエッチに呻いてしまったのだ。

「ああ……ううっ!」
「そんなに具合が悪いの?」

ーー先生、ダメ! 触わっちゃイヤ! ああ〜っっ!!

「うふうん〜っっ!!」

 ハンカチを持つ先生の手がひたいに当てがわれた瞬間、凄まじい緊張感の中、私は何とアクメに昇り詰めてしまった。まさか、イク、なんて言葉を発するわけにはいかず、何とか淫らな鼻声を洩らすだけでごまかしたんだけど、それは教室でみんなに見られながら黒板の前で絶頂の恥を晒してしまった時をさらに上回る、もう言葉にならないほどの強烈なエクスタシーで、私は悪い病気でうなされているようなフリをしていたが、頭の中がトロトロになって何も考えられなかった。何か聞かれたけどまともに口を利くことも出来ず、動くことも出来ない私を見た養護の先生は、諦めて放っといてくれたので助かったんだけど、相変わらず動き続けているローターの刺激からは一瞬たりとも逃れることは出来ない。放課後ノッコが迎えに来てくれるまでに、私はさらに2階気をやらされてグウの音も出ないほど打ちのめされた気分になっていた。

「うふふ、縛られてローター責めがすっかりお気に入りみたいじゃない、舞ちん。もうビチョビチョよ」
「ノッコ、も、もう、許して……手を解いて」
「ダーメ! ご主人様から今日はずっと手錠を嵌めとけ、って言うご命令よ」
「う、ウソお〜!」

 ノッコは何と手錠を外してくれなかった。フラフラになった私をベッドから抱きかかえるようにすると、そのまま手錠の部分を隠すようにして一緒に保健室を出ていくことになったのだ。養護の先生を初め、廊下に出て他の生徒に手錠がバレやしないかと思うと、私はほとんどパニックに陥ったけど、ノッコはどんどん歩いていき、私は又一緒にトイレの個室に連れ込まれたのだ。そうして便座の上に座らされた私の、ノーパンの股間をまさぐったノッコはまだ動いていたローターの存在と、ヌレヌレのアソコを確かめるとそんなひどい言葉を掛けて来た。

「保健室で何回気をやったのか、答えなさい」
「……3回」
「道理でそんなにフトモモまで濡らしてたわけね。又お洩らししたのかと思ったわ」
「言わないで……ああ、ノッコお〜」
「ねえ舞ちん。そろそろその呼び方も変えてもらおうかしら」
「えっ!?」
「学校では、私がご主人様。だから、そうお呼びなさい」

ーーノッコの目が怖い。狂ってるみたい……

 保健室で手錠を掛けて来たときから、もうノッコは私の親友で大人しい色白美人のマジメっ子ではなくなっていた。そして今2人切りのトイレの個室で、上から私のミニスカの中を覗き込んで来る彼女の目には、悪いものに取り憑かれたようなアブない色が伺えて、私はゾクッとしてしまった。だが、同時に私の全身に名状のし難い興奮が込み上げて来て、自然とその言葉が口を付いていた。


「ご主人様」
「なあに、舞ちん。言いたいことがあれば、おっしゃいなさい」

 口調まで完全に「ご主人様」と化したノッコに、私は素直に羞ずかしい窮状を訴えた。

「あ、あの、ローターを外してくれませんか」
「どうして?」
「ま、又イキそうなんです……」
「あらまあ、欲張りやさんだこと」

 ノッコはコントローラを動かして微振動に戻してくれたけど、やっぱりローターを外してはくれなかった。

「これでガマン出来るわね」
「イヤッ! もうイヤなの、止めてくださいっ!」
「うるさいっ!」

 バシイッ!

ーーノッコ!? 信じられない…… 

 何と、あの大人しく虫も殺さないおしとやかなノッコが私の頬を平手打ちして来たのだ。大して痛くはなかったけど、変わり果ててしまった親友の姿に大きなショックを受けた私は言葉を失い、狂ってしまった彼女にはもう逆らえない心理状態に陥った。そう。正に「ご主人様」と「奴隷」の関係である。

「今日は部活を休みなさい」
「はい」

 もう精神的にも肉体的にもボロボロだった私は、とても部活に出るような状態ではなかったから素直にそう答えた。だけど、次のノッコの信じられない言葉に私は愕然とした。

「私が部活終わるまで、舞ちんはここで待っててね」
「て、手錠は……」
「掛けたままに決まってるじゃない。ついでにスッパダカにしてあげるわ。どMな舞ちんにふさわしいお仕置きよ。嬉しいでしょ?」
「やめてっ!」
「口応えするんじゃないのよっ!」

 ノッコの手が私の制服に掛かると、たまらず拒絶の悲鳴を上げた私の頬にさらに何発も平手打ちが炸裂し、ついに大人しくなってしまった私は、あっと言う間にノッコの手で全裸に剥かれていた。そして持っていた大きな袋に私の衣服を入れてしまったノッコは、いろんないかがわしいグッズを取り出して来たのである。

「ご主人様からどMの舞ちんを歓ばせる道具を沢山預かって来たわ」

ーー手錠とローターで十分過ぎだよ……

 この上さらにまだ嫌らしい道具が使われるのかと怯える私を尻目に、ノッコはどんどんその「私を歓ばせる道具」を使って来た。まずはまるで犬のような革製の首輪が嵌められ、チェーンで水道の蛇口に括られる。そしてゴーグルのような頑丈な目隠しをされると、視界を完全に奪われた私は、不安で歯の根も合わないほどガタガタ慄えながら、親友に声を掛けた。

「ノ、ノッコ、怖いよ……」

 バシイッ!

「口の利き方がなってない!」
「ご、ご主人、様……」
「便座をまたぐように、大きくアシを広げなさい」
「そんな……」

 バシイッ!

 口の利き方が悪かったり、逆らうそぶりを見せただけで炸裂する平手打ち。私は仕方なく、言われた通り大きく脚を広げる。するとノッコは私の両膝に突っ張りポールのようなつっかえ棒を固定して、脚を閉じることが出来なくしてしまった。

「開脚棒って言うんだって。ふふ、舞ちんの嫌らしいおまんこがバッチリ丸見えよ」

ーーああっ! も、もう、ダメ……

 ノッコの視線を痛いほど感じる女の子の部分や、羞ずかしいアナルまでカーッとひどく熱くなり、ローターの美振動がたまらなく気持ち良くなって来た。そしてノッコの手が、その小刻みに慄える円筒に触れて来る。

「アンッ!」
「気持ちいいのね、舞ちん。あなたが凄く感じてしまう、この場所の名前を言ってごらんなさい」
「ク、クリトリス」
「まあ、イヤラシイ。じゃ、ココは」
「……」

 バシイッ!

「オシリノアナです、ご主人様……」
「ここは何をする所なの?」
「う、うんちをする所です」
「まあ、そんな汚い所まで感じちゃうのね?」
「……」

 バシイッ

「正直に言うのよ!」
「感じます……」
「どこが?」
「お、オシリノ、アナ」
「やっぱりヘンタイだったのね、舞ちんって。ホラホラ、気持ちいいの?」
「キモチイイ……」

 羞ずかしいアナルに刺さって、ブイーンと秘かに動いてるローターをノッコの手で揺さぶられた私は、たまらず素直に快感を口にして、どんどん付き上げて来る黒い歓びに打ちのめされていた。そしてその部分がどこよりも良く感じてしまう淫乱で変態な女の子であることを告白させられた私の体から、なぜかアナル以外のローターが外され、ノッコが言う。

「これで舞ちんの大きなおっぱいも、えっちなおまんこもパックリ丸見えよ。ご主人様も喜んで下さるわ」
「ご主人様って……」
「ここにはご主人様と私しか入れないよう、ドア故障中とでも貼紙をしておくわ」

 ノッコは私の疑問に直接答えず、そんなことを言った。

ーーいよいよ、佐藤に直接手を出されるのか……

 これまで真の「ご主人様」であるストーカー男佐藤は、メールで脅迫したり嫌らしい命令を下して来ただけだ。学校ではまるで無関係な様子を装い、一足先に性奴隷に堕としてしまったノッコを操って、私に淫らなひどい仕打ちを加えさせ、自分は授業中に私の痴態を眺めながらチンコを弄って楽しむという、ストーカーらしい陰湿な楽しみに徹して来た。だが、とうとうこんな凄まじくえっちで無防備な格好に拘束された私に、いよいよヤツが直接その汚らわしい手を伸ばして来る、というわけだ。いかにも気弱で、女の子と1対1では口も利けないような佐藤だけど、これだけ入念に下準備をされては、私も観念するよりなかった。悔しいけど佐藤の完全勝利である。

「舞ちんは今日、正式にご主人様の奴隷にして頂くのよ」

 ノッコは私の考えを裏付けるような言葉を残すと、ビンタが怖くて何も言えなくなった私を残し出て行ってしまた。後に残された私は、もう凄まじいスリルと興奮で頭の中は完全にパニックである。ノッコはあんなことを言ったけど、誰かが不審に思ってドアを開けちゃったら? 中には裸の女の子が世にも羞ずかしい大股開きで拘束されているのだ。今度こそ本当に身の破滅ではないか。

 私は初め、パニクった頭で何とか逃げられないかともがいたんだけど、すぐにどうにもならないことが身に染みえてわかった。両手も両脚もガッチリ拘束されてて、逃げるどころか羞ずかしいオマンコ丸出しの格好を崩すことすら不可能なのだ。さらに頭を動かすとチェーンが張って首輪がキリキリと締め付けて、どうにもならない絶望感を煽った。そして手も使えずほとんど身動きが取れないのでは目隠しを外す術もなく、まもなく徒労感から私はじっとして時を過ごすよりない諦めの心境になった。

ーーうう、い、イヤ、オシリが……

 そしてパニックが少し治まって来ると、今度は唯一残されたアナルのローターがブイーンと刺激を加えて来るのが私を悩ませた。大したことのない一番弱いレベルの振動のはずなのに、いつの間にかとても無視出来ない嫌らしい快感がヒタヒタと背筋を這い上がって来るのだ。そしてハッと気付くと、チクビとクリちゃんはまるで全身のえっちな血が集まって来たかと錯覚を覚えるほど固く大きく膨らみ、ズキンズキンと脈動してるのがわかった。もしローターが貼られたままだったら、一たまりもなくハジけちゃったに違いない。

ーーああ、こ、こんなのって……ダメ、私、えっちしたがっちゃってる……

 どうしようもない絶望感と頭のおかしくなりそうな強烈な羞恥の中で、私はアナルのローターだけで軽く刺激を加えて放置されたやり方の嫌らしい意図がわかって慄然とした。私がメチャクチャに弱いオシリノアナから全身がトロトロになりそうな心地良い戦慄が込み上げて来るのだが、こんな軽い刺激では絶対にアクメに到達するなんて出来ない。これは正に生殺しだ。ズキズキと恐ろしく疼いているオッパイやアソコを弄られたら、どんなに気持ち良いだろう。「淫乱で変態でどM」だと、佐藤に繰り返しそうしつこく教育された言葉が真実であったことを今こそ悟った私は、ついにおぞましくて我慢出来ないはずの彼の手が触れてくれることを心待ちにする心境に陥ったのだ。

ーーご主人様! えっちな舞ちんのおっぱいをモミモミして下さい! クリちゃんをコロコロ弄って、アソコの入口をクチュクチュして、アナルだってもっとイジめて下さい! 私はもうあなたの性奴隷です……

 目隠しされて時の経過がわからず、永遠にも思われた長い時間が流れ、ついに個室のドアが開けられた。外気がわずかに感じられ、「ご主人様」らしき人の気配に私は一気に緊張したが、もうこの時には最後の覚悟が出来ていた。そう、私はこの人の「性奴隷」に堕とされるのだ。

「ご主人様」は全く無言のまま、しばらく時が流れる。きっと全てを晒け出した私の嫌らしい部分を見つめて下さっているのだろう。すでにウズウズと完全に発情状態だった箇所が、視線を感じてますます激しくドクドクと脈動し、体の芯からカーッと凄まじく熱いものが込み上げて来た。この人が「ご主人様」ではない、別の人だったら? という考えも頭の隅をかすめたが、そんなアブない考えすらも私の興奮を天井知らずに高めるスパイスになるばかりだった。

「アンッッ!!」

「ご主人様」とおぼしき人にソッとチクビを摘まれただけで、私の口からはイヤになるくらい色っぽい悲鳴が洩れていた。ハズカし過ぎる超ビンカンな反応だけど、もう自分の意思ではどうにもならなかった。まるで摘まれたチクビから、水道の蛇口みたいに体中に積もっていた欲情が流れ出していく気がして、私は不自由な全身をワナワナと慄わせた。さらに反対側のチクビも摘まれ、乳房を柔らかく手で包まれると、その慄えはどんどん大きくなる。そして両乳を揉まれながら、チクビをチューッと吸われた瞬間、私はイクウッ! と激しく気をやっていた。間髪を入れず反対側のチクビを吸われても同じ反応。いや快感のレベルはさらに上がり、私は体中がバラバラになりそうな強烈極まりない絶頂に見舞われていた。乳房を軽くイジられただけで、こんなに激しく2連続で極めてしまうなんて信じられない感じ易さで、私の体は壊れた機械みたいだった。

 続いてアッサリ乳房から手を離した「ご主人様」は、すでにひどい発情状態でえっちなオツユが内腿まで滴り落ちていたアソコを覗き込んで来た。その気配を感じただけで、異常に固まっていたクリちゃんはさらにググッとそそり勃ち、アソコの中からドクンと新たな果汁が溢れ出る。無言を貫いたまま手を伸ばして来た「ご主人様」は女の子の扱いに慣れているようで、上手にクリちゃんをイジり、唇で吸い、アソコの中まで軽く含ませた指でクチクチュとかきまぜてもらった私は、あっと言う間に何度も何度も極めてしまった。もう私はアンアンとよがり声も全開で、あまり歓び過ぎてドッと吐き出した液体を「ご主人様」に掛けてしまったと思う。 

 こうして性の歓びで全身をトロトロに蕩かされ、思考能力も桃色に霞む私の目隠しに手が掛けられた。いよいよ「ご主人様」との対面だ。

「ノッコ!?」

 佐藤の眼鏡ヅラを想像していた私は一瞬の驚きの後、全てを理解して深い喜びに包まれた。涙がドッと溢れ出して、泣き笑いで美形とは言い難い顔はぐしゃぐしゃになっていただろう。

「今日から舞ちんは、私のかわいい性奴隷になるのよ。佐藤なんか関係ないわ。さあ、ご主人様とお呼びなさい」
「ご主人、さま……」

 あの、おぞましいサイテー男佐藤に言わねばならないと悲壮な覚悟をしていた言葉を、目の前に立つ親友であり、長身で色白の美少女ノッコに対して口にする感激で、私の声はひどく慄えた。それから無言で唇を重ねて来た「ご主人様」の求めに応じて甘美な時間を味わった私。どのくらい愛を確かめ合っていただろうか。長々と熱烈な口づけを交わした後で「ご主人様」は確かめるようにおっしゃった。

「舞ちんは今からずっと私の奴隷だよ」
「はい、ご主人様」
「では私からプレゼントをあげるわ。飲めるかしら、私のオシッコ」

 これまでトイレの後始末を互いの口でし合ったことはあるけれど、もちろん飲んだことなど一度もない。でも私はためらいなくこう口にした。

「はい、飲ませて頂きます」
「口をお開けなさい」

 目を閉じ、上を向いてアーンと大きく開けた私の口の中に、「ご主人様」はジョーッと「聖水」を注いで下さった。それは口にたまるのが飲むより早くて溢れてしまい、辺り一面に狙いを外れた液体も飛び散って悲惨な状態になったけど、私は幸せに包まれていた。

 その後、私の両脚を自由にした「ご主人様」は全裸で手錠と首輪の嵌った私に季節外れの大きなコートを羽織らせると、首輪をチェーンで引いて個室の外へと私を誘った。校内にはもうほとんど誰もいないようだったけど、スリルと興奮と「ご主人様」に服従する歓びではち切れそうな私は、火照った体を彼女に預けるようにして寄り添い、廊下を歩いた。ふと窓の外を見ると小雨。歩きながら「ご主人様」は語り掛けて下さった。

「あの日もこんな雨だったわね」
「はい、ご主人様」
「アンタのブサネコの傘に入ってこうか」
「ありがとうございます」

 こうして相合傘で人通りもまばらな小雨の夜の通学路を寄り添って歩く2人の女子高生は、時折通りすがる人の目にはどう映っただろうか。1人は長身で制服をキチンと着こなした絵になる美少女だけど、一緒に歩いている小柄な女の子は大きなコートを羽織っただけで中は全裸と言う、とんでもない格好なのだ。一応隠してくれてたけど、よく見れば手錠や首輪だってバレちゃってたかも知れない。「ご主人様」ノッコは道すがら、全てを打ち明けてくれた。佐藤に関するストーカー話は全部彼女の作り話。私にただの女友達として以上の好意を抱いていたノッコは、私と先生とのいかがわしい関係に気付いて「ストーカー」を始めたのだ。そしてついに決定的な写真の盗撮に成功した彼女は、こんな大掛かりなお芝居を演出して、私を望み通りのレズ奴隷に仕上げてしまったのだ。

「ああっ!」

 そして例の公園の入口に差し掛かった時、堪えていたものが一気にハジけてしまった私は、「ご主人様」の足元にそう呻いてうずくまった。

「アナルでイッタのね」
「はい」
「ハズカシイ子」

「ご主人様」は、何事かと集まって来た人たちを、大丈夫です、と制して私を立たせ、人が散ってしまってから首輪を引いて、まばらな街灯だけで薄暗い公園の中へと入って行った。

「さ、誰も見てないわ。犬になるのよ、舞ちん」

 そんな言葉と同時に、バッと私を隠していたコートを奪ってしまった「ご主人様」。そして手錠を外された私は、雨でぬかるんだ地面を四つ足で歩くようにと押し倒された。

「お散歩よ、舞ちん」

ーー信じられない……ああ、でも、何これ!? 私、もう、もう……

 人目がないとは言え、公園をスッパダカの犬となって歩くと言う気の狂いそうな羞恥が私の胸をグッと締め付けるが、同時に覚えてしまったおぞましくも甘美な陶酔は、私の本格的な「どM」の目覚めだったのだろうか。まるで泥だらけの白豚みたいに汚れながら、ぬかるんだ地面を四つ足で歩く私は、自分がもう引き返せないアブない世界へと転げ落ちていく恐怖を味わいながら、絶対者となった「ご主人様」ノッコに首輪を引かれる歓びがそれを凌駕していく自分を諦観していた。アナルから再び突き上げて来た黒い歓びも、私を貶め正常な理性を破壊する。羞じらいも慎みも全てなくして「淫乱で変態でどM」な私へと変貌していくのは、まるで本当の自分に回帰していくような痛切な歓びに満ちていた。

「あなたが私からのラブレターを捨てたごみ箱よ。オシッコを引っ掛けなさい、舞ちん」 

「ご主人様」ノッコに片脚を持ち上げられて、犬のようにシャーッと小用を始めた私は、それが正常な世界との決別を象徴する行為であるかのように深い陶酔に包まれながら、いつまでもいつまでもごみ箱を汚し続けるのだった。

〜おしまい〜  


<完>